「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

「平和憲法」が施行された時代

2015-05-03 05:35:51 | Weblog
今日5月3日は国民の祝日「国民記念日」である。昭和23年制定の祝日法によれば”日本国憲法(22年5月3日施行)を記念して、国の成長を期する”ことを趣旨とした祝日である。今年で68回目だが、今年もこの憲法改正を巡って国民の意見が割れている。"国の成長を期して”制定された憲法ではなかったのかー。成長に反するのであれば改正しなければならないし、やはり決着をつける時にきているように思えるのだが。

朝日新聞が最近行った郵送によるアンケート調査によると、憲法改正不要が48パーセント、必要が43パーセントで、ほぼ意見は半ばしている。1980年代の中曽根内閣時代には改正反対が大きく上回っていたそうだから、国民の考え方も変わってきた。そんな中で安倍内閣が憲法改正の布石ともいえる集団的自衛権行使について閣議決定し、国会で採決する運びになっている。僕は流れとしては、それでよいと思っている。

新憲法が施行された時、僕は旧制中学5年(高校2年)だったが、戦争放棄を規定した、画期的な「平和憲法」に誇りを持った。敗戦から2年、世の中あげて平和への願望が強かった。原爆被災の広島、長崎をはじめ戦災を受けた街の公園や通りの名前には「平和」がつけられ、煙草の名前まで「ピース」(平和)、学校名まで「平和」がつけられた。

憲法改正反対論者の中には、改正によってわが国が再び戦争への道を歩み出し、徴兵制になるのではないかと心配している。しかし、あの悲惨な戦争を体験している日本人はそんなに愚かではないと僕は思っている。戦後70年、時代が変化し”国の成長に期する”と思った中にも、そうではなくなってきたものもある。今日も各地で改正の是非をめぐって”実のない”集会が開かれるが、あまり意味がない。

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4 コメント

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同感 (chobimame)
2015-05-03 10:40:00
私もそう思います。
日本の憲法は、平和憲法として素晴らしいものですが、今の時代と照らし合わせる時期にきています。
戦争だ、徴兵だと騒いでいる人もいますが、進んで戦争をしようという憲法を作る人は居ないと思います。
平和の意味も含めて考える良い機会です。
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時代に即したものに (kakek)
2015-05-03 16:20:39
chobimame さん
途上国の研修員に対して自衛隊を説明するのに英語で”self defence army"といいますが、彼らはなかなか理解できません。日本人同士でも、自衛隊がなんだか憲法との関係で説明できないです。つまり、憲法の規定が時代に即さなくなってきているのは事実です。改正すべきは改正したほうがよいです。さもないと、せっかくの憲法がうすっぺらに感じるようになります。
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北朝鮮による拉致 (lordyupa)
2015-05-04 17:23:31
①戦争とは何か?
②戦力とは何か?
③自衛とは何か?
国連憲章や国際法もふまえて、武力行使の態様変化も考慮して、明確にする必要があると思います。

石原莞爾の唱えた「最終戦争の預言」どおり、核兵器の抑止力が圧倒的な威力を占めているため、戦後は、ゲリラ、スパイ、ハッカー攻撃、テロなど『戦争』の様式が、日本の憲法が想定している、国民国家を大前提とした、国家が互いに宣戦布告して、開戦する様式の大規模武力紛争は、むしろ例外的となってきた。内戦型の武力衝突が急増しているように感じます。

例えば、敗戦後日本も戦争状態があったのではないでしょうか?・・・北朝鮮の軍事工作員が日本領土に勝手に侵略し、日本人を拉致した行為は、北朝鮮による、日本国家(日本国民)に対する宣戦布告なき侵略戦争の一形態ではないのかと思います。もし、キューバ軍の工作員が、米国フロリダ州に進入して、米国国民を拉致したら、何が起こるのでしょうか?

日系企業や国民が、世界中に活動領域を広げており、自衛する領域も地球規模に広がる時代へと大きく変化しているように思います。

スイスのように、永世武装中立を国是としている国家は、徴兵制が当然ありますが、徴兵制が好戦的国家かどうかとは、全く、別次元の話だと思います。スイスが好戦的とは思えません。万一の戦争に備えることは、国家による地震対策の備えとと同じだと思います。

米国も、徴兵制に依拠せずに、志願兵制度と各国民間傭兵・軍事産業との組み合わせで、ここ数十年のあいだ、戦後世界中で戦争を繰り返してきました。

中国人民解放軍も、実質、志願兵制度に近い選抜状態で新兵を募集していると思いますが、軍事費の異様な増強のもと、海洋進出と強兵大国を目指していますから、
・・・「徴兵制の有無」と「戦争を起こすこと」とに、ほとんど何の相関があると思いません。


ブロガーの言われる通り、憲法解釈ではなく、憲法を現実国際政治の軍事紛争環境に即して、適宜改正すべきだと思います。戦力である自衛隊は違憲だと小学生でも考えているのに、解釈で合憲というのは、あまりにも、憲法軽視もはなはだしいと思います。国家の自衛のための戦力保有は合憲であると条文を追加する必要があると思います。

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国民投票 (kakek)
2015-05-05 18:07:59
lordyupa さん
国の成長を期して成長された憲法です。成長が望まなければ、即応に改正すべきです。ノーベル賞作家、大江健三郎の演説を聞いて、ますます、憲法は改正すべきだと思いました。国民投票を如何にして実施すべきか、具体的な案を論議すべきです。
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