Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

非破壊検査?

2023-02-01 08:40:04 | 病気

大腸癌手術に向けての検査のこと.

非破壊検査は破壊検査の反対語で工学用語である.検査は医学でも行うが,医学の検査は全て非破壊検査のはず.でも実際の医学検査は,非検査体すなわち患者に,患者自身が回復できると推測される範囲のダメージは与えることを,この1週間で痛感した.今までの人生で経験したことがない造影剤その他を立て続けに体内に入れられるのも嫌だった.
かって健康診断に際し放射線検査による被爆について質問したら,それはタブーという感じをうけた.この検査で患者が破壊を受けたデータはないのだろうか.
以下は,患者として特に辛かった検査.どの検査も朝9時台だった.

 

注腸造影X線
前日から,大腸内視鏡検査同様に不味い検査食.前日夜に下剤2種類.2時間おきに便意をもよおし到底眠れない.当日朝にも座薬,昔の言葉で言えば浣腸.
職場などの健康診断の医検査ではバリウムを飲んで回転ベッドに載せられるが,大腸を対象とする場合は肛門から空の腸の中へとバリウムを注入する.空気も注入して,これが不快.ベッドもろとも七転八倒.右向け下向けなどの指示は健康診断ではインターフォン経由だが,この度は担当さんが側に付ききりだった.
20 分ほどで終わるが,下半身は自分の体液だかなんだかで ぐしょぐしょである.その後腸内の気体を排出するのだが,その際固体・液体も排出される恐れがあり,30分1時間2時間...といった間隔でトイレに通うハメになった.気分も悪く,回復に半日.

胃カメラ
10 年くらい前 近所の内科医で,鼻から入れる胃カメラを経験した.このときはテレビ画面で説明を聞きながらという長閑な検査であった.
この度は,口からカメラを導入.鼻から入れる小型カメラは解像度が悪いのだそうだ (ホントかね).胃液の泡を消す水薬 ? とかを飲まされ,口から喉は麻酔.撮影のときに,これまた空気を胃に送り込まれたのが応えた.撮影中に先刻の水薬が口から溢れたり...
朝食抜きにもかかわらず麻酔で咳き込み,昼食をとる気になれず,回復に半日.ただし朝の撮影なので絶食は当日の朝食だけですんだ.
大腸膀胱も経験したが,胃に限らず内視鏡は辛い.

造影CT
静脈から生理食塩水を注入し,CTベッドの上で食塩水をヨード造影剤に切り替えると,ほとんど瞬時に上半身,ついで膀胱のあたりが熱くなった.「気分が悪くなる方もおられますが,大丈夫ですね」と言われたとたんに,気分が悪くなり吐き気を催した.しかし朝食抜きで吐くものはなし.数分で落ち着きを取り戻し,撮影は無事終了.水をがぶ飲みして造影剤を排出しなければならなかった.

 

MRIは閉じ込められて 20 分騒音に耐える必要があるが,肉体的苦痛はない. PETも退屈なだけで辛いことはなかった.

こんなにいろいろ検査して,どういう意味があるの,という疑問に答えてくれそうな論文が
 塚本俊輔,三宅基隆,金光幸秀「直腸癌に対する画像診断」日本消化器病学会雑誌 第117巻 第 7 号 552-558
トップ画像 Fig.1 は わが大腸ではなく,この論文から転載させていただいた.テキストはまだ読んでいませんが...

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PET 初体験

2023-01-26 09:58:15 | 病気

多くの癌でブドウ糖代謝が活発だから,体内のどこにブドウ糖が集まっているかを知れば,癌病巣の所在箇所を知ることができる.PET positron emission tomography ではブドウ糖分子の一部を陽電子エミッタで置換した FDG とやらをブドウ糖の代わりに用い,陽電子消滅時に反対方向に放出する2本のγ (ガンマ) 線を検出して癌の所在を知る.

このたび,広島市内の中電病院でこの PET を初体験.なかなか ものものしいものだった.

検査前6時間は絶食.
まず放射性同位元素 18F を含む FDG を静脈注射し,これが体内に行き渡るまで 60 分安静にする.ドアなしの薄暗い個室で音楽も読書もだめ.PET の撮影そのものは 15 分くらいだが,その後 50 分は安静を求められる.この時間は 18F の半減期 110 分を目安に決めたのだろう.最後にトイレに行けと指示されるが,小用だけでも放射性物質が飛び散らないように,座ってしなければならない.病院から解放されても妊婦さんや乳幼児に近づいてはならない.

前立腺癌のときは PET はなかった.泌尿器系の癌には PET はて不向きであり,おまけに当時は保険も適用されなかったためであろう.

今は昔,陽電子消滅を研究テーマとしていた時代があった.
A.Ogata and S.J.Tao "OrthoPositronium Annihilation in Nitric Acid Treated Polypropylene" J. Appl. Phys. 41(1970) 4261.

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術前検査週間

2023-01-21 09:31:42 | 病気

大腸癌手術前の検査 : 昨日は尿・血液の採取と心電図.これは iPhone 画面をキャプチュアした今後のスケジュール.前立腺手術のときの検査にくらべ,消化器をからにするために.飲食の制限が多い点が煩わしい.毎晩・最後の晩餐として美味いものを飲み食いするつもりなのに !!
PETだけは広島市内の病院へ行く.
過剰検査で病院経済が回っているというのが実感.お医者さんが聴診器を使ったり,お腹を押したり叩いたりという問診は皆無で,ものたりない.

PETは陽電子消滅,CTはトモグラフィ,MRIは核磁気共鳴... みな物理屋として,昔取った杵柄ではあるが,それが我が身に返ってくるとは.そういえば放射線治療用の加速器も KEK が関係していた.

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前立腺癌は卒業

2023-01-17 09:52:09 | 病気

前立腺癌の転移先・第7胸椎への最後の放射線照射が終了後5年,PSA値が一貫して検出限度以下なので,広島大学病院での経過観察は終了となった.今後は近所で年 1-2 回のPSA検査をとのこと.
通院と称して,都会 (広島市内のこと) に出かけてうろつく機会がなくなるのが心残り.

入れ替わりのように大腸癌が見つかったので,こちらを治療する東広島医療センターに,前立腺癌の経過観察も一本化することになった.

グラフのように,前立腺癌治療後の5年生存率は今では 99 %超.これに対し大腸癌では平均 77 %というところ.いっぽう 1921 年の調査では,81 歳の平均余命は9年弱.5年も9年も 50 歩 100 歩だな.

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reading

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