「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

老人は”醜悪なクレーマー”か

2015-06-02 05:32:19 | Weblog
産経新聞のコラム「鈍機翁のため息」(6月Ⅰ日付け首都圏版)の中で、老人のコンビニでの傲慢な態度を扱った動画”醜悪なクレーマー”がインターネットの掲示板サイトで話題になっている、と紹介していた。その書き込みの大半は”老害死ね”といった若者からの老人批判だという。コラムの見出しには”若者の憎惡が限界点に”とあった。

クレーマーとは苦情を意味する和製英語クレーム(claime)から来ていて苦情を言う人を指すものらしい。申し訳ないが、僕のPC技術ではこの掲示板サイトを見ることができなかったが、だいたいなところ、老人の”傲慢な醜悪な”言動が、どんなものだかは想像はつく。超高齢化時代、一概に老人といっても定年を終えたばかりの60歳代から、もう片足、がん箱に突っ込んだような僕みたいな者まで幅広い。

馬齢を重ねるとともにハラが立つことが多くなるものだ。しかし、精神衛生に悪いので出来るだけ、世の中にクレームはつけないようにしているが戦前”長幼序あり”の教育を受けた僕ら後期高齢者にとって、時には腹に据えかねないこともある。先日も杖をつきながら、バスに乗ったが、小学生の女の子を連れた若い女性が優先席を二人で占拠している。さすがに、僕を見て母親は席を譲ったが、子供はそのまま。同伴の老妻には譲ろうとはしない。よせばよいに僕は、孫を諭すように”この席はお年寄りが優先なのよ”と言ってしまった。

若者の老人批判の背景には、”裕福な”老人との間の世代間格差があるという。確かに一部の老人は働かずに,自分たちの給料より多い年金を貰っているように若者の目には映るかもしれない。しかし、僕ら世代の老人たちは、戦後、苦しい安月給の生活の中から、当時としては高額な年金を拠金してきた。数多い老人の中には”醜悪なクレーマー”もいるかもしれないが、これをもって、若者の憎悪が限界点に来た、とするのは、マスコミの行き過ぎだ。

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3 コメント

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どの世代も (chobimame)
2015-06-02 13:14:29
クレーマーは、どの世代にもいます。
それは個人のモラルのレベルにあると思います。
こういう動画をマスコミが取り上げて、一方的な印象操作に繋がるような発言を載せることに、まず記事に良識がありません。
日本は、自由と野放しを履き違えた人が多いので、昔では考えられないようなトラブルが出てきています。
小さな時からの道徳教育が大事だと思います。
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世代間対立よりも (kakek)
2015-06-03 07:28:49
chobimame さん
年寄りの僻みかもしれませんが、マスコミが必要以上に高齢者の年金を問題にしすぎます。しかし、実際に高額を受給しているのは公務員と大手企業の長年勤務したサラリーマンです。先の川崎の簡易宿泊所の事故が証明したように、生活保護の老人も多いのです。世代間の対立を煽るより、どうしたら将来の福祉を考えたらよいかです。
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雇用差別による国民分断の方が世代間対立よりも深刻 (lordyupa)
2015-06-22 19:19:50
マスコミの世代間対立を煽るのは、ブロガーのいわれるように、やめるべきだと思います。どうあれ、老人世代はいずれ死んでいなくなりますが、現役世代の正社員と非正社員との雇用差別は、今後、日本の将来に深刻な事態をひきおこすと思います。

私は左翼や共産党は大嫌いですが、
まず、「同一労働」は「同一処遇(賃金、その他処遇も)」を原則徹底すべきだと思います。

戦前には無かったいわゆる終身雇用(正社員:企業別労働組合)制度は、敗戦後に、たまたま、高度経済成長とピラミッド型人口年齢構成とが合致したために徐々に確立されたのですが、1990年代に冷戦が終結して以来、毎年亢進する円高と加工貿易体制が全面崩壊し、大企業の海外移転(地方での工場閉鎖と新規投資[=新規雇用]は、海外に流出)で、国内の中流雇用は激減し、非正社員雇用が増え続けています。格差という言葉では不十分であり、もはや「雇用差別」に近い状態がコンビニ社員やファストフィードや居酒屋店員の実態ではないかと思います。今後、システムの情報セキュリテイ実務を受け持っているシステム保守のサービス要員も大半が非正社員です。

残念ながら、民主党政権時代も、その後のアベノミクス以降も、非正社員は増えるばかりです。しかもGDPが増えても、非正社員は増え続けて、賃金の低下傾向に歯止めがかかりません。本気で抜本的な対策が必要だと思います。税金の移転で、補助金を非正社員に配っても真の解決にはなりません。人間には労働に対する自信・矜持・成長の心が大切だからです。

大企業・公務員の雇用も、
一括採用と一律の年齢による解雇の終身雇用方式を、通年解雇の通年採用へと移行してはどでしょうか?また、ブロガーのように、人生で職場を数回変更する人々を主体にした労働移動のしやすい雇用制度へと変更した方が良いと思います。もし将来、二十代から七十代まで約五十年間も働く労働習慣が普通になったとしたら、会社の寿命の方が三十年程度で倒産となる事業環境の変化があたり前となるかもしれません。同じ会社や職場で長く働く前提の正社員制度をやめて、全員非正社員となり、同一労働:同一賃金という新たな雇用・解雇のしくみを検討する時期をむかえているように思います。

経済のグローバル化により、新興国労働者によって日本人の中流雇用がうばわれているため、とくに日本の若年労働者の低賃金化が進むという事実をわすれることなく、個人プレーよりも、チームワークの力を生かす新たな国内雇用を産み出す血のにじむような事業創出努力がいると思います。ソフトバンク副社長に165億円も支払うような労働慣行には、断固NOを貫くべきです。米国アップル社のスマホ事業のように、研究開発、設計、本社は米国だが、かんじんの部品製造と組み立ては中国での外注委託企業へ丸投げという、ファブレス企業も日本のチームワーク型雇用とは、適合性は弱いと思います。
製造現場、研究開発、顧客密着対応の「すり合わせ」による絶えざる改善が、競争力の源なるような技術分野が有望だと思います。たとえば、セラミックスや鉄鋼やアルミニウムなどの高級材料製造、高効率石炭火力発電、原子力発電事業などは、日本型チームワーク競争に適した比較優位な分野です。残念ながら、パナソニックやシャープが近畿圏の大阪湾岸に投資した合計一兆円規模の事業(プラズマTV、液晶TV、太陽光発電パネル等)は失敗におわりましたが、これらに懲りずに、敗因を冷徹に分析し反省して、国内雇用増大のための再挑戦を期待します。
中小企業の育成のためには、ドイツのマイスター制度のような職業訓練制度の確立にも注力すべきだと思います。勉強が本心は嫌いな若者に、全員、大学に通学させることは害悪をもたらすように思います。大学をでなくても、幸福な社会人となれる人生コースも社会は準備すべきだと思います。
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