都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

公団阿佐ヶ谷住宅 4

2006-03-12 | 杉並区  

 最後に団地全体の様子を少し。

住宅地内にある団地マップ

 道路や建物配置、広場の取り方など、団地全体のレイアウトがよく考えられていたことがこの地図からもわかる。団地内にはループ状の道路が入り、これを軸にして住棟は東南~西南向きに少しずつ向きを変えて建てられている。

 →阿佐ヶ谷住宅日記というHPの中には、阿佐ヶ谷住宅のマップが掲載されていて、団地の住棟配置の詳細などがよくわかります。

中層棟と中央広場

 3階もしくは4階建ての中層棟は、方々の団地でよく見られるタイプのもので、団地の真ん中あたりに7棟が建っている。手前は団地のほぼ中央にある広場。特に利用目的を限定しないこのような広場があることで、豊かな住宅地環境が得られている。

傾斜屋根テラスハウス棟の一群の中にある広場空間

 西側と北側の街区の中央には紡錘形の広場があり、そこは自動車が入ってこない完全な歩行者空間になっている。また建物群に囲まれることで、部外者が入りにくく、プライベート性が高くなり、子供を安心して遊ばせることができる場所が十分に確保されている。

住棟間の歩行者用通路
住棟間の歩行者用通路

 上記の広場に至る歩行者用の通路は、樹木の間などを抜ける細道。敢えて、飛び石などを使った小さな道とすることで、部外者があまり入らない空間を街区内に確保する配慮がされている。

 阿佐ヶ谷住宅は、前川國男設計の傾斜屋根低層テラスハウスが確かに特徴的だが、それだけではなく、街区内広場やループ状の道路など、全体の配置計画がよく考えられていることが特徴であろう。再開発では大半が中層棟になるようだが、このゆったりした外部空間環境を残しながら、建て替えが行われることが期待される。

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Tokyo Lost Architecture #失われた建物 杉並区  #公営・公団・公社・公立住宅  #広場 
コメント (2)
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