九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

随筆 「全体主義的感性」   文科系

2016年10月15日 18時23分39秒 | 文芸作品
 高校時代のある友人と昨日偶然会った時に、孫の教育で悩んでいるらしく、こんな話が出た。同時にそこにいた同期生の一人が教員だったから出た話なのだ。
「近ごろの学校教育はどうなっているのかな。どうも戦後の米国流個人主義が日本人を駄目にしているように感ずる。教育勅語を読んでみたけど、結構いーことが書いてあるよね」
 話はそこからどうも、個人に義務や道徳を強調し、教え込む必要というような話に移っていった。「なんだか、安倍首相と同じだなー」、そう僕は考え込んでいた。
 そうなのだ、社会に不正や不道徳が多くなると、誰かが上からタガを締めるべきというよくある発想なのである。誰が、どのようにタガを・・という視点が不十分なら当然、旧ソ連や北のような全体主義に繋がりかねない発想でもある。社会に不正、不道徳が増えた現実的な原因をきちんと問うていないから心がまず問題になり、ただタガがゆるんだから締め直せという安易な発想が出てくるとも言えるだろう。こういう人は、日本がまだ世界一安全な先進大国だという点や、よってこういう社会悪傾向が世界的なものだということも観えていない訳である。

 さて次に、こういう考え方の人が国と国との関係を考える時には、社会ダーウィニズムに陥りやすいものと僕は色々体験してきた積もりだ。個人同様世界も角突き合わせるように乱れているが、国と国との紛争を調整する国連機関を改めて無視するような動きも増えたりして自然に戦争を想定することになり、国防こそ国の最大事という発想も強調されるのである。

 さて、ここが大事な所なのだが、上の2点のように考える人はほぼ必ず政治的には右の考え方を持つことになると僕は体験してきたつもりだ。つまり僕のような左の人がこういう人に他のどんな現実的政治論議を持ちかけても何の共通項もなくただ平行線に終わると。言い換えればこういうこと。一端上記2点のような相手の土俵に入っていかなければ、他のどんな「現実的」話もすれ違うだけと、上記2点のような話だけが両者の討論になり得るとここの10年で体験したつもりである。増えた個人の悪や不道徳が個人の心の中から生まれると観るなら上から心を変えるしかないのだし、国と国との間ではそういう調整機関は無力なのだから社会悪が多い時代には戦争を覚悟しなければならないと、そうなる理屈だろう。社会悪と、「国同士の悪=いざこざ、戦争」とかがまた、「性悪説的な似たもの同士」である所がまた味噌なのでもあろう。

 この二つ(心のタガと、社会ダーウィニズム的感性)は、いずれもそれぞれの問題、その原因を現実の中に問うて、現実を変えるという道が見えなくなる発想なのでもあると思う。それどころか、現実は悪、心がそれに抗していかねばならないという感じ方、「思想」と述べても良いかも知れない。いずれも、全体主義に結びつく考え方、「思想」だという自覚はないようだが、僕は結びつくと考えている。ヒトラーも東條も、それぞれ優秀な民族が乱れた世界、人類を鍛え直すという思想、意気込みを国民に徹底したと記憶する。そのためにこそこの戦争を聖戦として行うという決意表明、宣伝とともに。ちなみに、あの時代も今もその現実世界は同じこういったものだ。世界恐慌から、弱肉強食競争へ。強食が子供のような弱肉を蹴倒していくのだから、普通の人々は生きるためにどんどん道徳など構っていられなくなっていく。こういう現実的状況が社会悪の主因と観るのか、人の心に何かが新たに起こったことが第一だと観るのか。この分かれ道によって、双方の会話が非常に成り立ちにくくされている時代だと観る。
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ギリシャ財政危機と金融  文科系

2016年10月14日 10時22分01秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 ギリシャ国家の財政危機がEU全体を揺さぶった大問題について、昨日書いたコメントがこれ。僕はこのブログで米金融ゴールドマンの仕業でもあるとずっと書いてきのですが、巷で知っている人は知っているその正体の一端が今紹介中の著作に解説されてありました。このブログでまた「国家がなくなる」と何度も書いてきましたが、その真相でもあります。国家財政財政困難を活用して、さらにこれほどに痛めつけられたら、国家の仕事など何もできなくなりますから。世界金融は更に、ギリシャを痛めつけることによってユーロを通じて西欧全体を揺さぶってきたわけです。
 またちなみに、90年代のアジア通貨危機でもタイなど東アジア各国に、同類のことが起こったわけでした。

【 ギリシャ問題の本質 (文科系)2016-10-14 05:03:08
 一時世界で大騒ぎされた、ギリシャ国家財政危機問題。この一方の本質が、アメリカはゴールドマンの仕業とこのブログに何回も書いてきました。そのことが、この書「金融が乗っ取る世界経済」には、きっちりと解説してありましたね。こんな風に。

『企業ばかりではない。国家もそうである。ギリシャの金融危機が深刻化したのはギリシャ国債の空売りに加えて、新契約の裸のCDSの掛け金がどんどん上がってギリシャ政府が発行する新国債の利子率が急騰したためである。ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが、そういう取引を歓迎する金融センターが世界中にたくさん残っている』(P200)
 
 この文章の意味がきちんと分かる人が日本にどれだけ居るでしょうか。僕はこれをなんとか理解するのに、1時間以上かかった。それも、今も尚数学に強い我が連れ合いにこの前後を読んで貰った上でちょっと討論できた末のこと。「ギリシャ国債の空売り」、CDSなどはともかくとして、「裸のCDS」とか、「ギリシャ国債のCDS掛け金がどんどん上がる」とか「(すると)新規国債の利子率が上がる」とか。 
 こんなに難しいものを国民が知って反対し始めるまでには、歴史的時間が実に多くかかるもの。だからこそ、文中のこんなことも起こっているわけです。
『ドイツなどはその裸のCDSの取引を禁じているのだが(、英米では認められている)』

 裸のCDSとは何か。この金融保険の「裸の」って、難しすぎてここでは説明のしようがないので、作者の文章から易しい比喩的説明だけをあげておきます。
『保険法だったら、隣の家に黙ってその家に火災保険をかけることは禁じられている。全く当然だ。放火罪奨励はとんでもないことだからである。しかし社債のCDSの場合、国によっては、そのとんでもないことがまかり通る』(P199)
 かくして、この「裸のCDS」ゆえに、こんなことが無数に起こってきた。火災保険が掛けられた家の持ち主でない人々が、この家を燃やして保険金を貰おうという行動を密かに始めるのだ。さらにそのために、安い掛け金の同じ家の別番号CDSを無数に買い集め始める、とか。ちなみに、これが家でなくて社債の保険であるならば、間違いなくその会社を潰していくことになります。安い掛け率の保険が買い占められたら、新たな社債を発行しようにも利子率が高くないと誰もこれを買ってくれない。よってこの会社はもう、会社存続のための新たな借金もできなくなるという理屈です。

 皆さん、ギリシャはこうして潰されました。アメリカのゴールドマンがやったことです。】

 
 こうして、このようなCDSについて、世界的に著名な投資家ジョージ・ソロスもこのように「大量破壊兵器である」と評すことになります。
『ゼネラル・モータースなどの倒産を考えよ。その社債の持ち主の多くにとって、GMの再編より、倒産した場合の儲けの方が大きかった。人の生命がかかった保険の持ち主に、同時にその人を打ちのめす免許を持たせるようなものだ』(「金融が乗っ取る世界経済」P22)
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「よたよたランナーの手記」(172) 大収穫!  文科系

2016年10月14日 03時26分16秒 | スポーツ
 調子が落ちているので、疲れたら1時間走らないで途中でも止めるとか無理をしないように走ってきたが、涼しくなってちょっと上げてみた。前回10月6日にこう書いた「要注意」時点を意識して。
『いずれのやり方を取るにしても、ちょっと力が落ちているから久しぶりの、大いに要注意という時点と言わねばならない。』

 いくら要注意時点であっても、調子を上げてみなければ、何が悪いのかさえ正確には分からないのである。すると、ただ「年だ」と諦めるだけで、これが嫌だからだ。8日と11日は各8・2キロ、13日は8・3キロ。この3日で多くのことが分かってきた。
①ウオームアップによって心拍数が安定するまで確実に15分はかかるようになった。そこで無理をした日は凄く疲れるのだと分かった。ウオームアップ低速を含む前半30分は距離4キロ程度まで抑えること。そうすれば、後半にかなり無理がもできると分かった。

②すると後半は、4・5キロ程度までは走れるが、時速9キロを超えると心拍数が150を越えてしまうのは、どうしてか。心臓が弱くなったのか、高速を走っていないから落ちてきたのか、それとも走法に難点が出てきたのか?

③走法に難点もあると分かった。左脚の蹴りが弱くなって、体遣いに無理が出ているのだ。これを意識してちゃんと蹴ると、心拍数が下がるのである。多い場合は10近く下がって、正常9キロ時心拍数140よりも5ほど多い程度に戻ると分かってきた。

 以上により、前々回9月21日に書いた事が正確な現状認識だったと確認できたのである。
『筋肉の弱化速度が速くなったし、心拍数がかなり不安定になったし、高速度心拍数が上がっていると書いてきた。その復活に励みつつ、暑いうちは無理をしない程度に抑えて走ってきた。・・・・・ 筋トレを最もさぼっていた腹筋(僕流の、間隔を長目に取った軽いやり方の年寄り向け腹筋運動)では上体起こしを頑張って30回が45回まで回復した。ラン前半のとっかかりにやるウオームアップ走には15分以上費やしている。そうしないと、その後走行中の心拍数が不安定になったり、走行後の疲れが激しくなったからである。心拍数は、10キロ時で155ほどになった。春先には、147,8だったのに』

 ここに書いてあることで言えば、腹筋は60回できるように戻ったけど、10キロ時の心拍数は優に160を超えるだろう。涼しくなったから後半の30分の速度を上げて、10キロ時心拍数が160内に納まるように努めてみたい。左脚の蹴りをちゃんとしたフォームで走ることである。そのために、13日の走行後のジムで両脚スクワットをかっきり100回やってみた。90度まで曲げる正式なフォームのやり方で。疲れたけど、大きな効果が期待できると思う。

 要注意時点において、ただ「年だ!」と結論すれば、ずるずる後退していくしかない。が、今回も、いろんな抗い方があるものだとまた分かった思いだ。前立腺癌陽子線治療に入る11~12月を前にして、こう思えたのは大きい。記憶力がどんどん衰えていく中で、この日記を付けているからこその大収穫と言える。
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オージー戦 1970

2016年10月12日 03時32分41秒 | Weblog
今、サウジのゲームを見ながらなんだが、ひどい守備だなw

さて、ケガ人続出絶体絶命の中で迎えたアウエーのオージー戦だったが、まあオージーの攻撃もひどかったなwおかげで負けずに済んだ。この前、ハリルに柔軟性があれば予選突破は問題ないと言ったが、昨日のゲームはその片鱗は見えた。
本田のワントップはそのひとつ。大迫を呼べよと言ったのも、岡崎や浅野ではボールが収まらないからで今のメンバーでそれが出来るのは、本田しかいない。
次のポイントは2列目に原口、香川、小林を並べたこと。本田のワントップはボールは収まるが本田自体収めた後でドリブル等で相手を押し込んだり動かすタイプじゃないので、奥行きが作れない。そこで香川と小林という縦や斜めに動く二人を原口に追加した。これで本田が収めた後の動きを準備した。
3つめのポイントは、守備。オージーのパス回しのキーになるムーイを香川にマンマークさせた。香川がムーイのパスコースを塞ぐことでオージーの攻撃を大幅に遅らせ、ムーイからのバックパスを本田に狙わせた。
ハリルがこのゲームに準備した3つの戦略は全てハマった。こういうのを評価しないと駄目なのよ。それに引き換えオージーのベンチの無策はひどいと思うんだよなw
ゲームは見ての通り。7割方オージーにボールを支配され日本はほとんど自陣に押し込まれたが始めからそういう戦い方を選んだのはこっち。オージーの武器、高さとスピードはスペースが無ければ活きない。日本は引くことでスペースを消し、尚且つ、酒井、牧野のSBは高い位置を取って相手SBの動きを封じ込めにいった。
ゲームプランは大変良くできましただよ。今回は。
しかしwww問題は後半本田のスタミナ切れと共に酒井、牧野の位置が低くなり、ロングボールを蹴る以外なくなったこと。香川の頭上をボールが飛び交ってたからなwあれじゃ何にも出来ないわ。香川は何も悪くない。今まで散々叩いた長谷部、山口のボランチもあれだけ引いておけばポジショニングの不安はほぼ無くなる。結局昨日の日本は押し込まれているようでも失点の匂いはほとんどしない理想的なアウエー戦をベストじゃないメンバーで戦うことが出来た。オージー相手でこういうゲームは大きい。
さて、こうなると新たなメンバーを招集できる来月のサウジ戦になるが、大迫を呼んでくれw本田より更に機能的なワントップになるから。ワンチャンで得点できる。2列目は、コンディションのいいメンバーから選べばいいから。普通にやれば守備がガチャガチャのサウジには楽勝できるよ。
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「対中警戒論」など、日本への目眩まし   文科系

2016年10月12日 02時50分53秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日のエントリーもアクセス195で、閲覧数が977,多くの方が読んでくれました。アメリカの金融中心経済、株主資本主義(というよりも、機関投資家資本主義)のおかしさ、不公正さ、害悪がどのようなものかは、この本の以下のような部分から誰にもお分かり願えたと思うのです。

 こんなおかしなものがどうして無くならないのか、規制されないのか。
 一つの銀行が潰れると世界の証券価値破壊が1000兆円(日本の年間生産額の2倍)も起こって税金投入という、そんなバブルが必ずできて、必ず弾けて、しばらく相互不信不況が続いてきたなんて・・・。
 さらにまた、ある会社などを潰した方が儲かるという「大量破壊兵器」クレディット・デフォルト・スワップ(CDS)が世を席巻しているからこそ信用できないものにAAA格付けが付いてバブルが膨らみ、そのバブルが弾けるときにはこの保険会社(AIG)の救済が最緊急課題となって税金1兆ドルをここに投入とか。土地などの資産を多く持っている会社の株を買い占め、その資産を売り払って株を上げてから売り逃げしたり(ちょっと前、ブルドックソースに掛けられ、未遂に終わった大事件で有名。今はもう未遂ならぬ完遂に終わるような法整備がなされた。例えば三角合併のこと)。同じく株を買い占めてから、大量人員整理をして株を釣り上げて、売り逃げしていくとか。これらすべてが、まるで、短期金融が実業を壊していくやり方なのだと、著者は語っています。
 こんな繰り返しでも、「大きすぎて潰せない銀行」「そこには税金投入がある」が「信用」となって、それだけリスク商品創造に挑戦できて、それにAAA格付けも早く取れるし、その分バブルをどんどん大きく育てられる。そのバブル破裂時には他人には莫大な被害を与えても、己は税金投入で真っ先に立ち直り、真っ先に儲かり始める・・・と、だからこそまた同じ事が起こせるのだと、こんな確信犯悪行の繰り返しが許されているのです。
 

 皆さん、アメリカと親しくするときには必ずこういうものも入ってくるという、そういう文脈を忘れないことだと、そこを僕は強調したい。アメリカ帰りで日本の良さも、普通の世間というものさえも知らぬ洗脳秀才たちこそがまた、こういうものをどんどん仕入れよと言える責任ある立場に日本でどんどん立っているのです。マスコミへの金融アナリストの大量登場というのも、そういう脈絡だと語られるわけです。「アメリカでは・・・」この本にこの言葉が何度も紹介されていて、この言葉によって日本の一角が次々とねじ曲げられてきたと、著者は指摘しているのです。

「金融が乗っ取る世界経済」。この本に書いてある通りに、こんなアメリカがずっと続いていくはずがない。だからこそまた、今長く持たせるためにこそ、日中をきり離すべくこういう体制に日本を引き込もうとしているのです。多分、日本の政界、官界、実業界を分断して力を弱めつつ、いろんな手を打っている。

「日本追っかけ」、91才の老イギリス人、伝統的「政治経済学者」のこの本のこういう内容をこそ、日本中に僕は広めたい。
 日本の重要な地位にいる人がこの米金融の日本浸透工作を見抜けないなら、必ず利用されるはずだ。防衛省(関連、を含む)とか、経産省(関連、を含む)とか、外務省とかも。作者によれば、これらはいつの間にか既にほぼ陥落していると語っている。そして、あるいは地方自治体も・・・。

 アメリカ金融が分からない日本人は、アメリカに欺され、利用される。「とにかく、中国。中国が脅威だ」と叫んでいる場所、部門、人人などは、特に危ない・・・・。「ここにこんなにむだ使いがある、不正がある」という、日本の公金などの大々的告発の話題にも、常に罠が待っている公算が高い。今後の原発の金の流れ話題にさえも・・・。なんせリーマンでは、南山大学や藤田保健衛生大学の将来構想資金何百億などまでも奪い取っていった奴らなんです。

 こうして、今新たにアメリカに付いていこうという道は、例え小さな部門でも必ずアメリカに悪利用された上で、ともに日本が滅びていく道と言えるはずです。

 今のアメリカのこんな数字をこそ、日本人が決して忘れてはならないものだと言いたいです。毎年の軍事費を60兆円も使っているのに、国家財政赤字などは65兆ドルもあると元会計監査委員長が告発していました。それでいてちなみに、世界10大銀行にはモルガン一つが出たり入ったりだけ、つまり現金は全くないんです。これらの数字こそが、大金融をしてアメリカを食い尽くすままにさせてきたことの残骸、結末ということなのでしょう。
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米中問題挑発に、案外の沈黙   文科系

2016年10月11日 15時51分08秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 流石の米中問題。アクセス数、閲覧数ともに高かった。8日の『「米中関係の明日」で「挑発」』には178の1,159で、昨日10日『「大国の興亡」の現状』が219の1,269とあった。苦労して書いたものが多くの方々に読まれていると分かるのは嬉しい。

 ところで、こういうエントリー題目にネトウヨ諸君のコメントがつかないというのがまた、ここでは極めて珍しいこと。過去の経験から、彼らこそこのアクセスを押し上げてくれたということがはっきりしているからである。何故コメントがないのだろうというその理由もまた、明々白々。米経済論、金融経済論が中心で、これを軍備に絡めているからだ。中でも特に、日本マスコミが滅多に語らないアメリカ経済、金融を除いた実体経済の没落などを、その軍事に結びつけて語っているからである。
 著名な投資家ウォーレン・バフェットのこんな指摘なども絡ませて。
 彼はこう述べている。
 2010年度の私の納税額は690万ドルであった。これは私の課税収入の17・4%に過ぎない。私の事務所の部下20人よりも、私が一番低かった。キャピタルゲイン税15%などというのが、こういう結果をもたらしているのだ。76~7年には39・9%だったこの税率が、今ではこんなに下がっている、と。そしてその理由を、彼は剛毅にもこう開陳しているのである。

『我々富豪族がこうした恩恵を蒙っているのは、ワシントンの政治家によって、絶滅寸前のヒキガエルのように保護されているからである。キャピタル・ゲインの15%という税率が、投資のインセンティブとして必要だとの理由で』

 ということからこの年の彼の課税所得を計算したら、こんな数字が出た。3,966万ドルである。
 アメリカが命運を懸けている金融業だからこその、こんな税率。他を犠牲にしてでも外貨を稼ぐために金を集約させてきた業種だからこそのこんな税率では、税収がさらに増えていかない理屈である。それで、どうして年間60兆円の軍事費をこれからも出していけるというのだろうか。


 とこういうことなどなどには、誰も反論できないらしい。それでいて「米中論」とか「中国バブル論」などばかりを、マスコミもよくやるもんだと思う。こんなことだから、近い将来また「リーマンショック」が起こること間違いなしと、心ある識者が言うのである。リーマンでは、何が起こったか、今ここに紹介しつつある本で、こういう見事なまとめがしてあった。

『リーマンの崩壊がシステム全体を混乱に陥れたことはすでに歴史的事実なのだが、倒産当時の総資産は6390億ドルで負債が6130億ドルだった。(当時の為替で約63兆9000億円と、61兆3000億円。資産額は、みずほ銀行と同程度で、三菱UFJフィナンシャル・グループの約三分の一)。リーマン倒産のショックで、世界の株式市場の時価総額の暴落は、次の1か月で約10兆ドル(1000兆円)となった。つまり証券の「価値破壊」は日本の一年間の総生産量の約二倍だった』(p172)
 
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「大国の興亡」の現状  文科系

2016年10月10日 21時14分15秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 昨日付けた二つのコメントをエントリーにします。先週は二日もエントリーがなかったのに、また欠けては読者に失礼かと思いましたので。ただ、土曜日までの先週のことですが、2日もエントリーが欠けたのに週間累計でアクセスが1,298で、閲覧数は7,024。最近では9月4日からの週の1,326と5,152に続くものです。


【 米の中日への思惑  2016-10-10 04:40:06
 アメリカは黒字などどこにもない。国家の赤字は日本より酷く、日本家計などの貯蓄が1600兆円もあるのに対して、アメリカは家計も大赤字。ただ、アメリカ中の金を吸い取った銀行だけが、モルガンが一つ、世界10大銀行に入っているだけだ。3~4銀行が入っている中国、2銀行の日本よりも、銀行の金さえリーマンショック後の今は少ないのである。この国は、一体どう将来展望を描くつもりなのだろう?

 アメリカは、日本の黒字外貨を金融操作で、為替操作、株操作などで狙ってきた。が、そこで出てきたのが黒田バズーカ、ゼロ金利政策、マイナス金利、円安政策など、黒字国際収支にものを言わせた財政ファイナンスという保護主義である。GPIFがあちこちで筆頭株主になるという手もあった。
 ついでながら、同じ「筆頭株主事件」がアメリカでも起こっている。大兵器会社ボーイング株の7割近いダントツ筆頭株主は、「シード・アンド・カンパニー」? 今のアメリカ大企業多数にこの名前がどれだけ出てくるか興味のある方はお調べ願いたい。こんなこと、アメリカか中国か、はたまた日本かでなければできないことと思うが、多分アメリカ当局絡みだろう。つまりGPIFと同じ。

 さて、アメリカが日本のこの財政ファイナンスに文句を言おうにも、9年も緩和政策を続けてきた国としては、「猿の尻笑い」。日本についてはどうも、万策尽きたように見える。いくらレバレッジを効かせても、手持ちの金が違う。

 ならば中国というわけで、その実業で稼いだ黒字外貨を米金融がなんとか狙うという道が見えて来る理屈。だがそもそも、どうやったら日本と同様の元安政策という保護主義を覆せるのだろうか。

 皆さんなら、どうやったら元に空売りがかけられるようになると思いますか。日米金融がギリシャにかけて、西欧を震え上がらせたような空売りのことです。が、中国に対するこれは、まー無理。第一、いくらレバレッジをかけても、アメリカの持ち金が中国とは比較にならない。それとも、日米金融が協力して? それが今の狙いなのでしょうが、今の中国にはアメリカ留学帰りの優秀な若手金融専門家が無数にいるはずだから、これも難しくなっている。金融百鬼夜行の世界ですが、要するに外貨を多くキープしていなければ、まず空売り合戦にも負けてしまうでしょう。

 アメリカはこれから一体どうするつもりだろうか。こんな状態で年間60兆円の軍事費を費やしているのである。
「金の切れ目が帝国の落ち目」
 これは、ゲルマン民族に滅ぼされた大ローマ帝国がその滅亡で示した教訓である。】
 

【ついでにロッキード社などの株主   2016-10-10 21:06:40
 ついでに、最大の米軍事企業ロッキード・マーチンの株主。
 筆頭は、ステイト・ストリート・コーポ16・86%、キャピタルワン・グループ13・89%。三つ目は、ぐっと下がる。ところで、この二つ、どういうファンド?

 ボーイングの筆頭株主は、まさに凄まじい! シード・アンド・カンパニー69・79%(2015年1月)。ニューヨーク証券の子会社らしいですが、もしこれが中国や日本のファンドだったら、アメリカという国はもう終わっているはずだ。だから、アメリカ政府絡みと見たわけ。つまり、日本のGPIFと一緒。まーそれほど、ロッキードに比べてボーイングが危ないと言うことかも知れない。

 みなさん、こういう数字を見ずに、西太平洋風雲をば、果たして論じられるものだろうか? 西太平洋いざこざ問題で、兵器の比較論、戦争の地政学、そんな論議ばかりが多いように見えます。つまり、国際金融、国家予算などの論議が全く出てこないとあっては、軍事への金の出所が論じられない理屈になる。軍事も、金がなければ確実に途切れます。これでは、5年後の西太平洋軍事情勢でさえも、見えないことになる。

 アメリカ60兆円の年間軍事経費はどのくらいまで続くと見込まれて、米極東戦略を語られているのでしょうか。そこが全く見えない論議など、見通しがないもよいところと言いたいものです。
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「原発は、ぼったくりバー」に因んで   文科系

2016年10月09日 11時13分49秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 表題の「 」は、9月30日中日新聞の「中日春秋」から取ってその日のエントリーに早速報告したもの。最初は「安いよ、安いよ!」と大宣伝しておいて、後でどんどん金を取るという、そんな遣り口を評した造語である。本当にその通りで、連れ合いと「溜飲が下がるね」と顔を見合わせていたもの。
 安倍政権のやり口は、こんなのばかりだと思う。なぜなのか? 上記30日エントリーに付けたコメントを二つほどを、改作再掲してのお目汚し。


安倍の不公正 (文科系)2016-10-07 05:57:28

 上に書いたことが、安倍の愚かさ。近視眼というよりも更に言えば、公正さの欠如。政治を恣意でやっている無法とも言える。新電力にだけ関わりたいという人からも事故費用を新たに徴収しようなんぞは、理屈が通らない得手勝手も良い所だ。
 ちょうど、嘘の理由で始めたイラク戦争への日本参戦によって、自衛隊にも国家にも真っ黒な泥を塗りつけた過去に何の総括もない態度と同じものだ。公正さがないという意味で、国民を馬鹿にしている政権と言うべきだ。こんな状況でアメリカとの集団安保法制を更に進め、国会演説中に自衛隊員に拍手してみせるなどは、今時正に茶番である。
「その任務をコケにすることによって真っ黒な泥を塗りつけた相手を、拍手して褒め称えて見せた」
 最近僕が愛読しているあるブログにも、こんな文章があった。
『先日の国会で、安倍総理は「自衛隊、海保、警察に敬意を表そう」と述べて、自ら拍手しておった。そこで自民党議員がスタンディングオベーションしたことが批判されたけれど、おぢが気持ち悪かったのは壇上で安倍総理自ら拍手した姿。なんだか北朝鮮の首領様みたいで、薄気味悪かったですわ。
そして、自衛隊に敬意を表そうという一方、この総理大臣のおかげで自衛隊員は11月からは南スーダンで命のやり取りをする危険な任務に就くことになる。自衛隊員を死に追いやる危険に向かわせる安倍総理が、隊員に敬意を表するという。死ぬかもしれんけど頑張れといってるわけだ。
なんだかなぁ、、、』
 何でこんな政治、人格が生まれるのだろうか。日本人が世界よりはまだマシと言える人倫も、地に落ちていくばかりである。だから、大学の人文科学系を減らす?


1人17億円のボーナス!  (文科系)2016-10-07 20:01:33

 原発再稼働政策はすべて、誤魔化しばかり。本心からの存続理由が表に出せないから、こうなる。本心の理由を表に出したら、総スカンを食って、選挙に負けるからだ。そこから新しいぼったくりバー政策がぞろぞろ、ぞろぞろ、また出てくることになる。

 こんなやり方で押し切られる国民なら、為政者はやがて戦争もしかねない事態が来る。イラク戦争みたいに、国民に話せない本当の理由は隠している戦争。これに熱狂した米国国民のような、そんな日本国民にならぬよう祈るばかりの気持ちである。
 リーマンショックの直前2006年、ゴールドマンの花形従業員50人の年間ボーナスがいくらだったか。1人17億円である。バブルが弾けた時の2007年にはゴールドマン関連のこんな数字もある。有名なジョン・ボールソンは空売りなどで30億ドル以上の報酬を収めたという。長年続いて止められぬこんな不合理な数字こそ実は、グローバル金融によるバブル形成、バブル破裂が何回も繰り返されて世界の実体経済を痛めつけ、失業者や不安定雇用者、ギリシャ危機、難民などが生み出されてきた本当の背景と言える。
 通貨危機、ギャンブル戦争によってしか、今の最先進国は外貨を稼げないようになってしまった、そんな袋小路。これが今、中国元になんとか通貨戦争が仕掛けられないかと狙っているという、そんな危機。こんな無理を押し通す政権には軍事力も必要不可欠になる理屈だ。
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民進党の行く道は   らくせき

2016年10月09日 09時22分36秒 | Weblog
評論家の宇野常寛さんが、中日で「クリーンな自民党になることが
民進党の政権への最短距離だ」と言っていたが、
それが今の民進党への最大のエールだと思う。


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ドーア本あとがき、「米中関係」で「挑発」   文科系

2016年10月08日 03時04分30秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 今紹介している、中公新書、ドナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」(2012年6月第五版)のあとがきほとんどを抜粋してみたい。これを読めば、この本が日本の民主主義信奉者にとっていかに大切な書であるかが分かるというもの。


『「序文に代えて」で書いたように、一九四五年は正に、「終止符を打って再出発」の時期だった。人類同士が7000万人を殺した戦争に対する反省はそれくらい深かった。
 将来、金融化経済の不合理さ、不公平さに対して反省する時期は来るだろうか。同じく7000万人を殺さないで。歴史の教訓があるとすれば、「不可逆的に見える傾向でも、永遠に続くことはない」、であるし「大きな戦争がなければ大きな社会変化もない」である。
 そう考えると、どうしても世界の軍事力、外交力のバランスという現実にぶつかる。本書で描いた日本経済のアングロ・サクソン化は、米国が西太平洋における軍事的覇権国家であり、日本と安全保障条約を結んでそこに基地を持ち、その基地を移設しようとする内閣(たとえば鳩山内閣)を倒すくらいの力がある、という事情と密接な関係がある。
 詳しく論じる余地はなかったが、三、四〇年も経てば、西太平洋における覇権国家は中国になっているだろう。2010年、北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃した。世界的な非難が広がる中、アメリカは黄海での韓国との合同軍事演習に航空母艦ジョージ・ワシントンを派遣した。この空母の航入を、中国は一時激しく拒否した。後で認めることになるのだが、この事件は長い冷戦の始まりにすぎないだろう。米ソの冷戦は半世紀近く続いた。熱戦にならず、何千万人もの犠牲者を出さずに終わったのは、ゴルバチョフが東中欧における米国の覇権を認め、「負けた」と手を上げたからだ。
 今度は半世紀も要さないだろうが、中国が勝ちそうだ。なぜそう思うかと言えば、次の条件を勘案しているからだ。
 ○ 今後の米中の相対的経済成長力
 ○ 政治的課税力ー国庫歳入の成長力
 ○ 国威発揚の意思の強さー軍事予算拡大の用意
 ○ 人的資源・・・・・・・・
 西太平洋における覇権の交代はほとんど必然的だと思うが、それについての大問題が三つ。
①アメリカにゴルバチョフがいるか、である。それとも、何千万人もの死者が出そうな実際の衝突、つまり戦争の勝ち負けに決済が委ねられるだろうか。
・・・・・・・・・
③60年もの間、日本を行ったり来たりし、日本人の友達が多い私にとって大変関心が高い問題だが、土壇場になっても、日本は依然として米国に密着しているのか。独立国家として、米中が何千万人を殺しかねない衝突に突き進まないよう、有効に立ち回れるのかどうか。

 「新書」の目的が、挑発的な問いかけで読者を考えさせることだとしたら、挑発はこのくらいで十分だろう。このあたりで筆を置いていいと思う。』


 これまで2度にわたってここに紹介し、後は3度目が残っているこの本によれば、「アメリカではこうだ」という理屈の下に、日本が米国共々経済から外交、軍事にいたるまでいかに危ない橋を渡って行きつつあるか。そのことが、日本経済最新変化の解明を通じてとてもよく分かる本だとつくづく考え込まされている。
 なおこの著者は、「ロンドン大学LSE」を出て、そこのフェローの資格を得ているイギリス人。かつ、若いころの東大留学時代(江戸時代の教育制度を学びに来た)からの日本オッカケでもあって、日本文学者ドナルド・キーンのマクロ経済版のようなお方だ。本書を書き上げたころは85歳と推定されてなお、この「日本語」健筆。本書中には、60年前の日本にこんな生き生きとした「論壇」があったとして、こんな下りもあった。
『一方に、「岩波文化人」(私の親しい友人であった丸山真男や加藤周一や、まだ珍しく元気であった鶴見俊輔をはじめとして)、他方に、彼らを「進歩的文化人」と野次って、その愚かさを攻撃する「保守派」の福田恒存や江藤淳など、その間の論争を懐かしく思い出す』(P109)
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イラク戦おめ 1970

2016年10月06日 22時31分19秒 | Weblog
とりあえず、ホームで勝利おめw

細かいことは改めて書くが、今日は柏木、清武でゲームを作れたのが勝因。
やっと香川外してくれたのは良かった。もう呼ばなくていいよ。次からは今回間に合わなかった大迫呼んでくれ。
守備は相変わらずバイタルが甘いがこれは1年2年で直るものじゃないから仕方無い。それより得点するのにスムーズなメンバーを起用するしかないし、ハリルもそういうコンセプトで構成を考えてやるだろう。
そういう遣り繰りをしながらでもアジアなら勝つのが当たり前だから。UAEにしろイラクにしろスムーズな攻撃が出来れば負ける相手じゃない。
次はアウェーのオーストラリアだから勝ち点1が取れればOK。絶好調大迫がいれば勝ち点3を期待するが、まあ引き分けでいい。
せっかく清武がいるんだからセットプレーのバリエーションは増やしたい所だな。
とりあえず、おめ。
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「よたよたランナーの手記」(171) 秋、ちょっと調子を上げようか  文科系

2016年10月06日 11時26分14秒 | スポーツ
 前立腺癌の治療を前にした6か月の服薬期間に6月から入って、最近は特に調子が落ちている。女性ホルモンを注入して、男性ホルモンを抑える薬が入っていることが関わっているのか、中2~3日置くように走る日をセーブしているのが原因なのか。はたまた、単なる老化ということなのか。最近の2日はこうだった。
 2日には6キロ、5日には7キロだ。疲れたから無理をせず早めに切り上げたのでそれぞれ45分と50分の距離だ。1時間走れなかったのは本当に久しぶりのこと。でも、その前の9月28日が1時間8・7キロを走っているので、何かどっかが一時的に、ちょっと調子を崩しただけなのかも知れない。

 いよいよ12月初めから約1か月、癌治療に入ることになった。まー、高いPSA値を3か月おきにずっと調べてきて早期発見をしたから転移がリンパ節他どこにも見つからなかったのだし、がん細胞自身の悪質度リスクも中程度ということで安心はしているのだが、治療期間のその1か月「お酒は、控えよ」と言われたのには、参った。もっとも飲んでもよいとは言われたが、予後に良くなさそうなので、止めておこうと決めた。

 事前の1日検査入院が11月初めになるから、まーそれまでは色々な走りを試してみよう。抑えて走れば1日置きでも十分に良さそうだし、平均時速9キロ以上で30分と走るなら最低2日置く、とか。セーブしてきた分、膝と足首の筋肉強化にまた励むとか。
 いずれのやり方を取るにしても、ちょっと力が落ちているから久しぶりの、大いに要注意という時点と言わねばならない。
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ハリルジャパン(73) 今夜、イラク戦!  文科系

2016年10月06日 11時11分52秒 | スポーツ
 今夜はW杯最終予選の第3戦、イラク戦。イラクは世界順位こそ128位と低いが、イタリアで評判の選手など若手が急激に育っている国。また、グループ勝ち抜け確率も、アジアにおける日本の「名声」も、第1戦でUAEに敗れたことによって急落したところだし、代表にもかってない緊張感が走っている。こういう時に力を発揮する選手、やり方の発見こそ、今後の可能性を広げて行くために大事になってくる。今夜これが、成功できるだろうか?

 先ず問題になるのは、得点力。それも、多いシュート数はいつも程度なくても良いから、それ以上にメンタルを含めて「決められる」確率の高い得点力を示してもらいたい。そしてこの点では何よりも、これまでのゲームに見えた、敵ゴール正面へ人が集まり過ぎて「交通渋滞」を起こすということがないように願いたい。こういう「中央・渋滞・繋ぎ攻撃」だけならば、敵はゴール前中心にDFを並べて待てばよい理屈になる。
 さて過去2ゲームの「交通渋滞」へのこういう反省、警戒を、今日の先発予想メンバーでは岡崎と原口が異口同音に強調していたのが心強い。「チームとしての交通渋滞」という言葉を使って反省したのが岡崎であるし、原口は「もっとサイドに開いて、そこでDFを剝がしてきてシュートへ、パスへ」などのやり方を一例として強調していた。口で言っていればできるというものではないが、得点への僕の期待は膨らんでいる。
 なお、原口のゴールへ向かおうとする姿勢は、今までの代表にはあまり観られない迫力を持っていると思う。その意味で、同じドイツで呼吸した岡崎との以心伝心を強く期待している。
「2人の合作で、2得点、3得点!」

 以上のような得点が出ることと、アジアレベルが相手ということとを前提とするならば、ディフェンスの問題はやや少ないと思う。要は、ここぞという時のデュエル(1対1、決闘・・・のフランス語)に負けないことと、「ここでボールを取る」という時に周囲一丸となった密集作り・意思一致プレーである。

 なお、日本DF陣にとって驚くべき最新ニュースが一つ入っている。サウザンプトンの吉田が「今シーズンのゲーム最高瞬間スピード・イングランドベスト10」に入ったというのだ。今の吉田が尊敬している岡崎を真似て「走り出し」における身体遣いの鍛錬に余程力を入れてきたのだろうが、アーセナルのウォルコットと同スピードでベスト8タイとあった。「必要な時に走ればなんとか追いつくかな」という自信は、DFにとってかけがえのないものと思う。このスピードに合わせたプレミア・レベルの読みの勉強程度も見守っていきたい。イタリア、スペインなどでプレーした中村俊輔は常々こう語っている。
「例えゲーム出場チャンスが少なくとも、プレミア、スペイン、ドイツなどでゲーム形式練習をしているだけで全く違う選手なんです!」
 
 後は、清武がトップ下で出るようだから、彼にも期待したい。先述の「敵ゴール前方の交通渋滞」を避けることに関しても。彼の正確なキック力でアシストに徹するなら、岡崎、浅野の抜け出し得点も大いに期待できるはずだ。これは日本の大きな武器だと思うが、今日現在まで何の威力も発揮していないのである。これも、「交通渋滞」の結果とも言える。敵も密集して来る所へは、スルーパスなど怖くて出せない理屈だ。
 原口がサイドからドリブル・シュートやパス、岡崎はポストプレー(・即ターン)などに工夫、努力の跡が見えることだし、などなど、今夜こそ多彩な得点法を見せて欲しい。
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日本の男と女、この文化の異なり  文科系   

2016年10月04日 00時26分18秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
 これは、別のエントリーに付けた僕のコメントに書き足したものである。いつものように、補足修正して転載するということだ。

 いらんお節介だが・・・  (文科系)2016-09-30 15:28:10
 この随筆は、同人例会の合評でかなり話題になった。8月2日のここに載せた「随筆 男女文化度の差」の合評である。ただ、書いてある主内容は大変難しいものだ。とくに、以下の結論的下りが。
『 一つは、文化系でしか扱えないものに対する(日本男性の)感性の不足。今一つは、これの裏面として、目に見え手で触れるような物事にしか興味を持てないこと。一例を挙げれば、同じ文章系でも男は歴史、文学は女というような』

「同じ文章系趣味でも、男は歴史、女は文学」と、どうしてなるのだろうか。これは、各国文学系、史学系、哲学系とあった旧帝大系文学部で学んだ時代からの僕の長年の疑問であった。史学系と文学系と、この二つの違いは、「文学はフィクション、歴史は事実」ということのようだ。ところが、この「フィクション」、「事実」が以下のようにいずれも誤解されている場合がほとんどだと思ったもの。

 「文学はフィクション」というのは、文学とSF、推理物、時代劇小説などとを混同し、絵空事という感じ方があるようだ。他方「事実」の捉え方もどうもおかしいと感じる。人間の心も含めた事実を扱うのは、文学者、歴史家、考古学者、心理学者、哲学者らであって、並みの彼らならもの凄く専門化された領域に没頭し、そんな個々の領域だけでは素人には面白くも何ともないはずなのである。よって、人類史の事実を調べ、語っているような人でも、案外その傍らに「変な人間論」を堂々と侍らせていることも多いようなのだ。そして、このことと男の文学軽視とが実は重なるのだと僕は密かに観てきたもの。

 問題は「人間の心」なのである。これは当然、目には見えず、手では触れないという性質を持つ。つまり、言葉、文章でしか表現しようがないものである。本物の文学とは、こういう物を扱う「本物」のことであるという以外に、定義のしようがない。よく読まれるSF、推理物、時代小説などフィクションの典型が、そのままで文学ということではないということだ。

「フィクション(という形式)を嫌って、人の心まで自分から離してしまう」

 これが日本人男性における、文学嫌いの正体なのではないか。としたら、男は心(らしい心)が苦手と、そんなことが言えると観てきた。目に見える仕事と、結果を出すべきとされたという意味で過労死自殺が出るほどの世界一の人間関係との中で、いつの間にかこうなってしまったと言ったら、言い過ぎだろうか?
 以上のことを、同人誌女性諸氏に説明を付けた。そして、はっきりと分かって貰えたと、今は確信している。それぞれの夫を改めて見つめて、かつ文学に通じている女性だからということなのだろう。
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随筆  「情けないブログ世界」    文科系

2016年10月03日 16時35分09秒 | Weblog
『(戦前の歴史について)「天皇批判 即死刑」なんてデタラメを書く人間と歴史や政治を論じ合っていても……』
 ブログに僕が書いた文章に対して、A氏から返ってきた批判だ。
 激高してこう反論する。
『大逆事件も知らないのだ。当時の刑法の大逆罪についても、全く無知なのだ。天皇危害計画だけで、大量死刑者が出たのに。れっきとしたこういう法文の存在を何と理解するのか。天皇、皇太子らに対して「危害を加え、または加えんとしたる者」は死刑に処すると規定されていたことを。つまり、「危害を加えんとしたる」だけでも死刑。大逆事件はこの法の典型的適用例だと理解してきたけど違うのかな。
 こんな事件があると、以降誰も天皇の悪口は言えないよね。ついでに、不敬罪についても調べなさい。これで刑務所に入れられてなお刑務所内で天皇批判を続けたら確実に殺されたはずだ。表面切って死刑にならなくともね。これって、「批判したら死刑」と違うのかな? 小林多喜二が即「死刑」になったことも知らないらしい。天皇は神であるという当時社会の雰囲気を多少とも知っていたら、こんな反論はまずできないはず……』

すぐ後に同じことでBさんからは、天皇は独裁者ではないとして、末尾にはこんな言葉。
『大逆事件で処刑されたのはたったの十二人ですか。共産主義のほうが遥かに人を多く殺しているので、中共と仲良くするべきではありませんね』
怒りを通り越した僕は、切れてしまって、こんなことを叫ぶ。
『こういうのはトロサの極地。今後は止めるように。
①「たった十二人」というのがトロイ。問題の性格を考えてみよ? 一人殺しても残虐なのは大問題という論理も時にあるだろ? 
②ましてや「共産主義のほうが遥かに……」をこれとの比較例に上げたのが、トロイ。どういう論理的関係があるか。まるで知性に欠けた夫婦ゲンカに出てくるような、無関係、牽強付会の比較論議である。
③②に関してはこういう反論例をよく覚えておくように。「あれは、あれ。これは、これ」。ケンカの時に「お前そう批判するが、お前だって同じこれやっとるだろ」という論理を不当に押し広げたもの。他に気の利いた反論を思い付けぬ馬鹿こそよく使うやり方だ』

 Cさんのこんな僕への批判もあったな。
『戦前の天皇を独裁者のように言うナンセンス』
 これには、簡単にこう返せる。
『大日本帝国憲法に「万世一系の天皇統治す」と明記してあって、国民主権の「国民」がどこにも居なくって「臣民」が居るだけならば、これは独裁制でしょ。独裁になるか否かについては、良い長男子が生まれてくるようにと祈るしかない制度』

 ブログという公開討論の場所が、いろんな人に討論チャンスを与えるようになったのは良いことだ。が、チャンスを与えられた方は、もう少しプライドを持って、知識も論理も鍛えて欲しい。日本史の知識もないのに、特にその恥部の知識に欠けるのに、保守、愛国を任じる人が、現今特に目立つ。これは、美化した日本だけを信じている狂信者とも言える。右的ブログをいくつか覗いたが、もうそんな狂信者論調ばかりに見えたもの。恥ずかしいことである。また、まともな論理も使えないのに論争をしてくる人は、謝罪もない理屈だ。この謝罪を覚悟しないで論議してくる人はまたまた、さらに質が悪くなる理屈だ。謝りならぬ誤りへっちゃらだから、学ばないのである。

 かくしてブログは、言いっぱなし、不利になると応えないという百鬼夜行の世界となっている。同時に、プライド、人間の尊厳というものも放棄した世界と言える。まー、なんだな。いくら激しくなっても双方から詫びがありうるわが家の夫婦ゲンカより数段劣る右ブログ、右人士がほとんどという世界である。
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