フグさんの雑記帳

さいたま市の荒川河川敷を主なフィールドとして四季を綴っていきます。

さいたま築堤の盛土堤防は外来種で彩られています

2011年06月12日 18時27分47秒 | 花の和名
さいたま築堤の盛土した堤防にビロードモウズイカが3株点在していた。茎が直立して高さ1~2mになるが、全体に灰色の毛が密生する怪人のような特異の風貌は、他の大きな草が無い今の季節には特によく目立つ。
明治初年に輸入されたヨーロッパ原産のゴマノハグサ科の越年草で、荒地や撹乱された土地によく生える。


全体にビロードの様な毛が生えている


雄しべ2本は花糸が無毛で小さな3本は白毛が密生する

小さいが花冠の白さと赤い葯が印象的な花があった。見た事がある花の気はしたがどうも思い出せなかった。やっとシャクチリソバと分かったが、普通花の時期は秋だ。今年は梅雨入りがかなり早かったが、これも異変だろうか?
シャクチリソバ(赤地利蕎麦)は薬用植物として中国から昭和初期に導入され1960年代から野生化しているというタデ科の多年草。

ヤナギハナガサによく似ているが一段と色鮮やかな花があった。ダキバアレチハナガサだ。


左の方に茎を抱いているような葉が見えます

花穂の基部から先に向かって4~5個の花が同時に咲き昇り、花穂は果時には3㎝位になるという。葉はヤナギハナガサより幅が広く名の如く茎を抱いている。


花穂がだいぶ伸びています

南アメリカ原産の多年草で昭和10年頃関西沿線で採集されたのが一番古いようだ。

ニゲラ ダマスケナ ”ミスジェキル” 和名はクロタネソウ

2011年06月09日 23時05分36秒 | 花の和名
去年盛土したさいたま築堤の拡幅堤防で妙な花を見つけた。
色といい形といい園芸種と確信し、「新・花と植物百科」でキンポウゲ科のニゲラ ダマスケナ ”ミスジェキル”と分かった。難しい名前だが学名のままだ。和名はクロタネソウとあった。


水色に混じって白花も見えます

ヒョンな事から新牧野日本植物図鑑にも載っているのを知った。「江戸時代末に渡来したヨーロッパ原産の一年草で庭園に植えられている」とあった。こんなに古くから渡来しているのに平凡社の日本の帰化植物にも記載は無い。ほとんど野生化していないという事なのだろう。


ドライフラワーに適とあったが、膨らんだ果実が面白い

花の作りが実にユニークだ。花弁に見えるのは萼片だが、花弁は極端に縮小しているという。5個とあったが見たのは八重で進化したのだろう。雄しべは多数あり、3~10個の緑色の雌しべは基部は合着して膨らみ、柱頭が大きく伸び出している。はじめは雌しべとは信じられなかった。花言葉の「とまどい」「困惑」はいい得て妙だ。


真上から見た花、子房の周囲の小さい線形が花弁?
横から見た花。周囲の線形は細裂した葉

さいたま市の荒川堤と水田の花最高気温が29℃の真夏並みの芒種でしたをUPしました。

果実の季節のハナウドには千客万来です

2011年06月07日 23時02分12秒 | 風物詩
5月中旬には荒川河川敷の耕作放棄地はハナウドの白い花が全盛だったが、今や果実の季節で、小さな軍配形の分果がいっぱいだ。
でも面白いのはメインの茎の先の花序だけが結実し、側生の花序は雄花なので結実しない事だ。
果実は2個の平たい分果が合わさっているからこれだけで一族繁栄には十分なのだろう。


分枝の先の花序は結実していない。円内は分果

小さいが派手な虫が飛んできた。
赤と黒の1㎝くらいの虫だ。アカスジカメムシというカメムシの一種でセリ科植物に集まるという。何でこんな目立つ格好なのか不思議だったが、これは毒虫を偽装し鳥の捕食を免れる為という。それだからかカメムシ共通の悪臭は出さない。

同じような赤黒のテントウ虫がいた。大きさはナナホシテントウと同じだが斑紋が多いナミテントウだ。近くにアマガエルもいた。
そしてその先にはハチが一生懸命巣を作っていた。写真を見ると結構至近距離だ。
面白い幼虫もいたが何かの幼虫かは不明だ。


ナミテンテトウ


左は巣作りに忙しいハチ。右はアマガエル


ドクダミの白い花が目立つ季節です

2011年06月04日 15時10分46秒 | 花の和名
ドクダミが花をつけ始めた。
といっても白い花弁状の4枚は花序を包んでいた総苞片だ。

真中に立つ黄色い花穂が花の集まり。黄色いのは葯で、雄しべ3と白く3裂して見える雌しべで一つの花という。花には花弁も萼もなく雄しべと雌しべだけが密集してつく。


ドクダミの花序のUP

ドクダミは人家近くの半陰地に群生する事が多い。独特の臭気がある為地方によって色々の呼び方がありその数は150にも上るという。匂いの正体はデカノイルアセトアルデヒドで抗菌作用もあるようだ。

ドクダミの名には色々な説があるようだが、毒止めまたは毒矯めが転訛したと言うのが自然のように思える。別名のジュウヤク(十薬)も薬効からだ。

去年八重を見つけた所にまた八重咲きが多く見られる。園芸品種の一つと言うがシンプルなドクダミを見慣れた目には何となく花らしい花に見える。


この花を見ると総苞片も葉が変化した事が分かります