5、6年前、新国立劇場の演劇で蒼井優さんらが演じるデヴィッド・ヘア作『スカイライト』を観て、大いに感銘受けた。過去に不倫関係にあったと男女のその後から現在に至るまでの時間軸と英国特有の社会階級に関連する価値観軸の2軸が交差する中で交わされる緊張感あふれる会話劇が圧倒的だった。
今回、ナショナル・シアター・ライヴのリバイバル企画として、2014年にロンドンでスティーヴン・ダルドリー演出で上演されたものが上映されるというので迷わず観に行った。さすが、本場モン。ビル・ナイとキャリー・マリガンの会話の中身の濃さと熱演に圧倒される。社会観、人生観のすれ違いと相互の愛が織りなす感情の複雑さ。改めて味わい深い作品だと再認識した。
このリバイバル企画、シェイクスピア作品を初め、観たい作品ばかりなのだが、年末年始の非常に限定された時間に各作品2回ほどしか上映されない。もっと、頻繁に開催して頂けないものか。
上映時間:2時間42分(休憩あり)
演出:スティーヴン・ダルドリー
作:デヴィッド・ヘアー
出演:キャリー・マリガン、ビル・ナイ、マシュー・ビアード