17日拙稿「世界サッカーの焦点、ユルゲン・クロップ(番外編②)ストーミング??」に書いた「月刊フットボリスタ」特集名称にも使われたストーミングという概念が、クロップ・リバプールへの誤りと言って良い理解に基づいているものという事を書きたい。
そもそも、この用語が17~18年度のCL決勝などを評した一外国人の言葉に、ある日本人が目を付けたものなのだそうだ。その決勝戦に初めて進出したリバプールの、ガルディオラへの接近とか、そのポゼッションとかポジショナルプレーとかのとり入れを加味した概念なのだそうだが、このような理解への出生地そのものが誤っているのである。以下のように。
① まず、クロップ・ゲーゲンプレスを防御的なものとのみ解して、その以下のような攻撃性、得点力を理解していない。つまり、ゲーゲンプレスを単なるコンパクト・プレスと同じように解している。
② ゲーゲンプレスに、ゲーゲンが付いているのはどうしてか。クロップの言葉によれば「敵陣に攻め入った身方ボールを相手が奪って攻撃に転じたその瞬間こそ、身方がボールを奪えればゲーム中最大の得点チャンスができあがる。その瞬間こそ、相手が防御態勢としては最も乱れているときだからだ。だからこそその瞬間にこちらも『前に出てプレスを掛ける』」のである。つまり、ゲーゲンプレスとは、守備戦術という以上にむしろ得点戦術だという点を「ストーミング論者?」らは見落としている。
③ そこを見落とせばこそ、こういうことが起こる。ゲーゲンプレス成功の後には必ず、前に出たボール奪取体制のまま、守備体制としては最も乱れている相手に対して、身方が手数を省いてゴールに直結していくということになっていくはずなのだ。ストーミング論者には、これもゲーゲンプレスの内のことだとは観られていないわけである。
④ その上でストーミング論者は、「クロップの、相手に考える時間を与えない新たな攻撃術」なるものを見いだして、ポジショナルプレーとかの「グァルディオラへの接近」云々を語ることになる。そこから「守備としてのゲーゲンプレス」と「新たな攻撃法取り入れ」とを合併させた概念として、そこにストーミングという単なる形容詞を当てた。これは、グァアルディオラ崇拝者の彼への郷愁も絡んでいて、それだけにクロップに対しては失礼な概念創出と言いたい。
得点戦術としてのゲーゲンプレスは、そのままどころかさらに威力を増して生きている上に、現在のリバプールにはむしろ、ゲーゲンプレスの過去には異常に多かった失点を減らしたところにこそ、今の栄光が存在する言いたい。今のリバプールに何か新語が要るとしたらむしろ、ゲーゲンプレスに付け加わった攻撃力ではなくって、それに付け加わった守備力との合併語なのである。それも、ストーミングなどと言うぼけた形容詞ではなくって、ちゃんとした定義になっているような概念を語ってもらいたいものである。
そもそも、この用語が17~18年度のCL決勝などを評した一外国人の言葉に、ある日本人が目を付けたものなのだそうだ。その決勝戦に初めて進出したリバプールの、ガルディオラへの接近とか、そのポゼッションとかポジショナルプレーとかのとり入れを加味した概念なのだそうだが、このような理解への出生地そのものが誤っているのである。以下のように。
① まず、クロップ・ゲーゲンプレスを防御的なものとのみ解して、その以下のような攻撃性、得点力を理解していない。つまり、ゲーゲンプレスを単なるコンパクト・プレスと同じように解している。
② ゲーゲンプレスに、ゲーゲンが付いているのはどうしてか。クロップの言葉によれば「敵陣に攻め入った身方ボールを相手が奪って攻撃に転じたその瞬間こそ、身方がボールを奪えればゲーム中最大の得点チャンスができあがる。その瞬間こそ、相手が防御態勢としては最も乱れているときだからだ。だからこそその瞬間にこちらも『前に出てプレスを掛ける』」のである。つまり、ゲーゲンプレスとは、守備戦術という以上にむしろ得点戦術だという点を「ストーミング論者?」らは見落としている。
③ そこを見落とせばこそ、こういうことが起こる。ゲーゲンプレス成功の後には必ず、前に出たボール奪取体制のまま、守備体制としては最も乱れている相手に対して、身方が手数を省いてゴールに直結していくということになっていくはずなのだ。ストーミング論者には、これもゲーゲンプレスの内のことだとは観られていないわけである。
④ その上でストーミング論者は、「クロップの、相手に考える時間を与えない新たな攻撃術」なるものを見いだして、ポジショナルプレーとかの「グァルディオラへの接近」云々を語ることになる。そこから「守備としてのゲーゲンプレス」と「新たな攻撃法取り入れ」とを合併させた概念として、そこにストーミングという単なる形容詞を当てた。これは、グァアルディオラ崇拝者の彼への郷愁も絡んでいて、それだけにクロップに対しては失礼な概念創出と言いたい。
得点戦術としてのゲーゲンプレスは、そのままどころかさらに威力を増して生きている上に、現在のリバプールにはむしろ、ゲーゲンプレスの過去には異常に多かった失点を減らしたところにこそ、今の栄光が存在する言いたい。今のリバプールに何か新語が要るとしたらむしろ、ゲーゲンプレスに付け加わった攻撃力ではなくって、それに付け加わった守備力との合併語なのである。それも、ストーミングなどと言うぼけた形容詞ではなくって、ちゃんとした定義になっているような概念を語ってもらいたいものである。