路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を

2020-05-13 06:10:35 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【社説①】:検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を

 「#検察庁法改正案に抗議します」のSNS投稿が四百七十万件に達した。政権が検察人事に介入しうる法改正への異議申し立てだ。コロナ禍のどさくさ紛れの早期成立を与党は断念すべきだ。

 会員制交流サイト(SNS)のツイッター上で、九日から十日にかけて、検察庁法の改正案に抗議意思を示すツイートが相次いだ。市民ばかりか、政治的な発言を控える傾向がある芸能人らも投稿した。俳優の浅野忠信さん、演出家の宮本亜門さん、小泉今日子さんとみられる投稿もあった。

 「三権分立が破壊される改悪です」「護符としてモンテスキューの肖像を貼る」-そんな著名人の投稿は市民を巻き込んで、うねりとなった。十日午後十時時点で四百七十万件超。コロナ禍で集会ができない現在、SNSを使った「ネット・デモ」の様相である。

 六十三歳の検察官の定年を六十五歳にすることへの異議ではない。政権が認めた人物に限り、六十三歳以降も検事正や検事長などの役職を続けられ、定年延長も可能になる特例への異議である。この規定で政権が準司法機関たる検察をコントロールするようになり、三権分立が危うくなる。そんな危機感が広がったのだ。

 契機は八日の衆院内閣委員会だった。野党側が法相の出席や法務委員会との連合審査を求めていたのに、与党側は拒否。野党欠席のまま実質審議に入った。

 同法案は国家公務員法改正案などとまとめた「束ね法案」として提出され、内閣委での審議となった。法務・検察の根幹の法なのに法務委で審議せず、法相が答弁しないのは明らかにおかしい。

 そもそも黒川弘務東京高検検事長の定年を延長する閣議決定をめぐり、安倍晋三首相は「解釈の変更」と述べた。だが、解釈とは条文から複数の読み方ができる場合のみ可能となる。

 検察庁法には国家公務員法を適用しないことが確定している以上、読み方は一つで、解釈変更はありえないはずだ。

 政権の都合でルール変更が可能なら、その政権は事実上、法律に拘束されていないことになる。解釈変更という実質的な法改正を政権自身が行っているのに等しい。これは「法の支配」が崩壊している姿である。

 内閣委では与党側が近日中に強行的に法案採決する可能性がある。緊急事態宣言の中、火事場泥棒的な法案の成立は阻止せねばならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年05月12日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説②】:2次補正編成へ 学生たちの未来守れ

2020-05-13 06:10:30 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説②】:2次補正編成へ 学生たちの未来守れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:2次補正編成へ 学生たちの未来守れ

 新型コロナウイルスの感染拡大で困窮する学生への支援策が国会で議論されている。現金給付などが第二次補正予算案に盛り込まれる方向だ。学生の未来を守るため力強く素早い対策を望みたい。

 コロナ禍で飲食などのアルバイトが激減し、経済的理由で退学を余儀なくされる学生が増えるのは確実だ。学費の無償化などを求めて活動する学生による団体が三百十九の大学、専門学校などを対象に調査を実施。その結果、約千二百人の学生や大学院生のうちほぼ二割が「退学を考えている」と回答している。

 安倍晋三首相は十一日の衆院予算委員会で「速やかに追加的措置を講じる」と述べた。政府・与党内では一次補正予備費を使った困窮学生への十万円支給案が浮上している。もし一次枠で支給するとしても、二次補正でも当然、支援策を急いで策定すべきだ。

 立憲民主党など野党四党は、授業料半減に応じた大学などに対する免除分の負担や、バイト収入が激減した学生への二十万円支給を盛り込んだ支援策を提案している。与党側にこれ以上の手厚い案がないなら、審議時間を短くし素早く支援を実施するためにも野党案を成立させるべきではないか。

 さらに大学などは今、オンラインでの授業をせざるを得ない状況だ。かなりの額の設備投資が必要で、こうした授業形態への公的支援も充実させるべきだろう。

 学生の就職活動をめぐり大企業にもくぎを刺しておきたい。一部で採用数を絞る動きが出始めているが、これは納得がいかない。

 国内に限らず経済の見通しが急激に不透明感を増しているのは確かだ。特に運輸や観光関連企業の決算が著しく悪化するのは理解できる。だが業種によっては影響が軽微なケースもあるはずだ。

 国内企業の二〇一八年度の内部留保は約四百六十三兆円で七年連続で過去最高を記録した。この背景に政府・日銀による金融緩和や株買い支えがあることは言うまでもない。決して企業の自助努力だけでは生まれなかった数字だ。

 日本社会は一九九〇年代中頃以降の「氷河期」といわれた就職難の悪影響をいまだに受けている。これが当時の経営者の視座の低い採用姿勢に起因することは否定できないだろう。

 ここは大企業を中心に採用を抑えず氷河期の再来を防ぐのがビジネスの正道ではないか。未来を託す学生たちを救うための行動を多くの経営者に強く求めたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年05月12日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:作家の出久根達郎さんは少年時代、井伏鱒二のことが好きになり、

2020-05-13 06:10:25 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【筆洗】:作家の出久根達郎さんは少年時代、井伏鱒二のことが好きになり、その作品を書き写していたという。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:作家の出久根達郎さんは少年時代、井伏鱒二のことが好きになり、その作品を書き写していたという。

 「読むだけでは飽き足らなくなった」▼アイドルだったのだろう。自分もそうなりたいとあこがれ、手本とする。誰にもそんなアイドルがいる▼リトル・リチャードが亡くなった。八十七歳。若い人にはなじみはないか。それでも実は身近な存在かもしれない。好きなミュージシャンがいるとする。その人のアイドルは誰か。影響を受けた人物は誰か。それが分かったら、今度はそのアイドルのアイドルを探す。三、四回さかのぼれば、おそらくは、この人にたどり着く。黒人と白人の垣根を越えた熱狂の音楽、ロックンロールの創始者の一人である▼十四歳のポール・マッカートニーが出場したのど自慢。歌ったのはその人の「のっぽのサリー」だった。ボブ・ディランは高校の時、将来の目標として「リトル・リチャードと共演する」と書いた。ジミ・ヘンドリクスは言った。「リトル・リチャードが歌うようにギターを弾きたい」▼デビューは一九五五年。黒人で同性愛者。今よりはるかに生きづらかっただろう。抑圧と苦悩からあの叫びの音楽は生を受けた▼「感じるがままに歌え」。その音楽は時代とともに裾野を広げ、形を大きく変えながらも今も世界中で流れている。若者の憂鬱(ゆううつ)を少しでも忘れさせようと叫んでいる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年05月12日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:5月11日(月)

2020-05-13 06:10:20 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:5月11日(月)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:5月11日(月)

 【午前】7時10分、官邸。18分、西村明宏官房副長官。8時16分、岡田直樹官房副長官。49分、国会。59分、衆院予算委員会。

 【午後】0時7分、官邸。54分、国会。1時、参院予算委員会。4時14分、官邸。58分、国会。5時3分、自民党役員会。38分、官邸。6時、加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官、西村康稔経済再生担当相、西村明宏、岡田、杉田和博各官房副長官、北村滋国家安全保障局長、和泉洋人、長谷川栄一、今井尚哉各首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監。7時16分、東京・富ケ谷の私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2020年05月12日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:コロナ感染拡大 「介護崩壊」は防がねば

2020-05-13 06:10:16 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:コロナ感染拡大 「介護崩壊」は防がねば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:コロナ感染拡大 「介護崩壊」は防がねば

 新型コロナウイルスが、介護現場にも脅威となっている。感染の拡大はサービスの利用者、事業所の双方に決定的なダメージを与える。国や自治体は対策を駆使し「介護崩壊」を防がねばならない。

 入所、通所、訪問と大別される介護サービス現場はどこも、コロナ感染拡大の影響を受けている。

 入所系では、東京都や千葉県、北海道の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設で集団感染が起き死者も少なくない。厚生労働省は高齢者が感染した際には原則入院とするよう自治体に通知しているが、病院の準備が整わず施設待機を求められる例がある。

 職員にも陽性者が出たり、濃厚接触者として自宅待機となったりすると人手不足に陥り、感染した高齢者をケアすることは困難となる。国や自治体は入所高齢者の優先入院の仕組みを整えてほしい。

 多くの施設は、入所者への面会を全面禁止するといった防疫措置を講じているものの、それでも感染が発生する。職員の負担は重くなるが、外部との接触を極力減らすなどウイルス侵入阻止の徹底を望みたい。刺激が少なくなる入所者の心身の管理も重要となろう。

 在宅の要介護者を一時的に預かるデイサービスやショートステイでは、業務を自粛する事業所、通所を控える利用者が増えている。独居や老老世帯では食事や入浴、運動の機会が失われ、本人の状態が悪化しかねない。家族の負担増による虐待も懸念される。

 国はこれらの利用者を訪問介護で救う考えだが、ホームヘルパーも慢性的に不足だ。その上、自主休業する派遣事業所や休校の影響などで休まざるを得ないヘルパーも多く、現場の余力はない。

 事業の中止、縮小は収入減を招いて事業所経営を圧迫している。このままでは感染終息を待たずに「施設崩壊」が起きかねない。国は介護報酬制度の柔軟な運用や独自の支援金支給で、事業継続のための人材確保や防疫対策を後押しし、感染者が出た際の休業補償も行うべきだ。マスクや防護服の不足に対して、十分な手当てを行うことは言うまでもない。

 最終的には家族の支えもカギとなる。国、企業には、親族の介護が必要な労働者が休みを取りやすくなるよう、介護休暇・休業制度拡充の検討も求められる。

 医療崩壊の危機が指摘されてきたが、介護を支える基盤はさらに脆弱(ぜいじゃく)だと社会全体が認識し、極度の緊張と疲労を押して働く介護職員に謝意を表したい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年05月11日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:職場の待遇差 賃金のあり方総点検を

2020-05-13 06:10:12 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【社説②】:職場の待遇差 賃金のあり方総点検を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:職場の待遇差 賃金のあり方総点検を

 非正規で働く人の待遇改善を進める「同一労働同一賃金」の制度が四月から始まった。改善にはまず賃金や手当などのあり方を見直す必要がある。企業はその総点検に取り組んでほしい。

 新型コロナウイルス感染拡大でまず雇用の維持が最優先課題だ。だが、その混乱で待遇改善への取り組みが遅れていいはずはない。

 正社員の六割程度にとどまっているパートなど非正規労働者の賃金などの待遇を可能な限り引き上げる。政府の「同一労働同一賃金」制度は、それを実現しようというものだ。

 時間外労働の上限規制、年次有給休暇の確実な取得と並び、安倍政権が進める「働き方改革」の柱のひとつである。四月からはまず大企業を対象に実施された。

 待遇改善の基本的な考え方は、職務の内容が同じなら正社員、非正規の雇用形態にかかわらず待遇も同じにする。基本給、賞与、各種手当などの項目ごとに同じ待遇にしなければならない。

 例えば、正社員と同じ役職に就く非正規の役職手当が低い場合など不合理な格差は禁止された。

 ただし、どんな場合が不合理な待遇になるのか、厚生労働省の指針では、明確に例示できているケースは少なく分かりにくい。

 一方で、待遇に違いがあっても認められる場合がある。指針では、正社員と非正規とで能力、経験、成果、会社への貢献度などが違えば、基本給や賞与など差を設けられる。だが、その違いを判断する基準はあいまいである。

 背景には支給目的や対象者などは業種や企業によってさまざまとの事情がある。賃金の決め方を長年かけて形作ってきた経緯もそれぞれだろう。制度導入でどこまで待遇差が縮まるのか疑問は残る。

 ただ、大きく変わる点がある。 働く側から、存在する待遇の差について説明を求められたら、企業は働く人が納得できる合理的な説明をしなければならない。

 そのために企業は職務ごとの支給基準や過去の経緯の確認など待遇の「棚卸し」を迫られる。その上で説明のできない待遇差があれば改善の対象となる。企業は積極的に賃金制度の中身を精査してほしい。

 感染拡大による業務への影響で待遇に疑問を感じたら企業へ説明を求めてもいいはずだ。労働組合の役割も大きい。

 コロナ禍で雇用のあり方に関心が高まっている。待遇見直しの機会にもすべきだ。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年05月11日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:日本酒で熱燗(あつかん)といえばだいたい五十度だそうだ。

2020-05-13 06:10:08 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【筆洗】:日本酒で熱燗(あつかん)といえばだいたい五十度だそうだ。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:日本酒で熱燗(あつかん)といえばだいたい五十度だそうだ。

 人肌燗が三十五度。日本酒造組合中央会によると、そこから五度きざみでぬる燗(四十度)、上燗(四十五度)、熱燗と呼ばれ、その上が飛び切り燗(五十五度以上)となる▼それより上は出ていなかったが、「泉燗」というのを聞いたことがある。沸騰するほど熱くする。酒としてはあまりうまくなかろう。考案したというか、そうしなければいられなかったのは「高野聖」などの泉鏡花である▼赤痢にかかった経験から極端な潔癖性になった鏡花は外出時には自分用の鍋とアルコールランプを携え、口に入れるものは刺し身であろうとこれで煮る。そして酒はあの「泉燗」である▼雑菌を警戒して生まれたのが「泉燗」なら新型コロナウイルスがはやらせているのは家飲みやオンライン飲み会か。左党はいろいろなことを思いつく▼不自由な生活のストレスや寂しさを酒で紛らわしたい。よく分かるのだが、心配なのはその量である。憂いを払う玉箒(たまははき)も過ぎれば、身体に障るし、家の中でのトラブルも招きやすい▼<二日酔(ふつかよい)ものかは花のあるあいだ>は芭蕉だが、まさかコロナ禍の間は二日酔いでもかまわないというわけにはいくまい。酒量を毎日記録しておくことが飲みすぎの防止になるとか。気をつけたい。コロナには感染しなかったが肝臓の方が…では笑い話にもならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年05月11日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【私設・論説室から】:薫風を感じつつ、思う

2020-05-13 06:10:04 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【私設・論説室から】:薫風を感じつつ、思う

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:薫風を感じつつ、思う

 東京都などにコロナ禍対応の緊急事態が宣言されて一カ月余。自宅に近い目黒川沿いの遊歩道を五キロほど走るのが日課となった。十五年通うジムの休館に在宅勤務。ご多分に漏れず「コロナ太り」対策である。

 街路樹の花はソメイヨシノからハナミズキへ、下植えの彩りはオタカンサスからサツキへ。季節は確実に移ろい、川面ではキラキラと太陽の光たちが鬼ごっこ。ヒュルルー。耳元に渦巻く風には、老いぼれた冬より生まれたての夏の体温を感じるようになった。

 スースー、ハーハー。荒い息と流れる景色の中で、意識はあちこちに散らばっていく。グローバル化を是としてきた社会、経済、文化の営みは、災禍の終焉(しゅうえん)とともに元通りになるのか。しばらく会っていない友人、知人とのつながりは、再び「密」になれるのか。

 とりとめのない不安に、答えなど見いだせない。他者と触れ合ってはならぬ、自身も感染者との前提で振る舞え-。外出自粛の要請は医学的には絶対の真理だが、自身の存在自体が汚れであり「罪」であると思うと宗教の世界に迷い込むようだ。「ポスト・コロナ」の概観は、哲学の領域になるのだろうか。

 平日の公園で無邪気に遊ぶ子と父親。その姿が「現状を受け入れろ。先のことなど誰も分かりゃしない」と、雑念を吹き飛ばしたりもする。そして今日もまたスースー、ハーハー。マスクの中に荒い息を吐く。(白鳥龍也)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2020年05月11日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:5月10日(日)

2020-05-13 06:10:00 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:5月10日(日)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:5月10日(日)

 【午前】来客なく、東京・富ケ谷の私邸で過ごす。

 【午後】3時49分、官邸。4時7分、加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官、西村康稔経済再生担当相、西村明宏、杉田和博両官房副長官、北村滋国家安全保障局長、和泉洋人、長谷川栄一、今井尚哉各首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、鈴木康裕厚労省医務技監。29分、加藤厚労相、菅官房長官、西村経済再生担当相、西村、杉田両官房副長官、和泉、長谷川、今井各首相補佐官、樽見新型コロナウイルス感染症対策推進室長、鈴木厚労省医務技監。5時11分、北村国家安全保障局長。34分、私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2020年05月11日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:週のはじめに考える 「中国模式」の危うさ

2020-05-13 06:09:55 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①】:週のはじめに考える 「中国模式」の危うさ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:週のはじめに考える 「中国模式」の危うさ

 中国には新型コロナウイルスの発生源が自国、という点には異論があるようですが、感染が湖北省武漢市から広まったことは誰も否定できません。

 当然、最も早く深刻な感染拡大に苦しんだわけですが、世界に先駆けて「感染拡大を抑止した」と宣言しました。

 強権的な「武漢封鎖」の手法に批判の声はありますが、迅速な感染封じ込めについて、中国は共産党一党支配の「制度的優位性を示した」と自画自賛しています。

 ◆一党独裁下で経済成長

 近年の中国は、政治的には共産党一党独裁のまま開放政策で市場経済を発展させる「中国模式(モデル)」を掲げ、米国をしのぐ世界一の大国になろうとの野心を隠そうともしていません。

 確かに、改革開放政策により驚異的な経済発展を遂げ世界第二の経済大国となった中国が近年、中国モデルの一定の成功により、政治的にも存在感を強めていることは否定できないでしょう。

 しかし、一連のコロナ対応で国際社会が強く感じたのは、民主主義とは対極にある「中国モデル」の国が世界の主導権を握った場合の危うさではないでしょうか。

 歴史を振り返れば、新中国の最高権威は毛沢東でした。偉大な「建国の父」でしたが、次第に独裁色を強め、数千万人の餓死者を出した大躍進政策や政敵打倒の権力闘争であった文化大革命の過ちも犯しました。

 中国は毛の評価について後年、「功七分、過三分」と、その過ちも認めました。一方、個人崇拝による災いへの教訓として、集団指導体制による「党の指導」の絶対化を強めたように映ります。

 特に、「太子党」と呼ばれる党高官子弟の習近平国家主席(党総書記)は「あらゆるものに対する党の指導を堅持する」(改革開放四十年式典)と述べ、一党支配による強国化路線を進めています。

 ◆衝撃与えた習氏の演説

 その習氏の二〇一七年党大会での演説が米中関係のみならず、国際社会に衝撃を与えました。

 宮本雄二・元中国大使は一九年、名古屋市内での講演で「習氏は『二〇五〇年までにアメリカを追い越す』ととられるような表現を使った。かつ、独立を維持しながら急速な経済発展を願う他国に対し、『中国発展モデル』は新たな選択肢を与えたと高らかにうたった」と指摘しました。

 トランプ政権が「米国第一主義」を鮮明にした米国は今や内向き志向です。習氏が率いる中国はその機に乗じて覇権を握り、積極的に世界に関与していこうという戦略を描いているようです。

 しかし、国内的には強烈な求心力となってきた「党指導の絶対性」が、一連のコロナ対応では裏目に出ているように見えます。

 湖北省と武漢市のトップが更迭されましたが、トカゲの尻尾切りにしかすぎません。武漢封鎖解除にあたり、新華社のコラムは「習主席の指導の下、共産党員が感染拡大防止に向け勇敢に戦った」と報じ、本来は最も重い責任を負うべき共産党の功績賛美一色です。

 確かに、初動対応について「至らない点があった」と共産党の内部会議では認めました。一方、世界に向けて感染拡大や情報隠蔽(いんぺい)についての真摯(しんし)な謝罪はありません。他国へのマスクや医薬品支援を「マスク外交」とばかりに吹聴し、「感染拡大の防止で、世界は中国に感謝すべきだ」とまで言い放ちました。

 こうした態度では、いまだ深刻な感染被害に苦しむ国々の多くの

 国民が、中国の姿勢を傲慢(ごうまん)だと感じても何の不思議もありません。

 一党支配に支えられる「中国モデル」には、国際社会からの批判に対し、強引に自国の正しさばかり主張する偏狭さが目立ちます。それでは到底、世界を引っ張るリーダーたりえません。

 国内にさえ、中国モデルの限界を鋭く指摘する声はあります。武漢大教授は「今回の危機は、人々の口がふさがれ、言論の自由が抑圧されることが、社会の不安定を招く真の理由だと示した」とネット上に意見表明しました。

 ◆世界けん引の度量は?

 言論統制が強まるばかりの中国で、感染情報隠蔽を真っ向から批判した勇気ある発言であり、こうした批判的言論を公にしている学者や文化人は他にも多くいます。

 コロナ感染拡大とその対応は、中国モデルは将来の国際社会の基準たり得ないという共通認識を、世界の人々の間に生みました。これまでは、経済発展とそれに伴う他国への支援がその負の側面を覆い隠していたといえるでしょう。

 国内外からの批判を謙虚に受け止め、自らの進化の糧とする寛容性と柔軟性こそ世界をけん引する国に求められる度量です。皮肉なことに、それを獲得したら、もはや、中国モデルとは言えないのかもしれません。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2020年05月10日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授は

2020-05-13 06:09:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【筆洗】:ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授は二〇〇四年、奈良先端科学技術大学院大学から京都大学に移っている。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授は二〇〇四年、奈良先端科学技術大学院大学から京都大学に移っている。

 山中さんが四十二歳のときである▼当時、七十歳すぎだったお母さんが心配して電話をかけてきたそうだ。「あんた、大丈夫か。そんな怖いところへ行っていじめられへんか?」。どこのお宅でもこういう会話があるだろう。母親とは子どもがいくつになろうと、「大丈夫か」「いじめられへんか?」と案じる人たちである▼母の日である。ただでさえ「心配性」な母親たちの心はなお先行きの見えぬ新型コロナウイルスから家族たちを守りたいという心配も加わってさぞ重くなっているだろう▼非常時、家や家族のことをなにかと気にかけてしまうのはどうしても母親の方で、慣れぬ生活に体力的にもお疲れにちがいない。父親があまり協力しないとなれば、一日三食をすべて用意するというお母さんもいるだろう。在宅勤務で、母親の大変な日常を目の当たりにして、頭が下がったという人も多いはずだ▼母親の心配をありがたいと思う半面、あまり心配されすぎると子どもの方はくすぐったく、少々わずらわしくなることも事実だが、その心配に素直に感謝したい本日である▼母親の心配性への良薬は「自分は元気だよ」と伝えること。残念ながら今年は電話でということになる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2020年05月10日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:5月9日(土)

2020-05-13 06:09:45 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:5月9日(土)

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:5月9日(土)

 【午前】来客なく、東京・富ケ谷の私邸で過ごす。

 【午後】3時52分、官邸。4時3分、加藤勝信厚生労働相、菅義偉官房長官、西村康稔経済再生担当相、西村明宏、岡田直樹、杉田和博各官房副長官、北村滋国家安全保障局長、和泉洋人、長谷川栄一、今井尚哉各首相補佐官、樽見英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長、秋葉剛男外務事務次官、厚労省の鈴木康裕医務技監、吉田学医政局長。5時29分、加藤厚労相、西村経済再生担当相。6時2分、私邸。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2020年05月10日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【広島地検】:河井克行前法相を買収容疑で立件へ、安倍政権に打撃

2020-05-13 02:00:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【広島地検】:河井克行前法相を買収容疑で立件へ、安倍政権に打撃

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【広島地検】:河井克行前法相を買収容疑で立件へ、安倍政権に打撃

 自民党の河井案里参院議員(46)=広島選挙区=が初当選した昨年7月の参院選を巡り、夫で前法相の克行衆院議員(57)=自民、広島3区=が地元議員らに現金を配ったとして、検察当局が公選法違反(買収)の疑いで克行氏を立件する方針を固めたことが12日、関係者への取材で分かった。案里氏の同じ容疑での立件も慎重に検討する。配った総額は1千万円前後に上る可能性がある。

河井克行前法相(左)と河井案里参院議員(共同)

            河井克行前法相(左)と河井案里参院議員(共同)

 競合候補で自民党現職だった溝手顕正元国家公安委員長の強固な地盤を切り崩すため、公示前に党本部から案里氏側に提供された1億5千万円を使い、広範囲に買収行為をした疑いがあるとみている。案里氏陣営の公選法違反事件は、法務行政トップの経験者が刑事責任を問われる事態に発展する見通しとなり、安倍政権への打撃は必至だ。

 河井夫妻は広島地検の任意聴取に買収行為を否定している。

 検察当局は東京地検特捜部の検事も投入し、克行氏の逮捕状請求を視野に入れて捜査。新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出ている状況や、国会議員の不逮捕特権が認められている国会開会中であることを踏まえ、在宅起訴の選択も含めて、立件の時期を見極めるもようだ。会期は6月17日までだが、延長も可能だ。

 昨年7月の参院選で自民党は広島選挙区で2議席独占を狙い、党本部が主導し案里氏を擁立。案里氏が初当選する一方、溝手氏は落選した。

 広島地検は今年3月、車上運動員14人に違法な報酬を支払ったとして、公選法違反(買収)の罪で案里氏の公設秘書立道浩被告(54)と克行氏の政策秘書高谷真介被告(43)を起訴した。

 捜査で克行氏が案里氏の選挙運動を仕切っていたことが判明。これまでの取材で広島県議や広島市議、県内の首長らに1人当たり現金数十万円を渡していたことが分かっており、検察当局は受領した側についても調べを進めている。

 克行氏は広島県出身で県議を経て1996年に衆院議員に初当選し、現在7期目。法務副大臣や首相補佐官などを務め、昨年9月に法相に任命されたが、案里氏の公選法違反疑惑が発覚し、翌月辞任した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・公職選挙法違反容疑】  2020年05月13日  02:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

 

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【2020年05月11日 今日は?】:レゲエ歌手・ボブ・マーリーさん死去

2020-05-13 00:02:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2020年05月11日 今日は?】:レゲエ歌手・ボブ・マーリーさん死去

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2020年05月11日 今日は?】:レゲエ歌手・ボブ・マーリーさん死去

 ◆5月11日=今日はどんな日

  満州国軍がモンゴル軍と国境紛争地ノモンハンで衝突(1939)

 ◆出来事

  ▼高松港から出港した国鉄の連絡船・紫雲丸が運搬船と衝突し沈没。修学旅行の小中学生ら168人死亡(1955)▼レゲエ歌手ボブ・マーリー死去(1981)

 昭和30年5月11日当日の毎日新聞夕刊1面。

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 ◆誕生日

 ▼泉谷しげる(48年=歌手)▼松尾貴史(60年=タレント)▼浜田雅功(63年=ダウンタウン)▼竹下陽平(73年=フジテレビアナウンサー)▼SHELLY(84年=タレント)▼Dream Ami(88年=歌手)▼尾崎和樹(93年=歌手)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2020年05月11日  00:00:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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