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改めて、世界の中の米窮状   文科系

2018年10月26日 15時27分00秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 世界株価が一斉に下がり始めた。「日米など国家主導株バブルが近く弾ける」とか、「日本の金融緩和が米株価も支えてきたが、日本の『緩和出口時期』こそが問題だ」と予測されてきたのだから、固唾を呑んだ世界が、今の情勢に血眼だろう。
 面白い旧稿、コメントやりとりを改めて再掲する

『 アメリカの窮状が原因 (文科系)2018-09-23 19:33:38
 最も古いチリ政権転覆はともかくとして、シリア、イラン、トルコ、ベネズエラなどに対する、アメリカの狙いは何なのだろうか。今はその意図は明確になったと考えている。斜陽帝国アメリカの現在最大の悩み、困窮を考えてみれば分かるというもの。こんな悩みである。

① 日本も含めて人件費が安く技術もある先進国、中進国によって、米の物貿易がすっかり赤字にされて来た。

② その赤字を帳消しにしてきた対外金融利益が、リーマン以降にはもう、思うに任せなくなっている。

③ ①②から税収がどんどん下がって来たのに、軍事費は冷戦時代の2倍の6110億ドル(2016年、トランプがさらに輪を掛けて、猛烈に増やしている)などと浪費して来た結果、国家累積赤字がGDPの4倍にもなっている。この数字は2015年に元会計検査院院長が2015年に試算・公表したものだ。

④ こんなアメリカを救う対外金儲け手段の第一が、原油(独占価格)にあるということだ。あわせて、世界通貨としてのドルの価値が実質どんどん落ちてきているが、これはどうしても守らねばアメリカの将来はない。つまり、原油の支払いをドルでという世界の現体制死守が、アメリカ当面の至上命令になっている。
 
 さて、フセイン・イラクも、イランも、原油をドル以外の通貨支払い可と動いたから、アメリカから憎まれた。また、イラク(原油埋蔵量5位)、リビア(同9位)を潰して以降、原油価格を乱しうる大元はイラン(4位)、ベネズエラ(1位)になった。この二つの国の原油自由輸出は、アメリカとして絶対に許せないということになった訳だ。現在日本のガソリン155円などと言う途方もない価格が、半額になりうる行動も取りうる国ということである。

 こう考えればもう、打倒ベネズエラ、イランは言わずもがな。執拗な打倒シリアは、イランの兄弟のようなこの国を潰し、イランを裸にする狙いだと考える。トルコ潰しの意図はちょっと複雑に思われるが、単一経済圏としてのユーロ瓦解をずっと狙ってきたその狙いの一環だろうと愚考する。ユーロ単一経済圏を瓦解させなければ、ここの各国に対する金融的各個撃破が果たせないということだろう。ちなみに、イギリスのユーロ離脱は、英米金融による画策の成功という事だと見てきたものだ。』


『 Unknown (Unknown)2018-09-24 17:13:10
 アメリカの窮状?
むしろ、今、アメリカの一人勝ちなんだが・・』


『 情勢を観るスパンと視野 (文科系)2018-09-25 20:56:30
 これは一応お応えが必要だろう。そう思う人も多いだろうからである。

 名無し君と僕とでは、情勢を観るスパン、視野の広さが違うと言いたい。「一人勝ち」とは、世界の何を何年ぐらいのスパンで観て言っているのか。
 過去2~3年を観て、愚かなトランプの根拠のない強気発言を観て、国庫ぐるみ必死の株操作を見て、そのくせ年60兆円を超える軍事費は観ないで、物を言っているだけではないのか?

 対する僕のスパンは、もっと長期的で、かつ広範囲に深刻に影響して来たことで物を言っている。

・GDPの4倍の国家累積赤字は、アメリカの政治を凄く縛っているはずだ。これで尚、年60兆円を超える軍事費を使っているのでは、5年程度ではどうする事も出来ない大困難を抱えていると思われる。
・物貿易におけるドルの威信低下、他通貨の台頭も数十年単位の、長期的根本的な悩みだったはずだ。イラクを潰したのも、イランを憎むのも、原油をドル以外の通貨で販売しようとしたからだ
・中国の物貿易台頭と、ユーロ統一などから、「原油独占価格命」になっている現在、アメリカはもう一つ兵器押し売りにも血道を上げている。これが、トランプ最大の仕事になっている死の商人ぶりである。
・数々の国際的横車から、国連では既に全く孤立してしまっている。信頼がない所へ持ってきて、今のトランプの馬鹿さ加減・・・。

 以上のどこが、「一人勝ち」になるのか、僕が聞きたい。』


『 トランプの勝因にしてからが・・・ (文科系)2018-09-25 21:06:02
 トランプの勝因にしてからが、「錆びた工業地帯」などの、すっかり落ちぶれた白人労働者たちのヤケのヤンパチが原因と言われてきたはずだ。いわゆる既成支配層、エスタブリッシュメントへの反乱とも言われている。これは反乱にならない「無知な反乱」にすぎないのだが。だって、トランプの閣僚は、先ず軍人、次いでゴールドマン等金融関係者が中心であって、相変わらず産軍複合体の面々なのである。
 これらのどこに「アメリカ一人勝ち」の将来が見えるというのか?』
コメント (2)
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随筆紹介 遺族年金への疑問   文科系

2018年10月26日 09時11分30秒 | 文芸作品
 遺族年金への疑問  H・Sさんの作品です


 朝日新聞be紙面に連載される「サザエさんをさがして」のタイトルで毎週土曜日、漫画サザエさんを素材にして昭和の時代を語る連載ものがある。2017年(平成二十九年)九月三十日、この日掲載の内容が軍人恩給についての記述だったので書き写した。この写しを紹介するとこのようなことになる。軍人恩給はこれまで60兆円が支払われた。1946年(昭和二十一年)2月、GHQの非軍事政策により一時支払いは中止されていたが、1952年(昭和二十七年)十一月には翌年度の予算編成に盛り込まれた。支給開始は1953年(昭和二十八年)七月からです。支給金額が旧軍隊の階級に基づき計算。一定年以上勤務すると給付されます。普通恩給は1953年(昭和二十八年)度で大将年額最低十六万四千八百円、二等兵二万二百円。一九五四年の改正で戦犯の刑死も公務死扱いとなる。東条英機未亡人が五十六万万円を受け取ったと、新聞の大見出しになって話題を呼んだ。赤紙一枚で招集された元軍人や遺族には恩給ですくわれた人も多い。軍属は国と雇用関係にあったのでこの様に年金の恩恵に浴しているが、雇用関係のなかった民間人の空襲被害者や戦後日本国籍を失った元軍人、軍属には保証は0円に近いと、書かれていた。対象者は減ったが現在も年三十四億近い金額が支給されている。私がこの記事を読んだ時〈なぜ戦争犯罪者にこれだけのお金が払われるのだ。未亡人はこれを拒否したとは聞いた記憶がない。戦場で真っ先に命を落としたのは二等兵ではないか〉と、怒りで心が治まらなかったので、この記事を書き留めた。

 また、これを書き留めたのにはもう一つ理由がある。それも併記することとする。
 昨年(2017年)春ごろの事だった。温泉場で風呂友として仲良くなった八十六歳のおばさんがいる。一月ぐらい顔を見なかったので病気でもしたのかと心配していた。久しぶりに出会い元気な姿を見たので嬉しく近況を聞いた。
「遺族年金を請求する人達のお手伝いをするため、区役所へ日参していたの」と答えた。
 その時おばちゃんが話してくれたことはこの様な内容だった。
「私の家はね。兄が戦死して両親が遺族年金をもらっていたの。両親が死んだ後は妹の私がもらっているの。十年間で五十万円だから親がもらっていたお金より少なくなったけれど、区役所から送られてくる書類に生きていることを書き込み提出すれば、私は死ぬまで遺族年金はもらえるの。軍属の家族は、お国と雇用関係があるから、こういう事になっているのよ」
 話を聞いて親がもらうのはわかるがどうして妹にまで支払われるのだろうと不思議だったが、これは国との契約だから本人が辞退しない限り支払われる、そういう事なのだと知った。
 もう一例は、親しく付き合っている人ではないが七十六歳になる女性の場合だ。彼女は四歳の時に父親が戦死。母親が遺族年金をもらっていた。母親の死後、遺族年金はこの女性が受け取っている。この人は短大卒業後、幼稚園に勤め定年を迎え年金生活をしている。彼女は共済年金と遺族年金との二本立てだが遺族年金を辞退する気はないと語っている。

 この様に軍属は国との雇用関係が成立していた。そのことを知りえる手段を持たない人は何の保証も受けていない。終戦と同時に軍の指導者だった人達は、自分が戦争犯罪人になることを恐れ、証拠隠滅のため、膨大な記録を部下に命じて焼き捨てた。
 1953年、(昭和二十八年)総務省恩給局が出来たが、終戦当時焼き捨てられた記録の中に恩給該当者に関する記録もあったのではないかと、私は勘ぐっている。
 当時、一般の人で新聞を購読できた人、ラジオから情報を得ることが出来る人は少なかった。1953年(昭和二十八年)7月軍人恩給証書が発行されたが、私が育った村では、役場の職員が運んでくる小さな紙切れでしか知る手段はなかった。恩給を受け取るため、字の読めない人、書けない人は親戚の人に付き添ってもらい手続きに行った。自己申告だったから、漏れてしまった人もいたのではないだろうか?。
 時がたち戦争の実態が少しずつ明かされた時、軍の上層部に居た人達は、危険を察知、部下をほったらかして生き延びたことも知られて来た。これらの人達は、学歴もあり仕事も出来るので、戦後の社会でもそれ相応の地位につき、軍事年金を生涯受け取った。

 空襲で両親を失った戦災孤児は、捨て置かれ、悲壮な生活を余儀なくされた。戦災孤児は、国との雇用関係がないと言う理由で国は一円の保証もしていない。
 この様な国のやり方はおかしいと気づいた戦災孤兄達が、戦後何十年もたってから裁判を起こすようになって来た。が、この裁判での勝訴は一例もない。国が勝手に起こした戦争で、犠牲になった幼い子供達に、手を差し述べもしないでほりっ放しにしてきたこの国がとった非情な行為は、どう考えても理不尽で不公平だ。
 戦災孤児の裁判記事を読むにつけ、戦争犯罪人に多額の遺族年金を支払ったこの国の為政者のやり方に、私は納得出来ないでいる。
コメント
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