その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

荒木香織 『ラグビー日本代表を変えた「心の鍛え方」』 (講談社+α新書、2016)

2017-12-22 08:00:00 | 



 著者の荒木香織さんはラグビーのワールドカップ・イングランド大会で日本代表チームのメンタルコーチを務めた方。昨年読んだ、エディ・ジョーンズ前監督についての本『ラグビー日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズとの対話』の中でも、荒木さんがいかに重要な役割を果たしたかが紹介されていた。

 本書は、その荒木さんが、日本代表チームでの体験やメンタルの鍛え方について書いた本。昨年、地元の図書館で予約したのだが、一年かかってやっと廻って来た。

 本書の面白さは、学問的な理論と現場での実践を結びつける筆者のスポーツ心理学者としてのプロフェッショナルな仕事ぶりである。有名な五郎丸選手の「ルーティン」も、筆者の解説によると「プレ・パフォーマンス・ルーティン」と言って、「そのパフォーマンスを行うにあたって生じるであろう様々な雑念を取り払い、ルーティンを正確に行うことに集中するためのもの」であり、スポーツ心理学ではルーティンを持っている場合の方が成功率が高いことが実証されているとのことである。

 仕事にも応用できるアドバイスが一杯だ。たとえば、目標設定も(1)結果に対する目標、は大切だが結果はコントロールできないことが多いし、結果だけでは先週も不安になるので(2)(自分自身のパフォーマンス向上に向けた)パフォーマンスに関する目標、(3)(意欲を持ち続けることや集中するための)過程についての目標と3つの段階にわけて設定することが大切と言う。パフォーマンス目標と過程の目標を設定することで、結果がついてくるようになるということらしい。これは、そのまま仕事や日常生活でも使える。

 手軽に読めるし、お勧め。


目次
「ルーティン」はゲン担ぎではない
「平常心」は、いい結果を生まない
「緊張」するから、うまくいく
「成功体験」が足を引っ張る
弱気のときこそ、自分で「決める」
「自信がある人」になる方法
「完全主義」を捨てる
「オリンピックの魔物」の正体
訓練で「思考停止」を身につける
あえて「グレーゾーン」をつくる
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