仕事都合で振替で1日目に変更。私にとっては、今年最後の演奏会であり、サントリーホールであり、N響です。
スタートはスメタナの「売られた花嫁」の序曲。このオペラは、以前、亡きビエロフラーベク指揮のBBCSO(演奏会方式)で聴いたことがありますが、この序曲がすべてを表すような陽気で楽しいオペラ。ウオーミングアップどころか、冒頭からエンジン全開で、キレのある演奏を聴かせてくれました。序曲だけではもったいない。そのままオペラに突入してほしい。そんな思いです。
続いては、ネルソン・ゲルナー独奏によるラフマニノフのピアノ協奏曲第3番。丁度、1年前の昨年12月に指揮ルイージ/ピアノ河村尚子で2番を聴いているのですね。ルイージさんにとっては連続性も意識されてるのかしら。
2番に比べると、私が実演に接ししてる機会もずっと少ないので多くは語れないのですが、ゲルナー(一見、年齢不詳な感じ)のピアノは正統派のど真ん中のストレートとでも言うような、奇を衒わない純な音に聴こえました。清らかでとっても瑞々しい。陽が反射して眩しいほどの清流の水面を鮎がピチピチと弾けるように飛び跳ねる印象です。そして、N響も伴奏に徹するというよりは、まさに共創。独奏者との相乗効果が心地よい。とりわけフィナーレの盛り上がりは素晴らしく、悶絶。
後半はムソルグスキーの「展覧会の絵」。N響のポストで知ったのですが、信じられないことにルイージが初めて振る曲とのこと。冒頭の菊本さんのトランペットがホール一杯に鳴り響くと、全曲を通じてN響のメンバーの金管・木管・弦・打楽器の面々の個人技が次から次へと披露されました。ルイージさんの指揮は、とっても劇的ですが、スラブっぽい響きというよりは、純粋にこの楽曲の多彩さ、ラヴェルの編曲の素晴らしさが強く出た作りだったと思います。フィナーレの盛り上がりもまさに大団円で、私の本年最後の演奏会を締めてくれました。
都合で来週のリストの「ファウスト交響曲」を聴けないのはとっても残念ですが、今年も一杯楽しませて貰いました。年明けは、ソヒエフ祭り。期待の演奏会は続きます。
定期公演 2024-2025シーズンBプログラム
第2026回 定期公演 Bプログラム
2024年12月5日(木) 開演 7:00pm [ 開場 6:20pm ]
サントリーホール
曲目
スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
ラフマニノフ/ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30
ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
[アンコール曲]
12/5:ラフマニノフ/リラの花 作品21-5番
ピアノ:ネルソン・ゲルナー
指揮: ファビオ・ルイージ
ピアノ:ネルソン・ゲルナー
Subscription Concerts 2024-2025Program B
No. 2026 Subscription (Program B)
Thursday, December 5, 2024 7:00pm [ Doors Open 6:20pm ]
Suntory Hall
Program
Smetana / The Bartered Bride, opera―Overture
Rakhmaninov / Piano Concerto No. 3 D Minor Op. 30
Mussorgsky / Ravel / Pictures at an Exhibition, suite
[Encore]
December 5: Rakhmaninov / Lilacs, Op. 21-5
piano: Nelson Goerner
Conductor: Fabio Luisi
Piano: Nelson Goerner