「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     「後期医療」後の新制度は大丈夫なのか?

2010-07-25 04:57:09 | Weblog
75歳以上の後期高齢者医療制度廃止後の新制度の骨格が厚労省から示された。
発表に当たって長妻昭大臣は”もはや失敗は許されない”と言っていたが、その通
りである。が、骨格をみる限り、わが国の医療の現状からみて果たしてこれで大丈
夫なのか気がかりである。これが年寄りのいらぬ心配でなければよいのだが。

新制度の骨格には、肝心の公費負担の割合が明示されていない。現在、直面して
いる最大の問題点は将来さらに進む少子高齢化による医療費増大に対する公費の
抑制である1。不評だった「後期医療」もこれがための制度であった。しかし、新制度
の骨格は、高齢者の大半を占める1,200万人を国民健康保険(国保)に戻し、一部サ
ラリーマンやその扶養家族200万人を被用者保険に加入させるというものだ。これに
よって年齢による区別だと批判があった「後期医療」は解消されたが。

新聞報道によれば、この新制度の骨格は、将来の医療費推計などの詳細なデータ
に基ずくものではないという。もし、そうだとすれば、あまりにも乱暴な骨格である。
新制度の実施は3年先だという。それまで、この世にいるかどうか分からない後期高
齢者が口を出す問題ではないかもしれないが、問題は医療保険の受け口をどこにす
るかという問題ではない。例えば現在の医療費負担現役3割、老人1割(僕は現役な
み3割だが)が妥当なのかどうかという問題まで検討すべきではないだろうか。