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【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

2024-08-03 06:34:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.18】:【鹿児島県医師会職員わいせつ事件】隠蔽されたハラスメント|調査委議事録が問う報告結果ねつ造の可能性

 鹿児島県医師会が、新型コロナウイルス感染者の療養施設などで起きた強制性交が疑われる事件の裏にあったハラスメント被害を組織として把握しながら握りつぶし、池田琢哉会長が吹聴した「合意があった」という主張に合わせた調査報告書を県に提出していたことが分かった。報告内容のねつ造が疑われてもおかしくない事態だ。

 ハンターが独自に入手した第一回調査委員会の記録文書(議事録)から明らかになったもので、医師会が設置した調査委は、性行為をはたらいた医師会の男性職員(今年10月末で退職)が常習者にセクハラ・パワハラを行っていたことを示す証言や証拠を確認しておきながら、調査報告に反映させず、懲戒理由にも加えていなかった。医師会は、県への報告にはもちろん県民向けの記者会見でも男性職員のハラスメントに触れておらず、組織ぐるみで真相を歪めた可能性がある。

 「強制性交」に結びつく可能性があるハラスメントの事実が隠された結果、男性職員や池田氏が主張した「合意に基づく性行為」だけが強調され、被害を訴える女性の人権が著しく侵害された形になっている。

 ■調査委、ハラスメントを把握

 広範囲に被害者を出していたとみられる男性職員のハラスメントは(既報参照)、「合意に基づく性行為だった」とする男性職員の証言を一方的に採用し、それを喧伝することで自己保身を図ったとみられる池田会長にとっては極めて都合の悪い事実。顧問弁護士らで構成された調査委は、1回目の会議でハラスメントの実態を把握していたが、9月27日に鹿児島県に提出した調査報告書にはその点について何も記載されていなかった。医師会として経緯を説明した記者会見でも、医師会側はハラスメントについて一切言及していない。弁護士も加担した組織ぐるみの真相隠しが疑われる。

 9月27日に開いた記者会見で医師会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)は、ハラスメントのことを伏せたまま、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。一方的に強制性交を否定していた。

 男性職員の行為について検証するため医師会が設置した調査委員会が開いた第一回会議の議事録を確認したところ、新倉弁護士が、男性職員や池田会長ら医師会幹部が主張していた「合意に基づく性行為」を前提に、調査委の議論を進めようとしていたことがうかがえる記述が多数あった。

 それによると、新倉弁護士は会議の冒頭、男性職員によるセクハラとパワハラを調査に加えることを宣言していた。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 本調査委員会における調査範囲について、セクハラやパワハラも含めた懲戒事由を調査することとなった。

別の弁護士からは、セクハラの実態を示す報告がなされていたことも分かる。

早瀬弁護士――この件とは別に、セクハラを受けた話について2名の職員に話を聞いた。◆◆◆◆さん、●●●●さんの2名。◆◆◆◆さんは、(男性職員が)下ネタをLINEで送ってくる、そういうキャラクターだと思ってかわしていた。3~4年前、胸を揉まれた他の職員がいても平気でやっちゃうスキンシップのハードルが低い人。大事にするつもりはなかったと。●●さんは、誰もいない時に頬っぺたにキスをされたりということもあった派遣社員の▽▽▽さんがエレベーターの中でハグをされた。令和2年9月に、やめろというLINEを送った。■■課長にも報告するようにと言った。できれば、派遣さんについては無記名でもアンケートをして欲しいと話をしている。

 ハラスメントについての話を把握していた新倉弁護士は、宿泊施設内でのハラスメントについて報告を求めていた。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 医師会内部でもそういう話(セクハラ・パワハラの話)がある。宿泊施設内でもあったのではないか。

 会議の中で、医師会の役員がこう打ち明けている。

医師会役員――(男性職員から)セクハラをしてしまった(と報告を受けた)。(相手から)病気じゃないのと言われたらしい。東急ハンズの一番上にあるお店で、1~2時間くらい本人(男性職員)と話をした。親密さから抱きついてキスをしたのを、本人は愛情表現と言っていたが、私は、普通しないよねと言い、セクハラなんだから謝罪するしかないよねと話をした。訴えられたらどうする。

 この医師会の役員は、問題の男性職員と別の女性看護師を嫌がる新型コロナ療養施設のスタッフが、LINEで、男性職員によるパワハラを訴えてきていたことも明かしている。

医師会役員――(男性職員から)勤務から外すというLINEが来て、不安でしょうがないという感じだった。本人はハラスメントと感じている状態だった。

 これはすべて第1回調査委員会の記録であり、早い段階において男性職員のハラスメントが医師会内部の共通認識になっていたことは明らかだ。しかし、男性職員によるこうしたハレンチ行為は懲戒処分の理由に加えられず、対外的に公表もされなかった。何故か――?

 ■「合意があった」に誘導か

 疑問に対する答えは、この会議の中で出されていた。県医師会が調査委員会を設置することになった原因は、男性職員によるコロナ療養施設内でのわいせつ行為。本来なら事実認定された時点で“懲戒解雇”が当然だ。しかし、池田琢哉会長は今年2月10日、強制性交の被害を訴えている女性の話も聞かないうちに、わざわざ県庁の担当局に出向いて「強姦といえるのか、疑問」、「(警察からは)事件には該当しないと言われている」などと男性職員を庇う姿勢をみせていた。

 同月22日に開かれた県医師会郡市医師会長連絡協議会ではさらに踏み込んで、「本人(男性職員)によりますと、昨年8月下旬から9月上旬にかけて当該医療機関と宿泊療養施設内で複数回、行為を行った。そのうち、性交渉が5回で、すべて合意のもとであった」、「まあ、ちなみに本事案は短時間の間になされて数回性交渉が行われていることは双方の代理人弁護士の主張からも明らかで、強姦とは言い難いと思います」、「今日あったこういう情報(合意があったという情報)をですね、ある程度かみ砕いて伝えていただければ、現状はこうなんだよということをですね、伝えていただければありがたいなと思います」などと話していたことが分かっている。

 いずれの発言も、“合意があっての性交渉だから問題ない”という身勝手な考えに基づいており、事案の矮小化を図ろうという狙いがみえみえ。療養施設で不安を抱えながら過ごしていたコロナ患者に対する配慮や、「強制性交」の被害を訴えている女性に対する思いやりの気持ちは一切なかった。

 医師会の顧問を務める立場としては当然なのかもしれないが、新倉弁護士は、こうした池田氏の姿勢に沿う形で会議をリードしていた。“誘導”ともとれる同弁護士の、会議での主な発言を拾ってみた。(*以下、議事録にある男性職員の実名を伏せ「男性職員」と表記)

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 事実認定を公正公平にしていくことになるが、証拠品が足らない。客観的な証拠が非常に重要。メッセンジャーやメールなどは、後から偽造ができないので、事実認定のために重要である。最終的に、合意かそうでないかの事実認定をどこまでするのかを決めなければならない。既に刑事告訴されているので、裁判、警察による捜査、検察による捜査、裁判という流れになる可能性がある。そうなれば、裁判所が最終的な事実認定をする。しかし、検察が不起訴にしたら、誰も事実認定をしないことになる。合意があれば、不起訴にするはず。強姦があった場合でも、罪の判断を下すのは裁判所。あくまでも懲戒事由に関しての事実認定になる。
新倉弁護士
新倉弁護士
 
 現在、証拠書類が男性職員側からしか来ていない。12月1日の資料2、女性側から男性職員に送ってきたメールらしいが、(女性側が)行為があったのは1回だけであること(と述べている)。(女性側から)これまでのメッセンジャー等の削除依頼が来ており、(女性側が)証拠隠蔽をお願いしている。こちらは男性職員には有利しかし、資料4の謝罪文に関しては不利。これから裏付けの証拠が男性職員から出る、女性側からもっと客観的資料が出るかもしれない。
新倉弁護士
新倉弁護士
 
女性からのメールは)男性職員の主張を裏付ける証拠になるんじゃないか。県への報告書は、証拠書類や委員の意見を反映させたものを作る。新聞報道は、そのあたりでしっかりこちらの主張を言うのかなと思う。謝罪文は男性職員がレイプを認める内容だが、9月30日だけのこと刑事事件だったら、いつ、どこでという事実認定をしないといけないが、日時は置いておいて、場所は重要だと思う。懲戒認定ではそれでいい。

 性被害を訴えている女性の立場を尊重する姿勢は皆無。どう見ても男性職員寄りの発言ばかりだが、新倉弁護士の発言を受けた医師会の大西浩之常任理事(*現在は副会長。医師会の会議で池田氏の「合意論」を補強)は、「トラブルがあった9月30日の後も、(被害を訴えている)女性から会いたいと言ってるので、私は強制的ではないと思う。保護しているドクターからの情報でBさんから10月7日に(被害を訴えている女性の姓名)の方から会いたい(とあり)、そのメールに男性職員は、忙しいから会えないというやり取りもある」として、被害を訴えている女性と男性職員との間で交わされたメールの記述を理由に、「強制的ではない」と短絡的な見方を示していた。その後の、新倉弁護士の発言はこうだ。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 大西先生が言ったような物(女性の方から会いたいと送信し、男性職員が、忙しいから会えないと返信したメールのやり取り)があるなら、起訴はされない検察、警察は動かない
新倉弁護士
新倉弁護士
 
 警察で受け取って、こっちで調べますねと周りから調べて行って、最後に本人から聞く。告訴があったとしても、男性職員に今いってないのは不自然ではない。(男性職員の代理人弁護士の)▲▲▲先生さえ、バーンと(男性職員と被害を訴えている女性の間で交わされたメールのデータを)出してくれれば、ここで話をしなくてもいい

 こうなると真相究明を目的とする調査委員会の進行役というより、事件を起こした男性職員の罪を軽くするための主任弁護人。はなから「合意に基づく性行為」という結論に持っていくための動きだったとみられても仕方がない発言が続いていた。

 新倉弁護士の本音が透けて見える発言もある。

新倉弁護士
新倉弁護士
 
 懲戒事由を宿泊療養施設まで広げるのかどうか。

 男性職員のハラスメントを調査対象にすると宣言しておきながら、懲戒事由を宿泊療養施設まで広げることを躊躇するかのような発言だ。明らかに整合性に欠ける。

 推測になるが、療養施設でのハラスメントまで明らかにした場合、女性から訴えが出ている「強制性交」の信憑性が高まるということを見越した新倉弁護士が、対象を広げた調査を避けようとしたのではないか。そして実際には、宿泊施設でのパワハラも医師会内部のセクハラも握りつぶされ、男性職員にとって不利な事実が表面化することはなかった。

 ■ハラスメント隠蔽の背景

 先週8日、男性職員が、常習的にセクハラ、パワハラを行う人物だったことを報じた(既報)。調査委員会の議事録からは、その事実が県医師会上層部の共通認識となっていたことや、同会顧問の新倉弁護士が、調査委の初回会合でハラスメントを懲戒処分の対象に加えると宣言していたことも明らかとなった。

 医師会の女性職員にだけではなく、宿泊医療施設に勤務していた組織外の女性にまで及んでいたハラスメントの被害――。同時期に起きたのが、「強制性交」の疑いが持たれている事件だったという事実を重ねれば、池田会長ら医師会幹部による「合意に基づく性行為」という主張の信憑性は大きく揺らぐ。

 おさらいになるが、鹿児島県への調査報告書に記された医師会の主張はこうなっている。

 1 宿泊療養施設における性行為は、「合意」に基づくものだった。
 2 これまで男性職員が就業規則に反した処分に処せられるようなことはなかったし、宿泊療養施設の立ち上げや運営、医療機関のクラスター問題などに尽力してお り、宿泊療養施設の看護師からも評価されている。
 3 一定の社会的な制裁を受けている。
――以上の理由から 情状を酌量し、停職3か月の処分にする。

 調査委員会の議事録と、前稿で紹介したハラスメントを証明する証拠となるメール画面から導き出されるのは、県に提出された調査報告書の内容が、真相を隠して都合のいいように捻じ曲げられた――つまりねつ造された――ものだったのではないかという見立てだ。真相隠しの目的は、言うまでもなく2010年から続く池田体制の維持。今年5月の医師会長選挙を控えていた池田氏やその周辺が、大した根拠もなく吹聴してしまった「合意があった」を引っ込められなくなり、歪曲された筋書きに沿った調査結果を求めた可能性がある。女性の人権を顧みない調査結果を導き出したのが医師会側についた弁護士たちだったとすれば、残念というしかない。

 ところで、取材を進めてきたハンターの記者は、男性職員のわいせつ行為が強制性交だったか否かを検証する上で、重要な役割を果たすことになる証拠を掴んでいる。もちろん医師会は、その証拠も保有しているはずだ。次の配信記事で、「証拠」が残された経緯に迫りたい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・鹿児島県医師会が、新型コロナウイルス感染者の療養施設などで起きた強制性交が疑われる事件】  2022年11月18日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

2024-08-03 06:34:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.08】:鹿児島県医師会、わいせつ事件男性職員の常習ハラスメントを隠蔽|崩れる「合意に基づく性行為」

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる“わいせつ事件”を起こしていた問題に絡み、10月末に退職した当該職員(以下、本稿では「男性職員」。既報)が、別の複数の女性に対し常習的にセクハラやパワハラを行っていたことがハンターの取材で分かった。

わいせつ事件を受けて県医師会が設置した調査委員会に男性職員のハラスメントに関する証拠が提出され、事実関係が認知されていたことも判明。しかし医師会は、鹿児島県に提出した調査報告書や報告書提出後の記者会見で、ハラスメントの事実には一切触れず、性被害を訴えている女性と男性職員の間に「合意があった」とする見解だけを強調していた。

 医師会上層部は、調査委設置以前から「合意があった」と公言していた池田会長の立場を守るため、男性職員によるハラスメントの実態を隠蔽し調査結果を歪めた可能性が高い。

             ◇   ◇   ◇

 医師会の男性職員が起こしたわいせつ事件を巡っては、9月27日に医師会から塩田康一鹿児島県知事に提出された調査報告書や同日に開かれた医師会の記者会見で、同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。その上で、「一定の社会的な制裁を受けた」などとして「情状酌量の上、停職3か月」(報告書の記述)という軽い処分にしたことを公表していた。

 医師会が、本来なら内規にある「諭旨退職・懲戒解雇事由」にあたるはずの事案を「停職3か月」という極めて軽い処分にした最大の理由は、調査委が、問題となった性交渉を「合意に基づくもの」と断定したからだ。だが、男性職員がセクハラ、パワハラの常習者だとすれば、当該職員の主張には重大な疑義が生じるだけでなく、療養施設などでの性交渉が、じつは日頃のハラスメントの延長だったとする見立てさえ成り立つことになる。そのため池田会長や顧問弁護士を含む医師会上層部は、別件のハラスメント被害をすべて隠して、ことさら「合意に基づく性行為だった」と喧伝したのではないのか?

 では、男性職員は、どのようなハラスメントを行っていたのか――?男性職員が退職するという情報を得て取材を続けていたハンターに寄せられたのは、ハラスメントに関する数々の証言と、それを裏付ける証拠だった。

 ■セクハラの証明

女性

女性
 
 セクハラがひどい。このまま続くなら上に相談する。気持ち悪い。

 医師会職員とみられる女性から、SNS上でこのように厳しく追及されていたのは、新型コロナウイルス感染者の療養施設でわいせつ事件を起こした男性職員。関係者の話によると、男性職員は次のように返信していた。

 すみません。やめます。失礼しました。きちんと謝ります。次は絶対ありません。すみません。やって良いことではないと理解しておりましたが。本当に申し訳ありません

 セクハラ行為は別の女性にも行っていたようで、被害が広がっていたことを示す記述もある。

女性
女性
 
 派遣さんに抱きつくな。
女性
女性
 
 みんな迷惑している。

 これに対して男性職員は――。

 あなたが言う通り。間違いはありません。明日から心を入れ替えます

 殊勝な姿勢をみせる男性職員だが、被害を受けた女性の怒りは収まらず、強い言葉での非難が続いていた。

女性

女性
 
病気だと思うので治してください。
女性
女性
 
 派遣さんにしたこととか、私が知らないと思ったら大間違いです。絶対許しません。

 女性の怒りの前に、男性職員は“完落ち”。自分のセクハラが病的なものであることを認め、謝罪を繰り返していた。

全て私が悪い
診断と治療を受ける

 この後に被害を受けた女性が放った一言は、男性職員のハラスメントが広範囲に、しかも常習的に行われていたことを示している。

女性
女性
 
 みんな我慢してた。何度すみませんと言われても許さない。一生許さない。

 ■パワハラの証明

 男性職員によるパワハラの証拠もみつかっていた。

 被害者とみられるのは、新型コロナの療養施設に勤務していた女性の看護師。医師会の関係者らしき人物に、男性職員から“奴隷扱い”されたと告白し、話をするたびに動悸がすることや、メールを送信するだけでも「手が震える」と訴えていた。原因は、男性職員によるパワハラである。

 興味深いのは、この被害者が男性職員同様に怖がっていた別の女性看護師(以下、A看護師)がいたことだ。被害にあった女性は、そのA看護師についても、話をするたび「動悸がする」ほど嫌な思いをしていることを打ち明けていたという。実は、怖がられていたそのA看護師こそ、調査委の聞き取りに対し、強制性交の被害を訴えている女性スタッフや、かつて女性スタッフとともに働いていた医療機関を悪しざまに語った人物。A看護師の証言が都合よく使われた結果、被害を訴えている女性スタッフについてのでっち上げられた悪評が、医師会関係者の間に広まっていることが分かっている。

 パワハラ被害を受けた女性はA看護師と一緒に仕事することを拒んだというが、相談された問題の男性職員は「あまりわがままが過ぎると、勤務できなくなる」「勤務から外す」などと脅しともとれる言葉で勤務を強要していた。パワハラにあった女性看護師は、他にもいたとされる。

 ■虚構の証明

 男性職員のセクハラやパワハラは、鹿児島県医師会が男性職員のわいせつ事件を調査するため設置した「調査委員会」の中で認定されていたという。しかし、医師会が9月27日に塩田知事に提出した調査報告書には、ハラスメントの事実は一切記載されていない。同日に開かれた医師会の記者会見でも、同会顧問の新倉哲朗弁護士が「合意に基づく性行為だった」と強調しただけで、男性職員がハラスメントの常習者であったことにはまったく触れなかった。医師会の男性職員による常習ハラスメントが、意図的に隠されたということだ。

 調査委員会の結果を受け、医師会の懲罰委員会が男性職員に下したのは、「停職3か月の懲戒処分」。その前提については、医師会の調査報告書に詳しく記されていた。報告書の中の『職員の処分』の全文を以下に引用する。

第6 職員の処分

1 X職員の行為は、鹿児島県医師会調査委員会(以下「調査委員会」といいます。)の調査結果を前提にすれば、合意の上である蓋然性は高いと思料されるが、当該行為は、鹿児島県が借り上げ、新型コロナウィルス感染症患者が療養するために使用している宿泊療養施設内およびA医療機関内で行われており、鹿児島県から宿泊療養施設に関する業務委託を受けた当会に対する信用を失わしめるだけでなく、新型コロナウィルス感染症対策事業に協力する医療機関その他の医療機関、さらには鹿児島県民の信頼を損なう行為であり、極めて不適切な行為といわざるを得ません。

2 しかしながら、X職員

 

は、これまで就業規則に反した処分に処せられるようなことはありませんでした

そして、X職員は、鹿児島市外の宿泊療養施設の立ち上げやその他の宿泊療養施設の運営や医療機関のクラスター問題に尽力したことも事実であり、宿泊療養施設の看護師からも評価されております

他方で、本件行為は、NHK等のマスコミで広く報道されました。

報道機関の意図は、不明ですが、その報道内容は、一般人に、あたかもX職員がY氏の意思に反して無理やり強制わいせつ行為や強制性交行為を行ったと疑わせるようなものだったと考えられ、調査委員会の事実認定に反するものだったと考えられます。

当会としましては、X職員がマスコミ報道等によって、自らの非違行為を超えた重大な非違(犯罪)行為を行ったかの如く世間に疑われ、これまで客観的事実とは異なる行き過ぎた社会的な批判を浴び続けたことに関して、一定の社会的な制裁を受けたものと考えます。

加えて、X職員は、当会に本件が発覚した後、令和4年2月15日から自宅待機命令を受けており、その期間は半年を超えております。

3 以上のように、X職員の行為は極めて不適切な行為であり、当会就業規則第51条の4の⑨「医師会又は職員個人の名誉や信用を著しく傷つけたとき」(論旨退職・懲戒解雇事由)に当該すると考えますが、前記2項で挙げた情状を考慮し、情状酌量の上、停職3ヶ月の処分を言い渡すものです。

 医師会の主張はこうだ。
1 宿泊療養施設における性行為は、「合意」に基づくものだった。
2 これまで男性職員が就業規則に反した処分に処せられるようなことはなかったし、宿泊療養施設の立ち上げや運営、医療機関のクラスター問題などに尽力しており、宿泊療養施設の看護師からも評価されている。
3 一定の社会的な制裁を受けている。

 ――以上の理由から 情状を酌量し、停職3か月の処分にする。

 強制性交の被害を訴えている女性が男性職員を告訴し、これを受理した鹿児島県警が捜査を続けている中での医師会の調査結果は、誰が読んでも無理がある内容だろう。性被害を訴えている女性の人権を、平気で踏みにじる姿勢は醜悪と言うしかない。

 セクハラやパワハラは、場合によっては犯罪として罰せられる行為だ。県医師会がどれだけ「人権」を軽んじる団体であろうと、いまのご時世、ハラスメントが就業規則に反していないわけがない。すると「(男性職員は)これまで就業規則に反した処分に処せられるようなことはありませんでした」という調査報告書の記述は事実上の虚偽。複数のパワハラ被害者が存在する以上、「宿泊療養施設の看護師からも評価されている」という話を信じる県民は皆無に近いだろう。当然、嘘と隠蔽によって組織防衛を図ろうとした県医師会・池田執行部による「(性行為が)合意の上である蓋然性は高いと思料される」という主張の信憑性は大きく揺らぐことになる。

 「一定の社会的な制裁を受けている」というもう一つの処分の前提については、これまでの配信記事で述べてきたとおり。男性職員の実名は報道されたことがなく、「一定の社会的な制裁を受けた」とする根拠はどこにもない。

 県医師会による調査報告書の記載内容と記者会見での主張は、いずれも“虚構”と断ぜざるを得ない。わいせつ事件発覚直後から『合意があった』と言いふらした池田会長と側近、さらには顧問弁護士らは、会長の立場を守るため、調査委員会を使って虚構を既成事実化した可能性が高い。ハンターはその証拠も握っており、次週の配信記事で詳しく報じる予定だ。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設で、鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる“わいせつ事件”を起こしていた問題】  2022年11月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・

2024-08-03 06:34:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.11.04】:【速報】わいせつ事件の鹿児島県医師会男性職員が退職|背景にあるのは・・・ 

 新型コロナウイルス感染者の療養施設で、女性スタッフに対し強制性交の疑いが持たれる行為に及んでいた鹿児島県医師会(池田琢哉会長)の男性職員が、10月末に退職していたことが分かった。

◇   ◇   ◇

 医師会の男性職員が起こしたわいせつ事件を巡っては、先月27日に医師会から塩田康一知事に提出された調査報告書や同日に開かれた医師会の記者会見で、同会顧問の新倉哲朗弁護士(和田久法律事務所)が、刑事事件として捜査中の事案であることを無視して「合意に基づく性行為だった」と断定。その上で、「一定の社会的な制裁を受けた」として「情状酌量の上、停職3か月の懲戒処分」(報告書の記述)という軽い処分にしたことを公表していた。

 これに対し鹿児島県は10月5日、医師会に対し、文書による厳重注意とは別に口頭で、「具体的な調査においても、関係者からの聞き取りをする前から「複数回あった」、「強制であったかどうか」との発言があるなど予断を持って調査が進められた、「調査の進め方に問題があった」、「当該職員がマスコミ報道等によって一定の社会的な制裁を受けたとしているが、職員の実名が報道されたことはなく、何をもって一定の社会的な制裁を受けたものと言えるのか、疑問である」などと厳しく糾弾。この問題についての医師会の調査結果と調査過程、さらには男性職員への処分内容に事実上の“不同意”を表明していたことが明らかとなっていた(既報)。

 

 一連の対応を否定された県医師会上層部は、そうした経緯を県民はもとより組織内の会員にも一切報告せず沈黙。男性職員は、停職期間(3カ月)の満了を待たずに10月末をもって退職していた。

 一体何があったのか――?周辺を取材したところ、事件を起こした男性職員の復職に、医師会内部から反発が噴出。多くの職員が職場復帰に反対する意思表示をしたため、組織内で男性職員の辞任を模索する動きが出ていたという。

 突然の退職を知った医師会関係者は、こう話している。

 「退職?ほんとかね。何も聞いていない。そもそも、先日のハンターの記事にあった県からの厳しい指摘についても、報道されるまで誰も知らなかったわけだから。うがった見方かもしれないが、池田会長が言いふらした『合意があった』を既成事実化させた上で、因果を含めて退職させるというシナリオがあったのかもしれない。ただ、医師会職員の間から、特に女性職員からだが、問題を起こした男性職員の職場復帰に反対する声が出ていたのは確かで、嘆願書が提出されたという話があったほどだ。先月の20日過ぎくらいにハンターが配信した記事も影響したのかもしれない。いずれにせよ、裏で何があったのか、しっかりと検証したほうがいい」

 「情状酌量の上、停職3か月の懲戒処分」で済んだ男性職員が、なぜ医師会を辞めなければならなかったのか――。疑問を抱いたハンターが追跡取材でつかんだ答えは、わいせつ事件に関する県医師会の調査結果を根底から覆しかねない、とんでもない「事実」だった。詳細は次週からの配信記事で詳しく報じていく。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・新型コロナウイルス感染者の療養施設で、女性スタッフに対し強制性交の疑い】  2022年11月04日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下)

2024-08-03 06:25:50 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.18】:【指宿女性教師暴行事件】:報告書から省かれた「犯行自白」場面(下) 

 今年9月、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られ、かろうじて難をのがれながらも身体と心に大きな傷を負うという事件が起きた。明らかに強制性交未遂として裁かれるべき事案だったが、県や市の教育委員会は「セクハラ」と言い募り、校長あがりの豊留悦男市長まで議会で「セクハラ」と断定する状況となっている。

 被害者軽視の歪んだ事態を招いた原因は、事を矮小化するために作成されたとしか思えない学校側作成の「事故報告書」にあったとみられる。事故報告書の記載内容はどこまで信用できるのか――被害者周辺への取材を重ねた。

 ■暴行事件「矮小化」の証明

 下は、昨日の配信記事で示した事故報告書の記述について、被害者側が「明らかに事実と違う」と明言した箇所を赤いアンダーラインで示し、番号をふったものだ。少なくとも7カ所が、被害者や被害者の両親が訴えた内容が反映されていないか、あるいは事実と異なる記述なのだという。

 まず、報告書の1枚目から見てみたい。の「9月23日 20時00分頃」の記述、校長は「職員室で●●(加害者)が○○(被害女性)に果物はいらないかと声を掛けたところ、○○(被害女性)が応じた」と記している。サラリと流しており、あたかも女性教師が簡単に誘いに乗ったかのような書きぶりだが、実際はまるで違っていた。

 女性教師は「申しわけないですから、いいです」と断ったものを、しつこく言われ、上司の勧めだからとして“仕方なく”果物の受け取りを承諾したのだという。のっけから、事件を矮小化しようとする校長らの意図がミエミエとなる報告書の記載内容だ。

 次に②の部分の記述だが、加害者が「仕事上のアドバイスなどがしたいとして」引き留めたのに対し、被害女性は「仕事上のアドバイスなら聞きたいと思い」とある。しかし、被害者側は「アドバイス」などと言われた事実は一切ないとした上で、「アドバイスを聞きたいと思ったことなど微塵もない」と断言。校長にも、こんな話はしていないという。

 前稿でも指摘したが、これは明らかなでっち上げ。加害男性の創作を鵜呑みにした校長が、女性教師にも責任があったように見せかけるため、裏取りなしで真相をねじ曲げたということだろう。 

 ③の「抵抗した」については、詳しく述べるとこうだ。腕をつかんで引き留めようとする加害者に対し、女性教師は「何ですか?やめてください!帰ります!」と何度も繰り返して、引っ張り合いに――。この際、強い力で振り回された女性教師はケガを負っている。これも校長に伝えてあるのだというが、報告書の記述からは省かれていた。意図的なものを感じるのは、記者だけではあるまい。

 ④の「面会した」という短い言葉も、実態を隠したものだった。この日、被害女性の母が校長室を訪ねたのだが、加害者は土下座をして謝っていた。教頭と校長も同席していたはずだが、加害男性が罪を認めたことについては触れられていない。なぜこうも重要な事実が抜け落ちるのか……。女性教師の周辺は、心に大きな傷を受けた彼女を気持ちを代弁する形で「管理職、教育委員会に対しては失望の連続。事件を小さく見せようとする動きばかりが目立つ展開です。被害者への思いやりはかけらもないということなのでしょうか」と憤る。

 報告書2枚目の⑤と⑥についても同様。被害者が校長に「明日は加害者は出勤するのですか。出勤されるのであれば、私は出勤したくありません」と伝えたことや、「まだ処分が下りてないから」という理由で市教委が加害者を出勤させようとしていたことなどが抜け落ちており、関係者は「学校や市教委が責任逃れをするため、肝心なところをぼかして報告書を作成したのではないか」と話す。

 ⑦の記述にしても「謝罪させた」などという簡単な話ではない。この時は、教頭と校長が立ち会い、被害者の両親と加害者が対峙した重要な場面。そこでは無反省に他人事のような発言を繰り返す加害者を両親が厳しく追及し、加害者が「わいせつ」や「下心」を認めていた(参照記事⇒【指宿市女性教師暴行事件】被害者の母と加害男性、緊迫のやり取り)。加害者が“犯行”を認めた場面の記述がすっぽり抜け落ちたのは、明らかな隠蔽と言うしかあるまい。

 以上、小学校長名で教育委員会に提出された「事故報告書」は、事件の大まかな状況をたどってはいるものの、「わいせつ」や「強制性交未遂」という真相を覆い隠すための工夫が、随所にみられる内容だった。

 この報告書を前提に教育委員会内部の議論がなされた結果、性的暴行が「セクハラ」で済まされ、本来なら懲戒免職にすべき事案が「停職1カ月」となって退職金まで支給されるというふざけた処分で終わっている。「わいせつ」を否定した県教委と記者のやり取りを、再掲しておきたい。

記者:わいせつ行為を行おうとした男が、なぜ懲戒免職ではないのか?”
県教委:わいせつとは認められなかったからです。

記者:何故わいせつではないのか?
県教委:本人に聞いたところ、猥褻を否定したからです。

記者:本人とは、加害者の男性教師のことか?
県教委:そうです。

記者:捕まった人殺しが、「私がやりました」と簡単に言うのか?
県教委:わいせつではありませんから。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月18日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上)

2024-08-03 06:25:40 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.17】:【指宿女性教師暴行事件】:犯罪行為を矮小化した「事故報告書」(上) 

 女性教師への暴行事件が起きた鹿児島県指宿市には、卑劣な犯行に及んだ元男性教師を庇ったり、傷ついた被害者を誹謗中傷したりする“歪んだ考え方”の人間が少なからず存在する。直接的に手を出しているわけではないが、そうした連中は紛れもなく「加害者」だ。

 一番の問題は、加害者と被害者の上司である学校長が、被害女性に「加害者の●●先生を追い込む気か!」と逆切れしたあげく、「示談」を勧めたという点。不倫の前歴がある加害者を「教務主任」に任命した責任を問われたくなかったのか、あるいは庇わざるを得ない「特別な事情」があったのか定かではないが、校長がとった一連の行動は、明らかに女性教師と周辺の信頼を裏切るものだった。

 じつは、鹿児島県教育委員会が「停職一カ月」という加害男性の懲戒処分を決めるまでの過程で、暴行を受けた女性教師の被害状況や気持ちは、まったくと言ってよいほど考慮されていない。被害者の人権を否定し、加害者だけを守ろうとする「不正義」が、まかり通っているのが現在の鹿児島なのだ。事件を矮小化するために作成されたとしか思えない、学校側が県教委に提出した「事故報告書」について二回にわたって詳しく報じる。

 ■報告書記載内容への疑問

 学校内で体罰やいじめ、教員同士のトラブルなどが起きた場合、現場を預かる校長は「事故報告書」を作成し、教育委員会に報告を上げなければならない。9月23日に起きた今回の女性教師暴行事件では、5日後の28日に市教委に対し事故報告書が提出されていた。下は、ハンターが入手した報告書の写しである。

 県教委が加害男性への処分を決めるにあたって、現場からの「第一報」となった事故報告書の記載内容が重要な意味を持つのは言うまでもない。関係者からの聞き取り調査も行われているのだが、事故報告書が事案全体の方向性を決定付けるのに、多大な影響を与えたことは想像に難くない。 

 分かりやすい例だが、県教委の調査に応じた被害者教師は県教委側から、実際には何分もの間身体的な接触をしようとする加害者ともみ合った状況だったにもかかわらず、あたかも“一瞬”の出来事だったように言われ驚いたという。そうした間違った見立ての原因は、学校長の事故報告書にあったと考えられる。報告書の該当部分は、1枚目の「9月24日 0:50分頃」にある次のくだりである。
玄関の鍵を閉められたことから、更に恐怖を覚え、「さわらないでください。」と強く抗議したところ、●●(加害男性)がつかんでいた手の力が緩んだことから、○○(被害女性)は玄関の鍵を開けて外に逃げた》――どうみても、もみ合いというより瞬間的なやり取り。この記述が、当事者以外の関係者に予断を与えたのは確かだろう。

 時系列的にはこれより前になるが、「9月23日 20:20頃」、つまり事件当日の加害男性の部屋での動きも、実態とは違う。《仕事上のアドバイスをしたい》として引き留めた加害者に対し、女性教師は《仕事上のアドバイスなら聞きたい》と思ったことになっている。ところが、当日このようなやり取りは一切行われておらず、女性教師が積極的に部屋に残ったわけではなかったことが分かっている。この記述は、明らかに加害者側の言い分をそのまま文章にした、いわばでっち上げと言うべきものだ。

 報告書の記述内容が、加害男性の罪を軽くする目的をもっていたとすれば、当然のことながら教育委員会の処分方針は大きく変わる。形だけ被害者の訴えを入れながら、巧妙に加害者の逃げ道を作ったとすれば、この報告書の罪は重い。現に、県教委の担当職員は“加害男性のやったことは、わいせつ行為ではないのか”というハンターの確認取材に対し、「わいせつ行為にはあたらない」と断言。信じられないことに、その理由は「(加害者)本人がそう言ったから」だった。

 強制性交未遂としか思えない犯罪行為を行った人間の主張だけを取り上げ、被害女性の言い分を軽く扱って処分を決めた県教委の姿勢の裏には、学校長の事故報告書があったとみられている。

 事故報告書の記載内容はどこまで信用できるのか――?ハンターは、被害者及び周辺への取材を重ねた。(つづく)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月17日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命

2024-08-03 06:25:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.08】:指宿市女性教師暴行事件に新たな事実|加害者“不倫の過去”承知で教務主任に任命 

 鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任だった男性教師(当時・今月に入り懲戒処分を受けて依願退職)に呼び出されて暴行を受けた事件を巡り、問題の加害男性が、過去に学校関係者と不倫関係になったことが露見して離婚していたことが分かった。

 周辺取材や残された記録から、女性教師と加害男性が勤務していた小学校の校長・教頭が、加害者のこうした不適切行為を知っていたことも判明。学校側は、加害男性の悪い癖を承知した上で、「教務主任」という重要なポストに就けていた。

 過去の不適切行為を見逃さずに処分していれば、今回の事件を回避できていた可能性が否定できず、鹿児島県教育界の身内に甘い体質が何人もの被害者を生むことにつながったのは確かだ。

 ■市教委関係者も知っていた加害者の「不倫」

 ハンターの取材によれば、今回の事件を起こした元男性教師は数年前、学校関係者の女性に無理やり交際を迫り「不倫」の関係になっていた。

 不適切交際のことは加害男性の家族の知るところとなり、離婚。一連の出来事は学校関係者の間で噂になり、しばらくして元教師は勤務先の学校から異動などの形で姿を消したという。

 こうした事実について加害男性は、校長、教頭が立ち会った被害女性の両親との面会時に認める発言をしており、その際教頭は加害男性のことについて「不倫がわかって離婚されたと聞いています」と明言していた。教頭や校長は、加害男性の過去の行状を知っていたことになる。 

 不倫で問題を起こした教員が、なぜ教頭の一歩手前である教務主任になれたのか――。ある指宿市の関係者は、声を潜めてこう話す。
 「市内の多くの人が、『ああ、不倫のセンセイね』と反応するほど問題の教員のことは知れ渡っていました。もちろん、今回の事件の前からです。だいたい、かつては学校の先生だった指宿市教委の職員も、加害者が過去に不適切な男女交際を行っていたことを知っていたんです。なのに、なんであんな先生が教務主任になれたのか……。裏に市の権力者の力が動いたという話もありますから、まともな人事じゃなかったんでしょうけど」

 たしかに、今回の強制性交未遂事件を、無理やり「セクハラ」で済ませようとする学校や教育員会の対応は疑問だ。教職という子供たちを指導的する立場にありながら不適切な男女関係をもって元の家族を不幸にし、反省もなく今回の暴行事件を起こした加害者を、最後まで庇おうとした学校長や教育委員会の歪んだ姿勢は理解できない。

 校長は、被害者である女性教師に、「(加害者の)●●先生を追い込むつもりか!」と逆切れしたあげく、あろうことか加害者との「示談」を持ち掛けるという非道さ。ハンターの取材に答えた県教委の担当は加害者の話だけを判断材料にし、「わいせつは認められない」と断言していた。

 県教委が加害男性の処分を決めるまでの過程で、暴行を受けた女性教師の被害状況や気持ちは、まったくと言ってよいほど考慮されていない。被害者の人権を否定し、加害者だけを守ろうとする「不正義」が、まかり通っているのが現在の鹿児島だ。次の配信記事では、事を矮小化するために作成されたとしか思えない、学校側が県教委に提出した「事故報告書」について詳報する。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月08日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽

2024-08-03 06:25:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・2020.12.04】:指宿市女性教師暴行事件の加害者に「停職1ヵ月」|“猥褻”否定で退職金の理不尽 

 理不尽な決定だ。今年9月に鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任に呼び出されて性的暴行を迫られ、懸命に難を逃れたものの身体と心に大きな傷を負った問題で3日、鹿児島県教育委員会が加害者である男性教師を「定職1ヵ月」の懲戒処分にしたことを公表した。免職ではなく停職という一段軽い処分。加害男性は依願退職したというが、退職金は支払われることになる。

 処分理由を問い質したハンターの記者に対し、県教委側が示したのは「猥褻行為があったとは認められないから」という到底容認できない一言。改めて、加害男性が被害女性の両親と学校長、教頭の前で発した「肉声」を確認しておきたい。

 ■腐った鹿児島の教育界

 鹿児島の教育委員会は腐っている。“猥褻行為を行おうとした男が、なぜ懲戒免職ではないのか?”という記者の問いに対し、県教委の担当者から返ってきたのは「猥褻とは認められない」という、ふざけた発言だった。

 “なぜ猥褻ではないのか?”――県教委が理由にあげたのは、「本人に聞いたところ、猥褻を否定したから」。さらに確認を求めたところ、「本人」とは加害者のことだという。呆れてものも言えない。卑劣な加害者は、被害女性の両親と学校長、教頭の前で「猥褻」を認めていたからだ。その時の発言を再掲する。 

 ■犯意を認めていた加害者に「退職金」

 被害女性の母親から「(娘に)何をしたか?」と追及された加害者は、こう発言する。
 「はい、あの本当に、こう猥褻にあたるような、そういったことをしてしまって、本当にもう、あの謝っても謝っても、本当にどうしようもないということだというふうに、はい。大変申し訳なく思ってます

 母親から性的な行為をする“下心”があったかどうかについて確認された加害者は「下心は最初はありませんでした」とごまかしたが、さらに厳しく追及されると「ただ時間が経つにつれて、段々段々、私も、あの酒の量も増えてきましたし、時間も遅くなってきましたので、まぁそういった部分がでてきたと思います」。

 “何をしたかったんですか?に対しては「まぁそのような……」とぼかし、最後は“どうにかなりたいと思っていたわけでしょ”と詰められ「下心はあったと思います」と認めていた。

 「どうにかなりたい」という下心をもって部屋の鍵をかけ監禁し、相手の女性の身体をさわり、傷までつけた――これは明らかな強制性交未遂だろう。

 県教委は、「猥褻ではなくセクハラ」だと主張しているらしいが、とんでもない話。教員同士のかばい合いであり、腐った教育界の典型例が序実に現れた形だろう。「退職するからいいじゃないか」という声が聞こえてきそうだが、懲戒免職ではないため、卑劣な犯行に及んだ加害者に、県民の税金から退職金が支払われることになる。本当にそれでいいのか――。

 ■新たな“加害者”への警鐘

 懸念はまだある。こうした被害者無視の歪んだ教育行政が、さらなる被害を生む可能性があるということだ。

 じつは現在、指宿市内の、しかも一部のPTA関係者の間から、被害にあった女性教師のことを「騒ぎ過ぎ」「事を大きくし過ぎた」などと非難する声が上がっているのだ。ある市議会議員に至っては、同僚議員らの前で「夜、男性の部屋に行ったのがまずい」などと発言したのだという。どこにでも、腐った大人はいるものだ。

 身内が女性教師のような被害にあったとして、新たな“加害者”たちに同じことが言えるとは思えないが、「猥褻ではない」とした県教委の間違った判断は、こうした一部の歪んだ考えに免罪符を与えることにつながりかねない。

 真相を確認もしていない連中が、被害者の傷口に塩をぬるようなマネをすることは許されない。心無い誹謗中傷をした方たちについては複数の顔ぶれが確認できているので、「二次被害」が続くようなら、直接話を聞いた上で記者とのやり取りを実名で公表する予定だ。傷ついた弱者を攻撃した人間に、「人権がどうの」という資格はあるまい。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月04日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER・2022.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去

2024-08-03 06:25:10 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【HUNTER・2020.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・202.12.02】:女性教師暴行事件に指宿市民から怒りの声|見逃された加害者の過去 

 今年9月、鹿児島県指宿市の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任に呼び出されて性的暴行を迫られ、懸命に難を逃れたものの身体と心に大きな傷を負った。

 “被害者”は女性教師なのだが、“犯人”を庇いたい連中がいるらしく、女性教師への心無い誹謗中傷が相次ぎ、学校長まで「示談」をほのめかすという腐った現状がある。

 やむなく校長への取材内容や、校長と教頭が立ち会った加害男性と女性教師の両親との対決場面を報じたが、改めて加害男性の身勝手極まりない主張を振り返り、それに対する指宿市民の声を紹介しておきたい。

 ■まるで他人事の加害者

 先週報じた加害男性と女性教師の母親とのやり取りには、大きな反響があった。取材などを通じて寄せられた読者の声の中で一番多かったのが、自分が起こした暴行事件を、まるで他人の事のように語った加害男性への厳しい批判だった。

加害教師:ただ、あのやはりその一番のやはり問題点といいますのは、やはり、あのその渡し方、まぁこれはお母さまからも先日言われましたけれども、随分時間も遅かったですし、またいろいろな方法で渡すこともできたという風に思っております。その件はもう私自身の完全な、あのー認識不足、判断のミスだという風に考えているところです。

今後につきましては、やはり○○先生が一番はあの現職復帰と言いますか、普通の状態で、教壇に立つことが、やはり一番あの優先的に考えていくことだという風に考えておりますので、まっ私にできることはなんでも、あのー処罰等誠実に受け止めて、まずは○○先生自身がこれまで通り本校に勤務できるように、あのーあらゆることに努めていきたいという風に考えているところです。はい。

 「認識不足」や「判断のミス」の末、性的暴行に及ぼうとしたというのだから呆れた男である。あげく、「(被害者の)○○先生自身がこれまで通り本校に勤務できるように、あのーあらゆることに努めていきたい」――当事者としての意識を欠くばかりではなく、まるで他人事。この発言を聞いて、怒らない被害者や被害者家族はいないはずだ。他人事で済まそうとする態度は、次のやり取りでも明らかだった。

被害者母:引き止めたんじゃないですか。本人はだって10時半には電話をするからねって言ってあるので、どうですか?
加害教師:はい。あのー、正直そういった言葉は、まぁ私がアルコールを飲んでいたせいもあるかもしれないんですけども、まぁ私はそのような認識は捉えなかったですけども。ただ○○先生自身がおっしゃっていることが、やはり一番正しいという風に思っておりますし、まっそもそも先程お母さんがおっしゃいましたように、部屋まで、401(部屋番号)までと、もうその時点で、あの私の、あのー、声に出したこと、その判断、そこもうその時点で、あのーすべてが間違っていたと思っております。

 卑劣な犯行に及んでおきながら、あくまでも第三者的な言辞で事を済まそうとする男性教師。追及が厳しくなり、遂には「罪」を認める発言に至る。

被害者母:女性をその時間に部屋まで来いって、下心があるとしか思えないですよ。それは危ないと思いますよね。要は下心があったんですよね、そん時は。
加害教師:いえ、本当にその時は果物を本当に渡したいと本当にそう思いました。

被害者母:じゃあ部屋で話をしている間に、そういう気分になったということですか。
加害教師:少し。もうこれは本当に私の心の弱さだと思っております。

被害者母:押し倒してやろうと。
加害教師:いえ、それは思わなかったです。ただ、もう少し付き合って欲しいというのはありました。

――中略――

被害者母:さっき下心があるって言いませんでしたっけ。
加害教師:はい。

被害者母:なかったんですか、あったんですか?
加害教師:下心は最初はありませんでした。はい。

被害者母:そん時はどうでしたか。夜中になって。
加害教師:ただ時間が経つにつれて、段々段々、私も、あの酒の量も増えてきましたし、時間も遅くなってきましたので、まぁそういった部分がでてきたと思います。

被害者母:部分?
加害教師:はい。

被害者母:そういった部分っていうと、具体的に何をしたかったんですか?
加害教師:まぁそのような……。

被害者母:どうしたかったんですか。そこまでのことをして。
加害教諭:まぁそのような……。

被害者母:性行為をしたかったんですか?
加害教師:いえ。性行為はそんなことはないです。

被害者母:じゃあ何をしたかったんです?
加害教師:ただもう少し、あの――。

被害者母:本当のことを言ってくださいね。
加害教師:はい。

被害者母:人として。
加害教諭:はい。

被害者母:あなた教員ですよね、まだ。
加害教師:はい。

被害者母:人としてですよ、恥ずかしくないように本当のことを正直に言ってもらわないと、謝罪にも何にもならないですよ。
加害教師:はい。

被害者母:嘘ばっかで、塗り重ねたって。
加害教師:いえいえ。はい。

被害者母:下心は?
加害教師:はい、もう。下心はあったと思います。

被害者母:あったんでしょ。どうにかなりたいと思っていたわけでしょ。
加害教師:はい、そうだと思います。

 最初は悪意を否定するも、被害教師の母による厳しい追及で、結局は「下心」があったと認めている。この男が狙っていたのは、明らかに「性的暴行」だった。この点について、指宿市在住の50代男性はこう憤る。
 「男性教師の暴行事件のことは、指宿市内の小学校の関係者なら誰でも知っているんじゃないでしょうか。被害にあった女性の先生が受け持っているクラスの子供たちでさえ、男性教師の所業を知っているんですよ。相手が断れない立場にあることをいいことに、夜に若い女性を呼び出し、自分の部屋に引っ張り込んで鍵をかけてとじ込めたというんですから、目的がわいせつ行為にあったとみるのが普通でしょう。傷害で書類送検なんて軽すぎる話。これは性的暴行未遂ですよ。指宿署は、何カ月もかけて一体何をやっていたのか。本来なら、逮捕して厳しく調べるべきなんですよ。教育委員会もだらしない。校長の態度からは、事を矮小化して、犯人を庇おうという姿勢がミエミエ。話にならない」

 たしかに、学校側は何事もなかったかのように音なしの構え。保護者への説明会さえ開いていない。それどころか校長は、被害者に向かって『示談にしないか』などと持ち掛けている。一連の動きからは、“被害者への思いやり”など、かけらも見えてこない。 

 ■過去の「不倫」、学校側は知っていた

 最悪なのは、加害者である男性教師に、心から謝ろうとする気持ちがまるで見えないことだ。「はい、その通りです」だの「誠実に対応」などといった言葉を吐いているのだが、実際の録音データを聴けば、うわべだけの謝罪であることがすぐ分かる。その証拠に、この男性教師は、被害者の母親とのやり取りの中で、いくつか嘘をついている。

 指宿市の学校関係者の中には、男性教師の「嘘」を見抜いた人が多かったらしく、同様の内容のメールが複数送られてきている。別の被害が出る恐れがあるため、具体的な嘘の内容にまで踏み込めないのだが、指宿市の小学校関係者が絶対に見逃せないというのが「下心は無かった」という男性教師の発言だという。

 取材の過程でも同じ内容の証言をいくつも拾っていたが、この男性教師は過去に「不倫」で騒動を起こし、家庭不和を招いていたのである。問題は、教員としてあるまじきそうした行為を、学校長も教頭も知っていたらしいということ。知っていて、この卑劣漢を「教務主任」にしたというのなら、性的暴行の舞台を学校側が提供したようなものだ。校長も教頭も、さらには間違った人事を認めた教育委員会も罪深い。処分を遅らせ、被害者である女性教師に「示談」を持ち掛けたのは、事を矮小化し、責任逃れをするためだったのではないだろうか。学校や教育委員会は、こうした疑問に答える義務があるはずだ。

 今回の事件を受けて、指宿市に住む40代の女性公務員は、次のように話している。
「被害女性の人権を無視した行為をしておきながら、果物の渡し方が問題だったとか、時間が遅かったとか白々しい言い訳をしていて、非常に見苦しい。明らかにわいせつ行為をしているのに、『わいせつと思われても仕方がない』とか、『最初は下心がなかった』とか、あとは被害者のお母さんの質問に『はい』と答えているだけ。本当に反省しているなら、自分から正直に事の顛末を話しますよね。明らかに上司の立場を利用して、被害女性を呼びつけて、無理やり部屋に長時間閉じ込めている。怖かったと思いますよ、彼女は。被害女性の気持ちを考えるといたたまれません。ようやく帰れると玄関に向かったら、体を触られて鍵までかけられている。『もう終わったって思った』――被害女性の絶望感と恐怖が伝わってきました。こんな卑劣で危険な男が教師をしていると思うと、安心して子供たちを学校に通わせることができません。本人も最後に『しっかりと処罰を受けて、誠実に対応していきたい』といっているんだから、関係機関はしっかり対応してしかるべきです」

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【事件・犯罪、鹿児島県指宿市で市内の公立小学校に勤務する20代の女性教師が、同僚で30代の教務主任(当時・懲戒処分を受け辞職)から性的暴行を迫られた事案】  2020年12月02日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ジャニーズ性加害】:「被害者の声に向き合っているとは思えない」補償対応 伊藤和子弁護士が詳しく解説

2023-11-04 17:11:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【ジャニーズ性加害】:「被害者の声に向き合っているとは思えない」補償対応 伊藤和子弁護士が詳しく解説

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ジャニーズ性加害】:「被害者の声に向き合っているとは思えない」補償対応 伊藤和子弁護士が詳しく解説 

 旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題を巡り、事務所側の被害者への補償対応について、NPO法人「ヒューマンライツ・ナウ」副理事長の伊藤和子弁護士が問題点を指摘している。本紙の取材に「事務所が最大限取り組むべきは、透明性を担保した、公明正大な被害者への謝罪や賠償スキームだ。だが、事務所が提示した補償スキームは被害者の声に向き合っているとはとても思えない」と話した。(聞き手・望月衣塑子)

◆「法を超えた補償をする」発言の具体像がはっきりしない

 事務所側は、9月半ばから被害申告を受け付け、2週間で478人が申し入れた。うち325人が補償を求めている。

「被害者救済について、旧ジャニーズ事務所はもっときちんと考える必要がある」と話す伊藤和子弁護士=10月29日、都内で

「被害者救済について、旧ジャニーズ事務所はもっときちんと考える必要がある」と話す伊藤和子弁護士=10月29日、都内で

 性加害問題で最も重視すべきこととして、(1)被害者への補償など被害者救済(2)子どもへの性加害をどう防ぐかという再発防止策、の2点がある。事務所の再発防止特別チームは、調査報告書で国連「ビジネスと人権」に関する指導原則を援用し「人権侵害した企業は、被害者に誠実に対応し、被害回復の措置を講じるべきだ」と指摘している。
 
 報告書では「事実認定について法律上の厳格な証明を求めるべきではない」「時効が成立した者にも救済措置の対象とすべきだ」とし、東山紀之新社長も「法を超えた補償をする」と明言した。だが、事務所が補償の「判断基準」を策定したのかはっきりせず、いまだわからないままだ。

 ◆被害者に寄り添わない「申告フォーム」

 補償を担う「救済委員会」に就任したのは、3人の高齢な裁判官経験者。性暴力被害の専門家や臨床心理士等を含めるべきだが、全く考慮されていない。ウェブサイトもなく、3人の写真も言葉もない。被害者がどう信用しろというのか。
 
 裁判官経験者は、賠償は裁判所の水準を参照する可能性が高く、東山氏の言う「法を超えた賠償」をするのかは疑問だ。申告後にどのような経緯を経てどれほど期間がかかり、補償がどの程度か、不服申し立てはあるのか、といった情報も一切ない。
スマイルアップの東山紀之社長(右)と井ノ原快彦氏=2023年10月

スマイルアップの東山紀之社長(右)と井ノ原快彦氏=2023年10月

 事務所が開設した被害の「申告フォーム」にも問題がある。個人情報を詳細に尋ねるもので、当初の申告フォームには露骨に性行為の対応が番号を振って書かれていた。被害者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)やフラッシュバックを理解していたらこんな申告フォームは作れない。
 
 まずは被害者が事務所とつながれる環境をつくり、精神科医やカウンセラーが申告しやすい状況をつくって話を聞き、補償に移るべきだ。事務所はスポンサー離れを懸念して、補償を急いでいるように見える。
 
 申告フォームに必要最低限の事項を申し込む方法でも、申請後は精神科医などの支援を受け、記憶喚起のプロセスを経て、事実を丁寧に聞き取る必要がある。
 
 被害者の中には深刻なPTSDがあるのに、診断を受けたり、専門的なケアを受けていなかったりする人がたくさんいるはずだ。補償には通常の慰謝料に加え、後遺症に基づく逸失利益と後遺症に伴う慰謝料を含めるべきで、精神科医等との連携は必要不可欠だ。

 ◆アクセスしやすく使いやすい補償スキームが必要

 相談窓口を監修する元自民党議員で精神科医の鴨下一郎氏には、事務所から窓口の設置期間は1年と伝えられた。だが、鴨下氏も指摘する通り、1年で区切れるような簡単なことではなく、事務所側は性被害への認識があまりに弱い。
 
 特別チームの調査報告書には被害者が「『同じ仲間だ』という気持ちになれないと相談できない。相談しても未来が閉ざされないという保証が必要だ」との声もあった。こうした切実な声が救済の制度設計で真剣に顧みられたのか。今も相談できない被害者の思いを十分考慮し、アクセスしやすく使いやすい補償スキームを作ることが必要だ。
 
 「ジュニア時代の在籍確認ができないので『救済委員会ではなく、直接、事務所とやりとりを』と言われた」という被害者の声も報道された。在籍確認できないと救済委の査定も受けられないならば一体、何のための救済委なのだろうか。

 ◆補償「ブラックボックス化」する恐れ

 特別チームは「この種の補償に関し知見と経験を有する外部専門家(民法学者等)から意見を聴き『判断基準』を策定すべきだ」と提言した。補償基準を作りって被害者や取引先企業などに示し、基準に沿って補償を進めると思ったが、実際には全く違った。
 
 東京電力福島第1原発事故の賠償スキームは十分なものとは到底言えないものの、原子力損害賠償紛争審査会が損害の範囲判定等に関する指針を作り、東電が随時情報を公開した。審査会に有識者が選任され、指針策定の会議も公開した。
 ジャニーズの性加害問題ではこうしたプロセスが一切なく、救済委の判断がブラックボックスになる危険性が極めて高い。
 
 「ジャニーズ性加害問題被害当事者の会」が補償スキームに関する提言をしたが、会と事務所側の対話が継続的に行われているとは言い難い。会は東山社長らと面談したが、東山氏らは「救済は救済委に一任」とした。そうなると救済委が当事者と対話すべきなのに対応がちぐはぐだ。
 
 当事者の会を離れた当事者や参加していない当事者もいる。対話は会のメンバーに限定されるべきではなく、多様な当事者全てに開かれるべきだ。

◆事実認定は委ねたと言いながら「証言否定」の矛盾

 NHKは10月9日、「20年ほど前、NHKで音楽番組への出演を希望しダンスの練習に参加した男性が、ジャニー氏から局内のトイレで複数回、性被害に遭ったと証言した」と報道した。これに事務所側は「事実認定は、特別チームと救済委に委ねる。弊社が認識する限り、そうした事実はない」と回答している。

NHK放送センター

NHK放送センター

 さらに「被害者でない可能性が高い方々が、本当の被害者の方々の証言を使って虚偽の話をされてるケースが複数あるとの情報に接し、被害者救済のために使用しようと考えている資金が、そうでない人たちにわたりかねないと非常に苦慮してる」とコメントした。
 
 事実認定は救済委に委ねたはずなのに、事務所側はなぜ被害を否定するのか。特別チームが提言した救済の公正、中立の確保の理念に違反している。虚偽申告と決めつけて2次加害を起こさないようにすべきだ。

◆児童の性的搾取・性虐待を防ぐしっかりした体制を

 まずは補償を始める11月に先立ち、現状の補償スキームや申告フォームの問題を検証し見直して、「ビジネスと人権」の指導原則に則した被害救済制度に改めていくことが必要だ。
 
 ジャニーズ問題に限らず児童の搾取やタレントの性加害は、他のタレントに関しても伝わってくる。再発防止策としては、子どもに対する被害を防ぐ制度構築が必要だが、この点での対策がほとんど説明されないのは重大だと思う。児童の性的搾取・性虐待をどう防ぐか。しっかり体制を構築することが急務だ。
 

 元稿:東京新聞社 主要ニュース 社会 【話題・旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題】  2023年11月04日  17:11:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【解体ジャニーズ経済圏】:「NG記者」鈴木エイトが会見で聞きたかったこと 「“心のケア”や“補償”が独り歩きしている」

2023-11-04 07:45:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【解体ジャニーズ経済圏】:「NG記者」鈴木エイトが会見で聞きたかったこと 「“心のケア”や“補償”が独り歩きしている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【解体ジャニーズ経済圏】:「NG記者」鈴木エイトが会見で聞きたかったこと 「“心のケア”や“補償”が独り歩きしている」

 ジャニー氏による性加害の補償総額はいくらになる?  雑誌・テレビ・映画がジャニーズに依存した理由は?  タレント帝国を支えた「ジュニア」育成の仕組みとは?

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「NG記者」が指されたら聞きたかったことは重要なポイントだった

 ■ 「法を超えた救済」に触れたジュリー氏の手紙

 『週刊東洋経済』11月11日号では「解体! ジャニーズ経済圏」を特集。タレント帝国の知られざる金庫の中身、不動産の保有実態、ジュリー氏が税金を払わないで済む離れワザ、新設会社に原盤権を移転する際の問題点についてお届けする。

 10月2日のジャニーズ事務所(当時、現スマイルアップ)の記者会見──。私は質疑応答の最初から挙手していた。司会者の松本和也氏と目も合った。周囲の記者は指されたが、なぜか私は最後まで指されなかった。

 ※:鈴木エイト :ジャーナリスト・作家

 元稿:週刊東洋経済新報社 ONLINE 主要ニュース 経済 【話題・故ジャニー氏による性加害問題・担当者:相川 祐里奈 :フリージャーナリスト】 2023年11月04日 05:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【青木理氏】:ジャニーズ問題に〝及び腰〟の政府嘆く「世界的な人権意識に何周も遅れている」

2023-10-21 07:01:50 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【青木理氏】:ジャニーズ問題に〝及び腰〟の政府嘆く「世界的な人権意識に何周も遅れている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【青木理氏】:ジャニーズ問題に〝及び腰〟の政府嘆く「世界的な人権意識に何周も遅れている」

 ジャーナリストの青木理氏が20日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。故ジャニー喜多川氏による性加害問題に対する政府の〝及び腰〟に苦言を呈した。<button class="sc-jupYDc hdCrNd" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26"></button><button class="sc-jupYDc hdCrNd" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="26">政府は何をしているのか</button>

政府は何をしているのか(TOKYO-SPORTS)

 ■【写真】若かりし頃のメリー喜多川氏  

 青木氏は「ジャニーズ事務所自体、ジャニーズ事務所が設置した第三者委員会の報告書を出しましたけれども、やっぱりもう少し政治がこれきちんと動いて、実態どうなのかと(調査するべき)」と指摘。「世界にもまれに見るおそらく数十年に及ぶ、あるいは数百人に及ぶ被害者を出した性虐待というような状況を考えれば、国際的にも『日本はいったい何やってんだ』って注目されてるので、本来であれば政府、与党が動いてもう少し実態を把握して、こういうことが起きないために、あるいは被害者の補償のために必要なことっていうのをやるべき」と訴えた。  

 その上で「嫌な言い方をすればね、今、岸田政権支持率の低迷にあえいでるじゃないですか。これやったらね、多分ね。世の中の多くの人たちは『政府によくやった』って言うと思うんですよ」と主張。  

 しかしながら、政府がジャニーズ問題に介在する雰囲気は一切見られない。青木氏は「要するにそういう世界基準の人権感覚についての意識そのものが、今の政府与党にほとんどないのではないかなというふうに疑うんですよ。つまりグローバル企業は、世界基準の人権感覚、人権意識みたいなものとビジネス上、否が応でも向き合わざるを得ないけれども、日本の政治は全く向き合ってない」と断じた。  

 続けて「そういう日本の政治の人権感覚の鈍さ、あるいは世界的な人権意識にもう何周も遅れているっていう状況が、ある意味でジャニー喜多川氏、あるいはジャニーズ事務所の性加害問題、性虐待問題でもよく表れてるんじゃないかなっていう気がしてしまう」と分析していた。

 元稿:東スポ WEB 主要ニュース 社会 【話題・故ジャニー喜多川氏による性加害問題】 2023年10月20日  18:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ニュースの教科書】:どうなる?子どもを性犯罪から守る「日本版DBS」性犯罪歴確認義務の事業者、塾や芸能事務所は?

2023-10-21 07:01:30 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【ニュースの教科書】:どうなる?子どもを性犯罪から守る「日本版DBS」性犯罪歴確認義務の事業者、塾や芸能事務所は?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ニュースの教科書】:どうなる?子どもを性犯罪から守る「日本版DBS」性犯罪歴確認義務の事業者、塾や芸能事務所は?

 ■<ニュースの教科書>

 東京の練馬区立中学校長による生徒への性加害、大手学習塾・四谷大塚の元講師による教え子盗撮、ジャニー喜多川元社長による性加害…。子どもの深刻な性被害が相次いで明るみになる中、「日本版DBS」が注目されています。英国の制度を参考にした、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する仕組みのことで、政府が導入を目指しています。一刻も早い創設を求める声が高まる一方、どんな仕事や前歴を対象にするのか、現在の法律との関係など課題によっては難題や慎重論もあります。実現への道のりは、多くの難しい判断を迫られ、乗り越えていくものになりそうです。

こども家庭庁のロゴ

                  ◇  ◇  ◇

 子どもを守るための新しいルールをできるだけ早く実行するために、どんな形でスタートすればいいのでしょうか-。日本版DBSは岸田文雄首相が目玉政策の1つに掲げ、こども家庭庁が6~9月に有識者会議を5回開催し報告書をまとめました。この内容をめぐって、さまざまな意見が出ています。自民党では「職種を広げるべき」「一定期間が過ぎた前科が対象にならないならば、過去に性犯罪を犯した人に無犯罪証明を出すようなもの」などの意見が相次ぎました。

 政府はこの臨時国会への法案提出を目指していましたが見送り、加藤鮎子こども政策担当相は「次期通常国会以降の、できるだけ早いタイミングで提出していく」「大事な法案。深く検討していきたい」などと話しています。

 議論の焦点は主に3つあります。まず<1>性犯罪歴の確認を義務とする事業者の範囲。報告書は法律で認可を受けている学校や児童福祉施設などは法律上直接義務づけることとし、学習塾、習い事などは事業者の範囲が不明確であるなどの理由から、認定制度を設け、認定を受けた事業者に義務づけることを提案しました。こども家庭庁の担当者は「塾は現状定義がなく形態もさまざま。業規制が及ばないような分野の事業者についても制度の対象に含めることができるようにするために、認定制度を設けることが適当とされたもの」と説明しています。

 長くDBS導入を訴えてきた子育て支援の認定NPO法人「フローレンス」の赤坂緑代表理事は報告書の内容は不十分とし「例えば塾の選択肢がない地域もある。知識が十分でない親が認定を受けていない塾を選ぶ可能性もある。ベビーシッターなども含め、段階的にでも義務化を広げて抜け道がない制度にしてほしい」と要望。性被害者らの団体「Spring」は有識者会議への要望書で、義務化の対象事業・職種について「18歳未満の児童に1日1時間以上、接する者」などの基準を提示。田所由羽共同代表は「認定していないところに性加害者が流れる可能性」も指摘します。教育行政学などが専門の日本大・末冨芳教授は「一足飛びにすべてを義務化にするのは無理だと思うが、認定制度の対象を習い事、ボランティア、キャンプなどの体験活動といったところまで可能な限り広げるべき」としています。

 芸能事務所については、いずれも「報告書の適用要件=支配性、継続性、閉鎖性にあてはまると思われるため適用すべき」(末冨さん)などと、義務化を主張しています。

 次に<2>確認対象とする性犯罪歴について。報告書は起訴有罪の性犯罪前科を対象とし、盗撮や痴漢の一部も含むとしました。各自治体ごとに制定する条例違反や、行政処分は内容などにばらつきもあるためさらに検討が必要とし、示談などによる不起訴処分(起訴猶予)などについては裁判所の事実認定を受けていないため「慎重であるべき」としました。前科をどのくらいの期間、確認の対象とするのかについては、刑法を踏まえて「一定の上限を設ける」としています。こども家庭庁担当者は「不起訴にはさまざまなケースがあり、一律に対象にするには難しい問題がある。更生の機会などの考え方や憲法、刑法などとのバランスも難しい」と説明します。

 末冨さんは「起訴有罪だけでは抑止効果がない。再犯のリスクのある人はすべて対象とすべき。DBSには再犯防止の効果もあり、犯罪者の利益を守ることにもなる」と指摘します。示談についても「裁判などに耐えられず、泣く泣く示談に応じている被害者が多い」と強調し、対象に含めることを検討すべきと主張。確認期間については「安易に犯歴の消去が行われるべきではない。再犯を繰り返さないという治癒証明があれば、前科を消せるという仕組みにすればいいのでは」と提案します。

 田所さんも「小児性犯罪は常習性があり、依存症と指摘されることもある。治療や更生の確認の仕組みも十分でない。どれだけ時間が経過しても、加害しないという保証はない」と主張。この課題は更生の機会や職業選択の自由との関係も論議になっていますが、赤坂さんは「この場合は職業選択の自由より、子どもの安全に重きを置くべき。社会から排除するわけではなく、更生の意味でも、子どもに近い職業を選ばせないほうがいいと思う」と話します。

 <3>運用。報告書は確認方法について、事業者が本人の同意を得ることを条件とするなど、本人が手続に関与する仕組みとした上で確認を申請し、その確認の結果について事業者が回答を得ることを想定しています。田所さんは「事業者が個人の犯罪歴を把握するのは問題。働きたい人が“犯罪歴がない”という証明を取る仕組みのほうがいい」と主張します。報告書は既に働いている人も、数年ごとに確認する必要にも言及しました。

 DBSは、性犯罪歴がない者による初犯の防止は期待できません。報告書は「その他の 措置も取り組む必要がある」と強調しています。末冨さんは「教員実習の段階でDBSの確認をかければ、チェックを受けるという自覚が生まれるのではないか。性教育では加害予防のプログラムももっと入れないと」と指摘。赤坂さんは「現場では、子どもと2人きりにならないようにする、カメラ設置などの環境づくりに加え、子どもの権利を守ることを大人が学ぶことも大切。触られて嫌だと思ったら嫌と言ってもいいなど、子どもに、自分の心と体を守る教育も大事で、同時にやっていかなければ」と訴えます。

 さまざまな難問をどう判断し、いかに実効性のある仕組みをつくるのか。こども家庭庁担当者は「報告書が出て、さまざまなご意見をいただきながら丁寧に検討を進めていく段階。ご意見を踏まえながら、早急に制度設計を固めていきたい」と話し、法案づくりの難しさがうかがえました。【久保勇人】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【連載・「ニュースの教科書」】  2023年10月21日  07:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ニュースの教科書】:どうなる、子どもを守る「日本版DBS」こども家庭庁有識者会議報告書はどんな内容?英国では?

2023-10-21 07:01:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【ニュースの教科書】:どうなる、子どもを守る「日本版DBS」こども家庭庁有識者会議報告書はどんな内容?英国では?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ニュースの教科書】:どうなる、子どもを守る「日本版DBS」こども家庭庁有識者会議報告書はどんな内容?英国では?

 ■<ニュースの教科書>

 子どもの深刻な性被害が相次いで明るみになる中、政府が導入を目指している「日本版DBS」に注目が集まっています。英国の制度を参考にした、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する仕組みです。創設への期待が高まる一方で、さまざまな意見もあり、実現へは難問山積とされます。どんな内容になりそうなのか。たたき台となる、こども家庭庁の有識者会議の報告書と、英国の制度の要旨をまとめてみました。

こども家庭庁のロゴ

 

 ◆こども家庭庁の有識者会議の報告書 主な内容

 【基本的な視点】 

 教育、保育などを提供する事業者は、<1>支配性、<2>継続性、<3>閉鎖性の点で、従事する者による、子どもに対する性犯罪・性暴力を防止する責務を負っている。業務に従事する者の性犯罪歴の有無を確認する仕組みを導入する必要がある。職業選択の自由などを制約するため、対象範囲を無限定に広げることは許されない。対象事業者は情報を安全に管理できるもの。

 【対象事業者】 

 学校教育法などで認可などを受けている学校や児童福祉施設などは、性犯罪歴の確認を法律上直接義務づける。対象例は学校、認定こども園、保育所、児童養護施設など。できるだけ広く対象に含め規制をかけることが適当だが、学習塾、スイミングクラブ、習い事などは事業者の範囲が不明確で監督などの仕組みが整っていないため、認定制度を設け、認定を受けたものは確認を義務づける。認定事業者は国が公表。

 【確認対象とする性犯罪歴など】 

 性犯罪前科(被害者の年齢を限定しない)を対象。条例違反は各自治体ごとに制定され、内容にばらつきがある上、国が把握する仕組みがないなど技術的課題があるため検討が必要。盗撮や痴漢の一部は対象に含まれ得る。示談などによる不起訴処分(起訴猶予)を対象にすべきという意見もあったが、裁判所の事実認定を受けていないため、慎重であるべき。行政処分や企業の解雇処分も対象にすべきという意見もあったが、基準や考え方が異なるため、検討には時間を要する。自主退職は、犯罪に当たると考える時は告発をするなど適切に対処すべきとの意見。対象とする前科の期間は、刑法34条の2が刑の執行終了から5年または10年で刑の効力を失うとしている趣旨も踏まえ、必要性・合理性が認められる範囲で一定の上限を設ける必要があるとした。 

 【運用】 

 個人情報保護法で犯罪歴は開示請求などの適用除外。本人の同意などの関与の上で事業者が申請し、事業者に回答する。回答は性犯罪歴の有無だけでなく、特に重大な犯罪であるなど一定の類型にあたるかなどを回答することも考慮。本人が自分の性犯罪歴の確認を申請できるようにすると、その他の事業に就職しようとする時も確認結果の提出を求められる事態が生じかねない。確認義務違反や情報漏えいに対しては罰則を設けるべき。

 ◆英国のDBS(Disclosure and Barring Service) 

 子どもと関わる職種はボランティアなども含めて犯罪歴確認を行うことが、一定の例外を除き、義務化されている。事業者がDBS側に確認を申請し、DBSから本人に証明書が発行され、本人が事業者に提出する。組織は内務省が所管し、運営スタッフは1200人以上。対象の事業者は子どもに危害などを与える恐れがある者がいる場合はDBSに通報義務があり、DBSは「子どもや脆弱な大人と接する仕事に就けない者のリスト」もつくっている。ほかの職種でも事業者が犯歴を確認でき、4種類の証明書がある。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【連載・「ニュースの教科書」】  2023年10月21日  07:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・10.08】:ジャニーズ事務所のメディア支配…出発点はメリーによる弟ジャニーの「病」隠し

2023-10-09 07:44:50 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・10.08】:ジャニーズ事務所のメディア支配…出発点はメリーによる弟ジャニーの「病」隠し

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・10.08】:ジャニーズ事務所のメディア支配…出発点はメリーによる弟ジャニーの「病」隠し

 メリー喜多川(2021年没、享年93)が生きていたら、どう対処したのだろうかと考えてみた。

 彼女は早くから弟の「病」を知っていた。その病が、アイドルになる少年たちを見いだす「異能」に結びついていることも。

 メリーは、弟がジュニアたちを欲望のまま次々に襲うのを見て見ぬふりをし、徹底的に隠蔽しようと心に決めた。姉の弟への“偏愛”がすべての始まりだった。

<picture>メリー喜多川氏が存命なら違っていたのか…(C)日刊ゲンダイ</picture>

  メリー喜多川氏が存命なら違っていたのか…(C)日刊ゲンダイ

 前にも書いた通り、週刊現代の記者が「(弟の)ジャニー喜多川さんにはスターになる素質を見分ける“独特の力”があるそうですね」とメリーに聞くと、いきなりドアを閉め、「私がここで脱いで警察を呼べばどうなると思う」と、凄まじい形相で記者を睨んだ。1981年4月のことだった。

 ジャニーが見いだした少年たちは次々に日本を代表する人気アイドルになり、ジャニーズは帝国といわれるまでになったが、メリーの心は晴れなかったと思う。

 弟のジュニアたちへの性加害が明るみに出れば、帝国は崩壊する。メリーがもくろんだのは、この国の主要メディアを支配することだった。

 テレビ、出版、スポーツ紙は赤子の手をひねるがごとくだった。彼らは目の前でジャニー喜多川が少年たちに性加害をしていても、見て見ぬふりをしてきたに違いない。新聞は事件化しない限り書かないから放っておけばいい。

 2回目の会見に欠席したジュリーが手紙を寄せ、井ノ原快彦が代読した。その中に、こうあった。

 「ジャニーが裁判で負けた文春を訴えた裁判のとき(04年に性的虐待行為があったと高裁で確定=筆者注)もメリーから『ジャニーは無実だからこちらから裁判を起こした。もしも有罪なら私たちから騒ぎ立てるはずがない。本人も最後まで無実だと言い切っている。負けてしまったのは弁護士のせい』と聞かされておりました」

 弟の病は娘にも話さない。メリーなら、そうしたかもしれない。弟を守るために鉄の鎧(よろい)を着て生きてきたメリーが、生涯で一番ホッとしたのは、弟のジャニーが亡くなった時(19年)ではなかったか。

 朝日新聞が発行してきた週刊朝日(19年7月22日号)は表紙に「追悼ジャニーさん、ありがとう! YOU、やっちゃいなよ」と大書した。人間の評価は「棺(かん)を蓋(おお)いて事定まる」ならば、弟は日本一の名プロデューサーとして名が残る。そう思ったに違いない。

 英国のBBCがジャニーの性加害問題のドキュメンタリーをやろうが、元ジャニーズの人間が、ジャニーから性加害を受けたと実名告白しても、メリーなら無視したまま、少しも動じなかっただろう。

 だが、新聞もこの問題をようやく取り上げ、CMにジャニーズの人間を使わない企業が次々に現れ、これまで逆らったことのないNHKまでが紅白に出さないと明言する事態になった。万事休す。メリーならどうしただろう。

 私は、メリーは一人で会見に臨んだと思う。そこで、自分が弟の性加害を知りながら長い間隠蔽してきたことを認め、自らも同罪だと深く謝罪する。何百人ともいわれる被害者たちには私財と事務所の資産を売却して、最大限の補償と心のケアをする。残ったお金は性加害を起こさない活動をしているNPOなどに全額寄付する。数カ月のうちにジャニーズ事務所は廃業。独立できないタレントたちは他の芸能事務所に引き取ってもらうよう、自分が責任をもって対処する。

 メリーなら別会社などつくらず、即刻、自らの手で汚れちまったジャニーという名を永遠に葬ったはずだ。 (文中敬称略)

(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 芸能 【芸能ニュース・連載・「週刊誌からみた「ニッポンの後退」」】  2023年10月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・09.03】:ジュリー社長はもともと辞めたがっていた…再発防止特別チームの「勧告」は口実を与えただけ

2023-10-09 07:44:20 | 【魂の殺人と呼ばれ、繰り返される性暴力の現状・ジャニーズ事務所が抱える性加害の闇

【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・09.03】:ジュリー社長はもともと辞めたがっていた…再発防止特別チームの「勧告」は口実を与えただけ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【週刊誌からみた「ニッポンの後退」・09.03】:ジュリー社長はもともと辞めたがっていた…再発防止特別チームの「勧告」は口実を与えただけ

 「私がここで全部脱いで、襲われたと警察に電話すれば、あなたは逮捕されるわよ!」

 週刊現代の記者だった朝倉喬司を部屋に招き入れた“女帝”メリー喜多川は、取材の趣旨を聞くと、こう大声を上げた。

<picture>ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長(提供)ジャニーズ事務所</picture>

  ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長(提供)ジャニーズ事務所

 1981年春のことであった。その当時から、メリーの弟・ジャニー喜多川の性癖は噂になっていた。私と朝倉は、その真偽を確かめようと、別の口実でジャニー喜多川に取材を申し込んだが断られた。しかし、メリーが会ってくれるという。勇躍、朝倉が会いに行って、「弟さんは、スターになる素質を見分ける“独特の力”があるそうですね」と切り出した途端のことだった。

 彼女は、弟が「病気」であることを知りながら、徹底的にジャニーを守り通すと心に決めていたのだ。

 さて、ジャニーズ事務所が設置した「再発防止特別チーム」の座長、前検事総長で弁護士の林真琴も、報告書の中で、メリー喜多川は1960年代前半には弟の性嗜好異常を知り、少年たちへの性的虐待が続いていることも知りながら、放置・隠蔽したことが被害の拡大を招いた最大の要因であるとしている。

 特別チームは、メリーの長女であるジュリー社長も、取締役就任時ごろには、叔父の性的虐待疑惑を認識していたにもかかわらず、調査もせずに任務を怠ったと、「ジュリー社長の辞任を求める」と結論付けている。

 多くのメディアは、よくぞそこまで踏み込んだと驚愕し、大見出しをつけているが、何のことはない。私にいわせれば、ジャニーズ事務所側の「意向」に沿っただけである。

 なぜなら、ジュリー社長はこれまでも、社長を辞任したいと周囲に漏らしていたと報じられている。したがって、この提言は辞任するためのいい口実になるからだ。

 特別チームは、ジャニー喜多川が少年たちに「性器弄び」「口腔性交」「肛門性交を強要」していたことは事実だと認定。被害者に謝罪し、すみやかに「救済措置制度」を構築すべきだとも提言している。

 被害者は200人ともそれ以上になるともいわれている。だが、年商1000億円、資産も1000億円といわれるジャニーズ事務所だから、屋台骨を揺るがすほどの負担にはならないのではないか。

 もちろん、これだけ悪名が世界中に知れ渡った事務所から逃げ出すアイドルは、これからも次々に出てくる。その上、汚れちまった事務所に入ろうというジュニアは激減するはずだ。帝国崩壊は間違いない。

 私は、特別チームがメディアの責任にもっと厳しく言及しなかったのは不満だ。テレビ局やスポーツ紙との癒着、大新聞の沈黙がジャニー喜多川を増長させ、性被害を拡大してしまったことは間違いない。これを機に、そこにこそメスを入れなければならないはずだが、そういう論調はほとんど見られないのはなぜか。

 イギリスでは国民的人気司会者のジミー・サヴィルが死んだ後、彼が未成年者への強姦や性的虐待を繰り返していた「性犯罪者」であることが判明した。それを機に、芸能人による性的虐待への大規模な捜査が始まり、多くの大物芸能人たちが逮捕された。ジャニー喜多川の性的虐待が“確定”した今こそ、セクハラが横行する芸能界というドブを浄化しなければ、被害に遭う若者は後を絶たない。 (文中敬称略) (元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長) 

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 芸能・エンタメ 【芸能ニュース・連載・「週刊誌からみた「ニッポンの後退」」】  2023年09月03日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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