《松尾貴史のちょっと違和感・01.26》:フジテレビ「静止画」記者会見 火に油を注ぐ対応
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《松尾貴史のちょっと違和感・01.26》:フジテレビ「静止画」記者会見 火に油を注ぐ対応
国会の証人喚問はその映像が放映される時に、表情やまばたきの多さ、声の調子、しどろもどろの口調、手指の震え方などで、それを見た人に「この人はウソをついているとしか思えない」と判断されてしまう。よほどの精神力と演技力がないとウソがあからさまに表に出てしまうことが知れ、その後、1988年のリクルート事件から、証人喚問の生中継どころか、喚問中の撮影自体も禁止されてしまう。開始前の静止画を紙芝居のように画面に映し出し、質問や証言の内容をアナウンサーなどによるナレーションで報道するしか許されない。そんな時代が10年も続いた。
だが、汚職事件などさまざまな疑惑の追及で撮影禁止とされるのはどう考えても納得がいかず、国民やマスコミ各社から多くの批判が上がり、撮影自体は再び解禁された。2007年、衆議院特別委員会での証人喚問について、自民党が「静止画にしたい」と要請したが民主党が反対し、撮影・放送された。つまり、動画ではなく静止画にすることは、重大事案を広く知られないようにする意思の表れだと、国民に認識されてしまったのだ。
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元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【松尾貴史のちょっと違和感】 2025年01月26日 02:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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