「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         財政危機の目黒区に「天空の庭」など必要か

2012-04-17 06:37:49 | Weblog
任期満了に伴う東京の目黒区の区長選が22日投票で、選挙戦の真っ最中である。が、僕が見る限り一向に盛り上がりを見せていない。実際は財政破綻の区政の舵取りを選ぶ重要な選挙なのだが、何故なのだろうか。一つには選挙委員会の怠慢にある。16日から不在投票ができます、と区報に書いてあるのに選挙公報がまだ配達されてこない。選挙民にとっては誰が立候補しているかさえ判らない。

目黒区は数年前、旧庁舎を売却してかって生保本社だった大きな建物に移転したり、旧都立大学跡地に立派な総合文化施設を造ったりしたことが影響して慢性的な財政赤字に陥っている。それで2010年には役所内に「緊急財政対策本部」を設置して36事業の延期や中止を決定した。その中には区内に住む高齢者がよく利用していた箱根の温泉施設の廃止も入っており、区政にうとい僕でも知っていた。

ところが、先日読売新聞の首都圏版の「23区再考」という3回続きの目黒区特集を見て驚いた。こんな財政危機の目黒区が、今首都高速道路会社が建設中の区内の大橋ジャンクションの屋上に広さ700平方mの回遊式の庭、「天空の庭」を造り、区がこれに13億円も負担するということだ。前から僕も思っていることだが、区民にとって区役所内の立派な茶室とか、都立大学跡地にできた大小二つのホールなど必要ない。維持費だけでも大変だ。

読売新聞の記事によると、財政難による事業見直しの中には老朽校舎の建替えや区道整備も入っているそうだ。世田谷区との区境にある呑川の歩道は世田谷区側は整備されているが、目黒区側はコンクリートむき出し。以前から僕は気になっていたが、やっとその理由がわかった。先日家の近くの私道のマンホールの蓋がゴミ収集車によって壊された。見には来たが、私道は持ち主が修理すべきだと取り合わない。

橋下大阪市長の”鶴の一声”で地方自治のあり方について改めて人々の関心が集まり始めた。好いことだ。貴重な税金を使って「天空の庭」など造ろうとしている区長に一票投じるわけにはいかない。
(写真手前は整備されている世田谷区、先はコンクリートだけの目黒区の区道)

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2 コメント

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自分の為 (chobimame)
2012-04-17 16:36:59
どうも長がつく人は、自分の任期中に形に残る物を作りたがる傾向が強いようです。町を眺める度に「あれは俺が作ったんだと」個人の自己満足の為に税金を使かわれてはまたったものではありません。まったく政治家のレベルの低さを露呈しています。財政とはどんなものか一から勉強してもらいたいです。
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身の周りの政治家も! (kakek)
2012-04-17 17:02:38
chobimame さん
自分の身の周りの区議だの区長など昔は馬鹿にしていましたが、地方での権限が強くなってくると、選挙民もきちんと対応、一票を投じなければと感じてきました。区役所は広すぎて維持費だけでも大変な額です。使い道のないスペースがあるから茶室を作ったりしています。橋下大阪市長の
市役所役人クリーニング政策は正しいと思います。ちなみに再選を狙う目黒区長は民主、公明、社民の推薦です。
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