スクランブル交差点を進んでいるといきなり激しい耳鳴りと共に視界から色が消え、周囲の風景がざらついた砂の塊に取って代わられる。何事かと立ち止まると耳鳴りの代わりに妙なる歌声が響き渡り、向こうから美しい女が色彩を失わぬ姿で誘いかけてくる。
それでも、俺は何とか携帯ストラップに文字通り「お守り」として吊しておいた退魔の鈴を鳴らして逃げ延びる事が出来た。
世間では悪魔とか妖怪とか呼ばれている「連中」は何処にでもいて常に獲物を狙っているものだが、こんな街中を餌場にしている個体は珍しい。
「……被害が拡大する前に、駆除が必要だな」
鈴を渡してくれた「あいつ」は嫌がるだろうがこれも仕事と割り切って貰おうと思いつつ、俺は携帯の番号を押した。
それでも、俺は何とか携帯ストラップに文字通り「お守り」として吊しておいた退魔の鈴を鳴らして逃げ延びる事が出来た。
世間では悪魔とか妖怪とか呼ばれている「連中」は何処にでもいて常に獲物を狙っているものだが、こんな街中を餌場にしている個体は珍しい。
「……被害が拡大する前に、駆除が必要だな」
鈴を渡してくれた「あいつ」は嫌がるだろうがこれも仕事と割り切って貰おうと思いつつ、俺は携帯の番号を押した。