もう1月が経ってしまいましたが、2月下旬にエゴンシーレ展を訪れました。エゴンシーレを初め、クリムトなど同時代のウィーン分離派の画家の作品も多く、100点を超す充実の展示です。
28歳で早逝したシーレですが、その作品群は実に個性的で、観る者を引き付ける魅力に溢れています。その題材、表現、タッチ、色彩などなど、絵から才能がほとばしっているのが、私のような素人にも感じられます。狂気を感じるところも多々あります。絵の前に立つと、相当の衝撃に襲われ、普段使わない脳の部位が刺激されます。
個人的には<母と子>、<悲しみの女>などの女性像がお好みでした。夫々の表情に内包される感情に考えを寄せ観ていました。過去に見た記憶にない風景画も多数展示されていて、こんな絵も描いていたのだと学びました。
風景画だけは撮影可。《モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV)》エゴン・シーレ、1914年 油彩、黒チョーク/カンヴァス、レオポルド美術館蔵
分離派展のポスターや同時代の画家たちの作品も興味深かった。画家によって個性、画風が異なるのは当たり前なのでしょうが、時代の転換期の不安定さと新しい時代を切り開こうとする意志の微妙なバランス感など、共通した時代の空気を感じました。
非常に力の入った見所満載の企画展であること間違いないです。既に多数の入場者を記録しているところと思いますが、関心はあるがまだ行ってない方には、4月9日までですので、訪問を強くお勧めいたします。