「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            関東大震災から18年たった頃

2013-01-18 07:04:44 | Weblog
阪神淡路大震災から18年たった。1995年(平成7年)1月17日地震が発生した時、僕はマレーシアのクアラルンプールのホテルにいた。最初テレビの画面を見た時、日本のどこの都会か判らず不安に思ったことが昨日のように思い出される。あれから、もう18年もの歳月が流れたのだ。

1923年(大正12年)9月1日発生した関東大震災から18年たったのは昭和16年だったが、その当時の日本はどうだったか。小学校5年生であった僕の記憶では、4300ha を消失、10万人以上の犠牲者を出した大災害であったが、すでに一般には過去の出来事と忘れ去られかけていたような気がする。昭和12年に始まった日支事変の戦火が中国大陸に拡大し、やがて米英相手に大東亜戦争が始まった。国民の目は過去の大震災より当面の戦争の事に向けられていた。

当時の事を思い出すと、東京などの都会では空襲に備えて毎月のように防空演習が行われた。防空頭巾をかぶり火叩きをもった家庭の主婦が警防団から駆り出されバケツリレーの訓練をした。街の角々にはコンクリート製の防火水槽が置かれてあった。果たしてこれが実際の空襲の際に役立ったかどうかは不明だが。

昨日テレビでは阪神淡路大震災の際の救援体験が一昨年の東日本大震災の時に如何に役立っているかを例をあげて放送していた。その一つに被災者が足湯で慰められているのがあった。この18年間、平和であったからこそ出来る救援支援だ。関東大震災の時は発生してから僅か8年の昭和6年、満州事変が起きている。そして復興された帝都も昭和20年の空襲で再び破壊されてしまった。