その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

「京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-」展 @サントリー美術館

2018-11-04 08:00:00 | 美術展(2012.8~)


昨年来、静かなマイ密教ブーム中。京都の醍醐寺(創建は貞観16年(874))は、秀吉の醍醐の花見ぐらいしか知らず、行ったことも無かったが、本展で真言密教の中でもかなり大事な位置づけにある寺であることを知った。

本展は醍醐寺の宝物を通じて、平安時代から近世にいたる醍醐寺の歴史を追う。仏像、仏画、書、書状が偏らずバランス良く展示されている。会期によって、展示が若干入れ替わるので全てを見れたわけではないが、Webサイトによると国宝36件、重要文化財60件が展示されるので、見るもの見るもの、ほとんどが国宝か重文という印象だ。

どれも凄いのだが、3次元で楽しめる仏像の存在感が好き。会場に入るといきなり展覧会ポスターの顔となっている重要文化財《如意輪観音坐像》が飛び込んでくる。思いのほか小さかったが、膝を立てて物思いに耽る様子が、可愛いと思うのと同時に、人の心を落ち着かせてくれるのが不思議だった。煩悩の塊のような六本木ミッドタウンから、瞑想の場にワープするような感覚を持たされる。そのあたりは計算づくの配置なのだろうか?

国宝《薬師如来および両脇侍像》も迫力満点。像自体2メートルほどの高さがあるにも関わらず台座も私の身長ぐらい高いので、見上げる形になるだが、その落ち着いた優しい表情に癒される。両脇侍像はちょっとセクシー度が足りなかったかな。

会期違いで、俵屋宗達の《扇面散図屛風》(重要文化財)を見られなかったのは残念だった。途中で醍醐寺のマップが掲示してあったが、随分と広い敷地に驚いた。是非、一度訪ねてみよう。会期は11月11日までなので、仏像好きの人は急ぐべし。


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