路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・03.03】:核禁条約会議開幕 結束強め、逆風はね返そう

2025-03-08 07:00:15 | 【核兵器のない世界・核兵器禁止条約・広島、長崎原爆投下による悲惨な悲劇

【社説①・03.03】:核禁条約会議開幕 結束強め、逆風はね返そう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・03.03】:核禁条約会議開幕 結束強め、逆風はね返そう 

 核兵器を全面的に禁じる核兵器禁止条約の3回目の締約国会議がきょう、米ニューヨークの国連本部で開幕し、7日まで開かれる。条約を批准した国・地域は73まで増えたものの、「核なき世界」への逆風が収まる気配はない。

 人類滅亡までの時間を表す終末時計は今年、89秒まで減って、過去最短をまた更新した。日本被団協のノーベル平和賞受賞は、核廃絶を願う人々にとっては朗報だが、裏返せば、核兵器を巡る国際情勢悪化の反映でもある。

 禁止条約に結集した国や非政府組織(NGO)の役割は重い。今回の会議を核兵器廃絶への道を切り開くきっかけにしなければならない。

 逆風は、核超大国ロシアによる3年前のウクライナ侵攻で勢いを増したといえよう。プーチン大統領は武力による国境線の変更を狙って、他国の主権を侵害したばかりか、核兵器の使用をちらつかせた脅しを繰り返している。

 自国の安全を守るため、核兵器が必要だ―。短絡的で危うい核抑止論が、保有国や「核の傘」の下にある国などで広がってしまった。

 中東でも逆風が吹く。核兵器を保有するイスラエルが、周辺国や武装組織と対立し、争いが激化している。パレスチナ自治区ガザでの戦闘では「核爆弾を落とすのも選択肢の一つだ」と言語道断の発言まで閣僚から飛び出した。

 東アジアも、風向きは厳しい。中国は核兵器を含む軍備増強に突き進み、北朝鮮は国際社会の批判を無視してミサイル実験を重ねている。

 世界中のあちこちを見ると、核兵器が使われるリスクがかつてなく高まったと指摘されても仕方のない状況だ。

 核兵器が人間や街に、どれほど悲惨な被害をもたらすのか。身をもって知る被爆国日本は今回も、会議へのオブザーバー参加すら見送った。同じように米国の「核の傘」の下にあるドイツなどは2回とも参加している。被爆国として果たすべき役割を放棄したと言わざるを得ない。

 被団協や、高校生平和大使の代表をはじめ、市民や研究者が日本から会議に駆け付ける。その分、被爆国の政府の不在が一層際立ちそうだ。

 会議では、条約の意義を国際社会に広めつつ、仲間を増やす方策などについて話し合う。「核なき世界」は、人類が生き残るための唯一の道だと改めて確認し、国際社会に発信する必要がある。

 今回は、「国際信託基金」も主要なテーマの一つだ。核実験を含めた核兵器による被害者の援助と、汚染された環境を修復するために必要となる基金だけに、どうやって実現させるか。見通しを示すことが急がれる。

 広島や長崎には、被爆者医療の蓄積がある。たとえ政府がそっぽを向いていても、被爆地として人類に役立つ機会を生かす方法を探りたい。

 核抑止論に依存していたのでは、人類が自滅するリスクは高まりこそすれ、解消にはつながらない。今回の会議を核なき世界を目指して、国際的な結束を強める場とすることが求められる。

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年03月03日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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