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随筆紹介  「新婚さんいらっしゃい」が受けるわけ    文科系

2018年10月24日 11時25分14秒 | 文芸作品
 「新婚さんいらっしゃい」が受けるわけ  K・Yさんの作品です


 四十八年目に入った最長不倒記録の番組がある。桂文枝と山瀬まみが司会の「新婚さんいらっしゃい」です。「きっかけは」と文枝が問いかけると、新婚さんは、甘い過去を喋り始める。ここからスタートする。視聴率も高く、国民的番組となっている。なぜ日本の人々にこれほど愛され受けるのか。長年に渡り日本人を魅惑させる。いったいそれは何か。

 この番組のユニークさは、結婚カップルの秘話の露出にある。しかも本人が自ら話し始める。きわどいトークが若い二人から飛び出してくる。「この人で十人目。一番良かった」と。男女間は化かし合うのが世間だが、ここではアケスケである。
 事実は小説より奇なり。だから面白い。新婚ほやほやのカップルが、この時はまさに主人公。でも客観的には、タデ食う虫も好き好き、割れ鍋に綴じ蓋というケースが多い。熱々の二人だから有頂天で、暴走あり、思い上がりあり、見ていてハラハラで楽しさが二倍にも、三倍にも広がります。カップルのそれぞれドラマがある。様々な出会い、好み、ストーリーがある。大半がハッピーで、喜劇的だから笑える。
 この時間は内緒話しのオンパレード。キスはいつ、結ばれたのはいつ、どこでと、二人の関係を赤裸々にあかす。司会の文枝が根掘り葉掘り聞く。ツッコミが絶妙。冷やかしたり、けなす。大いに茶化す。新婚の二人は大真面目に説明する。この落差が笑いを呼ぶ。
 なぜ視聴率が高いのか。自分には恥ずかしくて出来ないことを二人はやっている。その度胸にまず驚く。熱々のカップルが勢いに任せ、普段はロにしない初キスを、初体験をズバリ話す。奥ゆかしさの反対、露出趣味に近い。これはエロ小説。否、エロのエッセイ。エロの映像ではないので、法律には触れないが、倫理的には脱線。だから見る側は、何かしら得をした感じ。エロ小説を買わなくても、真実のエロのエッセイが聞けるからだ。
 新婚夫婦だから、不倫でも、若者の遊びでなく真面目に、出会い、恋心、プロポーズ、新婚生活を具体的に披露する。そこには起承転結、愛の物語がある。奥ゆかしい日本の社会をこの番組が笑い、脱線で風土を破壊しつつある。

 見方を変えれば、結婚への生きた教育かも知れない。独身が急増する時代に結婚の楽しさを吹聴するのは、いい社会教育とも言える。この番組のポジティブな側面は独身対策となっていて、皮肉にも結果的に社会貢献していることは否定できない。
 二人のトークは、その時代の恋愛観、結婚観、夫婦観を反映している。さだまさしの「関白宣言」、飯は上手く作れ、いつも綺麗にしておけ、というセリフは、今ではとんと聞かない。女性が強くなった。女性がリードし、男性を叱り飛ばす時代に変わった。「うちの旦那は優しい」という新婦の発言が多くなっている。文枝が出会いを質問すると、新婦が喋り始める。男性は弱くなり、甘えたり、幼稚化している。文枝は「あんまりや。もうちょっとしっかりしなはれ」とあきれる。個人差はあるが全体像はこんな姿だ。
 文枝は言う。「奥さんのほうがノビノビ。奥さんの回りを天下が回っている。そんな感じが年々強くなっている」と言っている。料理が不得意な女性が増えたのは、コンビニの出現、電子レンジの普及と関係している。
 新婚さんも浮気する。以前は浮気は男性の話し。が、最近は女もする。時代は確実に変化している。この点は男女平等が着実にすすんでいる。新婚さんに限らず長年の夫婦の浮気、不倫も男もすれば女もする時代になった。これは電話人生相談を聞けば、妻の浮気で夫が悩む事例の多さに驚く。新婚さんいらっしやいと電話人生相談とを繋ぐと、面白い現象が見えてくる。結婚前の数々の婚前交渉で飽きもあり、出産後はセックスレスが急増しているようだ。

 さて、長く続いた最大の理由は落語家、文枝の人間性、話題性にもよる。早く父を亡くし母子家庭で育った彼は家庭を大切にしたい思いが強く、この番組を愛した。受け手の国民と番組側とが上手くマッチした。果たしていつまで続くのか。この化け物のような番組が。
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