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世界サッカーの焦点、ユルゲン・クロップ(7)リバプール・トットナム戦から  文科系

2019年11月12日 00時29分56秒 | スポーツ
 リバプールを研究しようと考えて、18~19年度リーグ戦から後半標記のゲーム・ビデオを観た。2対1でリバプールが勝ったこのゲームで、気づいたことなどを羅列してみる。ちなみに、この対戦は、2019年度チャンピオンズリーグ決勝戦と同じ顔合わせになる。


 まずとにかく、ゲーム全てが、スピードも展開も速い速い。ダッシュしながらワンタッチ・プレーを中心にして繋いでいくし、サイドチェンジも非常に多く、これがゲーム展開をさらに速くしている。また、敵陣に攻め入った身方ボールが奪われれば、猛烈に速い守備への切り替えがまた、速い速い。こういう速さのために、ダッシュ回数と速い判断力がある選手しか入れていないとさえ感じたものだ。
 これだけ展開が速いと、相手は全て後手後手に回る感じで組織対応が遅れ、壊されて、選手個人として集団パニックになるような場合も多いのではないか。ちなみに、ゲーゲンプレスというこの戦い方のドイツ語呼び名をば、イングランドではストーミングと呼び直している。「嵐のように猛烈な」という形容詞であるが、なるほどと思ったもの。

 DFも皆、速い速い。典型がフィルジル・ファン・ダイク。彼は今や史上最高のセンターバックと呼ばれているし、多くの賞などでそういう栄誉にも輝いている。筋力にもあふれた超大型なのに、どんなFWにも負けないスピードも速い判断力もあるとあっては、DF・エンターバックとして無敵に近い存在だ。センターバックとして彼ほど過去に脚光を浴びた選手は、ちょっと見当たらないのではないかと思う。全盛期イタリアのカンナバーロと同様に、センターバックとしては珍しく欧州最高選手賞を今年取るのではないかと言われている。
 左右のサイドバックはアンドリュー・ロバートソンとトレント・アレクサンダー・アーノルドと言うが、かれらもものすごく速い。たびたび攻撃に上がる二人の正確なクロスやサイドチェンジも、ゲーム展開とスピードを速くするばかりではなく、このチームの得点源にもなっている。左右サイドに度々人が上がれば相手DFらがその分左右の横に広げられて中央が薄くなると言う、これは攻撃セオリー通りの攻め方である。

 さて、元々のゲーゲンプレスは「弱者の集団得点法」として編み出された得点効果が非常に高い画期的な戦術。ちなみに、このゲーゲンプレス得点法については、第2回目で説明した。それだけに、クロップ・ドルトムント時代には、得点も多いが失点も多い戦術であった。DFラインを高く上げることが多いから、カウンターを食いやすいのである。その失点が最近のリバプールでこれだけ激減して来た。というのも、強豪の仲間入りをしたリバプールが世界的なDFを集められるようになって、速いDFばかりを集めたからと言うのが第一の理由だろう。
 
 ただ、クロップの最高の強みは、むしろ選手たちのモチベーションを維持させる能力ではないか。全員があれだけ走るというのは、それもリザーブ選手も含めてこの走りがずっと何年も続いていくというのが、希有なことだと思う。シャキリ、オリジなどが、レギュラーと遜色のない働きをするから、一人が故障してもほとんど困らないチームに見える。エースのサラーかマネが欠場しても戦力が変わらないほどに、リザーブのモチベーション、戦闘性能が高いのである。


 一昨日11月10日深夜、このリバプールがマンチェスターシティを3対1で負かして、2位との差をまた大きく広げた。このゲームの後には、モウリーニョもベンゲルもいち早く、「リバプールの優勝が決まったろう」と述べている。プレミアリーグと名称が変わって以降には、リバプール初の優勝ということになる。ちなみにこの3対1勝利は、世界一の監督争いで、グァルディオラをクロップが追い抜いたということを示すのではないか。スペイン好きの日本人外国サッカーファンが悔しがっているのが目に浮かぶが、これも時間の問題だったのだと思う。クロップ、恐るべし! 90年前後の世界を席巻したACミランは、アリゴ・サッキに匹敵する天才監督ではないか。その独創性と指導力とにおいて。/strong>


(このシリーズは、これで終わります)
コメント (2)
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