駅から、家へと歩いていると、どこからともなくキンモクセイの香りが漂って来た。
もう、キンモクセイの季節になったのかと、暑すぎた夏が終わった事に、ちょっと寂しさを感じた。
そして、このキンモクセイの香りは、どうしても大坂時代を思い出す。
下の子が2歳の誕生日を終わり、上の子が年長さんになる3月に引っ越した。
マンションの2階のベランダに出ると、向かいの民家の大きな木が目の前にあった。目の前のその大きな木は丸く刈りこまれ、その根元にその家の犬の 「ゴン」 がいつも寝ていた。
私達のマンションは、同世代の夫婦が多く、同じ年頃の子供達が多かった。マンションの隣と裏のマンションも、同じような子供達が多かった。
毎日、朝から夜まで子供達の走り回り遊ぶ声が途切れなく響いていた。
その子供達の大好きな仲間のゴンは、上に乗られても尻尾を引っぱられても、蹴られても、いつも知らん顔して寝そべっていた。
空き地もあり、ザリガニのいる池もあり、秋にはバッタを取る田んぼもあり、子供達はドラえもんの世界のように遊ぶ所には困らなかった。
そして、秋のある朝、ベランダの戸を明けたら、キンモクセイの濃厚な香りが満ち溢れていた。
目の前の大きな木がキンモクセイだったのだ。キンモクセイって低木だと思っていたので、ビックリした。
そのキンモクセイの季節を7回、経験して東京に転勤して来た。
キンモクセイの香りは、条件反射のように大坂時代にタイムスリップする。
若くて元気一杯だった私達夫婦。今日の遊ぶ事しか考えていなかった子供達。
あれから、何十年もたってしまった。
今から思えば、夢のような、大切な宝石のような毎日だった。
キンモクセイは、楽しかった埋もれていた思い出を浮かび上がらせ、今の寂しさを際立たせる。
もう、キンモクセイの季節になったのかと、暑すぎた夏が終わった事に、ちょっと寂しさを感じた。
そして、このキンモクセイの香りは、どうしても大坂時代を思い出す。
下の子が2歳の誕生日を終わり、上の子が年長さんになる3月に引っ越した。
マンションの2階のベランダに出ると、向かいの民家の大きな木が目の前にあった。目の前のその大きな木は丸く刈りこまれ、その根元にその家の犬の 「ゴン」 がいつも寝ていた。
私達のマンションは、同世代の夫婦が多く、同じ年頃の子供達が多かった。マンションの隣と裏のマンションも、同じような子供達が多かった。
毎日、朝から夜まで子供達の走り回り遊ぶ声が途切れなく響いていた。
その子供達の大好きな仲間のゴンは、上に乗られても尻尾を引っぱられても、蹴られても、いつも知らん顔して寝そべっていた。
空き地もあり、ザリガニのいる池もあり、秋にはバッタを取る田んぼもあり、子供達はドラえもんの世界のように遊ぶ所には困らなかった。
そして、秋のある朝、ベランダの戸を明けたら、キンモクセイの濃厚な香りが満ち溢れていた。
目の前の大きな木がキンモクセイだったのだ。キンモクセイって低木だと思っていたので、ビックリした。
そのキンモクセイの季節を7回、経験して東京に転勤して来た。
キンモクセイの香りは、条件反射のように大坂時代にタイムスリップする。
若くて元気一杯だった私達夫婦。今日の遊ぶ事しか考えていなかった子供達。
あれから、何十年もたってしまった。
今から思えば、夢のような、大切な宝石のような毎日だった。
キンモクセイは、楽しかった埋もれていた思い出を浮かび上がらせ、今の寂しさを際立たせる。