2024年のN響初めは素晴らしい幕開けでした。ソヒエフによるフランスのバレエ音楽で固めたプログラムはとっても楽しみでしたが、公演は期待を更に上回るものでした。
特に感銘を受けたのは、後半1曲目のラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」。前半は出番が無かった管、とりわけ木管陣の美音に震え。全体のアンサンブルも、繊細で、優しい。香り立つような演奏に痺れます。お正月に、明るい新春の陽の光が差し込む暖かい部屋で、お屠蘇でほろ酔い気分に浸っているような気分になって聴きました。
後半2曲目のラヴェルの「ラ・ヴァルス」もお見事。ステージ一杯に広がった大編成のオケが、有機的に反応、呼応します。力任せに爆音を響かせるのとは全く異なる洗練された響きを聴かせてくれたのは、ソヒエフのリードあってのことなのでしょう。
前半のシチェドリン編というカルメン組曲は初体験でした。管無しで弦楽と打楽器だけという編成でしたが、弦の整った美音と打楽器陣の活躍が印象的です。弦楽器中心のためか、とっても柔らかく優しいカルメンに聴こえました。オペラの「カルメン」久しく観劇していないので、また観たいなあ。
9割は埋まっていたと思われる観客席からも万雷の拍手。ソロカーテンコール付きです。ソヒエフさん、来週、再来週もCプロ、Bプロで聴けるので、当分楽しみが続きます。
第2001回 定期公演 Aプログラム
2024年1月14日 (日) 開演 2:00pm
NHKホール
曲目
ビゼー(シチェドリン編)/バレエ音楽「カルメン組曲」
ラヴェル/組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル/バレエ音楽「ラ・ヴァルス」
指揮 : トゥガン・ソヒエフ
Subscription Concerts 2023-2024Program A
No. 2001 Subscription (Program A)
Sunday, January 14, 2024 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]
NHK Hall
Program
Bizet / Shchedrin / Carmen Suite, ballet
Ravel / Ma mère l’Oye, suite (Mother Goose)
Ravel / La valse, ballet
Conductor:Tugan Sokhiev