その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

5年前に読んでいれば・・・ 宮下規久朗 『カラヴァッジョ巡礼』 (とんぼの本)

2016-08-11 12:15:19 | 


 今年6月に「カラヴァッジョ展」に出かけ、血気と狂気が迫る絵画の数々に驚愕した。ふんだんに写真や図を交え分かりやすく解説してくれる「トンボの本」シリーズに、カラヴァッジョをテーマにした本書を見つけたので、さっそく図書館で借りてみた。

 カラヴァッジョが荒くれ者で、ローマで殺人を犯し、逃げるようにイタリアを逃げ回っていたことは「カラヴァッジョ展」で知った。本書は、その画家が訪れた地を追いかけ、彼の人生とその土地に残された彼の絵を紹介する。その人生が実に破天荒であったこと、彼の狂気がそのまま絵の中に内包されていることが、伝わってくる。

 ここで紹介されたミラノ、ローマ、ナポリなどの町々は、ロンドン在住中に週末等を使って訪れた町。カラヴァッジョの祭壇画を持つ教会や絵画を所蔵する美術館の横をあっさり通り過ぎていたかをこの本で知ったのは、残念極まりなかった。本書は2010年発刊。発刊当時に、この本を読んでいれば、本書を片手に、より楽しい旅行ができたのに・・・。

 死ぬまでにやることリストに一項目が加わった。

【目次】
聖と俗のはざまで
01 生誕の地ロンバルディア
02 豊穣のローマ
03 南への逃亡
04 シチリア放浪から、死出の旅へ
コメント
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