ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

子守唄

2007-01-13 22:34:13 | Weblog
ある新聞のコラムに、こんな事が書いてあった。

ある国で、新生児に音楽を聞かせる実験をやっている。新生児はモーツアルトとビバルディがお気に入りとの事。

そして、今は亡き越路吹雪さんが友人とパリのレストランで食事をしていた時のエピソード。バイオリンを弾きながら歌ってくれた人が、越路吹雪さんも一曲どうですかと言った。越路吹雪さんはバイオリンを受け取り、裏返して小さく叩きながら日本の子守唄を歌った。

♪おどま盆ぎり盆ぎり 盆から先ゃおらんと 盆が早よくりゃ 早よもどる・・・・

そう、五木の子守唄である。周りの人達は、歌詞はわからなくても思わず涙ぐんだ。

コラム氏は言う。どうせ、新生児に音楽を聞かせるのなら子守唄はどうだろうか。何処の国でも母親は赤ちゃんを抱いて子守唄を歌って育てた。どこの国にもその国の子守唄があるはず。

以前、日本人は他の国の人に比べて、相対的に音痴が多かったそうだ。それは、母親がそれぞれの歌い方で自分の子供に子守唄を歌っていたからではないか、とコラム氏は言う。でも、愛情という旋律はわが子を健やかに育んでくれたはずだと。

子守唄だけでなく、日本にはステキな童謡が沢山ある。昔、日本が貧しかった時、母親は大事な労働者だった。辛い毎日にホッとする時間は、幼子を抱いてお乳を含ませて寝かせる時だけ。そんな時子守唄を歌ったのだろうな。

私も赤ちゃんを寝かせる時に、思わず子守唄や童謡を歌っていたように思う。専業主婦だったので、たっぷりと時間があった。毎日が楽しかった。まだまだ首も据わらないような赤ちゃんを相手に歌ったりお喋りしたり、雨が降ってもお散歩に行ったり。

今のお母さん達は、自分の子供達をひざに乗せてユッタリと子守唄や童謡を歌って聞かせる余裕があるのだろうか。TVもパソコンもCDの音楽も買い物もレストランのお喋りも等々・・・忙しそうだし・・・

父親が病院で亡くなる時、たまたま私が一人になった時に、意識のない父親の手を握り子守唄を歌った。女医さんが「人間は最後まで耳だけは生きているんですよ。だから、話しかけてあげて下さいね」とおっしゃった。85歳だった父。生まれた家は農家の子沢山だった。もちろん、子守唄など歌ってもらった事などなかったのだろうな。昔、貧しい農家の嫁なんて、牛や馬と一緒という時代でもあったのだから。

私も死ぬ時に、娘に子守唄を歌ってもらおうかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする