この間知った大政奉還150周年記念スタンプラリーの2箇所目として、調布市の郷土博物館を訪れた。京王線調布駅の次の駅、京王多摩川駅から歩いて5分弱で、住宅街の一角にある(建物自身も決して大きくないので、ちょっと探し当てるのが大変だった)。この企画に合わせたのか「近藤勇と調布の幕末維新」という企画展をやっていた。
《入口入ると近藤勇の像》
展示そのものはこじんまりとしていて、小学校の一教室の三分の2ぐらいのスペースでの展示だ。ただ、内容はとっても興味深く、調布で生まれ育った新撰組局長近藤勇と幕末維新期の調布が、市内に残された古文書などで紹介されている。目を引いたのは、近藤勇が近藤家に養子に出た際の「養子縁組状」や維新期の「五榜の掲示」など。五榜の掲示を見ていて、維新政府も最初は「キリシタン禁制」だったことなどを思いだした。また、貨幣経済の進展を反映してなのか、調布、府中、三鷹の名士たちの「信用番付」なるものが、相撲の番付風に作られていたのも笑った。
《展示室は小さいですが、興味深い地元史料がいくつも》
こういう展示を観ていると当たり前のことに改めて気づかされる。我々が書籍で読むようなマクロの日本史には、各ローカル、ローカルでのリアルな歴史との相互作用であるとういことだ。お互いがお互いに影響を与え合っているというか、一体のものであるということ。展示規模や内容はいわゆるメジャーな博物館の展示には足元にも及ばないが、こうした郷土の博物館にはこういうところでしかわからないディテールがある。
結局、スタンプラリーの応募期限は今年いっぱいなのだが、スケジュール的に2つしかスタンプは押せそうにない。