その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

映画 「オーケストラ!」 / 監督:ラデュ・ミヘイレアニュ

2015-07-26 15:43:07 | 映画


ロンドンでロードショーされていた際に気になっていたのですが、結局見逃してしまったので、DVDを借りての鑑賞です。笑いあり涙ありコメディ・ヒューマンドラマ。クラシック音楽を題材にしてはいるものの、クラシック音楽ファンのための映画というよりは、万人が楽しめるように作られた映画です。2011年のフランス映画。

映画は、旧ソビエトの反ユダヤ主義の運動(戦後35年が経過している1980年にこのような反ユダヤ運動がソ連にあったことは初めて知った)を背景にしているので、かなり真面目でシリアスなのですが、総じていえばコメディ。ハチャメチャな急造オーケストラ楽員たち、ロシア人の交渉術など、笑えるエピソードにあふれています。

ヒロインの女性ヴァイオリニストを演じるメラニー・ロランという女優は初めてでしたが、その美人ぶりには息を呑みました。その彼女が弾く(もちろん吹き替えでしょうが)チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の美しいこと。この映画で新たなクラシックファンが増えたこと間違いないでしょう。

一方で、クラシック音楽ファンにとってはありえんだろうというところも幾つかあります。なんてたって、集まったばかりで、普段は全く楽器を触ってない昔のミュージシャンたちが、リハーサルなしにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲やシュスタコーヴィチの交響曲を演奏会で演奏し、パリの聴衆から大喝采を浴びるなんでまずありえんでしょう。まあ、この辺はご愛敬ということで。

つまらない理屈抜きに楽しめる映画なので、「何も考えたくないけど、ただ笑うだけの映画ではやだ」という時に最適の一本です。



メラニー・ロランさん。綺麗ですよね?


オーケストラ!

Le Concert

監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
脚本:
ラデュ・ミヘイレアニュ
アラン=ミシェル・ブラン
マシュー・ロビンス
製作:アラン・アタル
音楽:アルマン・アマール
撮影:ローラン・ダイヤン
編集:ルドヴィク・トロシュ

キャスト
アンドレイ・フィリポフ: アレクセイ・グシュコブ
アンヌ=マリー・ジャケ: メラニー・ロラン
オリヴィエ・デュプレシス: フランソワ・ベルレアン
ギレーヌ・ドゥ・ラ・リヴィエール ミュウ=ミュウ
サーシャ・グロスマン: ドミトリー・ナザロフ
イヴァン・ガヴリーロフ: ヴァレリー・バリノフ
イリーナ・フィリポヴナ: アンナ・カメンコヴァ
ジャン=ポール・カレル: リオネル・アベランスキ
ヴィクトール・ヴィキッチ: アレクサンドル・コミサロフ
コメント (2)
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