【天風録・01.04】:民主主義のアップデート
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・01.04】:民主主義のアップデート
使い捨てプラスチック製品の規制法案を、台湾ではデジタル技術が後押しした。その名は「ジョイン」。政策づくりに市民が参加する仕組みだ。インターネット上で提案や賛否の意見を集約してみせ、大まかな合意の道を探る。段階的な禁止という落としどころを導き出した
▲仕組みを発案したのは、天才的プログラマーで初代デジタル発展相のオードリー・タン氏。年頭に読んだインタビュー本で要諦を知る。安心して意見表明できる場所、次世代を考え共通の価値を見つける議論だという
▲ジョインをコミュニケーションの場へ改良した2016年、くしくも米大統領選でトランプ氏が初当選した。SNSで真偽不明の情報が飛び交い、社会の分断を生む。デジタル技術は民主主義にとって毒にも薬にもなる
▲日本社会はどの道を選ぶのか。昨年の兵庫県知事選はSNSでの誹謗(ひぼう)中傷が、知事の資質を問う声、県民に関わる施策を語る声をかき消した。今年は足元で参院選、広島県知事選がある
▲タン氏の言葉から手間をかけた合意や少数意見を聞くという原点に気付いた。読後まっさらな手帳に、こう記した。「技術は民主主義をアップデート(更新)するために使え」
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2025年01月04日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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