三崎亜記著 集英社文庫(2012/09)
市内のあらゆる建物から七階だけを排除しようとする役所とそれに反対する「七階闘争」.
新築の廃墟を建築する「廃墟建築士」.
深夜になると棚の本が集団的に飛翔する「図書館」.
破壊されることが運命付けられている蔵と,それを守る蔵守を描く「蔵守」.
どれもあり得ない設定を前提としたストーリーだが,その「設定」の説明は一切ない.
脈絡なく思い出したのは,島尾敏雄「死の棘」.一冊丸ごと,妻にやられ続ける夫の話だが,なぜそうなったかという説明が一切ないので.
「七階闘争」は「となり町戦争」を読んだためか,既読感が拭えなかった.
真夜中になると,おもちゃ達が動きまわるという童謡を連想させる「図書館」が,いちばん常識的な小説らしい.
「蔵」はどことなく放射性廃棄物貯蔵庫を思わせ,ぼく的にはベスト.
市内のあらゆる建物から七階だけを排除しようとする役所とそれに反対する「七階闘争」.
新築の廃墟を建築する「廃墟建築士」.
深夜になると棚の本が集団的に飛翔する「図書館」.
破壊されることが運命付けられている蔵と,それを守る蔵守を描く「蔵守」.
どれもあり得ない設定を前提としたストーリーだが,その「設定」の説明は一切ない.
脈絡なく思い出したのは,島尾敏雄「死の棘」.一冊丸ごと,妻にやられ続ける夫の話だが,なぜそうなったかという説明が一切ないので.
「七階闘争」は「となり町戦争」を読んだためか,既読感が拭えなかった.
真夜中になると,おもちゃ達が動きまわるという童謡を連想させる「図書館」が,いちばん常識的な小説らしい.
「蔵」はどことなく放射性廃棄物貯蔵庫を思わせ,ぼく的にはベスト.