九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

おかしな、おかしな世界(2)  文科系

2015年03月13日 18時02分25秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 米英、日と金融緩和が続いたと思ったら、今度はEUも金融緩和。これでもって米英日すべてが債券を買い上げ、株がどんどんつり上がっている。これはいつか挫折する不健全なバブル操作と言わざるを得ず、バブルは近いいつか日本住宅バブルやリーマンのように破裂する。こういうことを前回に書いた。

 これと同じ警鐘を鳴らしている人が見つかった。田中宇氏の3月11日配信ニュースがそうなのだが、この文中で二人の世界的重要経済人が同じ警鐘を鳴らしていると、文献を明示して、紹介している。文献明示が文章の信頼性からいって大事なのである。以下、『 』は、田中氏の文章抜粋である。

①『 2月からの(日本国債)金利上昇を危険な兆候ととらえ、金融危機の再燃や、ドルの基軸性の喪失、米国覇権の崩壊、中国の台頭(人民元の国際化)など多極化を予測する指摘が最近増えた。予測は、有名な権威筋ほど示唆的な曖昧な言い方で、在野・無名の人ほど過激で露骨な言い方をするのが通常だ。有名筋どころでは、英国の投資家ロスチャイルド卿が、通貨の不安定、世界的な低成長に加えて、地政学的な危険さ(米露関係など)が第二次大戦以来の高さになっており、QEで株価が天井に達して資産価値の維持が難しくなっていると指摘している。』 

②『 権威筋なのに、過激で露骨な言い方を最近繰り返しているのは、米国のグリーンスパン元連銀議長だ。彼は昨年末、ドルを「幽霊通貨」と呼んでQEを批判し、金地金相場の上昇を予測した。最近では、米国の景気が粉飾されていることを示唆して「株価は明らかに高すぎる」と述べ、金利が上がり出すとバブル崩壊の可能性が高くなると言って、債券金融バブルの大きな崩壊と超インフレが近いと予測している。すでに述べたように、米英日の国債金利は1カ月前から上昇傾向にある。グリーンスパンの言うとおりなら、いつバブル崩壊が起きても不思議でない。』

 こうして、田中宇氏の結論はこういうことらしい。
『 今週からEUの中央銀行(ECB)がQE(金融システムへの公的資金投入)を開始(拡大)した。とたんにドルと米欧の株価が高くなり、金相場が急落するという、QEの典型的な反応が出た。日銀のQEの効果が下がるのにあわせてECBがQEに参戦したことにより、QEは全体的に再び効果のある政策として蘇生した感じだ。QEが効いている以上、ドルや債券システムの崩壊は先延ばしされている。グリーンスパンやロスチャイルド卿(両者は昔から親しい)の予測は「外れ」だと考えることもできる。
 しかし、日銀のQEの効果が薄れた1月末以降、国債金利が上昇して危機感が強まり、その後EUがQEを始めたら相場の危機感が低下するというこの間の動きは、金融システムの安定がQEに依存しており、QEがなければバブル崩壊が起きることを示している。米国の圧力を受けていやいやながら開始されたEUのQEは、日銀のQEより効果が薄いだろうから、今年中にまた金融システムが不安定になりそうだ。米日欧という世界の3大経済圏のすべてがQEをやってしまっており、これ以上新たなQEの広がりはない。次回のシステム不安定化は、前回より大きいものになる。バブル崩壊が近づいているというグリーンスパンの見方は正しい。』

 リーマンショックが「100年に一度の大経済事件」であるならば、次ぎのバブル破綻は、リーマンと同じように無かったことのように、済ますことはもう出来ないと思う。日米欧の大銀行破綻に対して、どれだけの公的資金注入が可能というのだろうか。現物経済に強いBRICS中央銀行の存在をもはや無視できないことだろうし。ドル体制が大きく傾いていくのではないか。
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メルケル独首相の来日報道で読売新聞の政権寄りが際立つ    大西 五郎

2015年03月12日 19時17分22秒 | Weblog
ナチスの行為を検証したからこそ和解ができた

ドイツのメルケル首相が9日に来日し、安倍首相と日独首脳会談を行い、10日には民主党の岡田代表とも会談した後2日間の訪問を終えて、帰国しました。
G8で今年の議長国のメルケル首相と来年議長国になる日本の安倍首相との首脳会談ではロシアの介入が問題視されているウクライナ情勢への対応で連携することを確認したほか、テロ対策や両国の経済連携でも一致しました。
しかしメディアの関心を集めたのは、歴史認識と周辺国との和解の問題でした。
朝日新聞が「過去の総括、和解の前提 独首相、歴史認識に言及」として、首脳会談でドイツが戦前のナチスの行為を透明性を持って検証した経緯を紹介し、会談後の記者会見で「過去の総括は和解の前提になっている。和解の仕事があったからこそ、EUを作ることができた」と述べました。
また毎日新聞によりますと、メルケル首相は首脳会談後の記者会見でフランスとの和解に触れ「どのように過去を総括するか、ナチスの罪にどのように対応したらいいか、ドイツでは非常に突っ込んだ議論が行われてきた」と述べました。
中日新聞も「過去の総括は和解の前提 日独首脳会談メルケル氏強調」という見出しでメルケル首相が歴史認識の問題で安倍首相にアドバイスしたことを報じました。

メルケル発言を外国メディアも評価

メルケル首相のこの歴史認識に関する発言を各国メディアも「日本に歴史を直視するよう求めた」などと大きく報じました。
ドイツの有力紙南ドイツ新聞は「礼儀正しく批判」。イギリスBBCは「戦後ドイツが国際社会に復帰できたのは、過去とキチンと向き合ってきたためだとメルケル氏が述べた」。フランスのル・モンド紙は「過去と向き合う。それがメルケル氏のアドバイスだ」と書きました。中国国営の中央テレビは「メルケル首相はドイツは過去ときちんと向き合ったから隣国の理解を得られたと語り、日本に忠告した」と報じました。韓国の東亜日報も「ドイツの経験を聞かせる方式で、安倍首相に過去の歴史を直視するよう忠告したものだ」と論評しました(朝日新聞は他にも幾つかのメディアを紹介)。

読売新聞は歴史認識問題を報道せず

ところが、読売新聞は「日独協調し国際貢献 積極的平和主義に理解」とし、日独首脳会談のポイントでも、ウクライナ情勢安定のため、外務当局の定期協議の実施で一致など5項目が示されましたが、歴史認識問題に触れた記事はありませんでした。

脱原発の独首相の呼びかけを読売報道せず

メルケル首相は訪日直前の7日に政府のホームページ上で公開された映像で、2011年3月の東京電力福島第1原発事故を受けてドイツが早期の脱原発を決断し、再生可能エネルギーの普及をすすめているとし「日本も同じ道を進むべきだ」と呼びかけました(8日毎日新聞)。また同日の朝日新聞によりますと、事故の映像を見たメルケル首相は、それまでは「稼働延長することにしていた原発の停止を即断し、2020年までの原発全廃にも踏み込んだといいます。メルケル首相はビデオ声明で「福島の経験から言えるのは、安全が最優先ということだ」と断言しました。
また首脳会談に先立って行なわれた講演会でも「東京電力福島第一原発事故後、ドイツが2020年までに『脱原発』を決めた理由については、技術水準の高い日本でも予期しない事故が起こり得ると分ったからだ」と述べました(中日新聞)。
このように各紙が「メルケル首相の忠言」を伝えましたが、読売新聞はこの問題に一行たりとも触れていません。
最近どの世論調査でも、村山談話の継承と原発再稼働反対が多数です。安倍首相は「70年談話」で村山談話の「植民地支配と侵略に痛切な反省と心からのお詫び」の部分の継承をあいまいにしていますが、首相の考えの中に「侵略戦争とは認めたくない」という気持があるからだといわれています。
原発再稼働の問題は首脳会談では直接話し合われることはなかったようですが、首脳会談後の記者会見でドイツ人記者の「日本はなぜまだ再稼働を考えているのか」の質問に、安倍首相は原発を「低廉で安定したエネルギーだ。基準をクリアしたと原子力規制委員会が判断したものは再稼働していきたい」と答えました。
読売新聞は、政府の意向に添った報道をしている(意向に添わない問題は報道を避けている)といわれてもしかたがない報道姿勢です。権力の監視役というジャーナリズムの本道に立ち返えることを望みたいと思います。

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朝鮮日報より    らくせき

2015年03月11日 13時26分01秒 | Weblog
ドイツのメルケル首相が訪日2日目を迎えた10日も日本に対し、旧日本軍の慰安婦問題の解決と歴史問題での反省を促した。

 日本の反応は、一言でいえば戸惑いと不快感だった。とりわけ「和解の前提は反省」というメルケル首相の訪日初日の発言について、日本の主力メディアの報道は「沈黙」に近かった。初日にメルケル首相は朝日新聞社での講演で、かなりの時間を歴史問題に費やした。安倍首相との首脳会談後の共同記者会見でも「和解の前提は反省」とあらためて強調した。だが、このような状況を詳しく伝えたのは朝日新聞・毎日新聞などごく一部のメディアに限られた。読売新聞やNHKなどほとんどのメディアは歴史関連の発言に触れないか「歴史問題にも言及した」と軽く言及しただけだった。
以下略。


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「よたよたランナーの手記」(111) まだ心拍が下げられる?  文科系

2015年03月10日 17時52分42秒 | 文芸作品
 3月1日に90分で13キロほど、4日には階段往復を90回やって、5日には8キロ弱を走ったとは先回書いたことだが、8日に8・1キロ、9日に8.3キロ、そして10日には8.7キロと走った。これらの距離自身は少ないが、面白いことが起こった。なお、3日連続で走るというのも、ラン再開以来のこの2年半ほどで初めてのことだと思う。1時間の距離、つまりスピードを出していないから、10日本日走り終わった今、ほとんど疲れを感じていない。

 10~11キロ時の心拍数が下がってきたのである。その原因も、以下のようにはっきりしてきた。
 10キロ時の心拍が最高145ほどで、11キロ時で10分近く走っても最高153ほどと落ち着いてきた。この間好調だったということもあろうが、前から注意していた蹴り足の強化がさらに進んで、それによる両脚のバランスが改善されてこうなったとはっきりした。合理的走法で速くなったということだし、3日連続でも疲れもしないということになった。そして、まだまだこの蹴り足は鍛えられるというか、これがこの数か月ちょっと弱っていたと分かったというか、特別な強化が必要な老化が始まっていたことに気づいたというか、そんなところだ。今の走り方で走り終わった後数日前までは、ふくらはぎに翌日まで痛みが残るから気づいたことだった。が、本日10日は、もうそれも起こっていない。

 大きな腿の筋肉の使い方を幾分減らして、小さな蹴り足筋肉をその分もうちょっと使う。そのように蹴り足を鍛えてきた。これで心臓への負担、心拍数が減らせるという理屈である。これがもっと進めば、11キロ時の心拍数が150を切るだろうと、試行錯誤の末にそんな感触が得られた1ヶ月ほどだったと言える。

 庭で満開期間がちょっと長い梅を観ていると、サイクリング先のいろんな光景を想像する。実がなる普通の梅の木と、盆栽が大きくなったような桃に似た大輪種と、よく育つ紅梅とが我が家にはあるのだが、これらに因んで「どこそこの梅って、どんなだろう」などと。春の開花の光景っていつも鮮やかなものだから、こんな場面ではいつもこの歌を思いだす。この歌のは桃、スモモ(李)の花だったはずだけど。
『年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず』

 僕の活動年齢はどれだけ努力しても、あと10年程度。たった一度の人生で、その後は無。そういう残った少ない期間を悔いなく生きたい。人生の残り10年ほどこそ、その集大成と言えるはずだ。そう考えて生きてきたつもりなのである。
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おかしな、おかしな世界  文科系

2015年03月09日 11時50分20秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 3年以上前に書いた下のエントリーが今日も又、「人気記事」ベスト10に上がっています。現代世界最大の本質的な政治経済問題と考えて来ただけに、「読む人は読んでるんだ」と、嬉しくなります。
 これを再掲するとともに、若干のコメントを加えたいと思い立ちました。

【 日本5大銀行「国債売買が収益源」? 文科系 2011年11月15日
  
 本日の中日新聞6面経済欄にこんな記事があって、目が吸い寄せられた。
 見出しが『大手5銀行18%増収 本業伸びず国債売買益が貢献 9月中間』と。
 三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友トラストの5つのことなのだ。この5グループがこの並び順に儲けたのだそうだが、最大が三菱UFJで9000億、最小が三井住友トラスト1800億円ということだった。そして、来期それぞれの計画がこう書いてある。
『十二年三月期の純利益は、みずほを除く四グループが上方修正、五グループ合計で25.3%増の二兆二千百億円を見込む』

 この記事で、最も目がいった部分はこんな記述だ。
『本業の貸し出しが伸びず、貸出金利と調達金利の差に当たる利ざやも縮小。国債の売買に収益源を求めざるを得ない現状に、りそなホールディングスの細谷英二会長は「銀行経営からすれば、国債に代わる商品はなかなかない」と苦しい胸の内を明かした』
『各グループが保有するギリシャやイタリアなど欧州債務国五カ国向けの国債や貸し出しなどの投資残高(九月末時点)は約二兆円。欧州問題への警戒感は強く、今後も推移を見守る姿勢を示した』

 これへの印象はこんなところ。
 この不景気の中、大投資銀行は結構儲けているものだな。それも、ギリシャ、イタリア、スペインなど欧州の国債関連で儲けていることもはっきりしているようだ、と。としたらやっぱり、空売りで儲けているのだ、と。この内容についてまず、こう言える。僕がこの間ここで最も問題にしてきた国際経済予測が不幸にも当たっていたということが示された。10月13日に「ギリシャ危機、空売りは?」、および11月3日「ギリシャに想う」などのことだ。とするとつまり、「腐ったギリシャ」という国際的大々的ニュース報道は、空売りで儲けることにつながったスピーチという役割、側面をも、客観的には持っていたことになる、な。
「この勢力にとってはTPPは絶対善なのだろうな」とかも、頭にちらついたものだ。こうして最も心配なことはこれ。

「儲ける人の背後には、損する人がいる。この銀行の利益って結局、ギリシャ、イタリア国民などに付けが回される?」
「それにしても、他国のどん底の不幸が、唯一金儲けのチャンスになる社会って?」
「利ざやや投資自身で儲けられないって、銀行以外の企業はほとんど悪いってことだろう?」

 みなさんの感想は いかが? 】

 空売り自身の仕組みについては、97年アジア通貨危機(これも日米が仕掛けたのでしょう)の震源地・タイについての専門学者の解説例が以下の拙稿にありますから、参照ください。
『世界経済史の今を観る(6)通貨危機の仕組み・タイの例 2013年03月29日』。
 
 なお、最初のエントリー「五大銀行・・・」の末尾、この部分は今凄くクローズアップされてきたと観ています。
『「それにしても、他国のどん底の不幸が、唯一金儲けのチャンスになる社会って?」
「(銀行が)利ざやや投資自身で儲けられないって、銀行以外の企業はほとんど悪いってことだろう?」』

 では、株価○万円・・って騒がれている状況は、何なんでしょう。背景は国家による直接投資。黒田バズーカで刷った金をどんどん投資するんだから上がって当たり前。でも、これは国家主導で経済実態の裏付けが全くない、完全なバブルですよね。しかもこんなこと、違法のハズだが、必ず暴落すると思うのです。90年代の日本住宅バブル、07~8年アメリカ・リーマンショックのように。その時、誰が勝ち逃げするのでしょうか。インサイダー取引さながら、情報が速く入る奴に決まっています。株高に釣られて投資する個人投資家はもちろん、弱小国も売り時を誤るように持って行かれる。そのお金は日米の銀行に入るのではないでしょうか。それでも銀行が又多数潰れるはずですが。そのために日本政府が励んでいるって、実におかしな世界、社会という気がします。もう病気と決めつけて良い。南欧、アフリカ、東南アジアなど、世界に無数に失業者が増えているのに、実業を盛り上げるために金が使えない状況なのだから。ドルの権威もしっかり無くなっているのだし。それほどに世界断末魔の困窮ということだと思います。トマ・ピケティの大流行も、こういうオカシサへの根本的告発なのでしょう。
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ハリルジャパン?(1) 岡崎9得点8位!  文科系

2015年03月08日 13時50分33秒 | スポーツ
   
 ブンデスリーガの岡崎が7日、ちょっと長い休眠から目を醒ましたような得点を挙げた。現在24ゲームが終わって22ゲーム出場、9得点、暫定8位である。この得点は、0対2から1点を追いついた後の77分に、現在の3位チーム相手に2対2にというゲーム結果を呼んだ同点弾になった。得点光景はこういうもの。
 右サイドからのロング・スロー・クロスに、ニアの1人がヘッドをファー方向ゴール近くへ。このボールをキーパーと競り合った味方2人がいて、遠い側の岡崎が前に飛んでヘッド得点を上げた。岡崎はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。 

 このゲームの岡崎、スプリント回数が凄くって、46回。ちなみに、この日開幕されたJリーグも走行距離、スプリント回数を記録し始めて、そのFWスプリント回数を観ると、2得点を挙げたFC東京・武藤が22回、ガンバ大阪・宇佐美が16回なのである。ドイツとは基準が違うかも知れないが、岡崎のダッシュ回数、恐るべしである。

 なお、同クラブを率いるマルティン・シュミット監督が試合後の会見に臨み、コメントをクラブ公式HPが伝えているが、こんな言葉があった。
『2点差をつけられていたのに、勝ち点1を得られたのは良いことだ。・・・リードされたことには驚いた。しかし岡崎が決めた2点目こそ、この試合展開にふさわしいものだった』
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新聞の片隅に載ったニュースから(191)     大西五郎

2015年03月08日 10時04分27秒 | Weblog
「時代に合わぬ条文も」首相、改憲に意慾(15.3.7 中日新聞)

安倍晋三首相は六日の衆院予算委員会で、「憲法ができて長い年月がたち、時代に合わなくなった条文もある」と、改憲に意欲を示した。総裁を務める自民党は「憲法改正を党是として掲げている」と述べ、今年の結党六十年を機に改憲の国会発議に向けた取り組みを加速したい考えを強調した。
首相は現行憲法が制定された経過に関し、「戦後の占領下、連合軍総司令部(GHQ)の二十五人が短い期間で原案をつくったのは間違いない。首相として事実を述べてはいけないということではない」と指摘。そのうえで「こういう過程でできたから変えていく、ということを議論するのは当然ではないか」と述べた。改憲を目指す条文は党の議論に委ねる意向を示しており、具体的に言及しなかった。
憲法の性格については、国家権力の行使を縛り、国民の基本的人権を保障する役割を持つとともに、「国の形や未来を語るものである」と持論を語った。

□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

安倍首相の改憲論の論理と意慾をよく表した国会答弁です。
「連合軍総司令部(GHQ)の二十五人が短い期間で原案をつくった」というのは一面的な意見です。日本国憲法の原案は最終的にはGHQから政府に示され、それを基に政府案が作られ、国会において一部修正の後、可決成立したという経過を辿りましたが、GHQ案の元になったのは日本人の憲法研究会が作成したもので、それをGHQが高く評価し、それを基にGHQ案が作られたというのが歴史的事実です。最初からGHQがそっくり作ったというのではありません。
敗戦直後から元東大教授高野岩三郎、東大助教授で後に文部大臣になる森戸辰男、民間の憲法学者で後に愛知大学教授になる鈴木安蔵氏、評論家の室伏高信氏らが憲法研究会を作り、新生日本の国の在り方、国と国民の関係などはどうあるべきかを討議を重ねた結果その年の12月26日に「憲法草案要綱」を作成し、内閣とGHQに提出するとともに、記者会見を行なって発表しました。
GHQ民生局のラウレル中佐(弁護士の資格を持つ)らが翻訳し、「民主的で評価に値する」という報告をマッカーサー総司令官に提出し、この案を大幅に取り入れたGHQ案が作られという経過があります。
憲法研究会の草案は、「国民ハ法律ノ前ニ平等ニシテ出生又ハ身分ニ基ク一切ノ差別ハ之ヲ廃止ス」「国民ノ言論学術芸術宗教ノ自由ヲ妨ケル如何ナル法令ヲモ発布スルヲ得ス」「国民ハ健康ニシテ文化的水準ノ生活ヲ営ム権利を有ス」など日本国憲法の基本になった条項が多く、GHQ案によって憲法が作られたというよりは、日本人の手になる「憲法草案要綱」を基にしてGHQ案が造られたというべきです。(なお「憲法草案要綱」と「GHQ案」「日本国憲法」の三つを比較した表があります。ご希望の方には送料込み1部200円でお頒けしています。)
                                                  大西 五郎
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「戦争は必然」?  文科系

2015年03月07日 09時04分33秒 | Weblog
 右の方々の戦争関連記事を読んでいると、こういう2つのことに気づく。
 まず日本周辺のことしか語らない。人類とか世界とかの観点自身は、ほとんどないのではないか。ナショナリズムという言葉さながら、右の方々はこんなグローバリズムの時代になってさえ全人類的観点が希薄なのだろうか。それでは日本のことも、極東のことも分からないはずなのだ。
 そして、戦争が必ず起こるといつも語るのだが、何か人間の本能のようなものを想定しているのではないか、とも。例えば、戦争が起こる理由を、戦争史などを踏まえて広く問うたこともなさそうなのに「攻めてくる国は必ずある」と確信しているやの特徴などに、これを感じる。例えば中国に関して、こんな事は考えてみようともしないのだ。あの国が日本を攻めたら、最大の輸出相手の一つを失って経済ががたがたになるはずであって、ちょっと前のように餓死者さえ出るかも知れないなどということを。そうなったら、共産党政権も危ういことだろう、などとも。

 右の方々のこういう特徴一つ一つを考えていくと、僕は表題の「考え方、感じ方」にぶつかる思いが、いつも湧いて来るのである。
「争いは、人間の本能、国どうしの戦争も同じである」
 こういう大きな信念から、戦争についての本質的な論議は省いてしまって戦争を語っているのではないか。「だから、戦争必然」というように。だから、「9条ナンセンス」というように。
 しかし、戦争は必然ではない。戦争は本能などではなく、時代によって別々の原因がある。戦争という同じ言葉で呼ぶものが、同じ原因を持つなどとは言えないのだ。僕はそう言いたい。

 関連して、ここで何回か語ってきたことをひとつ。
 戦争の説明として昔栄えた社会ダーウィニズムの論議はもう誤りであると退けられている。このことを、右の方々はちゃんと認識しているのだろうか。こんな考え方、「感じ方」なのだが。
 動物界は弱肉強食、適者生存、あらゆる生物はそういう適者に進化していくし、進化に遅れたものは死に絶える。人間社会も同じで、国も争いによって適者生存。戦争はその典型。と、このように、ダーウィンの進化論でもって人間社会(の争い)をも説明しようとする理論なのである。これが誤りとはっきりした今では、「攻めてくる国が必ずある」とか言って、戦争が起こる理由とか「この戦争の可能性はこれこれの条件による」とかを考えてみようともしない右の方々の態度は、おかしいと思うばかりである。まるで、起こる理由ばかりを論じて起こらない理由や防ぐやり方を論じないというようなものだ。軍事強化を擁護しようとすると、こういう態度しかないかも知れない。
 逆に、9条を守りたい人は、起こらない理由や防ぐやり方に希望を託するのであるが、これもなかなか困難な道であることは確かだろうが。
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随筆紹介 『逃げる』   文科系

2015年03月06日 13時43分19秒 | 文芸作品
   逃げる    S.Yさんの作品

 新しい年が明けたが気が重い。暮れに娘と喧嘩をしたことが尾を引いている。
 娘は二歳の孫娘を保育園へ預けて会社務めをしている。しかも今、妊娠五カ月である。身重で大変だろうと、私と夫はできるだけの協力をしていた。が、私たちにも思いもよらなかった体調の変化、要は老化が忍び寄ってきていることに気付き始めたのも同時期だ。
 はっきりいって家事労働、孫の世話がけっこうな負担になってきた。還暦を過ぎて、まだまだ若いつもりでいたのは気持ちだけ。大人五人と孫、それに重病の老犬、どれもこれも食事時間がバラバラでその世話が面倒といったらない。買い物を含め、一日の大半をご飯作りと片付けが占めている。家族への無償奉仕だ。
 毎日、遅く帰宅する息子たちの食事の世話、その片づけを終えるのが大体日付が変わるころ。日課になったとはいえ夜遅く台所で洗い物をしていると、虚しさに手を休めて在らぬ空間を見つめている自分に涙が出そうになる。不幸だとは思わない。だがときに、家族への無償奉仕がばかばかしくてイヤになるのだ。
 その限界に達しつつあるとき、バカ娘の言い出したことに私の神経は切れた。

 暮れの押し迫ったころに、娘家族が一泊で旦那の実家、東京に行くのだという。
 車で長時同、渋滞もあるだろう師走の慌ただしいこの時期に、幼子を連れてそんな身重で、なぜ今行くのか? 年末年始を向こうでゆっくりするというならまだわかる。あまり体調も良くないのに、ほぼとんぼ返りをするなんて、とんでもない。私はそう言った。
 常日頃から娘の身を案じ、自己犠牲を払ってまで(このところ私は友達づきあいや趣味を軽減している)孫の世話をし続けているのはひとえに娘が心配だからだ。
「お父さんとお母さんは毎日孫に会っているからいいだろうけど、彼のご両親は孫に会いたくてもなかなか会えないのよ。孫に会わせてあげるのがいけないわけ?」娘は激怒した。「あっ、そう、じゃあ、あちらで孫を見てもらったら……」売り言葉に買い言葉だ。冗談じゃない。私は好きで娘家族の世話をしているのではない。どうやら娘は私たちが孫を独占したがっていると勘違いしているようだ。孫は可愛いが、私は孫の成長が生き甲斐というほどではない。娘家族に普段から何の気遣いもないあちらの親に対し「孫に会いたければ、自分たちが会いに来ればいいじゃないか」夫も怒っている。
 私たちは初孫ということもあって、娘家族を大事にし過ぎ、甘やかしたのかもしれない。娘もそれに慣れて、当たり前のようになってきていた。ちょっと、互いに距離を置こうと考えを改めた。娘の頼みを「はい、はい」と聞いていたが、都合が悪いときは断ろう。

 人生の残り時間が限られてきた今、子どもたちへの無償奉仕から少し逃げようと思う。
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「よたよたランナーの手記」(110) また、ぼつぼつ   文科系

2015年03月06日 12時55分38秒 | 文芸作品
 3月1日に90分で13キロほど、4日には階段往復を90回やって、5日には8キロ弱を走った。

 久しぶりの階段往復では、こんなことが分かった。現在の普通速度の昇降では心拍110台で、ちょっと速い昇降で120ちょっとになる。この後者が、時速7キロで歩くほどの心拍数だ。つまり、僕にとって極めて適度な運動だということ。でも、この階段往復ではフクラハギが痛くなったから、走る筋肉とは別の筋肉も使っているのだと分かった。階段上りでは、案外走るのとは違った使い方で足首を酷使しているということなのだろう。

 走る場合の心拍数は、時速7キロが125ほどに下がり、10キロ時が145~150ほどになっている。この10キロ時まではずーっと気持ちよく走れるのだが、10.5キロ時以上が現在の課題。久しぶりにそろそろちょっとスピードを上げるトレーニングも入れてみようかと目論んでいる。できればまたもう一度、1時間10キロほどを目指して。

 あっそれと、最近気づいたランニングのメリットを少々。走った日はよく眠れる。適度な疲れの他に、布団がすぐに暖まるということもあるようだ。また、走る回数が増えているせいか、歯医者の定期健診時期が来ても歯肉がゆるまずしっかりしているから、まだまだ健診が先に延ばせそうだ。右上中程にある1本の接ぎ歯は台にヒビが入っていて半年も持たないと言われていたのに、もう2年近く持っている。歯医者の解説「血流の良い人は免疫力が高く、歯周病菌にも強いんです」と言われた言葉を、また実感している。

 「早春賦」ではないが、春だけどまだ寒い。今日予定していたサイクルツーリングの下見は、2週間ほど延ばそうと決めた。18日辺りに足助方面へ行ってこようと目論んでいる。愛車のペタルを新調した。専用クツをペタルに固定するクリートという器具が旧式すぎて、僕のペタルに合うクリートが無くなったのだという。ちっぽけなクリートのために、ペタルまで買い換えるなんてなんたる不合理! もう18年も跨がってきた愛車だから無理もないのだが、ペタルセットだけで2万数千円! シマノのデュラエース部品は高すぎると改めて痛感した。おんぼろ軽自動車に乗っていて一般にブランド嫌いの僕が自転車はブランドなのだなあと改めて振り返っていたら、何となく不思議な気持ちがした。
 クリートぐるみでペダルを替えたのだから、ちょっと前に新調したこの専用靴は、ちょうど乗れなくなる頃に履き潰すようにと大事にしていきたい。白の革に黒模様がちょっとで、つま先の裏側だけに赤が入っているという、大変なお気に入りだ。
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中国(戦争)脅威論に  文科系

2015年03月05日 12時42分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 コメントでこんな論議があった。私見を加えたい。

『 中国? (文科系)2015-03-01 11:18:30 
(前略)
 中国? 軍事費で言えば、アメリカの15%ほどだろうし、アメリカに8艘もある原子力空母なんて持ってない。侵略性の規模が違うと延べてきた。ピケティや5大投資銀行破綻・国家救済ではないが、金融主義、新自由主義の侵略性でもって世界を悪くしている元凶でもある。(後略)』

『 少なくとも (1970)2015-03-01 13:39:07
 これからは中国が脅威でしょう。
 分かりやすいアメリカよりも。
 安倍日本の危なさよりも中国の方がよほど危ないと思うんだよな。反日デモの焼き討ちとか見ると』

『アメリカと中国と (らくせき)2015-03-02 09:21:43
 どちらが日本にとって脅威なのか? とても興味あるテーマですね。中国と言う人が多いのかもしれませんね。
でも本当でしょうか?
 中国が覇権国家となれるのならば、そうかもしれません。果たして中国はアメリカと同じ道を進むのかな?』

『 Unknown (東西南北)2015-03-05 11:47:11
 とんでもないな。老人ふたりは。中国はアメリカの武力が絶大だから大人しくしているだけだろ? 朝鮮戦争を忘れたのか? 米国政府高官が「朝鮮半島のことには手を出さない(かも)」と発言しただけで北朝鮮・中国合同軍は韓国に攻め入ったのではなかったか』

 第一次世界大戦以降戦争違法化の流れも進み、「総力戦」の被害も大きいこととて大国同士の戦争はなくなってきました。第二次大戦以降は、先ず米ソ冷戦関連の局地戦争。東欧崩壊以降もアメリカはなぜか軍事拡大を続けて、イスラエル関与も含めアメリカ関連の戦争が圧倒的に多くなっています。ユーゴ、アフガン、イラク、シリア、ウクライナなど何故、どのように戦争が仕掛けられたのかまだよく解明されていない戦争も含めて。そういう歴史的現状を見ずに、中国戦争脅威論を、20世紀中頃の冷戦時代の状況を持ち出して論ずるなどのやり方は論外だと思います。

 特に、今の世界金融マネーゲーム時代以降の戦争は、新しい視点が必要と考えます。現代の戦争を見るためには、旧帝国主義時代の戦争が定期的世界大不況に対する資源、市場などを巡って起こされたのとは違った観点が必要なのではないでしょうか。戦争は、例えば人間の闘争本能が起こすというようないつの時代も同じといったものではなく、時代時代の原因があると考えてきました。

 僕は日本という経済・技術大国が世界経済大不況の中で20年の自国の景気停滞を打ち破るのだとばかりに、景気回復と結びつけて武器輸出を解禁する方向に踏み出したことが、非常に怖い気がします。アメリカの産軍政複合体や古くはナチスドイツの例を挙げるまでもなく、後戻りが難しくなって拡大していくばかりと考えるからです。輸出相手国の民生も悪くなることでしょうし。
 また、今フランスがちょっと怖いです。シャルリ事件を待っていたようにこの直後に、アメリカの8艘以外では世界唯一のフランス軍原子力空母が中東に出撃し、イスラム国爆撃に参加し始めました。何故なのでしょうか?
 
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サッカー代表監督が決まったようだ  文科系

2015年03月03日 06時07分17秒 | スポーツ
 2日、こんなニュースが流れた。
『 日本サッカー協会の大仁邦弥会長は1日、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身のバヒド・ハリルホジッチ氏に就任を要請している日本代表の次期監督人事について「大丈夫だと思う」と述べ、交渉が順調に進んでいることを示唆した』(共同通信)

 こういうニュースは世界どこでも開けてみるまでは分からないが、ほぼ決まったということだろう。とすると、次期代表監督は歴代日本代表監督と比べて代表監督史上最高の実績を持った、こういう人物である。
『昨夏のブラジルW杯では、下馬評の低かったアルジェリアを率いて16強入り。ドイツと延長までもつれる激闘を演じ、1-2で敗れたものの優勝国を最も苦しめた手腕が絶賛された。
 10年南アフリカW杯前はコートジボワール代表を指揮してアフリカ予選を突破。6試合で19得点の攻撃サッカーを披露した。ハビエル・アギーレ前監督(56)も母国のメキシコを率いたW杯で16強に2度進んでいるが、母国以外で結果を残す指導者は世界でも貴重だ。ユーゴスラビア代表FWとして活躍した現役時代は、フランスリーグで2度の得点王に輝いた経歴があり、決定力不足解消への希望も広がる』

 詳しいサッカー経歴などは、この通り。
『バヒド・ハリルホジッチ(Vahid Halilhodzic)
 1952年10月15日生まれ、62歳。ボスニア・ヘルツェゴビナ(旧ユーゴスラビア)のヤブラニツァ出身。現役時代はFWで82年スペインW杯出場。87年に引退後、リール(フランス)、アルイティハド(サウジアラビア)、コートジボワール代表などを指揮。(中略)ブラジルW杯後はトラブゾンスポル(トルコ)監督に就任も11月に退任』

 同国の先輩で11歳年上である元日本代表監督イビチャ・オシムとの関係は深く、こんな紹介もあった。オシムもハリルホジッチも、選手としてはフランスで名を上げたという同じ経歴を持っているから、若い時から交友があったのだろうと推察される。
『ハリルホジッチ氏は、オシム監督率いるFKジェリェズニチャルのライバルチームのエースとして活躍。指導者転身後に親交が深まった。06年9月のアジア杯予選でオシム・ジャパンがサウジアラビアに遠征した際には、同国でクラブの監督を務めていた縁で練習場を提供。到着直後の深夜の練習を見学した。08年にはコートジボワール代表監督として来日し、リハビリ中のオシム氏と再会した』

 こんな人物だとすると、とても楽しみだ。守備も攻撃も指導できる人物らしいし、代表監督を務めるための周辺人材も多い人なのだろう。日本側からは手倉森誠・前仙台監督がコーチとして入るようだし。この手倉森氏、次期代表監督の有力人材だと僕は見てきた。仙台での実績がそれほどに素晴らしかった。
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琉球新報より    らくせき

2015年03月02日 09時35分27秒 | Weblog

「むごい。異常だ」「許せない」。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、米軍キャンプ・シュワブのゲート前で抗議していた平和運動センターの山城博治議長(62)が2月22日、米軍の日本人警備員によって拘束された。日本人警備員は2人がかりであおむけの山城さんの足をつかみ、背中を引きずりながら基地内に連行した。県内の米軍基地で働く日本人従業員は彼らの姿をどう思ったのか。沖縄で生まれ育った基地従業員2人が心境を語った。

 米軍嘉手納飛行場に消防士として勤める20代後半の男性は、引きずられる山城さんの写真を見て「許せない」とつぶやいた。
 この男性は一日置きに24時間勤務を繰り返し、消防本部では米空軍の軍人の消防士と寝食を共にする。建物火災や病人の搬送だけでなく、戦闘機のトラブルなどが起きれば文字通り最前線で米兵の命を守る。
 男性は「軍からの指示がなければ、こんなことをするわけがない」と断言する。「許せない」と思う半面、「彼らにもためらいの気持ちがあったのではないか」と感じている。
 「彼らはサングラスやマスクで顔を隠している。家に帰って一人のウチナーンチュに戻ったとき、自分の子どもに見せる顔もないのだろう。もし自分が同じことを指示されれば、仕事を辞めるだろう」と話した。
 男性は辺野古への新基地建設について「(政府に)民主的な解決策を示してほしい」と願う。現在の状況は「民主主義国家としてあるべき姿ではない」と感じている。そして「本土の1票を持っている人にこそ考えてほしい」とした上で「基地さえなければ、こんなことは起きない。最終的には基地のない沖縄になってほしい」と言い切った。
 県内の米軍基地に勤める別の日本人男性=20代後半=は日々、米軍人の上司の指揮系統下で働いている。この男性も「自分があの警備員と同じ立場だったら仕事を辞める」と話した。
 「まるで動物を扱うようだ。彼らもウチナーンチュとして痛みを感じながら仕方なくやっているのだと思いたい」
 ただ、男性は「沖縄でこれだけ安定した収入をもらえる仕事はそうない中、拒否できない人がほとんどだろう」とも言う。「結局、沖縄の人同士でけんかさせているのは政府。すでに辺野古に新基地はいらないと選挙で民意を届けてあるのに、現場で抗議活動をしなければならない人がいること自体が悲しい」
 この男性は「僕たちは一票一票投票したが、意味のない選挙だったのではと無力感がある」とする一方、「これが沖縄では戦後ずっと続いてきた。(民意を伝えることを)やめるわけにはいかない」と語った。(安田衛)








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朝鮮日報より     らくせき

2015年03月02日 09時32分24秒 | Weblog
今回の旧正月連休に最も多く観客を集めた外国映画は『Kingsman: The Secret Service(キングスマン : ザ・シークレット・サービス)』だった。粋なスーツ姿で黒の長傘を振り回す紳士スパイ役のコリン・ファースは、若造に「Manners make a man!(マナーが紳士を作る)」という格言を残す。魅力的な英国式イントネーションのセリフ回しは観客のハートをさらうのに十分だったが、映画が終わるころ、記者はその言葉を教えてくれたもう一人の師のことを思い出していた。


 大学の時に英文科の教授が教えてくれた「マナー」は洗練されたスーツやイントネーションのことではなかった。それは謙譲と自制の精神だった。教授はこう言った。「紳士は決して自分の考えをすべてさらけ出さない。相手のことも自分のことも守るため、言葉を慎むものだ」


 不意に「紳士たるもののあり方」について考えたのには理由がある。朴裕河(パク・ユハ)世宗大学教授(日本語日本文学科)の本『帝国の慰安婦-植民地支配と記憶の闘争』に対するソウル東部地裁判決と、それに伴うソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上での騒動を見たからだ。同地裁は同書の内容のうち、34カ所を削除しなければ販売を許可しないとの判断を下した。従軍慰安婦に対する名誉毀損(きそん)がその理由だ。


 安倍政権の右傾化が進む中、従軍慰安婦について日本だけでなく韓国の責任も指摘している同書の内容は非常に挑発的だ。学者の研究書とは言え、民族主義的な憤怒の矢を浴びるであろうことは十分に予測可能だったはずだ。しかし、この騒動や波紋は朴教授という個人をめぐる騒ぎに終わるような事案ではなかった。表現の自由と学者の良心、その限界についての深い議論のきっかけにもできる事案だった。ところが、その後の状況は思ってもいなかった方向に転がっていった。「天下の悪女」「民族反逆者」など、朴教授に対する個人攻撃の場に変質してしまったのだ。


 その先鋒(せんぽう)に立ったのは京畿道城南市の李在明(イ・ジェミョン)市長だった。李市長は「フェイスブック」や「ツイッター」などを通じ「こんな人間と(同じ)空の下で息が吸えるものか」「今からでも謝罪しなさい」「この人は本当に韓国人なのだろうか」など、憎悪や敵意に満ちた言葉を自ら書いたり、転載したりした。扇動的な書き込みに興奮したネットユーザーたちは、女性である朴教授に対し性的にさげすむ言葉や卑猥(ひわい)な言葉を書き連ねた。


 文字通り「見せしめ」になってしまったSNS上の応酬を見て、そのあおるようなむき出しの言葉を「ろ過」する最低限のマナーについて考えさせられた。もちろん、サイバー空間で開放感を得ようとしている匿名のネットユーザー全員に「紳士の道」を求めるのは無理だろう。しかし、少なくとも李市長のような公の立場にある人間なら、敵味方や二分法ばかりの論法に終始せず、社会の統合まで考えなければならない責任がある。敵味方をなくす真の対話の場を作るためにも、冷静になる、あるいは自制するというマナーを守るべきではないか。直接会って顔を見ながら議論する日まで、言葉を慎むことはできなかったのだろうか。


 一度もイケメンだと思えなかったコリン・ファースが、映画の中でけっこうイケてるように見えたのは、高級スーツを着ていたからだけではないだろう。李市長や韓国の政治家たちの口から出る言葉でも、そうしたマナーが守られることを期待したい。


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随筆紹介  レンコン   文科系

2015年03月01日 11時19分19秒 | 文芸作品
 レンコン  またK.Kさんの作品です

 夫の晩酌に付きあうようになってから、もう二十年以上たつ。これだけ修業してもまだ酒さえあればいいという、ハイクラスの酒豪には残念ながらなれていない。
 彼のほうも、朝から飲むというタチではない。日が沈まないと盃には手が出ないというほうなので、酒だけではダメで、おいしい肴がほしい。

    
 高価なものではなく、旬のものがあればいい。最近はレンコンステーキがお気に入り。レンコンは泥の湿った太い物を選ぶ。皮をむいて色白だと大当たり。茶色でスカだとハズレ。これを二センチほどの厚さに輪切りにする。たっぷりのだし汁とおかかで煮る。小皿に二枚盛り付けると、立派な一品になる。ひょいと箸ではさみ「パキッ、パリッ」、気持のいい音をたてて、おいしそうに食べる。「元気だよ」といっているように聞こえる。
 私もレンコンは、毎日食べてもあきないほど大好きだ。糸をひくもっちり感がたまらない。子どものころ、母に「弁当のおかず、何がいいの?」と聞かれ、いつも「レンコンにしてね」と頼んでいたのを想い出す。弁当箱の蓋を開けて、輪切りのレンコンの煮物を見つけると頬が緩んだものである。

 会話もいい肴になるが、わりにこの肴は難しい。話題にも旬があるのかもしれない。夫が、「おもしろい男がいてな……」と、話を始めた。友人が歯医者で「レントゲンを撮ります」と言われ、上半身服を脱いだとか。カラッとして笑いあえる話は食卓がおいしい。
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