北朝鮮の暴挙は断じて許されない 平沼 赳夫
北朝鮮による韓国領・延坪島への砲撃は、平和を希求する国際社会への挑発であり、民間人の殺害というテロ行為は断じて許されるものではない。
このような理不尽な軍事的蛮行によって、他国から譲歩や援助を引き出せるという誤った考えは通用しない。また断じて通用させてはならない。
今後、北朝鮮が国際社会からの制裁措置によって受ける、ありとあらゆる不利益は、全て北朝鮮自身が自ら招いた報いであり、同情の余地の一片もない。
日本国政府は北朝鮮に対して微塵も譲歩の余地なきことを明確にし、断固とした対応をとらねばならない。
同時に有事に際して、国民の生命財産を守り、国際社会との連携において責任ある行動をとるために、集団的自衛権の行使をも視野に含め、即応できる万全の体制を構築する責任を果たさねばならない。
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11月23日午後2時34分ごろ、韓国西方沖にある延坪(ヨンピョン)島付近へ北朝鮮が突然砲撃し、韓国軍兵士2名・住民2名の死亡者を含む21人が死傷する事件が起きました。
午後4時までに双方あわせて200発以上の砲弾が発射され、延坪島では山林火災が起き、住宅にも延焼しました。
この地域では過去にも海上において両軍の衝突がありましたが、市街地に砲撃を行い民間人に死者が発生し陸上施設に被害が出るなど極めて異例な事態となりました。
北朝鮮の核開発問題に関して米国特使が北京訪問の最中に発生した今回の衝突は、当事者・韓国は勿論ですが、日本にも大きな衝撃と影響を与えています。
警戒は必要ですが、現時点で全面戦争に突入する可能性は、高いものではないと思われます。
今回、韓国領内が砲撃され死傷者が出ていても、米国が軍事介入できる状況にはなく、韓国が国連安保理に提訴するかどうかも微妙です。
日本は、中露の動きに十分注意しながら、米・韓との連携をより強化し、共同歩調をとりながら北朝鮮を強く牽制し、事態の沈静化を図るしかありません。
しかしそれが北朝鮮の恫喝に屈した一方的な譲歩や妥協であってはなりません。
北朝鮮は、中国の庇護のもと「核」や「ミサイル」のカードをちらつかせ、或いは哨戒艇撃沈や今回の砲撃のような傍若無人な蛮行を繰り返すだけです。
最悪の不測の事態に備えて、米韓台と真の連携が取れる体制を、国内外においてしっかりと構築しなければなりません。特に情報収集の迅速化と集中、「即応」が必要です。
隣国の安全保障に係る大事件を「報道で知る」など、総理官邸は全く機能していないということにほかなりません。いつまでも「想定の範囲外で困惑」しつつ「慎重に見極めて対応」で済ませてばかりはいられません。
「砲撃」ではなく核や生物兵器を搭載した「ミサイル」だったら、ターゲットが「ソウル」や「台湾」、そして「日本」国内或いは米軍関係施設だったらどうでしょう。初動の遅れがそのまま日本の消滅に繋がることも十分考えられます。
これは単に民主党政権の問題というだけでなく、戦後65年間自国の安全と平和を他国に依存し続けてきたツケであり、日本が早急に取り組まねばならない緊急の課題です。
相手がこちらの期待通りに反応することを前提とした、硬直化した対策を立てていても意味がありません。
政治も外交も常に相手があって止まることなく動き続けています。
現実はゲームのように「セーブ」や「リセット」は出来ません。
為政者の決断は、それだけ重く苦しいもので、他の誰にも責任を転嫁することなど出来ません。
国家の主権や領土、尊厳、国民の生命財産を守るために、命を懸ける覚悟がなければ国会議員の資格はありません。
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