その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

BBCプロムス サロネン/フィルハーモニア管/ワーグナー〈ワレキューレ 第一幕〉ほか @ロイヤル・アルバート・ホール

2018-08-16 07:28:58 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)


 3年ぶりにBBCプロムスに参戦。ロイヤルアルバートホールは一部、補修工事のテントが被せてあり、ケンジントンガーデンズ側から見るとちょっと不細工だったが、中の熱気は全く変わってなかった。今回は滅多に来れないイベントなので、奮発してアリーナ席を確保。

 サロネンとフィルハーモニアはちょくちょく来日しているけど、お財布上厳しいのでいつもパス。なので、このコンビを聴くのは6年ぶりである。第2ヴァイオリンの次席に昇格していた(?)フィオーナ嬢とも6年ぶりの「再会」を果たし、大満足。あと、サプライズとしては、ヴィオラの首席にYukiko Oguraさんという日本人奏者が就いておられた。

 プログラムの方は、前半はアントン・ヴェーベルン(ウェーベルン)とマーラー交響曲10番アダージョが、アタッカで演奏された。どちらも、「死」を意識させる暗い音楽。緊張感ほとばしる演奏であったのだけど、丁度、日本の未明の時間帯にあたるためか、強烈な睡魔に襲われ、ダウン。もったいなかった。

 後半はワーグナーの「ワルキューレ」から第1幕。Anja Kampe(アンヤ・カンペ)の透明感のあるソプラノとFranz-Josef Selig(フランツ・ヨーゼフ・ゼーリヒ)の迫力満点の低音が圧倒的。この2人に比べると、Robert Dean Smith(ロバート・ディーン・スミス)はやや弱く聞こえたが、それでも表現力豊かな歌唱はさすが(2015年東京春祭の<ワルキューレ>で同じジークムント役で聞いてますね)。サロネンとフィルハーモニアの演奏はスタンダードなものであった。

 終演後に大きな拍手や口笛で感動を表す聴衆、特に足踏みでカーテンコールを促す平土間席の面々たちによって醸し出される雰囲気はプロムスならでは。庶民的でフランクなこの音楽祭の雰囲気、やっぱ、ええわ~。




Prom 36: Mahler, Wagner and Webern

19:30 Thu 9 Aug 2018 Royal Albert Hall

Programme
Anton Webern: Five Pieces for Orchestra, Op. 10(6 mins)
Gustav Mahler: Symphony No 10 – Adagio(24 mins)
Richard Wagner: Die Walküre – Act 1(66 mins)

Performers
Anja Kampe: Sieglinde
Robert Dean Smith: Siegmund
Franz-Josef Selig: Hunding

Philharmonia Orchestra
Esa‐Pekka Salonen: conductor

Esa-Pekka Salonen and the Philharmonia Orchestra take a journey from the aphoristic brilliance of Webern through the bittersweet beauty of Mahler’s unfinished Tenth Symphony, to Wagner’s expansive music-drama Die Walküre.

コメント (2)
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