魚沼屋豆腐店
所在地:豊島区南長崎3-2
Photo 2006.2.19
魚沼屋豆腐店 2F戸袋部分
Photo 2006.2.19
昨日も掲載したが、ここには昭和初期建設とおぼしき看板建築が比較的多く残っている。
このお店は1階部分は新しくなっているが、2階はほぼ昔のままで、色あせた青いトタンの雨戸が付いている。洗い出し仕上げの壁面や戸袋などは結構きれいな状態で、江戸風の模様などはおしゃれな感じ。
ちなみに「洗い出し仕上げ」は、細かい石とセメント、石灰を混ぜて練ったものを壁面に塗り、半乾きの状態で、文字通り水洗いすることで、練り材が洗い落とされ、残った砕石によってざらざらした仕上げになるという凝った技法。混ぜる石の色や形、粒の大きさによっていろんな風合いになるという。上記の壁面が二色なのもそのためらしい。
社団法人 日本左官業組合連合会 左官工法の技術紹介
しかしこの技法紹介のページは勉強になるなぁ。実にさまざまな左官工法があるのには驚かされる。洗い出し仕上げなどは手間がかかるので、最近はあまり使われないらしい。しかし、良い状態で残されているのを見ると、改めて昔の建物のつくりの良さに感心させられると共に、昔からの技法を使った建物がもっとあっても良いのにと思う。今、こういう技法を使って建てる人は誰かいないのかなぁ、あ、そういえば石山修武先生が、左官工法を多用して、現代建築である伊豆の長八美術館を作ってたっけ。
味楽百貨店
所在地:豊島区南長崎3-4
Photo 2006.2.19
既に閉店していると思われる店舗。この位のお店が百貨店を名乗っていたのは、昭和30年代ぐらいまでだろうか。確かに「百貨」を扱っていたのだろう。この地域の中では中心的なお店だったのかしら?
→内部にいくつかお店(食材など)があり、まだ一部は営業しているらしい。(2006.03.10追記)
(漂泊のブロガー2:いのうえ様から情報を頂きました。)
篠原テーラー
所在地:豊島区南長崎3-15
Photo 2006.2.19
いつごろ取り付けられたか不明な看板。こんなに古めかしいUCカードの看板は初めて見た。しかし味楽百貨店といい、この看板といい、なんだか時間が停止して凍結保存されたみたいな感じ。
取り残され系商店街は、商業的には不運としか言いようがないのだが、レトロな建物を見て郷愁を覚えるには、実はもってこいの場所。この系統の建物が好きな私などから言わせれば、建物がそのまま残るなんて本当に幸運な巡り合わせだということになる。でも、あまり嬉しそうに見て回ると、地域の方は不快に思うかもしれないので、一人静かにそっと訪ね歩くことにしている。
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