エッシェンバッハさんの指揮は2011年2月にロンドン・フィルとのマーラー9番を聴いて(@ロンドン)以来の6年ぶりです。相変わらず、禅僧のような近寄りがたい雰囲気が満載ですが、77歳とは思えないが若々しさです。
前半のブラームスの3番、後半の2番を通して、非常に引き締まって、無駄のない筋肉質な演奏でした。エッシェンバッハさんならではのアクセントが効いていて、いわゆる「名曲コンサート」ではないこだわりが印象的。個々のパートの美しさも格別で、交響曲2番でのホルンの香り漂うような調べやオーボエの心温まる音色がうっとりさせてくれます。
聴衆の拍手も盛大で、演奏会後のツィートも絶賛の嵐でした。ただ、水を差すようで申し訳ないのですが、個人的には演奏の素晴らしさは差し置いて、満足度はもう一歩。一つには、振り替えた金曜日夜のコンサートということで、仕事モードを断ち切れておらず集中力不足だったこともあるのですが、前週に聴いた飯守さんの開放的で奔放とした「神々の黄昏」がまだ耳に残っていて、どうもこの日の演奏が、コントロールの利いた作られた音楽に聴こえてしまったからでした。
今回は全くのマイノリティな私でありました・・・
2017年10月20日(金) 7:00pm
NHKホール
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
ブラームス/交響曲 第3番 ヘ長調 作品90
ブラームス/交響曲 第2番 ニ長調 作品73
No.1868 Subscription (Program C)
Friday, October 20, 2017 7:00p.m.
NHK Hall
Christoph Eschenbach, conductor
Brahms / Symphony No.3 F major op.90
Brahms / Symphony No.2 D major op.73