気分転換最終日

　穏やかな日和の、気分転換の三連休だった。
　アパを11時にチェックアウトして、退職した会社のまわりや天満界隈を徘徊。

　定年退職後1年しか経っていないのに、景色は黄昏色のフィルターがかかったようなノスタルジーへと変化していた。
　その景色の中の一員だった頃には気にもしなかった、いろんな些細なことに目が行く。
　もうあの頃には戻れないのだという、やるせない思いが胸を打つ。

　去る者日々に疎しというやつか。

　会社の周辺はオフィス街なので交通量や人影もまばら。
　天神橋筋商店街のほうは、終わりに近づいた松の内をなごり惜しむような人出だ。
　現在の私の心境には会社周辺の静けさや侘しさのほうがマッチしている。
　

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