「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

  アルジェリア事件なぜ政府は情報を隠蔽するのか

2013-01-24 07:33:14 | Weblog
アルジェリア人質事件で犠牲になった日本人犠牲者の数は新たに死亡が確認された2人を含め9人となった。9人の中には「日揮」の最高顧問も入っているが、政府は「日揮」側の要請を入れて犠牲者の名前、年齢など一切発表していない。「日揮」側が事件に巻き込まれ犠牲者や遺族を配慮して非公開を政府に申し入れた心情は解るが、政府がこれを受け入れたのは情報隠ぺいに通じるもので理解できない。

過去において、こういった事件が発生した場合、政府は犠牲者の名前を明らかにしてきた。今回のように身元を一切明らかにしないのは異例である。確かに「日揮」側が憂慮するように、事件にあった関係者を公表すると、マスコミの取材合戦にあい犠牲者や遺族が迷惑をこうむることは解る。かってマスコミに籍をおいた者として十分理解でき反省する面もある。

とはいっても、関係者の名前など一切公表しないのは問題である。内閣記者会が菅義偉官房長官に対して名前、年齢などを公表するよう申し入れたのは当然である。政府が犠牲者の中に「日揮」の最高顧問が入っていたのを公表したのかどうか。もし公表していなければ、国民は何故最高顧問が事件にあったかわからず、なぜテロが襲撃したのかも理解できない。もう一つ僕が理解できないのは、犠牲者全員が「日揮」の社員なのかどうかである。「日揮」のプラントで働いていたのであろうが、漏れてくる情報では別会社の派遣社員もいるようだ。

政府が全力を挙げて事件の解明に当たり、政府専用機まで現地に派遣して邦人の救出に当たっている努力は十分理解できるが、一企業に遠慮して情報隠蔽に通じる措置を取ったのは頂けない。