木を隠すなら森にという言葉通り、オレは些細な悪意の欠片を大きな悪事の陰に隠すのが常だった。
彼女よりも自分の立場の方が上だという思い込みを根拠に、些細な約束の反故を暴力で、小さな悪意を激しい罵倒で隠し続けた結果、時間をおいて育ち続けた悪意は大きな悪事より確実に彼女とオレとの関係に細かく執拗に罅を入れ、やがて完璧に破壊してのけた。
壊れるはずのない関係が終了した時点でようやく自分の馬鹿さ加減に気付いたオレだが、その時には全てが手遅れだった。
今はただ、オレ自身が砕いてしまった二人の時間の破片が事あるごとに突き刺さり、オレを責め苛む。
彼女よりも自分の立場の方が上だという思い込みを根拠に、些細な約束の反故を暴力で、小さな悪意を激しい罵倒で隠し続けた結果、時間をおいて育ち続けた悪意は大きな悪事より確実に彼女とオレとの関係に細かく執拗に罅を入れ、やがて完璧に破壊してのけた。
壊れるはずのない関係が終了した時点でようやく自分の馬鹿さ加減に気付いたオレだが、その時には全てが手遅れだった。
今はただ、オレ自身が砕いてしまった二人の時間の破片が事あるごとに突き刺さり、オレを責め苛む。