「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         平成25年(右傾化) 昭和25年(逆コース)

2013-01-01 07:17:26 | Weblog
平成25年元旦、東京地方は天候にも恵まれ静かに明けた。この1年国民みんなが豊かに平和の裡に暮らせることを祈って初ブログを書いた。皆さん、明けましておめでとうございます。今年も小ブログ、ご愛読のほどお願い申し上げます。

小ブログは毎年元旦にあたって平成と昭和の時代を対比して感想を書いているが、平成もすでに25年になった。小渕恵三官房長官(当時)がテレビの前で”新しい年号を平成とする”と発表してから、もう四分の一世紀である。昨日のように思われるのだが光陰矢の如しである。

旧ろう発足した安倍内閣について”右傾化”を心配する声が国の内外の一部から上がっている。主として安倍内閣の憲法改正と集団自衛権の動きに対する左翼陣営からの声であるが、韓国のマスコミの中には、閣僚の二人が昨年、竹島近くの鬱陵島視察に来たとの理由だけで”右傾化”内閣だとし、18閣僚のうち11人の大臣が”右翼性大臣”だと批判している。実際は同じぐらいの数の閣僚が「日韓議員連盟」に属しているのだが。

昭和25年、僕は大学2年だったが、一番記憶に残っているのは朝鮮戦争の勃発だ。級友の一人S君(後年朝鮮総連の幹部)が”戦争が始まった”と教室の中で興奮した声を上げたのを今でも覚えている。それから数か月、マッカーサー連合軍司令官の一声で「警察予備隊」(現在の自衛隊)が発足、学校のグランドで制服を着た隊員の訓練が始まった。同時に”左”とみなされた人たちが公職から追放された。当時のマスコミはこの現象を「逆コース」と呼び、日本の民主化、非軍事化に逆行する動きだと批判した。しかし、当時の日本は連合軍の占領下にあった。日の丸の掲揚が許されたのは昭和24年であり、君が代が許可になったのは25年11月であった。

平成25年、わが国は主権国家である。昭和25年の日本とは違う。しかし、憲法は依然、占領下に制定されたものである。果たしてこのままでよいのかどうか。検討する時期にきているのではないか。これが「右傾化」の道とは思えない。