表題のことをもう一つ上げてみよう。この10月に入って、、国連総会において、アメリカの外交的権威を著しく傷つけるような重大事件が二つ起こった。世界のこんな重大ニュースが、日本マスコミでは本当に小さな、新聞の片隅記事にしかなっていなかったのだが、世界ニュースに疎いのではなく、意識的にこういうふりをしてきたのだろうか、あまりにも著しくマスコミの国際情勢「不感症」を示すものといえる。意識的にこうしているとしたら、世論をミスリードするという意味で、大問題である。
【 アメリカ不信を示した国連総会 文科系 2019年10月19日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
17日国連総会の全加盟国投票によって、人権理事会理事国47国のうち14か国の選出が行われた。全加盟国193の秘密投票、過半数賛成で選ばれるものだから、大国の目や利害関係を気にせずにその国の自主的な判断に従っておこなわれた投票だが、現下の情勢柄注目すべき結果となって、国連,世界の大きな話題になっている。
中南米理事枠2か国に対して3か国が立候補したのだが、ブラジルとベネズエラが選ばれ、コスタリカが落選したのである。それぞれの得票数は153、105、96票だったが、「ベネズエラの人権問題が許せない」として立候補したコスタリカが落選したことが、国連で大きな話題になったのである。ちなみに、コスタリカを押して猛烈なロビー活動を展開したアメリカの権威失墜というこの結果について、アメリカ代表はこう述べたのだそうだ。
『人権理事会が破綻している揺るがぬ証拠だ』
(以下略 】
【 国連・ウイグル綱引きで、中国が対米圧勝 文科系 2019年10月31日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
31日中日新聞に「ウイグル問題 国連委を二分」と見出しされた記事があって、目が吸い寄せられた。直前にまさにこの問題で「戦争に代えて「人権」革命輸出」をエントリーした後にこの記事を読んだから「やはり!」と。全文を転載する。
『国連総会で人権問題を扱う第三委員会は二十九日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族などを弾圧しているとされる問題で、欧米や日本など先進国を中心とした二十三か国が中国に人権尊重を求めた。一方、二倍以上の五十四か国が中国の人権に対する姿勢を称賛。国際社会で影響力を増す中国を巡る対立の構図が浮き彫りになった。
二十三か国を代表して英国が声明を読み上げ、ウイグル族の大量拘束疑惑を引き合いに「私たちは中国政府に、中国全土で信教・信条の自由などの人権を尊重する国際的な義務と責任を守るよう求める」と主張した。
一方、中国を称賛する五十四か国には、ロシア、パキスタン、エジプトなどが名を連ねた。ベラルーシが代表で二十三か国の声明は「人権問題の政治化だ」と反論し、「ウイグル自治区ではテロや分離主義、宗教的過激主義が人々に甚大な損害を与え、重大な人権問題になっている」と中国の対応を支持。国数で優位に立った中国の張軍国連大使は「世界の人々は真実を観て判断している」と自賛して見せた。
ウイグル族の人権問題について、報道陣から米中貿易協議へ影響を問われたクラフト米国連大使は「私は人権侵害に苦しむ人々のためにここにいる。中国かどうかは関係ない」とかわした。一方、張氏はロイター通信などに「貿易協議で良い解決策を導くために有益とは思わない」と米国を牽制した』
それにしても、アメリカ国際的権威の凋落ぶりが、凄まじい。サウジ、イスラエルに焚き付けられたやの「イラン戦争有志国募集」には、国際会議を重ねて呼びかけ続けたのにほとんど応募はなし。中南米諸国会議に持ちかけた「対ベネズエラ戦争」にも、メキシコ、ブラジルはおろかコロンビアにさえ反対された。さらには、最近の仇敵トルコ・エルドアンに大幅譲歩までしてクルド人を見捨てて、シリアからは撤退。21日エントリーに書いた「国連総会における人権理事国選出でベネズエラ当選。米の猛烈な反対工作を押しのけて」では、その面目は丸つぶれだ。
これでもう、トランプ当選は、完全になくなったと確信する。「トランプが続けば、アメリカは国際的に孤立するばかり。これでは、明日の世界史的決戦場、米中衝突にも成算が立たず」。そう、米エスタブリッシュメントらは肝に銘じたに違いないのである。】
今、こんな本を読み終わったところだ。『シンポジウム 米中激突、揺れる国際秩序 問われるメディアの分析力・洞察力』。この本の発行者は「公益財団法人 新聞通信調査会」というところだそうだ。この本にも度々出てくるのだが、日本のマスコミの国際ニュースは本当に感度が鈍い。というよりも、この本の表題のように「分析力、洞察力」が「問われる」。これも、編集部の前例踏襲の態度なのだろうが、政権やアメリカに対する忖度もあるのだろうか。
【 アメリカ不信を示した国連総会 文科系 2019年10月19日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
17日国連総会の全加盟国投票によって、人権理事会理事国47国のうち14か国の選出が行われた。全加盟国193の秘密投票、過半数賛成で選ばれるものだから、大国の目や利害関係を気にせずにその国の自主的な判断に従っておこなわれた投票だが、現下の情勢柄注目すべき結果となって、国連,世界の大きな話題になっている。
中南米理事枠2か国に対して3か国が立候補したのだが、ブラジルとベネズエラが選ばれ、コスタリカが落選したのである。それぞれの得票数は153、105、96票だったが、「ベネズエラの人権問題が許せない」として立候補したコスタリカが落選したことが、国連で大きな話題になったのである。ちなみに、コスタリカを押して猛烈なロビー活動を展開したアメリカの権威失墜というこの結果について、アメリカ代表はこう述べたのだそうだ。
『人権理事会が破綻している揺るがぬ証拠だ』
(以下略 】
【 国連・ウイグル綱引きで、中国が対米圧勝 文科系 2019年10月31日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
31日中日新聞に「ウイグル問題 国連委を二分」と見出しされた記事があって、目が吸い寄せられた。直前にまさにこの問題で「戦争に代えて「人権」革命輸出」をエントリーした後にこの記事を読んだから「やはり!」と。全文を転載する。
『国連総会で人権問題を扱う第三委員会は二十九日、中国の新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族などを弾圧しているとされる問題で、欧米や日本など先進国を中心とした二十三か国が中国に人権尊重を求めた。一方、二倍以上の五十四か国が中国の人権に対する姿勢を称賛。国際社会で影響力を増す中国を巡る対立の構図が浮き彫りになった。
二十三か国を代表して英国が声明を読み上げ、ウイグル族の大量拘束疑惑を引き合いに「私たちは中国政府に、中国全土で信教・信条の自由などの人権を尊重する国際的な義務と責任を守るよう求める」と主張した。
一方、中国を称賛する五十四か国には、ロシア、パキスタン、エジプトなどが名を連ねた。ベラルーシが代表で二十三か国の声明は「人権問題の政治化だ」と反論し、「ウイグル自治区ではテロや分離主義、宗教的過激主義が人々に甚大な損害を与え、重大な人権問題になっている」と中国の対応を支持。国数で優位に立った中国の張軍国連大使は「世界の人々は真実を観て判断している」と自賛して見せた。
ウイグル族の人権問題について、報道陣から米中貿易協議へ影響を問われたクラフト米国連大使は「私は人権侵害に苦しむ人々のためにここにいる。中国かどうかは関係ない」とかわした。一方、張氏はロイター通信などに「貿易協議で良い解決策を導くために有益とは思わない」と米国を牽制した』
それにしても、アメリカ国際的権威の凋落ぶりが、凄まじい。サウジ、イスラエルに焚き付けられたやの「イラン戦争有志国募集」には、国際会議を重ねて呼びかけ続けたのにほとんど応募はなし。中南米諸国会議に持ちかけた「対ベネズエラ戦争」にも、メキシコ、ブラジルはおろかコロンビアにさえ反対された。さらには、最近の仇敵トルコ・エルドアンに大幅譲歩までしてクルド人を見捨てて、シリアからは撤退。21日エントリーに書いた「国連総会における人権理事国選出でベネズエラ当選。米の猛烈な反対工作を押しのけて」では、その面目は丸つぶれだ。
これでもう、トランプ当選は、完全になくなったと確信する。「トランプが続けば、アメリカは国際的に孤立するばかり。これでは、明日の世界史的決戦場、米中衝突にも成算が立たず」。そう、米エスタブリッシュメントらは肝に銘じたに違いないのである。】
今、こんな本を読み終わったところだ。『シンポジウム 米中激突、揺れる国際秩序 問われるメディアの分析力・洞察力』。この本の発行者は「公益財団法人 新聞通信調査会」というところだそうだ。この本にも度々出てくるのだが、日本のマスコミの国際ニュースは本当に感度が鈍い。というよりも、この本の表題のように「分析力、洞察力」が「問われる」。これも、編集部の前例踏襲の態度なのだろうが、政権やアメリカに対する忖度もあるのだろうか。