アメリカの政治週刊誌「ニューズウイーク」日本語版を読み始めて4ヶ月になる。何が面白いって、『アメリカの対外(介入)戦略』がとてもよく分かるところ。
ここの政治記事自身は玉石混淆で、しかも単なる石というよりも他国への邪な介入を意図しているという意味でもっと悪い記事も多いのだが、そんな邪さ丸出しという意味では正確だと思われる記事が多く入っていて面白い。今日はその最新号の『「安い国」になった日本の現実』という記事を紹介してみよう。この記事は、流石アメリカの外国向け政治誌と言うだけあって、アメリカの日本に対する意図丸出しなのである。その点がとても面白い。
まずとにかく、記事の概略から。
『米中貿易戦争の影響で中国経済は失速しているが、』中国人観光客が、訪問客全体の3割弱という現状をどんどん超えていく勢いで、日本に殺到している。理由は、日本での買い物が安いからだ。かつては世界有数の高物価だった日本が、他国に比べてここ20年ほど一人当たりGDPが全く上がらなかったからである。他国の一人当たりGDPや購買力が1・6倍から2倍になった間に日本の物価が横ばいというところから、中国人らに「何もかもが安い」と驚かれる国になった。
が、以上は、物価を決めるのに日本国内要因が大きい製品やサービスについてのことである。グローバルに価格が決まる物品は、デフレだからと言って一向に安くなるものではない。例えば、自動車やスマホなどはどんどん高くなっている。
こうして記事の結び。
『日本が「安い」国であることは、日本の消費者にとっては頭の痛い話でしかない』。
そう言えば、普通車の新車はどんどん売れなくなって、街には軽自動車があふれ、中古車が当たり前になっている? そして、確かに外車も高くなっていて、ポルシェなどのステイタスシンボル性がどんどん上がっているのではないか。時流である官製バブルで儲けた若者などが乗っているのだろうか、街で見かける機会がすごく多くなった。
それにしてもと、冒頭書き出しに疑問が湧く。訪日外国人がどんどん増えていると言いたかったのは分かるが、それをなぜ「中国人」だけに触れるという形で書き出したのだろう。まるで中国が日本を買っていると強調するように。文章全体の冒頭に、こんな記述を入れてまで。
『米中貿易戦争の影響で中国経済は失速しているが・・・』
これでは、「失速中国が日本を買い漁っている」ということになって、安倍政権形無しではないか。
こうは言っても、その中国は年6%の成長率のはず。「2%目標」がいつまでたっても実現出来ず、とうとうこの目標を下ろしてしまったやの安倍政権としては、一帯一路の政治的イノベーション(経済学者、森嶋通夫の造語)、有効需要創出も含めて垂涎の的はずだし、アメリカにとっても同じくうらやましい限りではないのか。日米ともに悔しかったら、金融ではなく画期的新商品開発も含めた物貿易で、これぐらいの成長率を稼ぎ出してみせることだ。でないと、国に職場などは一向に増えず、格差が広がり、内需が減っていく悪循環ばかりの社会が続いていくだけだ。
ここの政治記事自身は玉石混淆で、しかも単なる石というよりも他国への邪な介入を意図しているという意味でもっと悪い記事も多いのだが、そんな邪さ丸出しという意味では正確だと思われる記事が多く入っていて面白い。今日はその最新号の『「安い国」になった日本の現実』という記事を紹介してみよう。この記事は、流石アメリカの外国向け政治誌と言うだけあって、アメリカの日本に対する意図丸出しなのである。その点がとても面白い。
まずとにかく、記事の概略から。
『米中貿易戦争の影響で中国経済は失速しているが、』中国人観光客が、訪問客全体の3割弱という現状をどんどん超えていく勢いで、日本に殺到している。理由は、日本での買い物が安いからだ。かつては世界有数の高物価だった日本が、他国に比べてここ20年ほど一人当たりGDPが全く上がらなかったからである。他国の一人当たりGDPや購買力が1・6倍から2倍になった間に日本の物価が横ばいというところから、中国人らに「何もかもが安い」と驚かれる国になった。
が、以上は、物価を決めるのに日本国内要因が大きい製品やサービスについてのことである。グローバルに価格が決まる物品は、デフレだからと言って一向に安くなるものではない。例えば、自動車やスマホなどはどんどん高くなっている。
こうして記事の結び。
『日本が「安い」国であることは、日本の消費者にとっては頭の痛い話でしかない』。
そう言えば、普通車の新車はどんどん売れなくなって、街には軽自動車があふれ、中古車が当たり前になっている? そして、確かに外車も高くなっていて、ポルシェなどのステイタスシンボル性がどんどん上がっているのではないか。時流である官製バブルで儲けた若者などが乗っているのだろうか、街で見かける機会がすごく多くなった。
それにしてもと、冒頭書き出しに疑問が湧く。訪日外国人がどんどん増えていると言いたかったのは分かるが、それをなぜ「中国人」だけに触れるという形で書き出したのだろう。まるで中国が日本を買っていると強調するように。文章全体の冒頭に、こんな記述を入れてまで。
『米中貿易戦争の影響で中国経済は失速しているが・・・』
これでは、「失速中国が日本を買い漁っている」ということになって、安倍政権形無しではないか。
こうは言っても、その中国は年6%の成長率のはず。「2%目標」がいつまでたっても実現出来ず、とうとうこの目標を下ろしてしまったやの安倍政権としては、一帯一路の政治的イノベーション(経済学者、森嶋通夫の造語)、有効需要創出も含めて垂涎の的はずだし、アメリカにとっても同じくうらやましい限りではないのか。日米ともに悔しかったら、金融ではなく画期的新商品開発も含めた物貿易で、これぐらいの成長率を稼ぎ出してみせることだ。でないと、国に職場などは一向に増えず、格差が広がり、内需が減っていく悪循環ばかりの社会が続いていくだけだ。