路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・12.20】:佐川宣寿氏への訴えは2審も棄却…赤木雅子さんの心境はZARDのヒット曲「負けないで」そのもの

2025-02-08 07:15:10 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・12.20】:佐川宣寿氏への訴えは2審も棄却…赤木雅子さんの心境はZARDのヒット曲「負けないで」そのもの

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・12.20】:佐川宣寿氏への訴えは2審も棄却…赤木雅子さんの心境はZARDのヒット曲「負けないで」そのもの

 この裁判、勝てっこない。原告の赤木雅子さん(52)にとって、それは織り込み済みのことだった。相手の土俵で相撲を取っても勝てない。裁判の流れから、そのことはわかっていた。法廷で黒野功久裁判長が「本件控訴を棄却する」と言い渡した時は、さすがに心がざわついたけど、表情は変わらなかった。

 被告は、財務省の元理財局長で、最後は国税庁長官になった佐川宣寿氏。森友学園との国有地取引を巡る公文書改ざんで「方向性を決定付けた」と、財務省の調査報告書で指摘されている。しかし、この事件で改ざんを強要され死に追い込まれた近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(享年54)のことについて、妻の雅子さんに謝罪や説明をしていない。

 これについて黒野裁判長は、「改ざんを指示したと評価されてもやむを得ないものといえる」と指摘した。さらに「道義的責任に基づき、あるいは一人の人間として、誠意を尽くした説明及び謝罪をすることがあってしかるべき」とまで指弾した。まさにその通り! ところが「法的には責任がない」と結論付けた。そんな理屈、世の中で通用する? もちろん、するわけない。満杯の傍聴席から抗議の声が上がった。

 「なんでやねん」

 「人が亡くなってるんやぞ」

 「恥を知れ!」

 普通なら制止されるところだが、裁判長はヤジがないかのように淡々と理由を読み続けた。制止するのがためらわれたのだろう。

 それより、相手の佐川氏。ついに一度も法廷に姿を見せなかった。それどころか、判決の法廷には代理人の弁護士の姿もなく、被告席はからっぽだった。

 ■改ざんのいきさつを説明してほしかった

 雅子さんは、亡き夫を死に追い詰めた公文書改ざんについて、「方向性を決定付けた」と指摘された佐川氏に、いきさつを説明してほしかった。ただ、それだけだ。

 だから、実は先月初め、弁護士を通し佐川氏に和解を申し入れる手紙を送っていた。佐川氏が俊夫さんの墓前か自宅の祭壇の前で手を合わせ、いきさつを話してくれたら、すぐに裁判をやめる。賠償金はいらない、と。

 でも、答えはなかった。「和解に応じない」という返事すら来なかった。スルーされた。国会の証人喚問でも証言を“差し控えた”佐川氏は、今も“だんまり”を決め込んだままだ。

 佐川氏は、1審に続き控訴審でも勝った。国にかばってもらった、ように見える。でも、実は逆なんじゃないか? 雅子さんは判決後、報道各社の取材に語った。

 「佐川さんは国に守られたようでいて、実はまた捨てられたんだと思います。役所を辞めても、組織のために本当のことをしゃべらないんでしょうけれど、しゃべらない限り、つらい毎日が続くはずです。話す場所を奪われ、闇に葬られて、一番気の毒なのは佐川さんなのかもしれません」

 最後に、今の心境を歌に例えた。

 「『負けないで』ですね」

 ZARDの30年前のヒット曲。ボーカルの坂井泉水は歌った。

 「負けないで もう少し
  最後まで 走り抜けて
  どんなに 離れてても
  心は そばにいるわ
  追いかけて 遥かな夢を」

 雅子さんも夢を追い続けるのだろう。真実がわかるその日まで。 

著者のコラム一覧

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記」】  2023年12月20日  13:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.03】:フジテレビ問題で注目される日枝相談役の進退

2025-02-08 07:05:20 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【HUNTER・02.03】:フジテレビ問題で注目される日枝相談役の進退

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.03】:フジテレビ問題で注目される日枝相談役の進退 

 元SMAPのタレント、中居正弘氏の事案で揺れるフジテレビ。今月17日に1度、釈明会見を行ったが、日本を代表する民放局にもかかわらず、テレビカメラでの撮影を禁じ、質問にも明確に答えないという姿勢に批判が集中した。2度目となった27日の会見には大手メディアはもちろん、フリーランスの記者やユーチューバ―まで出席を認めたことで400人を超す参加者。10時間半に及ぶ会見は、ルールを無視した人物たちから怒号が飛び交う異常なものとなった。

 この中で何度も聞かれたのがフジテレビの「天皇」と呼ばれる日枝久相談役について。そのため、会見参加者が視聴者や読者を無視して、所属媒体のためだけに同じ質問を繰り返すという下らない展開となった。なぜ日枝氏に注目が集まるのか――。改めて、同氏の経歴等について振り返っておきたい。

            ◆   ◆   ◆

 「日枝氏はなぜ記者会見に出ないのか」「日枝氏は中居氏の性加害事件に関与はあるのか」――会見で繰り返された質問だ。普通なら、相談役に過ぎない日枝氏が会見に出ることなどあり得ない。しかし、日枝氏の足跡を知るメディア係関者は、彼がフジテレビで絶対的な権力を有してきた人物であることを熟知している。日枝氏こそ、1度目の会見で露呈したフジテレビの傲慢な社風の礎を築いた人物だとみられており、中居事案への関わりを聞くのは当然だったといえるだろう。

 フジテレビ関連会社幹部のA氏は「日枝さんは、現在もフジテレビや関連会社の人事権に対する影響力を持っている」と話す。だが、嘉納修治フジテレビ会長と港浩一フジテレビ社長の辞任は発表されたが、日枝氏の進退については何も分かっていない。

 「嘉納会長、港氏社長など記者会見で壇上にあがった人みんなが、日枝さんの『おもしろくなければテレビじゃない』というキャッチフレーズに乗って出世したイエスマンばかり。怖くて日枝さんの進退なんて口にできません。日枝さんがすごいのは、社内どころか経済界そして、政界のトップにまで人脈を張り巡らしていることです」と前出のA氏は指摘する。確かに、日枝氏が「政治と近い」ことは有名だ。とりわけ、安倍晋三元首相とは特別な関係だった。

 朝日新聞の「首相動静」をチェックしてみると、日枝氏が在任中の安倍元首相と面会しているのは少なくとも23回。うちゴルフを一緒に楽しんでいるのが7回あった。

 2016年8月17日、安倍首相の夏休みと思われる朝日新聞の首相動静。

《【午前】6時53分、山梨県富士河口湖町のゴルフ場「富士桜カントリー倶楽部」。塩崎恭久厚生労働相、山本有二農林水産相、加藤勝信1億総活躍担当相、茂木敏充自民党政調会長、日枝久フジテレビ会長らとゴルフ》

《【午後】2時34分、同県鳴沢村の別荘。5時、小林優鳴沢村長。50分、同県山中湖村のホテルマウント富士。宴会場「メヌエット」で加藤1億総活躍担当相、岸信夫外務副大臣、日枝フジテレビ会長らと会食。昭恵夫人、母親の洋子さん同席。8時56分、別荘》

 日枝氏は午前中、安倍首相や加藤勝信現財務相らとともにゴルフ。夜は、昭恵夫人や母親の洋子氏まで交えて会食をしている。

 2019年8月16日の朝日新聞の首相動静。

《【午後】4時38分、東京・有楽町の東宝日比谷ビル。東宝本社で映画「記憶にございません!」の試写会に出席し、鑑賞。日枝久フジサンケイグループ代表、遠藤龍之介フジテレビ社長、東宝の市川南常務取締役、池田隆之取締役、北村滋内閣情報官同席。6時55分、映画監督の三谷幸喜氏と懇談。7時28分、自宅》

 映画「記憶にございません!」は、フジテレビ開局60周年記念で制作された作品で、安倍首相は情報官まで引き連れて映画鑑賞をしていた。安倍政権時代に報道記者だったというB氏は次のように振り返る。

 「安倍政権時代、総理から『おたくの代表、お元気ですか』などとよく声をかけられました。日枝さんが安倍元総理と近かった。『くれぐれもよろしく言っておいてくれ』という意味合いです。安倍さんに森友学園・加計学園問題の疑惑が浮上した時も、官邸のお偉いさんから『フジさんはお手柔らかに頼むよ。総理どころか昭恵夫人まで渦中の人となっているんだから』と頼まれたこともありましたね。だから、石破政権になってからの報道スタンスを比較すると、安倍政権の頃は緩かったと思います。天皇である日枝さんが安倍総理と親しいとなれば、当然、出世がかかっている報道幹部は自制します。安倍さん関連で出した原稿が『キツイんじゃないか』としてマイルドになったこともありましたね。やっぱりビビるでしょう。日枝さんの影が頭をよぎりますから。日枝さんが天皇と言われた背景には、安倍元総理と直接モノが言える関係があったとみていいでしょうね」

 朝日新聞の首相動静によれば、日枝氏は他の首相とも面会している。安倍元首相の次に面会の回数が多かったのは岸田文雄前首相で5回。小泉純一郎元首相は4回となっている。だが、日枝氏が岸田氏や小泉氏とゴルフを楽しむようなことはなかったようで、1度も記録されていない。やはり安倍元首相との関係だけが特別なものだったと言えそうだ。

 27日の記者会見に先駆けて開催された社員説明会でも日枝氏に対する厳しい批判の声が上がったという。「もうこの場で(日枝氏との関係を)終わりにしませんか。会長・社長、はっきり言ってくださいよ」「フジテレビの収益が目減りしていくだけです。もう少しといっている時間は1秒もない。この決断ができるのは代表取締役しかいない。日枝さんにも相談する必要はない」として、27日の記者会見までに日枝氏を退陣させるように求める社員さえいた。

 だが、嘉納氏は「今回の問題については非常に重く、当然受けとめてます。経営責任があると正直思ってます」と語るばかりで、日枝氏については一切触れなかった。

 「嘉納会長と港社長は自ら退任したが、日枝さんを一緒に辞めさせることができなかった。何をやってんだよ、どうせ辞めるんなら道連れにしろよと言いたい」(前出・B氏)

 「天皇」日枝氏が居座る限り、フジテレビに未来はないのかもしれない。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・元SMAPのタレント、中居正弘氏の事案で揺れるフジテレビ】  2025年02月03日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・僭越ながら「論」・01.30】:【フジテレビ会見】:質問者たちの暴走と文春の誤報

2025-02-08 07:05:10 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・NHKの功罪・マスコミ・雑誌・著作権】

【HUNTER・僭越ながら「論」・01.30】:【フジテレビ会見】:質問者たちの暴走と文春の誤報

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・僭越ながら「論」・01.30】:【フジテレビ会見】:質問者たちの暴走と文春の誤報 

 近年稀にみる不愉快な記者会見だった。中居正広氏の問題に絡んで今月27日に開かれたフジテレビの会見である。気持ちを暗くさせたのはフジテレビ側ではなく会見場でわめき散らしていた一部の人間たち。その連中がジャーナリズムとは無縁の糾弾を続け、なんのための会見か分からなくしてしまった。大手メディアの不祥事を追及する側が低レベルのバカ騒ぎで醜態を晒した格好だ。フジテレビに人権がどうのと迫りながら、自らが人権を踏みにじる自称ジャーナリストたちを咎められないフジテレビ以外の大手メディア――。これも、情けないと言うしかない。

 ■フジテレビ幹部にも「人権」はある

 27日午後4時に始まったフジテレビの会見は、日をまたぐまで延々と続けられ10時間半。休憩は15分を1回だけという異常な状況だった。会見場に集まったのは400人を超す人たち。ここで「記者たち」であるとか「報道関係者」と書かず「人たち」とするのは、人権やルールを無視して騒ぎ立てた連中がまともな報道関係者とは思えないからだ。よく言えば「目立ちたがり屋」、違う表現をするとすれば「売名行為者」だろう。

 最初に述べておくが、休憩わずか1回で10時間半ぶっ通し会見というのは明らかに人権侵害だろう。1月17日におこなわれた1回目の会見で、参加者を新聞・テレビなどに限定し、動画撮影を認めないなど説明責任を果たそうとしなかったフジテレビが悪いとはいえ、5~6人のフジテレビ幹部と対峙していたのは400人を超える会見参加者。フジの幹部たちに対しても、人としての尊厳や体調を気遣うくらいの配慮はあって然るべきだった。

 殺人犯の取調べでも三度の飯は出る。しかしフジテレビの会見では夕食もスルー、休憩は1回だけという過酷さ。追及する側は離席自由だろうが、フジテレビ側はそうもいかない雰囲気だった。確かに、フジテレビ幹部は責められて当然の愚行を犯したのかもしれないが、それとて詳細は「第三者委員会」の調査結果を待つしかないのが現状だろう。人権の問題に端を発した事案ならばこそ、守らなければならないものがあったはずだ。フジテレビの幹部にも人権はある。

 ■読者、視聴者置き去り

 見慣れた光景とはいえ、この国で「報道」を名乗る媒体や人種による集団的な過熱取材には反吐が出る。今回は、そこに人権や正義を振りかざして自己主張しようとする人間が何人も登場したのだから始末に負えない。「答えろ!」「逃げるな!」――質問ではなく不規則に怒号を放つ連中の行為は、報道とは無縁の暴力だ。彼らの愚行は自己満足のためでしかなく、読者や視聴者のためではあるまい。これでは、加熱する一方となっているSNSの暴力的な情報発信を批判することなどできまい。

 質問者たちのレベルが低すぎるのか、幼稚な質問をさせた媒体の問題なのか分からないが、違うメディアに所属する会見参加者が、ほぼ同じ内容を繰り返すことにもウンザリさせられた。いずれも、フジテレビの社長、会長を務めた相談役の日枝久氏のことについての質問だった。日枝氏が会見に出てこないことをなじり、中居氏の問題との関わり合いを問い質す何人もの記者たち。フジテレビ側の答えは当然同じなわけで、“人の話を聞いていないのか”“無意味な時間だな”と感じた視聴者は少なくなかったはずだ。

 一部の会見参加者の居丈高な振る舞いや感情に走った物言い、会見のルールを無視したヤジ、非合理な追及――そもそも「公共の電波」を使って、こうまで下らない会見を流し続ける意味があったのか疑問だ。

 とくに酷いと感じたのが、問題になった事案に対する中居氏と被害を訴えたとされる女性の見解を確認しようとする質問と質問者の態度。同意があったかなかったのかについて「二人の話は一致していたのかどうか」をしつこく尋ね、フジ側が「答えられない」と“答えても”、「一番大事なところ」「答えないと会見の意味がない」と食い下がった。

 合意か不合意かについてフジテレビが答えられるわけがない。中居氏と女性は法的には「和解」しており、その点は双方の当事者が認めている。ただ、和解の内容については守秘義務が課されており、事案の内容を第三者であるフジテレビ側が明かすことはできない。会見の場で女性と中居氏の言い分が開示されれば、女性に対する二次被害が発生する可能性さえある。どのような経歴をお持ちか知らないが、「一致、不一致」に拘った人の態度は決して褒められたものではなかった。

 唯一“救いだな”と思ったのは、不規則発言や一方的な主張の押し付けを続ける連中に対し、冷静かつ誠実な態度でたしなめる報道関係者が複数いたことだ。疑惑解明も新たな事実の発掘もできない会見だったが、その場面では思わず手をたたいた。

 ■会見を見た「記者」たちは……

 では、テレビの画面越しに会見を見ていた現役記者たちはどう思ったのか――見解をうかがった。

兵庫県知事選や「石丸現象」で、新聞やテレビが「オールドメディア」と一括りにされ、SNSなどで批判される風潮が強まる中で、フジの最初のひどすぎる会見がそれをさらに加速させたことを強く危惧していました。2度目の会見で、少しでも信頼回復につながればと思っていましたが、さらに事態を悪化させてしまったことに歯がゆい思いです。ジャーナリストたちが、現場取材と蓄積した知識を基に取材対象者と真摯に向き合い、理性的に事実を追求して本質をあぶり出す場が記者会見の場だと考えてきましたが、玉石混淆のネット空間を体現したような約10時間半でした。私自身は閉鎖的な記者クラブ制や、会見を開く側が一方的に打ち切るやり方には反対ですが、今回を悪例として企業や行政側が時間や出席者を制限する流れにつながりかねないことを懸念します。ジャーナリズムが信頼を取り戻すために、現場の記者である私たちに何ができるか、何をすべきかをしっかりと考えていきたいと思います。(地方紙記者)

残念な会見だったというしかないですね。視聴者が知りたいのはフジテレビが中居さんの事案とどう向き合い、これから先、失った信頼をどう取り戻していくかという点。何人もの記者が、氏家さんについて同じような質問をしていましたが、『氏家さんって何なの?』と思った視聴者は少なくなかったんじゃないですかね。氏家さんがフジテレビで絶大な権力を持っていたのは事実でしょうが、だからといって『氏家を出せ』ということにはならない。会見の目的、報道が聞くべきことは他にもあったはずですから。自分の所属媒体がこの件を報じる時に、『こう聞いたところ、フジ側は次のように答えました』というアリバイを残したいばかりに、同じような質問が相次いだんでしょう。つまり、視聴者や読者のために聞いているんじゃなくて、それぞれの質問者の所属媒体のために質問しているということ。多分、多くの国民に見抜かれてますね」(テレビ局職員)

 ■誤報「文春」の無反省

 それにしても、この問題についての記事を連発してきた週刊文春の姿勢には呆れた。文春はそれまで、問題の事案があった日の被害女性のことについて『X子さんはフジの編成幹部A氏に誘われた』(12月26日発売号の記事)と断定していた。しかし、フジテレビ会見の翌日となる28日になって《その後の取材により『X子さんは中居に誘われた』『A氏がセッティングしている会の”延長”と認識していた』ということがわかりました」と公表。文春オンライン上での編集長の言葉は《「週刊文春 電子版」の当該記事に、訂正を追記しました。改めてお詫び申し上げます。》 だった。しかし、誤報に真摯に向き合っていないのは、この後に続いた一文で明らかだ。

 《ただし、第2弾以降で報じてきた通り、事件直前、フジ編成幹部のA氏はX子さんを中居氏宅でのバーベキューに連れて行くなどしています。またX子さんも小誌の取材に対し、「(事件当日の会食は)Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません」と証言しています。以上の経緯からA氏が件のトラブルに関与していた事実は変わらないと考えています。》

 書きっ放しで済むのが週刊誌だと宣言したようなものだが、中居氏の問題を引き起こしたのがフジテレビの職員だったという見立てに疑念が生じたのは事実。フジテレビ幹部を糾弾した異例の長時間会見に空虚さが漂う展開となった。文春砲が「空砲」をぶっ放したかたちだ。

 そろそろ、この原稿を書くこと自体が嫌になってきた。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【僭越ながら「論」・フジテレビ・週刊文春】  2025年01月30日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ナゼ!】:斎藤知事の疑惑めぐる百条委員会の調査“大詰め”も…方向性めぐり委員の間で“溝” 意見が対立、注目される“3つのポイント”&揺れる委員の本音「パワハラ認定すべき」「両論併記を」

2025-02-08 06:45:00 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【ナゼ!】:斎藤知事の疑惑めぐる百条委員会の調査“大詰め”も…方向性めぐり委員の間で“溝” 意見が対立、注目される“3つのポイント”&揺れる委員の本音「パワハラ認定すべき」「両論併記を」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ナゼ!】:斎藤知事の疑惑めぐる百条委員会の調査“大詰め”も…方向性めぐり委員の間で“溝” 意見が対立、注目される“3つのポイント”&揺れる委員の本音「パワハラ認定すべき」「両論併記を」

 兵庫県の斎藤元彦知事の“パワハラ”などの疑惑を調べる百条委員会は、2月にも報告書がまとまる予定です。調査が大詰めを迎える一方で、方向性をめぐって委員の間に深い“溝”があり、どこまで踏み込んだ結論を示せるか、不透明な情勢です。

 不信任決議の全会一致の可決、知事選を経て、調査を進めた委員らが誹謗中傷にもさらされた中、ようやくまとめられた結論の行く末は…。注目される「3つの焦点」と、委員らの本音に迫りました。

 ■ポイント①“パワハラ”複数の証言「理不尽な叱責」も…知事「必要な指導」

 
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全職員を対象に実施されたアンケート ©ytv© ytv

 死亡した元西播磨県民局長の告発文に記載されていた7つの疑惑。このうち県職員への“パワハラ”をめぐる疑惑については、約9700人の県職員を対象にしたアンケート調査が実施され、自由記述の回答には、「エレベーターに乗り損ねた際に『お前はボタンも押せないのか』と大声で怒鳴られた」「『俺は知事だぞ』と言われた」「“瞬間湯沸かし器”“暴君”と呼ばれていた」などといった記載があり、複数の職員が証人尋問で証言しました。

 このうち、2023年11月、兵庫県立考古博物館への出張で、出入り口の約20メートル手前で公用車から降ろされた際に斎藤知事が理不尽に叱責したとされる疑惑で、当時立ち会った職員の1人は、「車止めで(公用車で)入れなかったのでそこで停車していたが、降りてくるとき、車止めを知事が見て、『なぜどけておかないのか』と言った。かなり怒鳴られたという認識で、車止めをどけた後にも同じことを言われた」「社会通念上必要な範囲とは思わない、理不尽な叱責を受けたと感じている」と思いを述べていました。

 また、別の職員は、土木事業に関する新聞報道が出た後に斎藤知事に呼び出され、「こんな話は聞いていない」と机をたたきながら迫られたことについて、百条委員会で委員に問われると、「事実です」と話し、「私の頭の記憶では、平手で1回か2回たたいた。『どうなってるんだ、バン 』と。(机を)叩かれるのは経験ないことなのでびっくりした」と当時を振り返っていました。

 こうした指摘に対し斎藤知事は、一部の行為を認め、「不快な思いをされた職員の方がいれば申し訳ない」と謝罪する一方で、あくまで「業務上の必要な指導」との認識を崩していません。

■ポイント②「疑惑の本丸」“パレード資金還流疑惑”県警が告発状受理も、委員「証拠乏しい」

 
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斎藤知事と片山元副知事 ©ytv© ytv

 告発文書では、2023年に開催された阪神・オリックス優勝パレードの寄付金をめぐる疑惑も指摘されています。

 告発状などによれば、兵庫県の斎藤知事と当時の片山副知事は、優勝パレードの開催に向け、県内の金融機関に運営費の寄付を求め、同じ時期に、信用金庫に対する新型コロナ関連の補助金を増額しました。百条委員会では、当初1億円だった補助金の予算が、片山氏の指示で4億円に増額された直後に、信用金庫からの寄付が増えていたことが明らかになっています。

 仮に告発の指摘通り、補助金がキックバックされていたとすれば、パレード資金を集めるために公金が恣意的に一部の金融機関に流れたことになり、一部の県議からは「疑惑の本丸」との指摘も上がっていました。さらに、市民団体が提出した背任の疑いの告発状を県警が受理し、今後、警察による捜査が行われる見通しです。

 ただ、この疑惑について告発された斎藤知事と片山副知事(当時)はいずれも疑惑を否定。知事は「寄付を集める行為と支援事業はあくまで別の事業として適切に対応してきた」と説明してきました。

 関係者によれば、百条委員会では、副知事と信用金庫の関係者のメールのやり取りなども調べられましたが、資金の還流をもちかけた直接的な証拠は見つかっていないということです。

 委員の1人は「この件については、追及が難しい」と本音を漏らすなど、県警による捜査に委ねられる公算が高く、百条委員会による調査報告でどこまで踏み込んだ言及がなされるかは不透明です。

 ■ポイント③“告発者探し”公益通報者保護法違反の指摘も…当時の最側近には私的情報の漏えい疑惑

 
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1月27日の百条委員会 ©ytv© ytv

 告発文書で指摘された7つの疑惑に加え、百条委員会では、斎藤知事が告発文書を把握した後に“告発者探し”を指示した一連の対応が、公益通報者保護法違反にあたる可能性があるとして調査を進めてきました。

 元県民局長は、去年3月に告発文書を報道機関などに送付しましたが、その直後に斎藤知事らは文書を把握し、作成者を調査。元県民局長が4月に県の公益通報制度を利用して通報しましたが、県は5月に男性職員を停職3か月の懲戒処分としました。斎藤知事はこれまで「核心部分が事実ではない」「誹謗中傷性が高い」として対応は適切だったと主張してきました。

 しかし、百条委員会が参考人として招致した「のぞみ総合法律事務所」の結城大輔弁護士は、元県民局長を公益通報制度の保護対象とするべきだったかどうかについて、「(公益通報制度では)“通報者の不利益になるような取り扱いはしない”というのが前提。今回の県の対応は、告発者に不利益な扱いをしたということになるのではないか」として県の対応などに疑問を呈し、上智大学の奥山俊宏教授も「公益通報者保護法に違反する」と指摘し「独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」と話していました。

 一方、文章で意見を寄せた徳永信一弁護士は、「3月の告発文書による外部通報と4月の内部通報とは通報先の違う別個の2つの通報がなされたものとして処理されるべきで、先になされた外部通報の保護要件に関する判断はその後になされた内部通報による影響は受けない」として県の対応は適法であるとしていて、有識者の間でも意見が分かれ、最終報告で百条委員会がどのような判断をするかが注目されます。

 また、元県民局長の私的情報を、知事の側近だった元総務部長が漏えいしていたとされる疑惑も浮上。情報を見せられたとする県議2人の聞き取り記録では、元総務部長が告発文書が「怪文書」だとして、「信用に値するような文書ではない。私たちは被害者だ」などといった発言を繰り返していたことが明かされています。こうした、県庁内部での情報漏えいの疑惑についても、どこまで糾弾するのかも焦点の一つです。

 ■揺れる委員「パワハラ認定すべき」「両論併記に」…方向性は見通せず

 
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百条委員会の奥谷委員長 ©ytv© ytv

 設置から7か月あまりが経過し、百条委員会は全ての聞き取り調査を終えたとして、報告書の作成は大詰めを迎えています。

 この間、告発者の死亡や、議会の全会一致による不信任決議、斎藤知事の再選など、状況は目まぐるしく変化し、知事選以降はSNSなどで一部の委員が誹謗中傷にさらされるなどの問題も発生し、委員の一人が議員辞職後に死亡する事態に至りました。

 ところが、注目される調査報告書は、方向性も不透明な情勢です。疑惑の認定については、真偽の判定まで踏み込むのか、各委員の意見を併記する形にとどめるのか、百条委員会を構成する委員たちの間で意見が分かれています。

 委員の1人は、「パワハラに関する職員の証言のうち、知事が行為を認めたものについては事実として認定できるし、県立博物館で20メートルを歩かされ、叱責した件はパワハラとして認定すべき。両論併記はすべきではない」としています。

 しかし、別の委員は、「我々は法律の専門家ではないので、パワハラや公益通報者保護法違反の判定はできない。事実の認定までにとどめるべき」と訴えています。意見が対立する状況に「疑惑の認定については、各会派の両論併記に落ち着くのではないか」とため息まじりに話す委員もいるなど、報告書をめぐる協議の先行きは不透明になっています。

 さらに、パワハラの疑惑や公益通報をめぐる対応について、斎藤知事本人は、百条委員会の結論ではなく「最終的には司法の場での判断になる」との見解を示し、紆余曲折を経てまとめられた調査報告書が斎藤知事や県政にどのような影響を与えるかは見通せなくなっています。

 兵庫県民だけでなく全国的に関心を集めた一連の調査結果は、どのような行く末をたどるのか―。百条委員会は今後の調整を非公開の協議会内で進め、2月議会に提出される見通しです。 

 元稿:讀賣テレビ 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事の“パワハラ”などの疑惑を調べる県議会百条委員会】  2025年02月01日  12:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:斎藤元彦知事のパワハラ疑惑・贈答品・内部告発への対応…大詰めの県議会百条委、焦点は3つ

2025-02-08 06:44:50 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:斎藤元彦知事のパワハラ疑惑・贈答品・内部告発への対応…大詰めの県議会百条委、焦点は3つ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:斎藤元彦知事のパワハラ疑惑・贈答品・内部告発への対応…大詰めの県議会百条委、焦点は3つ

 兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題で、県議会の百条委員会の議論が大詰めを迎えている。27日に調査報告書の作成に向けて協議し、2月にもとりまとめる方針。報告書では、「パワハラ」「贈答品」「内部告発への対応」が中心となるが、斎藤氏は昨年8~12月の全3回の証人尋問で疑惑を認めておらず、違法性や問題点がどこまで認定されるかが注目される。

 ◆叱責はパワハラか

 告発者の男性職員(昨年7月に死亡)は昨年3月に報道機関などに送付した告発文書で、パワハラ疑惑として主に4件の具体例を挙げた。このうち、「出張先で公用車を降り、20メートル歩かされただけで職員をどなり散らした」などについて、斎藤氏は行為自体は認めたものの、「仕事は厳しくするというのが私のスタイル」などと答弁。「パワハラかどうかは、百条委が判定すること」と評価を避けた。

兵庫県庁
兵庫県庁

 これに対し、「20メートル」の件で 叱責しっせき を受けた職員は、百条委で「かなり強い調子でどなられた。社会通念上、必要な範囲とは思わない」と証言した。

 ただし、百条委に出頭した多くの職員は、知事の行為はパワハラだと思うかと問われ、「私が判断することではない」などと慎重な答弁をしている。公益通報窓口を所管する県の財務部が昨年12月に公表した調査結果でも、「パワハラがあったとの確証までは得られなかった」とされた。

 ◆「社交儀礼の範囲内」

 告発文書では、「高級コーヒーメーカー」「ロードバイク」「(ゴルフの)アイアンセット」などの受領疑惑が指摘された。百条委では、知事が出張先で特産のワインを求めたとする疑惑も含めて審議された。

 このうち、高級コーヒーメーカーは斎藤氏ではなく、原田剛治産業労働部長が受け取り、文書を把握した後に返却していたことが判明。ロードバイクは県とメーカーとの連携協定に基づく貸与で、アイアンはセットではなく1本が知事室に飾られていたとされ、斎藤氏の私的利用は裏付けられなかった。

 斎藤氏はワインやカニなどの食材は受領を認め、「おいしいものが県内にあると知ることも大事な知事の仕事」と答弁。「社交儀礼の範囲内」として問題ないとの認識を示した。

 ◆告発への対応は適切か

 県の内部告発への対応は、通報者への不利な扱いを禁じる公益通報者保護法に違反しないかが焦点となる。

百条委員会の主な検証内容
百条委員会の主な検証内容

 斎藤氏は昨年3月、文書を把握した直後、部下に告発者捜しを指示。男性職員は4月に県の公益通報制度を利用して通報したが、県は5月、「(文書は)核心的な部分が事実でない」として、他の3件の不適切な行為も含め、男性職員を停職3か月の懲戒処分とした。

 斎藤氏は百条委で、「事実でないことが書かれており、 誹謗ひぼう 中傷性の高い文書だと認識していた」として、対応に問題はないとの主張を繰り返した。片山安孝・前副知事は、告発は斎藤氏への「クーデター」で、不正な目的のため保護対象にならないとの主張を展開した。

 一方、百条委に招かれた公益通報制度に詳しい山口利昭弁護士は、自治体は法律で告発者を守る体制作りが義務づけられ、やむを得ない場合を除き、告発者捜しをしてはならないと説明。「真実相当性がないから公益通報に当たらない、との理屈は通らない」「不正の目的があったかの立証責任は、事業者(県)側にある」と指摘した。

 告発者捜しについては、百条委に招致された他の2人の識者も問題視した。

 ◆不信任案の再提出は「難しい」

 百条委は今後、各会派の議論を踏まえ、早ければ2月中に調査報告書をとりまとめる予定だ。

 パワハラ疑惑については、「十分に認定できる」などと自信を見せる県議がいる一方、別の県議は「百条委の審議では核心を突けなかった」と話す。

 告発者捜しは、百条委に招致された専門家は問題視したが、斎藤氏に近い県議から異論が出る可能性もあり、会派間の足並みが乱れることもあり得る。

 報告書で違法性などを認定したとしても、各会派は問責決議案の提出や不信任決議案の再提出には慎重だ。県議会は昨年9月に斎藤氏に全会一致で不信任決議を突きつけ、斎藤氏は失職後の県知事選で再選されたためだ。ある県議は「民意を得て再選している以上、(不信任などは)難しい」と語る。

 問題を巡っては、元裁判官ら6人の弁護士でつくる第三者委員会も別に調査しており、3月に結果を公表する見通し。

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 ・SNSで誹謗中傷、兵庫県がXで自制を呼びかけ…「誰かを傷つけることにならないよう」
 
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 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 社会 【話題・地方自治体・兵庫県・県議会の百条委員会・斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題】  2025年01月26日  10:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・01.23】:ついに自殺者3人 兵庫県に異常事態をもたらした立花氏とSNS

2025-02-08 06:44:40 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【HUNTER・01.23】:ついに自殺者3人 兵庫県に異常事態をもたらした立花氏とSNS

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・01.23】:ついに自殺者3人 兵庫県に異常事態をもたらした立花氏とSNS 

 1月18日、竹内英明元兵庫県議が、姫路市の自宅から救急搬送され死亡が確認された。自殺とみられる。

 竹内氏は、兵庫県議5期を務め、昨年3月に勃発した斎藤元彦知事の内部告発問題にかかる「文書問題特別委員会」(百条委員会)の委員でもあった。

 ■SNSと立花氏に怯えていた竹内元県議

 インターネット上に残っている動画を見ると竹内氏の質問は突出して鋭く、「百条委員会の切り札だった」と別の自民党県議が振り返るほどだ。しかし、竹内氏は昨年11月、斎藤知事が再選された翌日に辞職していた。

 全国注視となった知事選は、NHK党の立花孝志氏が「私に入れないで、斎藤さんに1票を」とSNSや街頭で有権者を扇動し「2馬力」ともいわれる異例の展開に――。立花氏は亡くなった内部告発者や百条委員会のメンバーを攻撃対象として、同委の委員長を務める奥谷謙一県議の自宅兼事務所前まで押し掛け、その一部始終をSNSで動画配信した。「出てこい奥谷」「あんまり脅しても、奥谷さん自死しても困る」との立花氏の発言は、まさに“言葉の暴力”である。その立花氏が奥谷氏同様にターゲットにしていたのが、百条委員会のメンバーで亡くなった竹内氏と丸尾牧県議だった。

 立花氏に触発されたた連中は、SNSで誹謗中傷するだけでなく、竹内氏の自宅前をうろつくなど行動をエスカレートさせる。

 筆者は何度も竹内氏を取材していたが、もたらされる情報の正確さや追及の手法などはまさに「百条委員会の切り札」だった。県知事選挙の期間中、何度も同氏と連絡をとった。告示直後は、「斎藤氏は勝てない」というような選挙情勢に関する話が大半だったが、その後は、立花氏に煽動された形の連中から受ける攻撃の酷さを訴えるようになった。「むちゃくちゃ書かれてる」「妻が事務所で電話番していると『今から襲いにいくぞ』などすごい声で電話がかかってきて、外に出るのも怖い。選挙どころじゃない」――その声にかつての元気はなかった。

 竹内氏は、「家族のことを思うと、もう県議は続けてられない。家族の安全が一番。守るためには、辞めるしかなかった」「立花ってのに、めちゃくちゃされた」と議長あてに辞表提出。数日後の電話で竹内氏は、立花氏が発信、拡散したSNSでの誹謗中傷を辞職の理由にあげ、自ら電話を切った。

 亡くなった竹内氏は地元・姫路市の高校から早稲田大学に進学。政治サークル「鵬志会」に入り、学生秘書として早くから政治を志した。民主党の職員として政調や選挙などを担当。その縁もあって1月20日、立憲民主党は「研修会」を開催し、同氏を知る人が数多く集まった。

 「民主党の職員の時から、よくできる人で、百条委員会のビデオなどを見ていても『さすが竹内さん』と思っていた。SNSは重要な選挙ツールになっているし、言論の自由があるのも確かだ。しかし、こんな、人を死に追いやるような誹謗中傷を野放しにしておくのはおかしい。大問題だ。法的措置が必要ではないか――そんな声を上げる人が何人もいましたね」(研修会参加者の一人)

 ■許されない立花氏の言動

 だが、竹内氏の死亡の報が流れたあとも、立花氏はSNSでさらに過激な動画配信を展開する。「竹内元県会議員、明日逮捕される予定だった。竹内元県議、誹謗中傷で死ぬとメディアは言っているが、事実を批判しているだけ」、「要は彼が犯罪をしていたから亡くなった。私の情報では私文書の行使罪。昨年11月24日には逮捕されると情報があり、証拠が足りず任意の事情聴取が繰り返され明日逮捕だったのが自ら命を絶った。自業自得としか言いようがない。犯罪をした人を警察が追い込む。結果、刑務所に行かなければなならないと命を絶った」――何の裏付けもないこうしたデマが、瞬く間に広がったのは言うまでもない。

 立花氏は、「大手のメディアなら竹内氏の犯罪のことは知っている」とまで言い切っていた。しかし、複数の大手メディア関係者に聞いたが、竹内氏の犯罪への関与、事情聴取のことを知っている記者など誰一人いなかった。

 「竹内氏は県議5期、永田町の経験もあり政界情報に詳しい。兵庫県警は頼りにしている県議だった。事情聴取、犯罪なんてありえない」と兵庫県警の幹部も断言する。警察としても、黙っていられる状況ではなくなっていた。

 1月20日の兵庫県議会の警察常任委員会。兵庫県警の村井紀之本部長は、「竹内元議員について任意の調べをしたこともないし、ましてや逮捕するというような話は全くない。個別案件の捜査について言及することは差し控えているが、事案の特殊性に鑑みた。全くの事実無根で、明白な虚偽がSNSで拡散されており、極めて遺憾だ」と異例の答弁を行う。

 すると立花氏は、それまで投稿していた「竹内氏逮捕」のSNSの一部を削除。自身のYouTubeに《兵庫県警御免なさい。竹内元県議のタイホは私の間違いでした》というタイトルを付け、次のように発言する。

 「竹内元県議会議員がですね、お亡くなりになられ、おそらく自殺と言われていますが、理由が警察の逮捕と、それを苦に自ら命を絶ったということは間違いでした」――しかし本心からの謝罪ではないことは明らかで、汚い自己弁護が続く。「政治家の批判はオッケー。僕は思います。それがいけないなら僕に対する批判もやめてくださいね」

 人の死につながりかねない言動をしておいて、自分に対する批判は止めろという呆れた態度。だが、立花氏のやってきたことは正当な批判ではなく、ありもしない犯罪事実をでっち上げて広めただけのもの。犯罪行為を疑われてもおかしくあるまい。

 元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士は自身のSNSなどで、こう述べている。

 《刑法第230条第2項により、死者の名誉を毀損する行為については、虚偽の事実を摘示した場合にのみ処罰される。竹内英明元県議が亡くなったことについて、その直後に、「竹内氏が兵庫県警から任意の事情聴取を受けていた。逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などYouTubeチャンネルで公言した立花孝志氏の行為は、兵庫県警がその事実を完全否定しているのであるから、竹内氏の死亡という歴史的事実を死亡の直後に冒涜したものであり、「死者の名誉毀損」の典型事例と言うべきである》

 ■他人事の斎藤知事

 一方、一連の事件の起点となった斎藤知事は、記者団を前に竹内氏へのお悔やみを述べつつ、立花氏のSNSで竹内氏の誹謗中傷が広がったことを聞かれると「立花氏のSNSの詳細は見ていない。SNSは理性的に発信されるべき」といつもと変わらぬ他人事のような答えを発した。兵庫県民は、本心からこの人物を支持しているのか聞いてみたくなる。

 斎藤知事絡みの疑惑を巡っては、昨年7月に内部告発した元県民局長が自殺。知事や元副知事の背任行為が疑われている阪神とオリックスの優勝パレードを担当した県職員も亡くなっている。そして3人目の犠牲者となった竹内氏――。兵庫県庁の職員が不安そうに話す。

 「斎藤知事に関わると、命さえも危うくなる。しかし知事は、何ら対策をとろうとしない。これが県民の命と安全を守る知事の姿勢かと思うとぞっとする。斎藤さんは、いったいどんな心境なのか。なぜ対応策をとらないのか。立花に『過激なSNSを控えてくれ』と言うべきではないのか。このままなら、さらに犠牲者が増えかねない」

 先頭に立って県政の混乱を収めるべき知事が動かない以上、事態は悪化するばかり。もはや、捜査機関に頼るしかない事態と言えそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・話題・地方自治・兵庫県・知事によるパワハラ疑惑選】  2025年01月23日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【独自・後編】:「斎藤知事最大のスキャンダル」兵庫県がひた隠す衝撃のリストを公開…

2025-02-08 06:44:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【独自・後編】:「斎藤知事最大のスキャンダル」兵庫県がひた隠す衝撃のリストを公開…自殺県議が死の直前まで記者とやりとりした「寄付金額リスト」の全実名・全金額

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自・後編】:「斎藤知事最大のスキャンダル」兵庫県がひた隠す衝撃のリストを公開…自殺県議が死の直前まで記者とやりとりした「寄付金額リスト」の全実名・全金額

 
 ◆疑惑の核心がここにある

 1月18日、前兵庫県議だった竹内英明氏が自宅で自殺していたことがわかった。昨年3月に発覚した、斎藤元彦知事の内部告発を検証する百条委員会でも、鋭い質問を展開。誰もが一目置く存在だった竹内氏の死に衝撃が走っている。竹内氏は、生前、「現代ビジネス」の取材に応じていた。

 《信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った》

 告発文書には、そう具体的な内容が書かれている。竹内氏は、「斎藤知事最大のスキャンダル」だとして、ここに書かれている内容の徹底的な調査をすべきだと、記者に何度も語り、調査をしていた。それが今回公開する一覧表である。兵庫県に寄付をしたすべての企業や団体の寄付金額が判明した。

《前篇 自殺した兵庫県議が調査していた「阪神・オリックスパレード寄付全額リスト」を公開する》もあわせてお読みください。》

 ◆寄付元の人物が証言

 パレードは2023年11月23日に実施されている。ところがパレード後にもかかわらず、13の金融機関と同様に寄付をしている企業が7社ある。今回の3つのリストのなかで黄色でマークしてある部分だ。

 たとえば上場企業でもある川崎重工業は、11月24日に100万円を寄付している。ところが、なぜか兵庫県はこれまでこの金額を「非公表」としてきた。100万円という金額は経営に与える影響はまったくといってないだろうが、兵庫県幹部によれば「普通、優勝パレードのようなビッグイベントに寄付した場合、PR効果でぜひ公表してほしいとなります。しかし、優勝パレード後だったこともあってなのか非公表を希望されました」というのだ。

 また、2100万円という兵庫県では最高額とみられる寄付をしながらこれまた金額を「非公開」としてきたのが敬愛まちづくり財団だ。優勝パレードが終わり1ヵ月が経過した2023年12月になってから《貴財団にさらなるご支援》と県が追加支援を求め、同財団が高額寄付を行ったことが現代ビジネスが入手した情報公開などでも明らかになっている。

 寄付をした金融機関のひとつに勤務するA氏が「現代ビジネス」の取材に答えた。このA氏は、斎藤知事の最側近だった片山安孝副知事(当時)は、すでに優勝パレードが終わっているにもかかわらず、但陽信用金庫を訪問して寄付を要請したこと、さらに片山副知事が信用保証協会の理事長だったことを重視する。

 「保証協会理事長という以前の肩書をいかして、金融機関を直接、訪問するなど無言の圧力で寄付を募ったのです。実際、片山氏の訪問後には、但陽信用金庫が幹事社となってとりまとめ、その寄付額を兵庫県に送付して了承を得ています。

 そもそも、優勝パレードが終わってから何らメリットがないのに寄付するというのはおかしなことで、金融機関側も背任に問われかねませんから、斎藤知事スキャンダルが発覚してからは、箝口令が敷かれているのです。

 県の幹部は、斎藤知事の騒動前は『キックバックがあったから寄付した』『片山氏のメンツを立ててやった』と公然と言っていました。今はヤバいと思って口をつぐんでいますがね」(A氏)

 情報公開でも、金融機関側が兵庫県に寄付額の内訳を送信した資料や寄付の一覧表は示されたものの、金額は黒塗りだった。

 すでに、昨年9月には東京の男性が斎藤知事と片山氏を大阪地検特捜部に刑事告発。また、兵庫県の市民団体も同様に「背任罪」で告発している。兵庫県警への刑事告発は受理されたという。

 そして、100万円を寄付している兵庫県信用保証協会、50万円のひょうご観光本部、神戸国際会館の3つの団体や企業については「兵庫県との関係が強く、税金が投じられているので批判の対象になっても仕方ない」(兵庫県幹部の一人)との声が強い。

 ◆竹内氏は「闇が詰まっている」と

 竹内氏はこの点について

 「優勝パレード以外にもいろんな闇が詰まっているように感じる」

 と漏らしていた。今回のリストに載っている団体・企業名をもう少し具体的に見よう。

 兵庫県信用保証協会は、先にも書いたように、片山氏が理事長を務めていた。現在の遠藤英二理事長も、かつては兵庫県の部長。ナンバー2の専務理事も兵庫県OB。元県民局長の内部告発文書で名指しされ、県議会の百条委員会でも証人として出ている原田剛治産業労働部長も理事となっている。

 ひょうご観光本部は兵庫県と県下の市町村が会員となって運営されている公益社団法人で原田氏は、副理事長となっている。

 神戸国際会館は株式会社で、神戸市の繁華街にあるビルを運営。コンサート会場としても知られる。兵庫県は筆頭株主で25%の株式を保有している。取締役には、井戸敏三前知事の名前もある。「実質的な母体は兵庫県」(前出・幹部)なのだ。

 斎藤知事が視察した際にトースターなどを一度はプレゼントし、後に返却したという疑惑が浮上している「千石」も、100万円を寄付している。

 税金投入され、天下り先の団体、企業にまで寄付を求め、出させていた斎藤知事。近く、東京都の男性は金融機関に対しても「背任」を視野に刑事告発を出す意向があるという。そこには、金融機関の預金者が告発人に加わり、直接、経済的に被害を被ったというのが告発の理由の一つになるという。

 昨年の兵庫県知事選に立候補し「私には入れないで」と斎藤知事を支援して「2馬力」と揶揄された、NHKから国民を守る党の立花孝志氏。竹内氏が亡くなった当日、YouTubeで「竹内元県議は明日逮捕される予定だった。明らかに犯罪をやっていた可能性が高くて、警察に捕まるのが嫌で命を絶った」などと語っていた。

 だが兵庫県警の村井紀之本部長は、竹内氏について

 「任意の取り調べをしたことはなく、逮捕するという話はまったくない」
 「全くの事実無根で、明白な虚偽がSNSで拡散されている。極めて遺憾」

 と全面否定。

 ◆また死人が出るのか?

 すると立花氏は自身のYouTubeで先の発言を削除し、

 「県警本部長が県議会で(竹内氏の)逮捕の事実、逮捕、任意の事情聴取があったことについては全面否定されました。私自身、事実と異なることをインターネットで発信したことについて謝罪させていただきます、申し訳ございませんでした」

 と謝罪をした。

 「竹内氏逮捕なんて話はまったくない。斎藤知事の一連の問題で、雑談程度であるが、顔見知りのうちの者が百条委員会の日程、進行など、警備の関係もあり聞いていたほどだ」

 立花氏のSNSを発端に、さらに竹内氏の名誉が毀損され、デマが拡散しているのだ。

 元県民局長の弔問にも、まだ行っていないと記者会見で答えている「冷徹」な斎藤知事。竹内氏死亡を受けて「尊敬していた方で、ショックだ」と弔意を示した。

 しかし、立花氏のSNSなどについて「誹謗中傷する投稿をやめさせたりしないのか」と聞かれた斎藤知事は、「理性的な発信を」と述べたにすぎなかった。

 「すべての問題の根源が斎藤知事にあることは明白です。しかし呼びかけることもなく、何も行動を起こさず静観するばかり。もし警察や検察から捜査となれば、また死人が出るのか? こんな状況では県民のために責任ある仕事はできない。優勝パレードの告発が受理されたのだから、警察などの強制力で県を質してもらうしかない」(県職員)

 兵庫県政は混乱と迷走が止まらない。

 「百条委員会で竹内氏は本当に頑張っていたのがよくわかる。その遺志に報いるためにも斎藤知事の責任を明確にした報告書を出してほしい」

 と石川氏はそう話す。竹内氏のご冥福を祈るばかりだ。

 元稿:講談社 主要出版物 現代ビジネス 政治 【疑惑・兵庫県・斎藤元彦知事の内部告発を検証する百条委員会県議会100条委員会・前兵庫県議だった竹内英明氏が自宅で自殺していた】  2025年01月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【独自・前編】:自殺した兵庫県議が調査した「阪神・オリックスパレード寄付全額リスト」を公開する

2025-02-08 06:44:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【独自・前編】:自殺した兵庫県議が調査した「阪神・オリックスパレード寄付全額リスト」を公開する《生前に「斎藤知事最大のスキャンダル」と語っていた》

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【独自・前編】:自殺した兵庫県議が調査した「阪神・オリックスパレード寄付全額リスト」を公開する《生前に「斎藤知事最大のスキャンダル」と語っていた》

◆自殺前に記者に話していた言葉

 1月18日、前兵庫県議だった竹内英明氏が自宅で自殺していたことがわかった。昨年3月に発覚した、斎藤元彦知事の内部告発を検証する百条委員会でも、鋭い質問を展開。誰もが一目置く存在だった竹内氏の死に衝撃が走っている。竹内氏は、生前、「現代ビジネス」の取材に応じていた。

左端が自殺した竹内氏 (c) 現代ビジネス

 昨年11月17日に行われた兵庫県知事選で斎藤知事が当選した直後、竹内氏は「一身上の都合」として県議会にを辞表を出していた。

 斎藤知事の選挙活動はSNS展開で話題になり、双方を巻き込んだ誹謗中傷合戦が続いた。ついには斎藤知事を徹底追及していた竹内氏にまで、誹謗中傷は及んだ。

 《竹内が斎藤知事を陥れた首謀者》
 《諸悪の根源は竹内》

 とまったく事実ではない情報が広がっていた。中には「襲撃」を示唆するものまであった。県議辞職当時、竹内氏は「現代ビジネス」の取材にこう語っている。

 「私だけならまだしも、家族まで巻き込みかねない。自宅に変な電話があったり、襲撃するぞなんてことまでSNSに書かれている。電話をとるのも、外に出るのも、家族は怖がっている。スマホを見るだけで手が震える。もう限界だ……」

 その表情は暗かった。

 ◆大学の先輩のあの人が語る

 「あれほど、オレを見ろと言ったのに。どうして……」

 竹内氏の訃報を聞いて、こう唇をかんだのは元衆議院議員の石川知裕氏だ。早稲田大学時代、石川氏は政治サークル「鵬志会」に参加。1年後輩が竹内氏だった。

 石川氏は、小沢一郎氏の秘書を長く務め、衆院当選3回、2010年の陸山会事件では逮捕、有罪となった。また昨年はガンの手術も受けた。しかしそこから這い上がり、昨年の衆議院選挙に出馬するまでに復活している。

自殺した竹内氏 (c) 現代ビジネス

 石川氏はこう残念がる。

 「(竹内氏は)一度は民間企業に就職したが、旧民主党の職員になり、国対などを担当。勉強熱心でいずれ素晴らしい政治家になると思っていた。追及していた斎藤知事の当選で厳しい局面にあったが、県議辞職後、『苦しくてもあきらめるな、俺の姿を見ろ』と何度も言ったのですが……。姫路へ会いに行っておけばよかった」

 斎藤知事の一連の問題が発覚後、内部告発した元県民局長は昨年7月に自死。また、内部告発にあった、阪神とオリックスの優勝パレードの担当者も死亡した。

 ある県職員は、声を潜めてこう語る。

 「斎藤知事の問題で、かかわった人たちが次々に亡くなってゆく。底知れぬ闇を感じる。本当に怖い。皮肉にも内部告発の真実性がさらに証明された気がする」

 斎藤知事の一連の問題の出発点は、元県民局長の内部告発だった。竹内氏は、「現代ビジネス」の取材に対し、何度もこう繰り返していた。

 「阪神とオリックスの優勝パレード、これが肝で刑事事件になりかねない。斎藤知事もこれを追及されると一番、嫌なはずだ。ここを徹底して取材してほしい」

 ◆竹内氏が「間違いない」といった「一覧表」

 このパレード話とは、話題になった元県民局長の告発文書の中にあった記述のことである。いわく、昨年11月、阪神タイガースとオリックス・バファローズの優勝パレードで寄付が想定より低かった。そこで信用金庫など金融機関向けの補助金の増額を条件に金融機関から寄付を受け、キックバックを行ったというもの。

 《信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った》

 告発文書には、そう具体的な内容が書かれている。竹内氏は、ここに書かれている内容こそ斎藤知事最大のスキャンダルだと、何度も語り、独自で調査をしていた。

 ポイントとなるのは、優勝パレードへの寄付額と寄付が実行された時期だ。「現代ビジネス」では、すべての企業の寄付額一覧表を入手。記者はこの一覧表を昨年10月末に竹内氏にも見てもらい、「裏どり」を依頼していた。11月になって、

 「私も複数の関係者に確認してみたところ、間違いない内容です」

 と竹内氏から返事が来た。

 それが後編《兵庫県の竹内英明県議が死の直前まで記者とやりとりした「寄付金額リスト」の中身》で公開する一覧表である。兵庫県に寄付をしたすべての企業や団体の寄付金額が判明した。

 パレードは2023年11月23日に実施されている。ところがパレード後にもかかわらず、13の金融機関と同様に寄付をしている企業が7社ある。

 たとえば上場企業でもある川崎重工業は、11月24日に100万円を寄付している。ところが、なぜか兵庫県はこれまでこの金額を「非公表」としてきた。100万円という金額は経営に与える影響はまったくといってないだろうが、兵庫県幹部によれば「普通、優勝パレードのようなビッグイベントに寄付した場合、PR効果でぜひ公表してほしいとなります。しかし、優勝パレード後だったこともあってなのか非公表を希望されました」というのだ。

 また、2100万円という兵庫県では最高額とみられる寄付をしながらこれまた金額を「非公開」としてきたのが敬愛まちづくり財団だ。優勝パレードが終わり1ヵ月が経過した2023年12月になってから《貴財団にさらなるご支援》と県が追加支援を求め、同財団が高額寄付を行ったことが現代ビジネスが入手した情報公開などでも明らかになっている。後篇でいよいよリストを紹介しよう

 ■驚きの一覧表を公開する後編《兵庫県の竹内英明県議が死の直前まで記者とやりとりした「寄付金額リスト」の中身》につづく

 元稿:講談社 主要出版物 現代ビジネス 政治 【疑惑・兵庫県・斎藤元彦知事の内部告発を検証する百条委員会県議会100条委員会・前兵庫県議だった竹内英明氏が自宅で自殺していた】  2025年01月23日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【兵庫県】:元県議死去で激震!いよいよ狭まる兵庫県警の斎藤元彦知事“包囲網”…震災式典終え捜査解禁

2025-02-08 06:44:10 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【兵庫県】:元県議死去で激震!いよいよ狭まる兵庫県警の斎藤元彦知事“包囲網”…震災式典終え捜査解禁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:元県議死去で激震!いよいよ狭まる兵庫県警の斎藤元彦知事“包囲網”…震災式典終え捜査解禁

 兵庫県の斎藤元彦知事についての告発文書を調査する県の百条委員会メンバーだった竹内英明元県議が自死したとみられ、県庁や県議会に衝撃が走っている。

 斎藤知事は20日、「大変ショック」「心からお悔やみ申し上げる」と唇を噛んだが、言葉の端々には変わらぬハラスメント体質がにじみ出ていた。
 亡くなった竹内氏は斎藤知事のパワハラ疑惑など告発文書の問題を追及する急先鋒だった。しかし、昨年11月の県知事選の期間中、竹内氏への誹謗中傷がネット上で拡散。投開票の翌18日に「一身上の都合」を理由に辞職した。同僚議員によれば、「SNS上での誹謗中傷を受けたことが原因だった」という。

 竹内氏が亡くなった一報が出た後も、〈県警の任意聴取を受けていた〉〈近く逮捕予定だった〉などの虚偽情報が続出。出どころは、県知事選で斎藤応援の「2馬力選挙」を展開した政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首だ。ユーチューブ動画で「(竹内氏は)逮捕されるのが怖くて自ら命を絶った」などと発信していた(削除済み)。
 
 事態を重く見た県警は20日の県議会警察常任委員会で、村井紀之県警本部長が「竹内元議員について任意の調べをしたこともないし、ましてや逮捕するというような話は全くない」と完全否定。個別の捜査の真偽に言及する異例の対応を取った。

 ■捜査当局が目指す「年度内決着」

 一方、斎藤知事は故人へのお悔やみを述べこそすれ、立花の言動について記者から問われても「詳細は拝見していない」と我関せず。「SNS運用については、いい使い方をしていくことが大事」と繰り返し、まるで他人事だった。

 一事が万事この調子で、県知事選での公職選挙法違反の疑いについても「違反の認識はない」と壊れたレコードのように繰り返している。だが、いつまでも「知らぬ存ぜぬ」ではいられまい。

 「県警は斎藤知事の捜査に『やる気があるのか』と言われてきましたが、実は動きづらかった事情があります。まず、今月17日に30年の節目を迎えた阪神・淡路大震災の式典を前に、混乱を招きたくなかったのがひとつ。天皇皇后両陛下もいらっしゃる式典ですし、警備に人員を割かなければいけなかった。そして、百条委の結論が出ていないことがもうひとつの理由です。裏を返せば、まずは17日をもって捜査は解禁、2月にも百条委が出す予定の最終報告が片付けば本格化するでしょう。当局は年度内に決着をつけたいと意気込んでいるようです」(地元記者)
 
 捜査の包囲網が着実に狭まる中、有権者の目も日増しに厳しくなっている。何を聞かれても能面のように同じ言葉を並べる斎藤知事の様子に、ある県議は「斎藤知事への批判が吹き荒れていた知事選前の状況に逆戻りしたようだ」と言ってはばからない。県政の停滞が再びやってきそうだ。

            ◇  ◇  ◇

 竹内英明氏は斎藤元彦知事の追及の急先鋒だったーー。問題放置で人権無視の斎藤県政が続く限り、さらなる犠牲者が出てもおかしくない。
 
 ●関連記事【もっと読む】『兵庫県百条委メンバーの前県議が死亡、ついに3人目の犠牲者…斎藤元彦県政「誹謗中傷」放置の罪深さ』は必読だ。
 

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・兵庫県・斎藤元彦知事の内部告発を検証する百条委員会県議会100条委員会・前兵庫県議だった竹内英明氏が自宅で自殺していた】  2025年01月21日  10:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・02.08】:知事選強制捜査/疑惑の徹底解明を目指せ

2025-02-08 06:00:55 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・02.08】:知事選強制捜査/疑惑の徹底解明を目指せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.08】:知事選強制捜査/疑惑の徹底解明を目指せ 

 昨年11月の兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事側がPR会社に金銭を支払ったのは買収、被買収に当たるとして斎藤氏と女性経営者が刑事告発された問題で、兵庫県警と神戸地検は公選法違反容疑でPR会社の関係先複数を家宅捜索した。知事側への捜索はしていない。

 近年の選挙は交流サイト(SNS)の影響力が強まり、知事選の結果も左右したと指摘される。2013年に解禁されたインターネット上の選挙運動が、買収によってゆがめられたとすれば民主主義の根幹に関わる。県警と地検は捜査を尽くし真相を解明してもらいたい。

 告発は神戸学院大教授と検事出身の弁護士が昨年12月に行った。公選法は有権者や運動員に対する金銭や物品などの供与を禁じている。

 今後の捜査の焦点は、PR会社が担った役割だ。告発状は女性経営者の投稿記事などを基に「斎藤氏から戦略的広報業務を受託し、インターネットによる選挙運動を含む広報の企画・立案を実行する選挙運動者だった」とし、斎藤氏側が支払った71万5千円は選挙運動への報酬だったと主張する。

 これに対し、斎藤氏側は「広報戦略を依頼した事実はなく、女性経営者はボランティアに過ぎない」とし、支払いは「公選法で認められたポスター制作費などに対してだった」と真っ向から否定している。

 捜査関係者によると、これまで女性経営者から任意で事情を聴いてきたが、資料提供に十分に応じず強制捜査が必要との判断に至った。斎藤氏の代理人弁護士は、求めに応じ選挙ポスターのデータや請求書を既に任意提出したと説明した。捜査当局は、押収資料などを基に支払いが選挙運動への対価かどうかなどを慎重に見極める必要がある。

 斎藤氏は強制捜査について「公選法に違反することはしていないと認識している」とのこれまでの主張を繰り返した。しかし、疑念を抱かれたままでは県政の混乱は避けられない。対応を弁護士任せにするのではなく自らが積極的に説明責任を果たし、県民の納得を得られるよう努めるべきだ。

 知事選を巡っては、斎藤氏とともに立候補した政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首がSNSなどを通じ斎藤氏を応援した「2馬力選挙」も公平性の点から問題視されている。石破茂首相は「どう考えてもおかしい」と述べ、法改正などの対応を急ぐ考えを示した。

 今回の捜査結果も踏まえ、国や自治体は知事選を巡る全ての疑問点を詳細に検証し、インターネット時代にふさわしい選挙制度の見直しを図らなければならない。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・02.07】:ネット上の中傷/虚偽の拡散は許されない

2025-02-08 06:00:45 | 【ソーシャルネットワーク(SNS)・生成AI(人工知能)の功罪・有害情報・犯罪

【社説①・02.07】:ネット上の中傷/虚偽の拡散は許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.07】:ネット上の中傷/虚偽の拡散は許されない 

 生きている人はもちろん、亡くなった相手でも、事実無根の情報を発信したり拡散させたりして名誉を傷つければ刑法犯として処罰される可能性がある。交流サイト(SNS)を利用する人は、最低限のルールとしてわきまえねばならない。

 兵庫県の斎藤元彦知事によるパワハラ疑惑などの告発文書について調べる県議会調査特別委員会(百条委員会)で委員を務め、「一身上の都合」を理由に兵庫県議を辞職した竹内英明氏(50)が1月18日、亡くなった。自殺とみられる。

 これに対し、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏は「(竹内氏は)近く逮捕される予定だった」などと動画投稿サイトで発信し、竹内氏の死は自らの不正行為に起因するとの見方を示した。

 ところが、発言はすぐに否定される。県警本部長が「全くの事実無根」と県議会で答弁し「明白な虚偽がSNSで拡散されていることは極めて遺憾」と述べた。警察トップが個別の案件に言及するのは異例で、強い警告と受け止めるべきだ。

 立花氏は答弁を受け、警察に謝罪し動画を削除した。だが、その後も竹内氏について「政治家がちょっと誹謗(ひぼう)中傷されたぐらいで命を絶つんだったら、やめてしまえ」などと発言する動画が拡散されている。

 立花氏は竹内氏の生前から「知事追い落としの黒幕」などと批判し「自宅に行く」と予告した。竹内氏は辞職の際、同僚議員に「家族の生活が脅かされる恐れがある」と話したとされる。議会活動を萎縮させたとすれば由々しき事態だ。

 刑法は他者を傷つける発言に対し名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪を規定するが、従来は表現の自由に配慮し、抑制的に適用されてきた。だがSNSで誹謗中傷が際限なく拡散され、しかも消去が難しい現状は看過できない。

 成城大学の西土彰一郎教授(憲法)は「表現の自由は非常に重要で、刑罰の行使には慎重になるべきだが、一方で強い侮辱的発言がまかり通ると、かえって自由が侵される恐れがある」と指摘する。

 近年は虚偽の発信の自覚がなくても有罪となる判例が出ている。最高裁は2010年、ラーメン店の評判をインターネットでおとしめた加害者が誤った情報を信じたことを「相当の理由がない」と断じた。SNSでの発信も根拠の確認は不可欠だ。

 立花氏の言動に関し、斎藤知事は「誹謗中傷は許されない」と一般論を述べるものの明確な非難は避け続けている。立花氏は知事選で斎藤氏を支援したが、知事は全県民の命を守る立場であることを忘れてはならない。今すぐ不適切な発言をやめるよう強く促すべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.07】:【速報】:福岡県大任町、ごみ処理施設職員を“情実採用”の可能性

2025-02-08 05:15:50 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER・02.07】:【速報】:福岡県大任町、ごみ処理施設職員を“情実採用”の可能性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.07】:【速報】:福岡県大任町、ごみ処理施設職員を“情実採用”の可能性 

 田川市・郡の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」(組合長:永原譲二大任町長)が整備を進めてきたごみ処理施設の運用を巡り、施設建設を委任された大任町が、不適切とみられる会計年度職員の採用を行っていることが分かった。「情実採用」が行われた可能性が高い。

 ■職員採用、関係自治体は蚊帳の外

 大任町で建設中だったごみ処理施設は、今年4月に稼働する予定だ。1日に処理できるごみの量は172トン。これまで郡内3か所にあったごみ処理施設を一か所にまとめる形になるため、施設で働く職員を大幅に増やす必要がある。当初予定では67名必要で、新たに46名補充する計画だった。

 本来、組合で新規採用者を募集すべきだが、なぜか大任町は単独で会計年度職員を募集し、複数回に分けて採用者を決めている。他の自治体は蚊帳の外だ。ただし、この方針は組合の担当課長会議で周知済みだったという。

 この点について大任町総務企画財政課の課長は「うち(大任町)の方が事務委託を受けて建設をしてるので、試運転期間はうちがしないといけないので、試運転期間の雇用の関係で募集しました」と話す。試運転のためだけに何十人もの会計年度職員を雇ったという主張である。

 では、試運転期間後、つまり4月の正式稼働後も、現在までに採用した会計年度職員を継続して雇用するのか?”という質問に対しては「わからない」「それは新組合が判断する」とにべもない。だが、そうなると4月から新設されるごみ処理施設で働く人材の確保ができていないことになる。組合としての職員募集を行っていないからだ。それについても課長は「組合が考えること」と他人事。かつて、大任町が採用した会計年度職員をそのまま組合の職員にスライドさせるという話があったらしいが、課長は知らなかったのかもしれない。いずれにせよ、問題は「募集の方法」ということになる。

 ■実態なき「公募」

 ごみ処理施設の試運転のために集めた会計年度職員は、どのように募集したのか――?確認するため、ハンターは大任町に対し「本年4月に稼働予定のごみ処理施設で働く人材の公募に関する文書」を開示請求した。

 その結果、開示されたのは「―会計年度任用職員を希望する皆様へー 令和6年度大任町会計年度任用職員希望者登録制度のご案内」という5枚の文書。会計年度職員を希望する場合の登録方法などが説明されているが、《ごみ処理施設の試運転のため》という断りはどこにも記されていない。公募の方法も不明だ。

 町の総務企画財政課長に公募方法を尋ねたところ、「役場の前にある掲示板に貼り出した」と言う。デタラメな話である。下が役場の掲示板だが、以前にも報じた通り、とてもまともに掲示物を読める状態ではない。日常的にこの掲示板を見に来る人など皆無に近いだろう。

 町民でさえ縁が薄い掲示板を、田川市や郡内自治体の住民が、わざわざながめにくるはずがない。大任町が会計年度職員を募集するということを、どこの自治体も告知していないのだからなおさらだ。大任町の永原町長は、はじめから自分と関係のある人間ばかりを集めたのではないか――という疑念が生じる。この会計年度職員の募集には裏があると睨んで取材を進めた。

 ■「不都合な真実」次々に判明

 決論を先に述べるが、この会計年度職員の採用過程は極めて不適切。永原氏にとっては不都合な真実が次々と浮かび上がる状況となっている。

・事実上、一部の人間だけに連絡する形で進められた職員採用だった。

・会計年度職員は、すでに一定数採用されており、現在あるごみ処理施設で「研修」まで受けている。

・職員採用の面接には、公職選挙法違反で有罪となり罰金刑を受けた田川市の元課長と永原氏が同席して対応。

・面接冒頭、『誰の紹介か』をまず聞かれる。

・永原氏に近い複数の田川市議会議員及び郡内自治体議員の身内や関係者が少なからず採用されている。

・長年会計年度職員として勤務してきた実務経験豊富な人材が、3月で退職に追いやられる予定となっている。

・永原氏に近い関係者が紹介した人間を、いったん会計年度職員として採用。年度替わりとともに組合の正規職員として雇用する計画がある。

 大任町がやっていることは「公募」とは言えない。「情実」とみられる不適切な職員採用の実態については、次稿でさらに詳しく報じる予定だ。(中願寺純則)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地方自治体・福岡県田川市・郡の8市町村で構成する「田川郡東部環境衛生施設組合」(組合長:永原譲二大任町長)を巡る疑惑】  2025年02月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER・02.05】:西元健福岡県議の関連2団体、経常経費「0」への疑念

2025-02-08 05:15:20 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【HUNTER・02.05】:西元健福岡県議の関連2団体、経常経費「0」への疑念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・02.05】:西元健福岡県議の関連2団体、経常経費「0」への疑念 

 違法ポスターや違法看板を選挙区内に掲示し、公職選挙法違反の疑いが持たれていた西元健福岡県議会議員(築上郡・豊前市選挙区。自民。当選4回)側の政治資金収支を調べたところ、同一住所内の建物の中に3つの自民党支部と西元氏の後援会が入居し、うち二つの団体が事務所家賃を含む経常経費を「0」として報告していることが分かった。

 ■三つの自民支部が同居

 豊前市内にある西元氏の事務所には以下の4団体が入居している。

・自由民主党福岡県豊前市・築上郡第一支部
・自由民主党豊前築上支部
・西元健後援会
・自由民主党福岡県第十一選挙区支部

 「自由民主党福岡県第十一選挙区支部」は、同区を地盤とする前衆議院議員が代表を務める団体。「自由民主党福岡県豊前市・築上郡第一支部」と「自由民主党豊前築上支部」は西元氏が代表だ。「西元健後援会」は同氏の支援団体である。

 各団体の政治資金収支報告書と西元氏が県議会に提出した政務活動費の支出内容を確認していくと、不透明な資金処理の実態が見えてくる。

 ■「実質的活動実態なし」としながら組織対策費支出

 まず、「自由民主党豊前築上支部」と「西元健後援会」の経常経費は、令和4年、令和5年ともに「0」。人件費も光熱水費も、事務所家賃さえも計上されていない。では事務所の家賃や光熱費はどの団体が支払っているのか――西元氏側に確認を求めたところ、次のように回答があった。

・家賃の内の月6万円 ⇒ 政務活動費から3万円、自由民主党福岡県第十一選挙区支部から3万円で按分。

・家賃の内の5万円 ⇒ 自由民主党福岡県第十一選挙区支部が貸主に直接支払い。

・ガソリン代、通信運搬費、茶菓代、備品購入費、新聞購読料 ⇒ 政務活動費と自由民主党福岡県豊前市・築上郡第一支部で按分。

・光熱水費 ⇒ 政務活動費と自由民主党福岡県第十一選挙区支部で按分。

 問題の事務所は自由民主党福岡県第十一選挙区支部と共同使用となっているため、家賃についてはこうした支出実態になるという。衆議院の自民党選挙区支部と西元氏が代表を務める自民支部、そして政務調査費という三つの財布で家賃を賄っている形だ。なんとも複雑な関係である。

 次に、西元健後援会と自由民主党豊前築上支部の経常経費が「0」となっていることについての説明はこうだ。

 《自由民主党豊前築上支部、及び、西元健後援会につきましては、所在地を豊前市大字八屋1892‐2松井ビル2階にしておりますが、事務所での実質的な活動実態はなく、郵便物等の受け取りのためだけに事務所所在地としているもので、家賃を計上しておりません》(*質問書への回答。原文のママ)

 豊前築上支部と西元後援会は「実質的な活動実態」がないというのが西元氏側の説明だが、「わかりました」とうなずくわけにはいかない。下は、西元氏側関連3団体の経常経費と「政治活動費」を表にしたもの。豊前築上支部は、令和3年に605,044円を政治活動費の中の組織対策費として支出。同様の形で4年に480,097円を、5年には329,471円を支出していた。当然、活動実態がないという説明には疑義が生じる。しかも、同支部は令和3年に382,850円 4年に125,450円、5年に257,400円の「会費」を集めている。この点も、活動実態がないという説明とは合致しない。

 ■政治活動費、すべて5万円未満で詳細不明

 さらに疑念が持たれるのは、支出実態が不透明な点。西元氏が代表の自由民主党福岡県豊前市・築上郡第一支部と「実質的な活動実績」がないという自由民主党豊前築上支部の両団体は、毎年、組織対策費の名目で約28万円から約94万円あまりを支出している。しかし、いずれの団体も支出先や支出年月日など詳細な記載が必要となる5万円以上のものは皆無。「その他の支出」として総額が記されているだけだ。相手先や使途が分からない政治活動費の合計は、3年間で3,180,533円にも上る。ただちに違法とは言えないが、不透明であることに違いはない。

   問題はまだある。西元氏は、令和5年3月31日告示、4月9日投開票の日程で行われた福岡県議会議員選挙において無投票で4期目の当選を決めた。その選挙では、同年3月4日に「事務所開き」と称して人を集めており、別の自治体の地方議員がネット上に投稿した当日の写真も残っている(*下参照)。

 西元氏の選挙運動費用収支報告書及び領収書(*下の画像)を確認したところ、当該事務所の借り入れ期間は3月3日から4月2日まで(*無投票当選だったため投開票を待たずに選挙事務所を閉めたとみられる)。3日に物件を借り入れ、翌日には大勢の客を呼んで事務所開きを実施したということだ。何の問題もないと思いがちだが、法的には疑念が残る。

 同年3月4日は告示前であるため「選挙運動」はできない。やれるのは「政治活動」であって、後援会か政党支部の活動に限られる。しかし、当該事務所の家賃は「選挙運動費用(立候補準備)」として処理されているのだ(*下の収支報告書参照)。

 つまり、同年3月3日から告示前日の3月30日までの事務所賃料は、西元健後援会の収支にも、自由民主党福岡県豊前市・築上郡第一支部の収支にもカウントされていないということになる。繰り返しになるが、この期間に選挙運動はできない。事務所開から告示までの間、問題の事務所では一体どのような活動を行っていたというのだろうか――?

 ちなみに、西元氏は昨年12月、「事務所開き」を行っている。目的が豊前市長選に向けての地盤固めにあることは明らかだが、事務所開きを含めた同氏の動きが、あくまでも「後援会活動」の一環であることは、公式サイトやSNSでの情報発信元がすべて「西元けん後援会」となっていることからも分かる(*下の画像参照)。すると、令和5年3月の「事務所開き」とその日から告示前日までの動きも、後援会活動の一環だったとみるのが普通だろう。

 この際、もう一つ問題提起しておきたい。西元氏が豊前市長選出馬を表明したのは昨年8月。県議を辞職して背水の陣を敷くものと思っていたが、辞職願は提出されておらず、いまだに議員バッジをつけたままである。税金が原資の県議報酬で市長選に向けた活動を行っている格好だ。西元氏が「矜持」という言葉を知っているなら、政治家として筋を通すべきだろう。

 年をまたいで自民党を揺さぶり続ける「政治とカネ」。裏金や使途不明金が違法性を問われるのはもちろんだが、世間と大きくズレた政治家の姿勢そのものに批判が集まっているのも事実だ。

 訂正(2025年2月5日12時01分)
記事中の「相手先や使途が分からない政治活動費の合計は、3年間で3,180,533円にも上る。」という箇所は誤植のため当初「3,180,5333円」となっておりました。3,180,533円が正確な表記です。
訂正してお詫び申し上げます。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・地方自治体・福岡県議会議員を巡る「政治とカネ」疑惑】  2025年02月05日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①・02.08】:兵庫知事選捜索 SNS戦術の実態解明を急げ

2025-02-08 05:00:55 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①・02.08】:兵庫知事選捜索 SNS戦術の実態解明を急げ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.08】:兵庫知事選捜索 SNS戦術の実態解明を急げ

 SNSを駆使した選挙戦の正当性が問われる事態である。長期化する兵庫県政の混乱を収拾するためにも、疑惑の全容解明が欠かせない。 

 昨年11月の知事選で当選した斎藤元彦知事側から選挙運動の報酬を受けた疑いがあるとして、神戸地検と県警が、PR会社の関係先を公職選挙法違反(被買収)容疑で捜索した。押収資料を調べ、立件の可否を判断する。

 この疑惑では、弁護士と大学教授が昨年、斎藤氏とPR会社の代表を告発していた。捜査当局は、代表側に資料の任意提出を求めたが、十分に応じなかったため、強制捜査に踏み切ったとされる。

 斎藤氏は昨年、パワハラ疑惑などで県議会の不信任決議を受け失職したが、知事選に再出馬した。当初は劣勢と伝えられたが、後半の追い上げで再選を果たした。

 PR会社はSNS向けに斎藤氏の街頭演説を動画撮影し、大きな成果を上げたとされる。選挙運動は無報酬が原則だ。知事側から会社に対価が支払われていたなら会社と斎藤氏の責任は免れまい。

 PR会社の代表は選挙後、「広報全般を任されていた」とネット上に投稿した。一方の斎藤氏は「広報全般を依頼した事実はない」と違法性を否定しているが、詳細については「代理人に任せている」として説明を避けている。

 自身の選挙に疑念が持たれている以上、自ら説明責任を果たすのが政治家としての責務だろう。

 知事選では、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が斎藤氏の当選を目的として出馬し、斎藤氏の応援を展開した。この「2馬力選挙」は選挙の公平性を損ねるとして、国会で法改正に向けた議論が進んでいる。

 斎藤氏のパワハラ疑惑などについては、県議会百条委員会や第三者委員会が調査を続けており、近く報告書がまとまる予定だ。

 昨年3月の内部告発を公益通報として扱わなかった斎藤氏らの対応も焦点となっている。

 百条委の委員だった前県議が死亡する事態も起きた。 誹謗 ひぼう 中傷がSNSで拡散されていた。自殺とみられ、波紋が広がっている。

 様々な課題と疑惑を積み残したまま2期目に入った斎藤県政は、今回の強制捜査によって、さらに混迷を深めそうだ。

 兵庫県政を巡る騒動が起きてから間もなく1年になる。斎藤氏の対応のまずさが、混乱を長期化させている面は否めない。事態の収拾と県政の安定に向け、斎藤氏の指導力が問われている。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②・02.08】:ミャンマー情勢 選挙で軍統治は正当化できぬ

2025-02-08 05:00:50 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②・02.08】:ミャンマー情勢 選挙で軍統治は正当化できぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②・02.08】:ミャンマー情勢 選挙で軍統治は正当化できぬ

 ミャンマーでは内戦が激化し、人道危機の深刻化が止まらない。こんな状況で総選挙を強行しても、民政復帰にはつながらないのではないか。 

 アウン・サン・スー・チー氏が率いていた民主派政権を軍がクーデターで倒してから、4年が経過した。

 軍トップのミン・アウン・フライン最高司令官は、軍が全権を掌握する体制を継続するため、非常事態宣言を延長した。民政への移行を目指して年内に総選挙を実施する、と説明している。

 だが、スー・チー氏は実刑判決を受けて拘束されており、スー・チー氏が率いていた民主派政党も政党資格を奪われた。軍は民主派政党を排除して総選挙を行い、親軍政党を勝利させ、実権を握り続けようとしているのだろう。

 軍による統治を正当化するために選挙を利用しようとしているとの批判は免れない。

 軍は昨年、有権者名簿作成のための国勢調査を行ったが、少数民族や民主派勢力が各地で武装闘争を続けていることなどから、多くの地域で調査できなかった。

 加えて、クーデター後の軍や警察の弾圧で市民ら6200人以上が死亡し、350万人以上が避難生活を強いられている。軍は現在の人口は約5132万人と発表したが、約4割分が推計だ。

 ずさんな調査に基づいて形ばかりの総選挙を行っても、国内外の信頼は得られるはずがない。

 軍が総選挙の実施には「平和と安定」が必要だと言いながら、反軍勢力に対して空爆を繰り返しているのは問題だ。

 反軍勢力は、北東部や西部で軍の現地司令部を陥落させるなど、攻勢を強めている。これに対し、軍は、住宅や学校、病院などを無差別に空爆している。

 岩屋外相が1日、「空爆などの暴力で多くの市民が日々死傷している」として、軍を強く非難する談話を出したのは当然だ。米国や英国、オーストラリアなども同様の共同声明を発表した。

 日本はスー・チー氏らの解放を求め、全ての当事者による対話の実現に協力するとしている。必要な支援をいかに現地に届けるかも課題だ。国連や多国間協議の場で議論を主導せねばならない。

 中国は総選挙実施を支援する姿勢を示し、軍への支持を強めている。ミャンマーからの天然ガスのパイプラインなど経済権益を守ろうとしているのだろうが、まずは軍による暴力を止めることに影響力を行使すべきであろう。

 元稿:読売新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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