【金口木舌・12.13】:落下物多し、米軍機に注意
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.13】:落下物多し、米軍機に注意
雨の夜。高速道路はいつにも増しての渋滞地獄だ。車列の上の掲示板に光る「落下物多し/積荷に注意」の警告に心騒ぐ
▼7年前のきょう、普天間第二小の校庭に米軍ヘリの窓が落ちた。数日前には保育園の屋根に米軍機の部品が落下した。名護市安部にオスプレイが墜落して8年。サトウキビの穂が薄青い空に泳ぐ季節に事故の節目が重なる
▼沖国大米軍ヘリ墜落から20年たったこの夏、学内で開かれたシンポジウムの会場で普天間第二小に落下したのと同規格の8キロほどの窓を触った。硬質で冷たくあんなに重たい物が児童から10メートルしか離れていない場所を目がけていきなり落ちてきたとは
▼事故を受け、校庭などに設置された四つの避難所。子どもはそのコンクリートの箱を、空をどう見ているのだろう。その目の先を、問題続きで一時飛行を止めていた海兵隊のオスプレイが飛んでゆく
▼石破茂首相が国会で「嫌いな言葉」と述べた“親ガチャ”。子は親を選べないという意にならえば沖縄はさしずめ、住民が思い描く空を選べない“空ガチャ”か。「落下物多し/米軍機に注意」。こんな空に誰がした。
元稿:琉球新報社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月13日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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