時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。
LEO NUCCI SINGS " MUSICA PROIBITA " レオ・ヌッチが歌うガスタルドン作曲「禁じられた音楽」
昔、レオ・ヌッチが歌うロッシーニ『セヴィリアの理髪師』をはじめて聴いて、ユニークなバリトンと思った。
現在73歳、現役バリバリの名バリトンである。
長らく演奏会には行かなかった、というのは昔の巨匠を数多く聴いてきて、今の音楽界の現状を嘆かずにはいられなかったこともある。
しかし、カップッチッリの後を継ぐレオ・ヌッチが健在ときき、思い切って行くことにした。
入場券は2万円から。しかし、私は運よく「招待券」を頂いた。(このことについては感謝を込めて別の日に書きたい)
プログラムはかなり曲目の変更があった。
ヌッチ得意中の得意、ロッシーニ『セヴィリアの理髪師』からフィガロのアリア「私は町の何でも屋」である。前奏がはじまり、ヌッチは楽屋で「ラレラレーラ」と歌いながら舞台に出てくる。やはり素晴らしい。一曲目から聴衆をノックアウト。お客は立ち上がりブラーヴォの嵐だった。
続いてベッリーニ『テンダのベアトリーチェ』、ヴェルディ『マクベス』、ヴェルディの歌曲2曲、
15分の休憩後、ヴェルディ『二人のフォスカリ』、ロッシーニ『ウイリアム・テル』、
ベッリーニ『清教徒』、ヴェルディ『シチリアの夕べの祈り』、ドニゼッティ『ラ・ファヴォりータ』、の各アリアであった。
お客は大喜びで立ち上がって拍手とブラーヴォ連呼、アンコールがあった。
このアンコール・・・もう驚くほかはない。
プログラム全曲よりも体力と声の輝きが必要なヴェルディのオペラが連続して歌われた。
信じられない、若い歌手でもこんなヘビーな曲目の羅列はしない。
アンコール曲
1、ヴェルディ『ドン・カルロ』~ロドリーゴのアリア二曲
2、ヴェルディ『仮面舞踏会』~汝こそ心を汚す者
3、ジョルダーノ『アンドレア・シェニエ』~祖国の敵!
4、ヴェルディ『リゴレット』~悪魔め鬼め!
5、オーソレミーオ(私の太陽)
6 勿忘草
5と6はよくアンコールで歌われるが、1~4は全盛期の名歌手でもプログラムにこのような
ドラマティック極まるアリアの連続は組まない。
それにレオ・ヌッチは自分の生涯そのもののように、情を込めて歌う。
すべてあのカップッチッリのレパートリーであった。
前奏が響くと「ああ、カップッチッリ・・・」などと思った。
ヌッチの声は自信たっぷりで、ここぞという聴かせどころはすべて「こうですよ」といわんばかりに響かせ、声を伸ばして圧倒した。
73歳にして何という怪物か。
私は昔聴いたカップッチッリの日本でのリサイタルを思った。
病後で声も半減し、それでも歌のスタイルを崩さず、淡々と歌ったことを。
しかし、カップッチッリの歌はヴェルディの魂そのものだった。
「ここが聴かせどころ」ということすらも、意識しなかった。
すべてが痛切な「漢たる国士」の真実の声であり、私は心にそのひとつひとつを刻み込む思いだった。
ヴェルディのオペラで最も主要なパートはバリトンである。
耐え忍び、正義と義に生きる。そして祖国愛。
ヌッチを楽屋に訪問するつもりだったが、そのまま帰宅した。
輝かしく明るい声のヌッチはヴェルディの音楽を豊かに歌う。しかしヴェルディの真の魂を歌うカップッチッリのいぶし銀のようなしみじみとしたもの、音楽でありながら音楽を超えたものを聴いてしまった私は「ああ、カップッチッリ・・・」と。
「聴かせどころ」を決してはずさないヌッチの名人芸、しかしその歌唱に感激しながらも時には醒めた目で見てしまう私。
全身ヴェルディの魂、耐え抜き犠牲をもいとわぬ英雄の役をしみじみと感じさせるカップッチッり・・・。
声はヌッチのほうが明るいし安定感もあるのだったが。
★ ではカップッチッリの歌を。
ヴェルディ『アッティラ』~エツイオのアリア
Piero Cappuccilli: Verdi - Atilla, 'Tregua �・ cogl'Unni... Dagl'immortali vertici'
<youtubeの二分から歌詞大意>
不滅の頂上の 栄光の美しさより いつの日か
祖先の霊よ ああ現れたまえ ほんの一瞬であっても!
そこを越えて勝利の鷲が 世界中を飛び回ったのだ...ああ!
今のローマを 誰が今や見分けることができようか?
カップッチッリが歌うヴェルディのオペラは三宅博先生に・・・(一支持者でありボランティアのベッラより)
★ 習近平、英国にてトイレ前の会談、チャイナのテレビニュースです。
時間太�瀾?習近平訪英 被曝演「廁所外交」
・・・写真中央上の赤い枠内をご覧ください。トイレの表示が衝立に隠れていないのでわかります。
rimrom789さまが昨日のコメントで教えて下さいました。(ありがとうございます)
★ 青山繁晴氏の「インサイトコラム」です。
青山繁晴 インサイトコラム 2015年10月21日
米国と決裂した中国が、英国に接近する事情。チャールス皇太子はウイグル・チベットのことに関わってきたこと。
またイギリスは中国製の原発を購入? 安全性をもかえりみないイギリスって・・・
★ そして宮崎正弘氏のメールマガジンでは・・・
習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
李嘉誠たったひとりの対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた
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訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。
とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。
投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。
2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。
欧州全体に対する中国の投資額は過去十年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。
英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。
ちなみに李嘉誠がなして英国投資を一覧すると、
2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで「02UK」社買収を提案。
これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。
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書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評
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これほど衝撃的な情報が詰め込まれたチャイナレポートは珍しい
市井の「株民」(株式市場参加者)はひとり平均800万円を失った。
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近藤大介『中国経済「1100兆円破綻」の衝撃』(講談社α新書)
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表題にある「1100兆円」という意味は中国が公表しているGDPを日本円に換算した数字である。本書で述べられている概要は、この1100兆円がまるまる失われたという意味ではなく、中国経済の破綻を象徴する意味で筆者は使っている。
それにしても、本書で述べられていることは、すべてが衝撃的であり、これまではこういう話を聞いても眉唾といわれたものだったが、いまの読書界は、中国の公表数字をもはや誰も相手にせず、真実に近い数字、本当の中国経済の姿を知りたいと思うようになった。世の中の変化である。
日本の主流マスコミを見ても、随分と真実に近い報道をするようになったが、見出しは依然として作為的であり、昨今は中国人の「爆買い」ブームが「まだ去っていない」と、一縷の望みをインバウンドの中国人旅行者にかけているかのごとくでもある。
爆買いはいずれ「突然死」することは目に見えている。
中国国内に複数の情報源をもつ、筆者の近藤さんは同時に大連ダボス会議にも毎回出席して取材し、政治局、銀行や企業幹部に突撃インタビューをこなしてきた有数の情報通でもあり、実際に北京にも三年間駐在して経験をもつ。この北京時代、評者(宮崎)は北京へ行くと必ず氏と会って話を聞いたこともあった。
導入部のおもしろさは上海株暴落を、筆者が間近の友人・知己らが受けたショックを目撃したうえでの悲喜劇である。
抽象論ではなく、いかに庶民が大事なへそくりを失ったか、無理して借金して自殺へ追い込まれたかの過程を時系列に再現している。
テレビドラマの家庭崩壊という悲劇を見ているようでもある。
そして、人々がこれを「習近平暴落」と呼び、不況を「習近平不況」と呼び変えている現実を伝えてくれる。すでに「習近平暴落」は六回起こっている。
さらに筆者は習近平の権力闘争の裏面に大きくページを割いて、その背後の人脈と金脈を具体的事件、失脚した幹部と交錯させながら、スリラー小説風に描く。
まして、8月12日におきた「天津大爆発」事故は、江沢民派がしかけて習暗殺のプロットがあったのではないかと強く推測している。じつは評者(宮崎)も、来週に出す新刊『中国のおわりに、いよいよ備え始めた世界』(徳間書店)のなかで、あの天津大爆発は暗殺未遂の可能性が高いことを詳述した。
いずれにしても、本書は日本のマスコミが伝えない中国の裏面をえぐった直近のチャイナレポートである。
★ 「爆買い」という言葉は成金のもつユーモラスな面、そして長くは続かないことの悲劇性を感じさせる。
ひとり800万円の損失などと、冗談ではない。
「群雄割拠」の時がいよいよ・・・歴史は繰り返す。