★ ロシアがシリアをカスピ海から空爆
カスピ海からミサイル発射=シリア攻撃、一気に拡大―ロシア
時事通信 10月7日(水)21時0分配信
【モスクワ時事】ロシアのショイグ国防相は7日、ロシア海軍の4隻が同日朝にカスピ海から巡航ミサイル26発を発射し、シリア領内の過激派組織「イスラム国」の11拠点を攻撃したと明らかにした。
南部ソチで、プーチン大統領に報告する様子を国営テレビが伝えた。
これまでの空爆作戦から軍事行動を一気に拡大させた。
ロシアは9月30日、同組織と戦うアサド政権を支援する名目で、シリア西部ラタキアの空港を拠点に空爆を開始。プーチン大統領は「地上作戦は行わない」と説明しているが、海軍も参戦させたことで、ロシアの「対テロ」作戦は新たな段階に入った。
ショイグ国防相は、ミサイルは約1500キロ離れたカスピ海上から発射され、同組織の拠点を完全に破壊したと説明。「民間人の死傷者はいない」と主張した。プーチン大統領は「軍事産業と部隊の優秀さを示した」と評価した。ミサイルは、シリア作戦で協力するイラン、イラク上空を通過した。
★ 下記は6日の記事(時事通信)
内戦下のシリア、なぜ空爆=ロシア介入の背景と今後
時事通信 10月6日(火)7時30分配信
ロシアがシリアで空爆を開始した。過激派組織「イスラム国」と戦うアサド政権支援が名目だが、旧ソ連圏以外への本格的な軍事介入はアフガニスタン侵攻(1979~89年)以来で、内外で懸念の声も上がる。
―なぜ軍事介入したのか。
シリアはアサド大統領の父親の統治時代から、ソ連の同盟国。
その重要性は、西部タルトゥスに地中海で唯一のロシア海軍基地があることからも分かる。
―ウクライナに続く軍事介入だ。
ロシアのプーチン大統領はシリア内戦に際して「リビアのシナリオを繰り返すな」とこだわる。
自身が首相で外交権限がなかった2011年、ロシアは国連安保理で拒否権を行使せずに欧米のリビア空爆を黙認。
その結果、カダフィ大佐が殺され、むしろ混乱が深まった苦い経験がある。
―欧米の空爆を批判するロシアが空爆している。
旧ソ連のタジキスタン内戦(92~97年)で空爆を実施したが、遠方の中東となると異例だ。
ロシアは欧米のシリア空爆を「アサド政権の同意も安保理決議もなく国際法違反だ」と批判。
一方、自国の空爆は「政権の要請に基づく」と正当化する。
―ロシアは「イスラム国」以外も空爆した疑いがある。
大統領府高官は「イスラム国や過激派組織が対象」と述べ、反体制派などと明確に線引きしておらず、欧米が懸念している。
空爆の真の狙いは、弱体化していたアサド政権への軍事・政治的なてこ入れにありそうだ。
―空爆はいつまで続くのか。
プーチン氏は「一定期間に限る。地上作戦は行わない」と説明。有力議員は「3~4カ月続く」と述べた。アサド政権の発言権を高めた上で、早期の和平協議を模索しているはずだ。ただ、空爆は過激派を壊滅させるどころか「イスラム国」に結集させるリスクも伴う。
―本当に地上作戦の可能性はないのか。
ロシアでは「特殊部隊の投入」説が消えない。チェチェン共和国のカディロフ首長は「私兵を派遣したい」と進言。極秘作戦の可能性はある。ただ、アフガン侵攻の泥沼化の記憶が残るほか、報復テロの恐れもあり、慎重に判断するとみられる。(モスクワ時事)
★ 宮崎正弘氏のメールマガジンより
「ロシアはテロリストを空爆し、米国は病院を空爆した」(プラウダ)
「ロシアはISISより、反アサド勢力を空爆している」(オバマ政権)
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空爆と舌戦が続いている。
ロシアが空爆を開始したため、混乱が生じた。ロシアはテロリストの拠点を攻撃していると言い張りながら、じつは反アサド勢力の拠点を空爆している。この反政府勢力は米軍が軍事訓練をしてきた部隊と言われ、米国はいたく立腹している。
トルコは空爆に加わっているが、やはりISIS拠点ではなくクルド武装勢力の拠点を狙っている。サウジ、カタール、UAEなど湾岸諸国も空爆に加わっているが戦果は不明である。
ロシアは地上部隊を二千名、配備に付けたようで、イランも傘下のヒズボラ戦闘部隊を送り込んでアサド支援に回っている。本格的な地上戦闘が開始される可能性は日々高まっている。
問題はこうだ。
ロシアの狙いはISISの実質的な戦闘部隊司令官のチェチェン人を殲滅することにあり、ISIS全体が攻撃目標ではない。
トルコもISISに紛れているクルドの戦闘部隊殲滅である。中国が、これからどう出るかは不明である。
米国はイラクに精鋭部隊を組織しようとして、数百の規模でイラク人を訓練して最新兵器を供与してきたが、ISISが攻め込んだとき、かれらは武器を放置して逃げた。
マリキ政権が依怙贔屓で、部隊を速成し、訓練も殆どないままだったうえ、部隊幹部は腐敗の極にあった。
兵隊はサダム残党や旧バース党が多く、そんな軍隊にいつまでの付き合っている気はなかった。つまりいかに最新兵器で武装していようとも司令層が腐敗し、逃げ出す構えでは兵隊は闘わない。日清戦争で最新鋭軍艦を装備していても日本に蹴散らされたシナ人と同じである。
いまの中国軍もいざ戦争となれば、すぐに逃げ出すだろう。
反アサド勢力も、米軍の肝入れで訓練しても、残ったのは50名前後、しかも戦闘が始まると米軍が供与した最新兵器を置き去りにして逃げたため、これらはヌスラ宣戦にながれた。
そうした状況下にロシアとイランが地上部隊をいれて、アサドを守ろうと言うのである。風向きは変わった。(以上)
・・・外国のマスコミに載せられたメルケルの若き日(東独にて)
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