「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

            お米離れとホームベーカリー

2012-06-06 06:35:07 | Weblog
日本人一世帯当たりのパンの年間購入額が、お米のそれを上回ったという。これは総務省の家計調査で判ったものだが、わが家の場合はどうなのかー。老妻に聞いてみたら、わが家では月に7キロ、3千円ぐらいお米を買っているが、パンは週に2回ほど食パンを買っている程度だから、せいぜい2千円だ。老夫婦と娘3人だけの生活で、あまり参考にならないが、わが家では依然お米のほうが多い。

たしかに日本人のお米離れは、昔に比べれば月とスッポンである。戦時中、僕の友人が作った「二合三勺」という詩がある。”僕らは一日二合三勺の配給米で生きている。大豆や豆粕を炊きこませて一日二回のメシを三回分に増やして、なんとか飢えをしのいでいる”。二合三勺は今風にいうと、約200グラム、月に直すと約6キロである。今の日本人はとうてい一人月6キロのお米は食べてはいない。

戦後すぐの昭和21年から22年頃にかけて自家製の電気パン焼き器が流行した。木箱の中にニクロム線を通し、ジュール熱で粗末なパンを焼く装置だった。当時はお米不足から、お米に代って小麦粉が配給されることが多く庶民の知恵として生まれたものだ。しかし、小麦粉の配給量が少なく、たいていの家は小麦粉のほかにサツマイモの粉などを混ぜてパンにしたものだ。

階下に住む娘一家でも遅ればせながらホームベーカリーを手に入れた。昨日もそれで作ったパンの”おすそ分け”に預かった。なかなかの出来で、市販のものと変わりがない。作る手間閑もそれほどではないらしい。ホームベーカリーがどこまで普及するか判らないが、電気釜にとって変わるような時代がくるのだろうか。食生活が多様化してきている。TPP交渉はもちろん、これを見据えて行うと思うが、難しい時代だ。(写真はおすそ分けのホームベーカリのパン)

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2 コメント

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小麦の生産 (kakek)
2012-06-07 08:07:05
chobimame さん
年寄りっ子だったこともあって僕は甘やかさて育ちました。そのせいもあってか、僕は冷たいご飯は嫌いで、幼稚園の弁当はいつもパンでした。でも成人してからは、ご飯党になり、ホテルのバイキングでは和食を選びます。残念ながら加齢とともに食べる量は少なくなってきました。昔は日本でも麦を生産していましたが、やはり価格的には外国産に負けるのでしょうね。
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手軽さと放射能 (chobimame)
2012-06-06 17:50:14
ホームベーカリーは、この数年空前の大ヒットなのだそうです。じわじわと流行が来ていたのですが、原発事故でのお米や食品の放射能汚染を恐れて、子供のいる家庭でホームベーカリーを買うのだそうです。私の子持ちの知人も全員持っているそうで驚きました。戦時中とは留学違えど、根底には似たような緊迫感があるかもしれません。私はもっぱら朝食はパンです。おかずを作らなくてよい手軽さで時間短縮です。しかしお米より腹持ちが悪いです。子供のいる家庭は、お米にする方が良いと思います。
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