哀しい物語なのに思い出すとなぜか温かい気持ちになれる舞台。宝塚で他にも書きたいこと、勝手に書けていないと思うことがあるのですがエルベの余韻がとまりません。カールが札束でマルギットの背中を叩くシーン、カールがシュラック家を出て銀橋でアンゼリカと再会するシーン、ヴェロニカの膝の上で泣くシーン、どれもカールの言葉ひとつひとつから魂がこぼれ落ちてくるような、命がけの言葉だったことが忘れられません。出航しようとするフランクフルト号の甲板でカールが歌うラストシーン、カールにはマルギットとフロリアンの声がきこえないし姿もみえない、二人がきていることを知らないまま旅立っていることを知り、カールの微笑みを思い出すとまた一段と余韻が深いです。気がつけば早いもので東京宝塚劇場の千穐楽ライブビューイングまであと一週間となりました。自分、ここまで居場所が見つけられないままとは思ってなかった、車社会の中でペーパードライバーの居場所はないってわかっていなかった、という話はおいておいて・・・。
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第2場 ハンブルクの酒場フロースト-出会い
カール『ビア祭を踊ろうよ
若い体弾ませ
高い空に響かせ
夢のひとときに
ブラボー』
音楽は一旦終わる。
ミリー「次は誰だい」
カール「どうぞ」
カールがマルギットを促す。
マルギット『秋の実り
共に さあ祝いて飲もう 旨酒を
秋の実り
共に さあ祝いて踊ろう』
マルギットはおっかなびっくり歌い出すが、やがて楽しくなる。
全員『ビア祭りを歌おうよ
高い空に響かせ
ビア祭りを踊ろうよ
若い体弾ませ
ビア祭のグラスから
恋の言葉こぼれて
ビア祭の泡のように
恋が心溢れる』
**************
「ル・サンク」の脚本を読めば読むほど、言葉が美しく、説明台詞がなく多くは語られていない言葉の裏からそれぞれの人間像と舞台では描かれていない場面が立ち現れてくる巧さにうなります。読みこむほどに味わい深く、新しい発見があります。言葉の厚みが素晴らしい脚本だと思います。
このマルギットがカールに促されてだんだん元気よく歌っていく場面の、マルギットの声がすごく好きだなあと思い出しています。ブログでは声を伝えられないの残念ですが地声は低めの綺咲愛里さんの、ノッテくる歌声が、技術的には上手くないのかもしれませんが、今まで自分が知らなかった世界との出会いに戸惑いを感じながらもときめきを感じて悦びを抑えきれないマルギットそのものでしかなく心地よかったです。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・タカラヅカ」。開幕を告げる紅ゆずるさんのアナウンス、この声がカールで「ワンス~」が紅さんの声にすごくあっていて現代では有り得ないおとぎ話の世界へと観客は誘われていっているのだと二度目に観劇したとき思いました。舞台の灯りがつくとひとり銀橋に紅さんが立っていて歌う「鴎の歌」、これがまた紅さんの声にすごく合うなあと思いました。1963年初演の作品の言葉は古くさいのに、美しく違和感なく、平成最後の年の舞台に輝きをもって美しく昇華されています。紅カールと紅カール率いる星組のマジックとしか言いようがありません。紅ゆずるさんのタカラジェンヌとしての真髄を最大限に引き出した上田久美子先生の手腕に感服。男役にも娘役にも背中で演技をさせるウエクミマジックの勝利。『金色の砂漠』『星逢一夜』『神々の土地』・・・、魂を揺さぶるような作品を魅せてくれたウエクミ先生ならではの演出。SNSをみていると、今の星組にあわせて新たに加えられたキャラクターもあるようですが全く違和感なく溶け込んでいます。
他にも書きたいことあって、有紗瞳さん演じるマルギットの妹シュザンヌが残酷なまでに切ない役だなあとか、シュラック家の結婚披露のパーティでピアノを弾いていたエドガー役のジェンヌさん、どなたかなと気になったら漣レイラさん。愛里さん、礼真琴さんと同じく本当にピアノを弾いていらっしゃってジェンヌさんってすごい。ショー『エストレージャス』ではソロで素晴らしいダンスを魅せてくれた男役さん。フランクフルト号の水夫たちが魚釣りをしている場面でオケピットに餌をつけてもらっている?魚をつけてもらっている?ようですが一階席だとみえなかったのが残念。花道でわちゃわちゃとしているところは私の席からばっちりみえて、みなさん水夫がお似合いだし、世界観をうまく醸し出しています。水夫と上流階級という二つの世界が舞台に同居しているのに違和感がない。客席降りがある大捜索の場面の最後に、偽カールと偽マルギットが登場するのも、私の席からだと遠くてあまりわからなかったのも残念。あとで英真なおきさんと美稀千種さんとわかり、客席の笑いを誘う間がさすがだあと思いました。
トップコンビの最後のデュエットダンスでカールとマルギットが再会して観客はこの上もなく幸せな気持ちになるので、この二本立ては奇跡の出会い。お芝居では昇華できなかった気持ちがショーで昇華できるのが宝塚の素敵なところ。フロリアンのことも書きたいのになかなかたどりつきません。
『鎌足』のチケット、梅芸の一般発売、本日10時からでした。友の会もぴあも先行抽選で外れたのでトライしてみました。10時1分にはすべて完売。直後にチケット流通センターのサイトをみると600枚以上にチケットが定価の倍以上で売られています。これが転売目的でなくてなんなのか、実効性のない法律なんて無意味や。しかも取引中とか表示されているものもあって、買っちゃだめだよ。一枚でも多く本当に観劇したい人の手に渡りますように・・・。私も観たい。ライブビューイングやってくれないかなあ。
歌劇の殿堂から。
(すでにのせているものとダブっているかもしれません。チャンネルにまとめています。)
ライブビューイングのカメラワーク、台湾公演の時のように星組と作品をよくわかっているであろうカメラマンさんによる映像でありますように。比べちゃいけないけど『CASANOVA』とちがって繊細な繊細な魂の芝居。カメラワークが素晴らしいものでありますように・・・。
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第2場 ハンブルクの酒場フロースト-出会い
カール『ビア祭を踊ろうよ
若い体弾ませ
高い空に響かせ
夢のひとときに
ブラボー』
音楽は一旦終わる。
ミリー「次は誰だい」
カール「どうぞ」
カールがマルギットを促す。
マルギット『秋の実り
共に さあ祝いて飲もう 旨酒を
秋の実り
共に さあ祝いて踊ろう』
マルギットはおっかなびっくり歌い出すが、やがて楽しくなる。
全員『ビア祭りを歌おうよ
高い空に響かせ
ビア祭りを踊ろうよ
若い体弾ませ
ビア祭のグラスから
恋の言葉こぼれて
ビア祭の泡のように
恋が心溢れる』
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「ル・サンク」の脚本を読めば読むほど、言葉が美しく、説明台詞がなく多くは語られていない言葉の裏からそれぞれの人間像と舞台では描かれていない場面が立ち現れてくる巧さにうなります。読みこむほどに味わい深く、新しい発見があります。言葉の厚みが素晴らしい脚本だと思います。
このマルギットがカールに促されてだんだん元気よく歌っていく場面の、マルギットの声がすごく好きだなあと思い出しています。ブログでは声を伝えられないの残念ですが地声は低めの綺咲愛里さんの、ノッテくる歌声が、技術的には上手くないのかもしれませんが、今まで自分が知らなかった世界との出会いに戸惑いを感じながらもときめきを感じて悦びを抑えきれないマルギットそのものでしかなく心地よかったです。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・タカラヅカ」。開幕を告げる紅ゆずるさんのアナウンス、この声がカールで「ワンス~」が紅さんの声にすごくあっていて現代では有り得ないおとぎ話の世界へと観客は誘われていっているのだと二度目に観劇したとき思いました。舞台の灯りがつくとひとり銀橋に紅さんが立っていて歌う「鴎の歌」、これがまた紅さんの声にすごく合うなあと思いました。1963年初演の作品の言葉は古くさいのに、美しく違和感なく、平成最後の年の舞台に輝きをもって美しく昇華されています。紅カールと紅カール率いる星組のマジックとしか言いようがありません。紅ゆずるさんのタカラジェンヌとしての真髄を最大限に引き出した上田久美子先生の手腕に感服。男役にも娘役にも背中で演技をさせるウエクミマジックの勝利。『金色の砂漠』『星逢一夜』『神々の土地』・・・、魂を揺さぶるような作品を魅せてくれたウエクミ先生ならではの演出。SNSをみていると、今の星組にあわせて新たに加えられたキャラクターもあるようですが全く違和感なく溶け込んでいます。
他にも書きたいことあって、有紗瞳さん演じるマルギットの妹シュザンヌが残酷なまでに切ない役だなあとか、シュラック家の結婚披露のパーティでピアノを弾いていたエドガー役のジェンヌさん、どなたかなと気になったら漣レイラさん。愛里さん、礼真琴さんと同じく本当にピアノを弾いていらっしゃってジェンヌさんってすごい。ショー『エストレージャス』ではソロで素晴らしいダンスを魅せてくれた男役さん。フランクフルト号の水夫たちが魚釣りをしている場面でオケピットに餌をつけてもらっている?魚をつけてもらっている?ようですが一階席だとみえなかったのが残念。花道でわちゃわちゃとしているところは私の席からばっちりみえて、みなさん水夫がお似合いだし、世界観をうまく醸し出しています。水夫と上流階級という二つの世界が舞台に同居しているのに違和感がない。客席降りがある大捜索の場面の最後に、偽カールと偽マルギットが登場するのも、私の席からだと遠くてあまりわからなかったのも残念。あとで英真なおきさんと美稀千種さんとわかり、客席の笑いを誘う間がさすがだあと思いました。
トップコンビの最後のデュエットダンスでカールとマルギットが再会して観客はこの上もなく幸せな気持ちになるので、この二本立ては奇跡の出会い。お芝居では昇華できなかった気持ちがショーで昇華できるのが宝塚の素敵なところ。フロリアンのことも書きたいのになかなかたどりつきません。
『鎌足』のチケット、梅芸の一般発売、本日10時からでした。友の会もぴあも先行抽選で外れたのでトライしてみました。10時1分にはすべて完売。直後にチケット流通センターのサイトをみると600枚以上にチケットが定価の倍以上で売られています。これが転売目的でなくてなんなのか、実効性のない法律なんて無意味や。しかも取引中とか表示されているものもあって、買っちゃだめだよ。一枚でも多く本当に観劇したい人の手に渡りますように・・・。私も観たい。ライブビューイングやってくれないかなあ。
歌劇の殿堂から。
(すでにのせているものとダブっているかもしれません。チャンネルにまとめています。)
ライブビューイングのカメラワーク、台湾公演の時のように星組と作品をよくわかっているであろうカメラマンさんによる映像でありますように。比べちゃいけないけど『CASANOVA』とちがって繊細な繊細な魂の芝居。カメラワークが素晴らしいものでありますように・・・。