★ 毎週土曜日深夜の「討論」(チャンネル桜)は本日放送がありません。(お知らせまで)
中国の新幹線、メキシコ進出が白紙に
ペニャニエト大統領、中国鉄建の入札を蹴飛ばす
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中国の新幹線海外輸出プロジェクト第一号として注目されたメキシコとの商談は、日本勢、カナダ、欧州勢、合計16社が入り乱れての競争が予測されたが、けっきょく応札したのは中国国有企業の中国鉄建だけだった。
このメキシコ新幹線プロジェクトはメキシコ・シティとケレタロ間210キロを結び、最高時速300キロ。一時間で走る。
中国がいったん受注した額面は44億ドルとされた。
メキシコ側は「応札したのが中国一社だけというのは不透明性への疑惑が生じるので白紙に戻す」としたが、収賄容疑も囁かれる中、しかもAPECで北京にいく直前のペニャニエト大統領が「撤回」を表明したことになる。
他方、中国人民銀行は九月と十月に7000億元の資金供給をしたとされていたが、7日にこれを「上方修正」し、じつは「7695元(邦貨換算14兆5000億円)だった」と発表した。
これは裏付けのない資金供給、つまり銀行救済のための緊急的な「つなぎ融資」である。
中国人民銀行はこの資金供給の論拠を「中期貸出制度」としている。「中期貸出制度」?。とってつけたような理由は、供給直前につくられた新規約が法的根拠。しかも九月に一方的に制定し、利息を3・5%としたのだが、俄か作りの理由付けで、不透明このうえない。
銀行は不良債権の顕在化を目前に最後のあがきというところだろう。
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(明日は休刊です)明日の日曜日、小誌は休刊です
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘ OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴紙第4382号、
「小笠原で珊瑚を密漁する中国漁船団の本当の目的は第二列島線突破だ」について。
宮崎先生の仰言る通りだと思います。私には中国によるもう一つの目的を感じます。近々の問題として、漁船団の目的はAPEC会議に関係していると思っています。つまり安倍総理に対する恫喝です。
日中首脳会談開催では両者には大きな隔たりがあります。中国側は尖閣、靖国を持ち出し、安倍総理を力ずくで抑えようとしています。
しかし安倍総理は無条件による会談を主張しています。中国側の主張を安倍総理に呑ませ、首脳会談を習近平主導で行うための恫喝外交です。これによってAPEC開催国としての中国と習近平の面子は保たれ、東南アジア諸国に対して中国の威信を表示出来ます。
同時に日本の面子を潰し、日本外交の影響力を阻害出来ます。この結果次第では、韓国の事大主義にも影響が出るのではないでしょうか?
(SS生)
(宮崎正弘のコメント)恫喝か、どうかは別として、輻輳した戦術を行使していることは事実でしょう。
しかし中国海軍で、この作戦を主導しているのは呉勝利なので、習近平との間に意思の疎通がうまく行っていないようにも思われます。
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アンディ・チャンのコラム アンディ・チャンのコラム アンディ・チャンのコラム
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アンディ・チャンのコラム
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明らかなのは民主党の敗因は反オバマであるにも拘らずオバマの反省は見られない
APEC会議で中国の習近平はどうオバマに対処するかが見ものである。
[AC通信:No.517 Andy Chang (2014/11/06)
▼[AC論説] No.517 オバマは反省しない
独裁者は反省しない。4日の中間選挙で民主党が大敗した翌日の5日にオバマは記者会見を開いたが、1時間12分の会見でオバマが強調したのは、敗因は他人のせい、彼の政策は間違っていない、譲歩する気配が少しもない(ある記者は1インチの譲歩もないと言った)
だった。上院と下院が共和党多数となっても責任を認めず、謝罪も謙虚さも見られないのである。
記者会見で強調したことは三つ、
(1)国会と協調するが、基本政策と違う場合は拒否権を使う。
(2)私は「法の許す限り大統領命令で政策を実行する」、つまり国会を無視して独裁命令を出す。
(3)選挙の敗因は3分の2の有権者が投票しなかったからだ。
更に強調したのは、彼の移民法案を大統領命令で通す。オバマケアは大成功(?)だ、廃棄するなら拒否権を使う。
ISIS対処はしない。カナダから石油運輸のKeystone Pipelineは許可しない。国政麻痺は彼の責任でなくて国会の責任だ、など。
●3分の2の有権者が投票拒否?
会見の直後にFoxnews のテレビ討論で二人のコメンテーターがオバマの選挙敗因で、3分の2の有権者が投票しなかったから大敗したと二度も述べたことについて、投票しなかった有権者の3分の2はみんなオバマ支持者だと言う理論は通らないと言った。
投票を拒否した有権者全体がオバマの支持者であった、国民の3分の2は今もオバマの支持者であるという理屈はナンセンスである。これはナンセンスだけでなく自己毀損である。
突き詰めて考えてみると、オバマ支持者がみんな投票拒否でオバマと民主党を支持しなかった理由は何か。彼らはオバマ支持をやめたと言うことである。オバマが二度も強調した自己弁護は二つの結果、(1)投票した有権者はオバマ反対で、(2)投票しなかった有権者はオバマ支持を放棄したと言うことになる。
今回の中間選挙で顕著な結果をいくつか挙げる事が出来る。
1.上院の選挙で激戦区といわれたノースカロライナ、アイオワ、コロラド、ジョージア、ウエスト・バージニアなどで共和党が勝利した。アラスカ、ルイジアナは未決だが共和党優勢。バージニアは投票結果を再計算中。
2.共和党多数となるとケンタッキーの上院議員のマッコーネルが議長となる。オバマはケンタッキー州でマッコーネル降ろしに巨額資金をつぎ込んだがマッコーネルが悠々当選した。
3/共和党は白人男性の政党だとデマ宣伝していたが、ユタ州では共和党の黒人女性が当選した。また18歳女性が当選した。
4.民主党優勢の州、フロリダ、マッサーチュセッツ、マリーランド、コロラドなどで共和党が州長となった。
5 オバマが特に敵視し巨額の金をばら撒いた州長選で、テキサス、ウィスコンシン、アーカンソーで共和党が勝利した。
6.全体的ムードは民主党に失望したのでなく、反オバマであった。
●国民の関心は何所にあるか
アンケートで投票者の関心とした問題を調べた。
順序は(1)経済(雇用問題、国民所得の減少、18兆の赤字、国際収支)
(2)健保(オバマケア、エボラ出血熱)
(3)移民問題(違法移民、国境監視と違法入境者、未成年者の違法入境)
(4)外交の衰退(ISIS、中国、ロシア、ウクライナ)
これらは全てオバマ政策の失敗に繋がっている。
中間選挙が終わって次の話題は二年後の大統領選挙となるが、既にヒラリーが話題に上がっている。ヒラリーは今回の選挙で26人を応援したが13人が落選した。またビル・クリントンも各地で応援講演をしたが、民主党の大敗でヒラリーの出馬にマイナスとなった。
しかし別の面では民主党の敗北でヒラリーにプラスとなった点もあると言うコメントもある。
つまりオバマ敗北のあとヒラリーはオバマと上院議長ハリー・リードの悪評から免除されるというのだ。
一般の評論では民主党候補としてヒラリーの呼び声が高く、ほかの候補者は話題にならない。
バイデン副大統領はボンクラで失言癖で有名になり人気がない。しかし共和党多数となった国会ではオバマ罷免が通るかもしれない。
そうすると副大統領バイデンが大統領となり、次期大統領に出馬してヒラリーと候補者争いをすることになる。
興味ある話題だが、まだ深読みする必要はないとも言う。
記者会見でオバマは強気な発言ばかりして、国会と対立を続けて譲歩する気配は見られなかった。
拒否権の行使と大統領命令で国会無視、民主制度の無視、独裁を貫き、民主国家を社会主義国家に捻じ曲げる政策を継続する意志が見られる。
だが実際に拒否権発動や大統領命令を多発する事が出来るかは来年にならないとわからない。
明らかなのは民主党の敗因は反オバマであるにも拘らずオバマの反省は見られないということである。
数日後に開催されるAPEC会議で中国の習近平はどうオバマに対処するかが見ものである。APECに続いて、オバマの権威失墜がどれほどか、ロシアのプーチン、イランの核協議、ISISの攻撃などで明らかになるだろう。
(アンディ・チャン氏は在米評論家。台湾籍)
★ 宮崎氏、そしてアンディ・チャン氏の報道はテレビのニュースでは到底得られない。
ところで先日、久しぶりに私に平山郁夫や横山大観の絵画・漢詩を教えて下さった才女でちょっとした美人の友人と話した。
文学部出身の女性で学ぶところ多く、話していて大変楽しかった。
オペラに関する理解も深い、またお茶の時間でもお会いして、政治や芸術を語り合いたい。
スケジュールの都合でなかなかお会いできないのだが、先日以降、私は昔と同じく下記のことを考えていた。
『北宋の最後の皇帝・徽宗とバイエルン王ルートヴィヒ、そしてイタリアのヴェルディの芸術観の差異』について
ドイツ映画の「ルートヴィヒ」のDVDを借りてきた。明日返却となる一日前の今日、見た。
「ルートヴィヒ」は、ワーグナーのオペラをこの上なく愛し、芸術が国を幸せにし、国を救うと・・・
そして凡庸な夢想家国王ルートヴィヒは、辣腕の政治的な実力もあるマルチ的な天才作曲家ワーグナーに翻弄される。
チャイナの「宋」の時代の芸術至上主義の「徽宗」と共通するものがあり、芸術至上主義であり、結果として国を滅ぼした。
ワーグナーとヴェルディの違いは、ヴェルディはイタリアが他国に侵略される弱き「都市国家」から、「イタリア統一戦線」にと筆を進めたこと。
それは民衆の悲願でもあった・・・。
ワーグナーの芸術にこめた意識は「ナショナリズム」に基づいた美学であったが、悲劇はワーグナーの理解者である国王ルートヴィヒは
まるで宋の「徽宗」であったことだ。
夏に台北国立博物館の出展が東京で開催された時、「宋」の最後の皇帝、徽宗の芸術を見ることができたが・・・。
中国共産党は、その「芸術」伝統文化も破壊してきた。
伝統芸術を破壊するのは「保守」のすべきことではない。大阪の「文楽」を守らねばならないことも思う。
★ アルトゥーロ・トスカニーニの指揮でワーグナー『ローエングリン』第3幕への前奏曲
Lohengrin: Prelude Act III -- Arturo Toscanini/NBC Symph
・・・音楽家も時代を背負っている。トスカニーニの指揮はそれを思わせる気迫がある。