この8月に現地に行ったばかりですが、お盆時に東京国立博物館で開催中の國立故宮博物院展に行ってきました。故宮博物館の名品が日本に来ると知ったときは、小躍りしましたし、特に、目玉中の目玉「翠玉白菜」までもが来日するというのはちょっと信じられない思いで一杯でした。もっとも、白菜は2週間限定公開ということで、私が訪れた時にはすでに公開終了していましたが、公開中は3時間待ちは当たり前という人気ぶりだったようです。私が訪れた日は、見学待ちのようなことはありませんでしたが、お盆ということもあってか混み合ってました。
《翠玉白菜》
「翠玉白菜」はなくとも、各時代の名品を並べた特別展は大変充実したものでした。台北では英語ガイドについていきましたが、この日は日本語のオーディオガイドを借りました。当たり前ですが、日本語の方がしっかり理解できます。ここに展示されているのは、膨大なコレクションの中でもごくごく一部なのでしょうが、これらの品々が日中戦争や中国内戦の火を逃れて、北京・紫禁城から南京や四川省を経て、台湾に渡ったというのは、至宝に対する中国人の情熱と至宝の強い政治的価値の二面を強く感じます。
私は、書や絵を中心に鑑賞しました。書における、一つ一つの文字の美しさと全体の均整には惚れ惚れします。中国の水墨画は見方が良く分からないままいつもぼんやり見ているのですが、独特の世界は、大勢の見学者で一杯の博物館内の喧騒を忘れてしまうほどの静けさに満ち溢れています。
内瓶を回転させると、典雅な金彩が施された外瓶の窓から魚が泳ぐ愛らしい文様がのぞく仕組み」(HPより)になっている「藍地描金粉彩游魚文回転瓶」は、1週間前にも同じもの(?)を台北の故宮で見たのですが、同じものが複数個あるのでしょうか?
《藍地描金粉彩游魚文回転瓶》
何だかんだで、2時間たっぷりかけての鑑賞となりました。東京では9月15日までの開催ですので、未見の方はお早めに。